「持っている地所を有効に活用できていますか?」と聞かれると、意外に活用できていると言い切れる人は少ないのではないでしょうか。
しかし、土地を有効活用しなければ負債を負ったに等しい状況になってしまいます。その理由ですが、一番は「所有しているだけで税金がかかる」ことです。
確かに土地は資産ですが、持っているだけで税金を払い続けなくてはいけません。相続した土地や所有している遊休地をそのままにしておくだけで、気がついたらとんでもない金額の税金を納めていることになります。
もう1つの理由としては全国的に土地の価格が下落傾向にある、ということがあります。バブル期のように、土地を持っているだけで値上がりが見込めるから、放置しておいて時期を見て売却、利益を得ることが難しくなっています。
このような現象があるので土地は有効活用しなければ、持っているだけで資産が減ってしまう恐れがあります。
そこで、土地の有効利用についての情報を集めてみました。
土地活用をすることによるメリット
まず、土地を有効利用すると得られるメリットには、どんなことがあるのかを考えていきます。土地を有効利用する方法によって、得られるメリットは変わってきます。
代表的な土地の有効利用法は要約すると7つあり、それは以下のとおりです。
- 土地を売って現金化する
- 等価交換をする
- 駐車場を経営する
- 定期借地として貸し出す
- アパートやマンションを経営する
- オフィスビルや商業ビルを経営する
- 大規模店舗の賃貸・運営をする
では、項目別に内容を見ていきます。
土地を売って現金化する
土地の有効活用法としては一番簡単な手法です。所有している遊休地をそのままにしていると、固定資産税や都市計画税を払い続けることになり、結局、資産面ではマイナスになってしまいます。
「先祖代々の土地を自分の代で失いたくない」とか、「もうちょっと経てば値が上がる」と考えているうちに、気がついたらとんでもない税金を納めていた、などということになりかねません
土地を売って得られるメリットを要約すると3点になり、それは以下のとおりです・
- 遊休不動産の現金化
- 現金の使い道は自由で資産の組み替えもできる
- 固定資産税と都市計画税を払わなくても良い
こんなメリットがあります。
土地売却の方法
信頼できる不動産業者と媒介契約を締結することが、もっとも効率的です。
自分で買主を探すことも出来るかも知れませんが、考えられる最大の利益を産もうとしたら、やはりプロの不動産業者に任せた方が安心で、しかも高効率です。
また、プロですから、土地の調査・価格査定・営業活動・購買希望者との条件交渉・売買契約などの一切をやってくれます。
等価交換をする
土地の有効活用の中では、最もリスクの少ない方法だといえます。
不動産会社やディベロッパーと契約、所有地所を売却します。その地所に契約した不動産会社やディベロッパーがマンションなどを建てます。売却額と同等の価値の部屋とその分の土地所有権が自分のものになります。
等価交のメリットを要約すると3つで、それは以下のとおりです。
- 資金がなくても建物を建てられる
- 土地所有権付きの住まいを持てる
- 土地所有権付きの賃貸物件を持つことが出来る(安定収入を得られる)
このようなメリットがあります。
等価交換の方法
土地等価交換の物件を探している不動産業者、あるいはディベロッパーを探すことは、やはり信頼できるプロの不動産業者に任せる必要があります。
同時に不動産関係に強い弁護士にも初めからかかわってもらい、すべてを把握してもらって契約内容に齟齬がないかどうかを見てもらう必要があります。もちろん、契約時には立ち会ってもらうことになります。
駐車場を経営する
比較的ローコストで始められる土地の活用法の1つが、駐車場経営です。予算や周辺地域の状況で、駐車場のスタイルは違ってきます。
コストがかからない平面駐車場もあれば、多少コストはかかるけれど高収益を上げられる自走式や機械式の立体駐車場など、スタイルを選べます。
駐車場経営のメリットを要約すると3つで、それは以下のとおりです。
- スタイルによっては少ない資金で始められる
- 将来的に更地に戻しやすい
- 小さい土地面積でも可能
このようなメリットがあります。
駐車場経営の方法
信頼できる地元の不動産業者に話を持ち掛け、どのようなスタイルの駐車場にするのかを決めます。
未舗装の平地、舗装をした平地、自走式、機械式のタワーパーキングなど、スタイルによって駐車場の月額は変わりますから、周辺のニーズがどこにあるのかは不動産業者が把握しています。
スタイルが決まったら、自己資金で足りるのか銀行で融資を受けた方が良いのか、よく検討します。
駐車場の管理・運営は、相談を持ち掛けた不動産業者に任せておけば、労力はいりません。
定期借地として貸し出す
定期借地とは、あらかじめ借地契約の期限を決めておき、契約期限が来たら土地を返還してもらう借地契約の方法です。
事業用は20年、建物譲渡特約付きは30年後に建物を買い取る、一般定期は50年などと3種類の契約方法があります。
定期借地のメリットを要約すると3つで、それは以下のとおりです。
- 定期的に地代が入ってくる
- 立退料などのトラブルがない
- 税金対策になる
このようなメリットがあります。
定期借地の方法
定期借地を求めている不動産業者やディベロッパー、コンビニやファミレスなどのフランチャイザーを探して、契約を締結すればできます。
信頼できる不動産業者に探してもらい、弁護士に入ってもらって最初から契約締結まで、しっかり見てもらいましょう。
アパートやマンションを経営する
人気の高い土地活用方法です。周囲の環境でニーズも違いますし、土地の面積によっても建てられる建築物の規模が変わってきます。
しかし、賃貸住宅の需要は必ずあるので、永続性のある活用方法です。
アパートやマンション経営によるメリットを要約すると3つで、それは以下のとおりです。
- 賃貸住宅の需要は持続する
- 収益性が高い
- 固定資産税と相続税対策になる
このようなメリットがあります。
アパートやマンションを経営する方法
効率的な経営を考えるのでしたら、この分野を専門に扱っている企業に依頼するべきです。
さらに、所有している地所が大規模だったり一等地だったら、コンサルタント業務も兼ねている企業と組むことが必要です。この場合もはり弁護士を立てて、すべてを見ておいてもらう必要があります。
オフィスビルや商業ビルを経営する
オフィスビルは企業のオフィスと会議室用に、商業ビルは物販店や飲食店用に賃貸をします。
住宅用とは違い、いろいろな設備や施設が必要になるため、コスト高にはなりますが高収益を見込めます。
オフィスビルや商業ビルを経営した時のメリットを要約すると4つで、それは以下のとおりです。
- 所得税や相続性対策になる
- 住居に適さない土地でも有効活用できる
- 安定した高収益が期待できる
- 地主の管理負担が少ない
このようなメリットがあります。
オフィスビルや商業ビルを経営する方法
土地の大きさや立地条件によっては大規模なビルではなく、中小規模のビルでも運営可能です。1、2階を物販店や飲食店、3階、4階をオフィスにすることもできます。
大規模なビルを経営しようとした場合、ディベロップメント能力のある企業と組むことがベターな選択です。
いずれの場合も、顧問弁護士が必要です。
大規模店舗の賃貸・運営をする
駐車場付きのショッピングセンターなどを建設して、賃貸をする方法です。土地の大きさによっては、ファミリーレストランや大型のコンビニ店などを運営する方法もあります。
いずれも、幹線道路沿いだと市街地ではなく郊外でも運営は可能ですから、一定以上の集客が見込めます。
大規模店舗の賃貸・運営をした場合のメリットを要約すると3つで、それは以下のとおりです。
- 住居に適さない土地でも有効活用できる
- 安定した高収益が期待できる
- 地主の管理負担が少ない
このようなメリットがあります。
大規模店舗の賃貸・運営をする方法
店舗運営をする場合は、地主自らの資金で建物を建設して、開業します。
賃貸をする場合、地主自らの資金で建物を建設してテントを募集する方法、土地を貸してテナントが建物を建設する方法の2通りが基本です。
他にもいろいろな方法がありますから、やはりこの面に強い不動産業者やディベロップメント能力のある企業と組むことが、効率良く賃貸・運営をするためには必要です。
もちろん、顧問弁護士も必要になります。
土地活用の種類と初期費用
土地活用をしようとした場合、やはり初期費用・初期投資は避けられません。
しかし、活用の種類によって、初期費用・初期投資の金額に大きな違いが出てきます。
ここでは、種類ごとに細かい明細を上げるのではなく、かかる初期費用・初期投資の大きさで種類を分けていきます。
初期費用・初期投資の小さい土地活用方法
初期費用・初期投資の小さい土地活用方法としては、主に以下の4つになります。
- 土地を売却する
- 平地の駐車場を経営する
- 等価交換をする
- 定期借地契約をする
いずれも地主が建造物を建てる必要がない為、初期費用・初期投資が非常に少なくて済みます。
初期費用・初期投資のやや小さい土地活用方法
初期費用・初期投資のやや小さい土地活用方法としては、主に1種類です。
- 低層の機械式駐車場を経営する
2層、あるいは3層の機械を入れる費用だけですから、比較的小さい金額で済みます。
初期費用・初期投資のやや大きい土地活用方法
初期費用・初期投資のやや大きい土地活用方法としては3種類で、それは以下のとおりです。
- 機械式の立体駐車場を経営する
- 自走式の駐車場を経営する
- アパートを経営する
規模にもよりますが、いずれも一千万円以上、物によると数千万円単位で初期費用が掛かります。
初期費用・初期投資の大きい土地活用方法
初期費用・初期投資の大きい土地活用方法としては3種類あって、それは以下のとおりです。
- オフィスビルや商業ビルを経営する
- マンション経営する
- 大規店舗の賃貸や運営をする
建物の規模にもよりますが、いずれのケースでもかなり高額な初期費用・初期投資が必要です。数億円単位、あるいは10億円を超える資金が必要になるケースも珍しくはありません。
人気の駐車場経営って儲かる?
駐車場経営の実態は、「儲かっている人とも結構いる」ということです。当然、失敗する人もいますが、それなりに利益の出やすい土地活用方法だといえます。
有名な女性タレントで、都内に3ヶ所コインパーキングを所有していて、その稼ぎだけでも年間800万円ぐらいあるといいますから、やりよう次第という感じです。
中でも、コインパーキングを経営すると、繁華街などのように駐車スペースのニーズが高くて回転率の良い場所に作ることが出来れば、前出の女性タレントのように、不労所得がたくさん得られます。ただし、大手のコインパーキング業者と組むと、地代しか入ってきません。
また、住宅地に駐車場を作ると、住まいに駐車スペースのない人が結構いますから、これも月極め駐車場の需要はあります。この場合、駐車スペース×月極め代金が月々の収入になります。1ヶ月の駐車場代金は、地域ごとにかなり格差がありますから、大都市ほど収入は良くなります。
大都市の繁華街にタワー式の立体駐車場などを作ると、常駐の管理人が必要になり、人件費がかかります。売り上げは大きいかもしれませんが、人件費や管理費がかかるので、よほど回転率が良くないと上手くいかないケースも出てきます。
駐車場経営が儲かるかどうかは、立地条件と駐車場のスタイルによるということが出来ます。
表面利回りと実質利回りの違い
土地活用や不動産投資でよくいわれていることに、「利回り」があります。
利回りには表面利回り(グロス)と実質利回り(ネット)があります。それぞれ、どう違うのかを見ていきます。
表面利回り(グロス)
表面利回りは、年間の地代や家賃収入の総額を物件価格で割り戻した数字のことです。
表面利回り=年間収入÷物件価格×100で計算した数字です。
要するに年間収入を得るために必要な原価を考えていませんから、物販業などでいう「売り上げ」のような感じです。
実質利回り(ネット)
実質利回りとは、年間の地代や家賃の収入総額から、管理費や固定資産税などの諸経費を差し引いた数字を、物件価格で割り戻した数字です。
実質利回り=(年間収入-諸経費)÷物件価格×100で計算した数字です。
収入を得るために必要な諸経費を差し引いた数字ですから、実質利回りがほぼ正確な利回りといえます。物販業などでいう「利益率」のような数字です。
表面利回りに惑わされないで、実質利回りをしっかり求めて、効率のいい土地活用を考えてください。
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