土地活用で自動販売機や広告看板を設置する方法

土地活用でも最も初期投資費用が少なく簡単に始められるのが自動販売機や広告看板の設置です。その他の土地活用ではどうしても工事等が必要になるため、大掛かりな準備が必要になってきます。また土地転用においても制約が課せられるケースも多いので、一度経営に手を付ければ一定期間の土地転用は難しくなってきます。

しかし、自動販売機や広告看板は土地の一角に設置するだけで撤去も簡単に行えるので、初期投資費用を低く抑えられ、土地の転用性も高いのが大きな特徴です。また、現在他の土地活用と並行して始めることもできるので、副業のさらなる副収入としての期待値も高いでしょう。

そこで今回は自動販売機や広告看板の設置のメリット・デメリットを見ていきながら、この土地活用の収益性を考えていくことにします。

自動販売機や広告看板設置について

自動販売機も広告看板も置くだけで収益が期待できるおすすめの土地活用となりますが、ただ始めれば確実に収益が上がるわけではありません。ビジネスとして始めるには収益が期待できないことには、何の意味もないのでこの点は重要なポイントとなってくるでしょう。

そこで始めるにあたって押さえておいてもらいたいのが、これら2つのメリット・デメリットです。メリット・デメリットを知ることで自分の土地で収益が期待できるビジネスとなるのか、その1つの判断基準となってきます。

自動販売機設置のメリットとデメリット

まずは自動販売機設置のメリット・デメリットを見ていくことにしましょう。

自動販売機設置のメリット

自動販売機の設置で考えられるメリットは下記のとおりです。

  1. 不労収入を得ることができる
  2. 狭いスペースを有効活用できる
  3. 自動販売機の明かりが防犯効果を発揮する
  4. ライフラインの確保ができる

それではこれら各メリットについて簡単に解説していきます。

1. 不労収入を得ることができる

自動販売機は人的労働をほとんど必要としません。設置するだけで24時間365日稼働してくれるので、オーナーは何もしなくても収益を上げることができます。

一本あたりの収入は数十円と微々たるものですが、購入者が見込める下記の条件が揃えば、売れれば売れるほど大きな収益を上げることができるのも大きな魅力です。

  • 住宅地近隣にコンビニ等の小売店がない
  • 通勤や通学で多くの人が通る道
  • 近隣に文教施設があり、学生が多い環境
  • 近隣に公園等のレジャー施設がある
  • 商店街や繁華街に隣接している
  • 近隣に会社や事業所が多い

上記のような条件であれば設置するだけで高い売上も期待できるでしょう。

2. 狭いスペースを有効活用できる

近年は何十台もの自動販売機が並ぶ様子をよく見かけますが、自動販売機設置で一番注目して欲しいのは狭い場所を有効利用して始められるビジネスである点です。

持っている土地全体を利用して始めるビジネスではなく、現状コインパーキング等の土地活用をしており、そこに自動販売機を設置するといったコンビ商法も多く見られます。また店舗の前に自動販売機があれば目を引くことになるので、集客アップも期待できる二次的効果も見逃せません。

小売店等の商売をしている場合には店舗前に自動販売機を設置することで、副収入と本業の収益アップの2つの効果が期待できるというわけです。

3. 自動販売機の明かりが防犯効果を発揮する

いたずらや窃盗は得てして暗がりの方が多く発生します。明るければバレる確率が高いという防衛本能が働くため、いたずらや窃盗の数はぐんと減ります。

4. ライフラインの確保ができる

近年の自動販売機には災害情報の表示や、災害時に商品を無償提供する機能が備わっています。災害はないに越したことはありませんが、もしもの時にはライフラインの確保にできるのも忘れてはならないメリットの1つと言えるでしょう。

自動販売機設置のデメリット

自動販売機の設置で考えられるデメリットは下記のとおりです。

  1. 電気代がかかる
  2. 商品補充や清掃をする必要がある
  3. 売れなかった商品を消費しなければならない
  4. ライフラインの確保ができる

それではこれら各デメリットについて簡単に解説していきます。

1. 電気代がかかる

自動販売機ビジネスは運営会社に丸投げする方法とすべてを自分で行う方法の2つがありますが、どちらの方法を選ぶにしても電気代は基本的にオーナー持ちです。収入は販売収益から電気代を差し引いたものになるので、高い収益が望めない自動販売機ビジネスではデメリットとなってきます。

通常は飲み物1本あたりのマージンが20円、電気代が5,000円といったところですが、近年多くなった節電タイプの自動販売機だと電気代を2,000円程度に抑えることもできます。このデメリットをできるだけ軽減するためにも、設置機種の検討も重要なポイントとなってくるでしょう。

2. 商品補充や清掃をする必要がある

運営会社に丸投げすればオーナーが自ら手を出す必要がありませんが、収入アップを図って自ら運営する場合には、商品補充や自動販売機周りを清掃する必要も出てきます。

売れ行きがいいほどこれら2つには手がかかることになるので、副業として行う場合には大きなデメリットとなってくるでしょう。

3. 売れなかった商品を消費しなければならない

売れなかった商品はオーナー自ら消費しなければならないケースが出てきます。設置オーナーが小売店等の経営をしているならば、そこで安く販売することもできるでしょうが、それ以外であれば処分に困ることにもなりかねません。

この場合には処分できなかった分すべてが負債となるので、大きな収益減となってしまいます。

広告看板のメリットとデメリット

初期投資費用があまりかからず、土地の大きさに影響されないもう1つの土地活用が看板広告です。土地オーナーは土地の上に広角看板を出すことで、その報酬として賃料を得ることができます。

看板広告は費用対効果が高いため、看板広告を出したいと考えている広告主は少なくありません。特に都市部やロードサイドではその需要が高く、広告集客に苦労することがあまりないのも大きな魅力です。

それではその看板広告のメリット・デメリットを見ていくことにしましょう。

広告看板のメリット

広告看板の設置で考えられるメリットは下記のとおりです。

  1. 初期投資費用がかからない
  2. 狭いスペースを有効活用できる
  3. 設置すると長期収益が得られることが多い

それではこれら各メリットについて簡単に解説していきます。

1. 初期投資費用がかからない

広告看板の設置にかかる費用は全て広告主持ちです。土地オーナーは広告看板設置の土地賃料を得るだけなので、最もリスクの低い土地活用とも言えるでしょう。また設置後の販売対策等の収益確保のための煩わしい対応も一切必要ありません。

自動販売機の設置では運営業者を介さず自ら運営に当たる場合、自動販売機の購入代金が必要になるので、この点は自動販売機ビジネスよりもおすすめのポイントとなってきます。

2. 狭いスペースを有効活用できる

広告看板は自動販売機よりも更に狭いスペースに設置ができます。また、設置は何も土地の上ばかりとは限りません。既にマンションやアパートの賃貸経営をしている場合でも、その壁や屋上を利用しての設置もできるので、収入源を増やして賃貸経営を安定させる対策として検討するのもありでしょう。

狭いスペースを有効利用するという点では自動販売機設置よりも、更に大きなメリットを生み出すことになります。

3. 設置すると長期収益が得られることが多い

また広告看板は一度設置されると数年単位での契約となるのが一般的です。よって、一度広告テナントが入ってしまえば、長期的に安定した収入を得られる大きなメリットがあります。

しかも、賃料を受け取るだけでオーナーは何もする必要がないので、数ある不労収入の中でも最強のビジネスだと言えます。広告主が看板を出したいという立地条件であれば、当期間に渡って割のいい収入が得られること間違いなしです。

広告看板のデメリット

広告看板の設置で考えられるデメリットは下記のとおりです。

  1. 高額な収入は期待できない
  2. 法規制を受ける
  3. 落下事故等で賠償責任が問われる可能性も

それではこれら各デメリットについて簡単に解説していきます。

1. 高額な収入は期待できない

広告看板は初期投資費用が全くかかりませんが、その代わり大きな収益は期待できません。広告看板には様々なタイプのものがあり、その大きさも違ってきますが、一般的には0.5m×2m程度のもので年間1万円から5万円程度が相場となります。

2. 法規制を受ける

広告看板はどこにでも出せるわけではありません。意外に思うかもしれませんが看板の大きさが大きくなれば建築物となり建築基準法の適用を受けることになります。

また自治体によっては景観を気にして看板規制が厳しくなっているので、自治体の条例に応じて広告の内容やサイズなどの様々な制限が課せられるケースも出てきます。よって、広告主が希望する看板を設置できずに話がボツになることも出てきます。

3. 落下事故等で賠償責任が問われる可能性も

これは広告主との契約内容にもよるのですが、広告看板を設置した後のリスク対策には注意が必要です。広告看板の老朽化等で看板落下等の事故が起こった場合、その損害賠償責任を土地オーナー自ら負う必要が出てくるケースもあります。

そのリスク対策として保険に加入するといった対応が必要になることもあるでしょう。最終的には広告主との契約しだいとなりますが、こういったデメリットが発生する契約も存在することを覚えておきましょう。

まとめ

自動販売機にしても広告看板にしても、土地全面を利用して行う土地活用ビジネスではないため、現在行っている土地活用で空いたスペースを利用して副収入を得るといった運用となってくるでしょう。

よって、本業としている土地活用の収益拡大のための副収入を稼ぐ方法としては、まさに検討に値する土地活用と言えます。しかし、ともに高収入が望めるビジネスではないことと、自動販売機設置は広告看板よりも失敗した時にリスクが発生する点はよく理解しておかなければなりません。

ともに初期投資費用がかからず簡単に始められる土地活用ビジネスではありますが、自分の土地に合ったビジネスであるかの見極めは必要になります。簡単に手を出すのではなく、まずは収益が上がるのかどうかをよく検討するようにしましょう。

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