住宅ローンの新規と借り換えの人気ランキングまとめ

住宅ローンの新規と借り換えの人気ランキングまとめ

住宅を購入しようとしたときに、まず考えることは「購入資金」になります。

住宅はかなり高額な買い物で、よく「人生で一番高い買い物」といわれるぐらい高額です。そうなると、ほとんどの場合はローンを組んで買うことになります。

なんとか自己資金で買える場合でも、「ある程度の預貯金は残しておきたい」と考えるのが普通ですから、やはりローンを組む人は多くいます。

しかい、いざ住宅ローンを組もうと思った時どんなローンがあるのか、自分にとって都合の良いローンはどれなのか、などということで悩む人は多くいます。

そこで、住宅ローンに関するお役立ち情報を集めてみたので、まとめてみます。

住宅ローンの種類と金利の種類

住宅ローンにはどんな種類があって、それぞれ金利の種類はどんな内容なのかということが、ローンを選ぶときの大きなポイントになります。

住宅ローンの種類ですが、大きな括り別けると2種類になります。1つは民間ローンで、もう1つが公的ローンです。

金利の種類も大きな括りで別けると2種類になり、固定金利と変動金利になっています。

では、住宅ローンの種類と金利の種類、それぞれの内容を見ていきます。

民間ローン

まず、民間の住宅ローンですが、基本的に5種類の金融機関が取り扱っています。その5種類ですが、下記のとおりです。

・銀行や信金のローン
・JAのローン
・生保のローン
・ノンバンクのローン
・フラット35

この中でフラット35の形態は「半官半民」的な要素があって、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)と民間金融機関が提携して運営しています。取扱窓口は、民間金融機関です。

では、項目別に内容を見ていきます。

銀行や信金のローン

大手都市銀行や地方銀行、信用金庫などの金融機関が「自社商品」として取り扱っている金融商品です。その為、住宅ローンの中では一番種類が多く、内容も多様化しています。

借り入れの時の諸条件も、金融機関ごと、商品ごとにちがいますから、かなり知識が必要です。金利も固定金利と変動金利の両方があります。

JAのローン

基本的にはJAの組合員向けの金融商品になっていますが、JAバンクに出資金を納めている準組合員も場合によっては利用可能だといいます。JAバンクに定期預金などがあると、利用しやすいようです。

生保のローン

生命保険会社が運営している住宅ローンで、生命保険加入者向けのローンです。金利や諸条件は、各生保で若干差がありますから、事前の問い合わせが必要です。

ノンバンクのローン

ノンバンクとは預金機能を持たない金融機関です。金融商品を販売が主な業務ですから、住宅ローン以外にもたくさんのローンがあります。また、銀行系のローンや公的なローンに比べて融資実行までのスピードが速く、審査も比較的緩いともいわれています。

信販会社・クレジット系・住宅ローン専門・ハウスメーカー系のモーゲージバンカーなどが代表的です。

フラット35

住宅金融支援機構による、住宅ローン債権を証券化するシステムを利用した、長期固定金利型のローンのことです。

ローンの貸付対象物件は住宅金融支援機構が定めた基準をクリアーしていることが必要で、融資金額は対象物件価格の90%まで、あるいは8,000万円を上限にしています。金利は、窓口になっている金融機関によって、若干の差があります。

公的ローン

公的な住宅ローンは2種類あって、それは下記のとおりです。

・財形住宅融資
・自治体融資

では、項目別に内容を見ていきます。

財形住宅融資

住宅型財形貯蓄だけではなく一般型や年金型も含めて、財形貯蓄を1年以上続けてきた人を対象にした金融商品です。融資限度額は預金残高の10倍、あるいは4,000万円までとなっています。

金利は5年ごとに見直しのある、5年固定型になっています。

自治体融資

自治体に住民登録がある人を対象にした、公的な住宅ローンです。きちんと税金が納税されていることが条件になっています。

金利や融資限度額等は、自治体ごとに差がありますから問い合わせが必要になります。

固定金利

固定金利とは、借り入れ申し込み時か融資実行時に、全返済期間の適用金利が決まるタイプです。

全返済期間を通じて金利が一定のタイプと、5年目や10年目に金利の見直しがあり、そこから先はまた一定の金利だというタイプがあります。

固定金利のメリットとデメリット

固定金利のメリットは、基本的には全返済期間の返済額を確定できることです。この為、長期にわたってライフプランが立てやすくなります。

また、契約時に金利が安ければ、途中で市場金利が上がっても金利が変わることがない為、有利な条件のままでいられます。

デメリットとしては、金利が高いときに契約をしてしまうと、途中で市場金利が下がっても恩恵を受けることが出来ない、ということがあります。

変動金利

市場金利の変動と連動して、返済期間中の適用金利が変わります。原則的に半年に一度短期プライムレート(短期貸し出し最優遇金利)の変動と連動させて、適用金利が変わります。

また、5年ごとに返済額の見直しをすることもあります。

変動金利のメリットとデメリット

変動金利のメリットとしては、固定金利タイプよりも多くの場合金利が低いことです。また、低金利時には返済額が減少することがあげられます。

デメリットとしては、借入時に将来の返済額を確定できないことと、市場金利が上昇した時に返済額が増えてしまいます。また、市場金利が一定以上上昇した場合、未払い金利が発生することもあります。

住宅ローン人気ランキング

ここからは現在、どこの金融機関の住宅ローンが人気なのか新規と借り換えに分けてランキングにして紹介します。

メガバンク以外にも信用金庫やネット銀行なども含めて作成しているので、ローン選びの参考にしてもらえばと思います。

なお表記の金利は執筆時点の数字になりますので、詳細に関しては公式サイトにてご確認ください。

新規借り入れランキング(2023年11月)

固定金利ランキング

順位 銀行名 金利 事務手数料 保証料
1位 SBIマネ―プラザ
(10年)
1.458%
借入額×2.20% 不要
2位 横浜銀行
(10年)
1.505% 33,000円 借入額
借入期間による
3位 十六銀行
(10年)
1.100%~1.200% 55,000~77,000円 融資額
返済期間による
4位 広島銀行
(10年)
1.750% 別途必要 保証期間
補償率による
5位 群馬銀行
(10年)
2.000% 別途必要 借入額
借入期間による
6位 北海道銀行
(10年)
1.150% 27,500円 借入額
借入期間による
7位 SMBC信託銀行(10年) 2.170% 20,000円 不要
8位 京葉銀行
(10年)
1.565% 220,000円 別途必要
9位 中央ろうきん
(20年)
1.850%~1.940% 33,000円
会員11,000円
借入額
借入期間による
10位 琉球銀行
(10年)
3.975% 元金×1.98% 融資金額
借入期間による

変動金利ランキング

順位 銀行名 金利 事務手数料 保証料
1位 三菱UFJ銀行 0.345%~0.475% 33,000円 別途必要
2位 九州ろうきん 0.750% 0~55,000円 別途必要
3位 東京スター銀行 0.900%~1.500% 元金×2.20% メンテナンスパックに加入
4位 中央ろうきん 0.625% 33,000円
※会員11,000円
別途必要
5位 京都中央信用金庫 0.775% 55,000円 年0.2~0.4%
6位 東海ろうきん 0.790% 44,000円
※会員22,000円
0円
7位 三井住友信託銀行 0.375% 元金×2.20% 33,000円
8位 たいこう銀行 0.725% 担当に確認 別途必要
9位 川崎信用金庫 2.675% 55,000~77,000円 別途必要
10位 きらぼし銀行 0.625% 担当に確認 別途必要

固定金利35年(フラット35)ランキング

順位 銀行名 金利 事務手数料
1位 ARUHI(フラット5S) 1.070%~
※プランによって異なる
借入額×2.0%
2位 財形住宅金融 1.480% 20,000円または借入額×1.0%
3位 住信SBIネット銀行 3.808% プランで異なる
4位 旭化成ホームフィナンシャル 2.100% 55,000円
5位 日本モーゲージサービス 1.960% 融資額の1.955%
6位 優良住宅ローン 1.960% 0.5~0.8%
7位 三井住友信託銀行 2.070% プランで異なる
8位 全宅住宅ローン 1.960% プランで異なる
9位 楽天銀行 1.460% 融資額の1.10%
10位 日本住宅ローン 2.160% 20,000円

※フラット35はすべて保証料0円です。

借り換えランキング(2023年11月)

固定金利ランキング

順位 銀行名 金利 事務手数料 保証料
1位 三菱UFJ銀行
(10年)
1.040%~1.170% 33,000円 別途必要
2位 みずほ銀行
(10年)
1.550%~ プランで異なる プランで異なる
3位 じぶん銀行
(10年)
1.175% 借入額×
2.20%
0円
4位 ソニー銀行
(10年)
1.390% プランで異なる 0円
5位 イオン銀行
(10年)
1.390% プランで異なる 0円
6位 ARUHI
(15年)
1.670%~ 元金×2.0% 0円
7位 楽天銀行
(20年)
1.749% プランで異なる 担当に確認
8位 りそな銀行
(10年)
1.745%~ 借入額×2.20% 0円
9位 SBI新生銀行
(10年)
1.100% 55,000円 0円

変動金利ランキング

順位 銀行名 金利 事務手数料 保証料
1位 三菱UFJ銀行 0.345%~0.475% 33,000円 別途必要
2位 SBIマネ―プラザ 0.298% 借入額×2.20% 0円
3位 au住宅ローン 0.298% 借入額×2.20% 0円
4位 ソニー銀行 0.297% 借入額×2.20% 0円
5位 三井住友信託銀行 0.375% プランで異なる プランで異なる
6位 三菱UFJ信託銀行 0.345%~0.475% 借入額×2.20% 0円
7位 じぶん銀行 0.169% 借入額×2.20% 0円
8位 イオン銀行 0.380% プランで異なる 0円
9位 SBI新生銀行 0.600% プランで異なる 0円

なお、住宅ローンはそれぞれ借り入れ金額や返済年数によって異なります。細かくシミュレーションしたい人は住宅金融支援機構のサイトが便利なので、気になる人はぜひチェックしてみてください。

賢い住宅ローンの組み方

住宅ローンの種類はかなり多く、いったいどれが自分にとって有利なのか、判断をしづらいことは確かです。固定金利なのか変動金利なのかで、総返済額も変わってきます。

また、同じ年収、同じ年齢で預貯金の額も同じぐらいの人でも、住宅にかける費用は違ってきます。それは、「住宅に拘りがあって主に使うお金は住宅だ」という人と、「住宅には特に拘りはなく住めればいいけれど、趣味にお金を使いたい」という人では、住宅にかける金額も違うからです。

住宅ローンを決定する条件には、こういったライフスタイルを加味して、まず、ライフプランを作ることが必要です。つまり、総返済額をライフプランをもとにして決定します。

住宅ローンに縛られ過ぎて、自分のライフスタイルを犠牲にした場合、ローン完済まで耐えられるかどうか、という問題をはじめにクリアーしておかないと、途中で投げ出してしまうこともあり得るからです。

こうして総返済額が決まったら、次は返済方法を選びます。

固定金利だったら、住宅ローン完済まで毎月の返済額は一定ですから、ライフプランも組みやすいので精神的な負担は減ります。

変動金利の場合だと固定金利よりも少し総返済額は少なくなりますが、半年ごとに金利の見直しがあり、毎月の返済額が変わっていくのでライフプランを作ることが若干辛くなります。

また、契約した住宅ローンによっても金利に若干の違いがありますから、総返済額は違ってきます。

住宅ローンを組む時には、総返済額が少なければいいというものでもなく、ライフプランを軸にして考えるべきです。

住宅ローン返済期間はかなり長期ですから、その期間中には家族の成長に伴い、入学・卒業・就職・結婚などの大きな節目もあります。

こういった諸条件を加味した上で住宅ローンを組まなければ、途中で放り出してしまいかねません。総合的な資金計画を立ててから、住宅ローンは組むべきです。

その為フィナンシャルプランナーに相談をすることも視野に入れて、自分に最も適した住宅ローンを組む必要があります。

住宅ローンを申し込むタイミング

物件購入を考えた時に、どこのタイミングで住宅ローンを申し込んだらいいのか、という大きな問題があります。

住宅ローンの手続きですが、一般的には4段階に分かれます。それは以下のとおりです。

・仮審査(事前審査)申し込み
・仮審査通過後に本審査申し込み
・審査通過後に金銭貸借賃貸契約締結
・融資実行

このようなステップを踏んで、融資は実行されます。

仮審査申し込みから融資実行までの期間は金額と金融機関にもよりますが、短いと10日ぐらいで、長いと2ヶ月ぐらいかかることがあります。ノンバンク系は比較的スピーディーですが、銀行・信金系や公的なローンは時間がかかります。

この為、まず目星を付けた物件の仮押さえをした時点で仮審査を受けておきます。そして、仮審査が通ったら物件の本契約をします。その後、ローンの本審査をして、審査通過後にローン契約をすることになります。

ちなみに、仮審査を通過していれば、本審査で落とされることは、めったにありません。ただし、仮審査から時間が経ちすぎていたり、勤務先が変わったなどという条件があると、落とされることもありますから、注意が必要です。

このような手順で物件を購入するのですから、正式にローンを申し込むタイミングとしては、物件の本契約をした時点ということになります。

不動産物件の引き渡しは、通常本契約の時点を起点にして2ヶ月以上ありますから、物件の本契約をしてから融資実行までの期間と合致します。その為、引き渡しの期限までに決済が間に合わないということは、ほとんどありません。

住宅ローンの審査基準

住宅ローンを申し込むと、当然ですが審査があります。

自分は審査を通るだろうか? と心配になりますが、だいたいの審査基準を知っておけば、安心できます。

住宅ローンの審査基準を要約すると5つで、それは以下のとおりです。

・人物と物件
・個人信用情報
・勤続年数と勤務先
・健康状態
・年収

では、項目別に内容を見ていきます。

人物と物件

金融機関が融資をするときに、かなり人物を重要視します。反社会的勢力ではないことは当たりまえですが、他にもきちんと自分の情報開示をしてくれるかどうかと、返済に対する未来のビジョンを持っているかを重要視します。

自分のことを情報開示できないと、「この人は裏でなにかやましいことをしているのかな?」と、変に勘ぐられこともありますからきちんとした対応が必要です。

物件の価値は、融資金額を担保できるのかどうかということになります。つまり、もし契約者が返済不能になったときに、その時の残債に見合った価値があるかどうかということです。

個人信用情報

金融機関からのあらゆる借り入れの個人記録は、個人信用情報として記録されています。どこの金融機関にどのぐらいの借り入れがあって、返済が滞ったなどという金融事故を起こしていないか、などの情報を全金融機関で共有しています。

金額にもよりますが、現在借り入れがあるようでしたら(借り入れを予定している金融機関も含めて)、住宅ローンを申し込む前に清算しておくことも視野に入れておかなくてはいけません。この為、その面での資金が必要になることもあります。

ちなみに、借入額が少額だったら大丈夫かというと、そうでもありません。本当に少ない額でも、何口も多数の金融機関から借り入れていたりすると印象は良くないといいます。

また、クレジットカードの「キャッシグ枠」も、借り入れ額とみなされることもあるので、普段使っていないカードはあらかじめ解約しておく必要があります。

もし、自分の個人信用情報がどうなっているのかを知りたければ、CIC・全国銀行個人情報センター・JICCなどで調べることが出来ます。

勤続年数と勤務先

どちらも安定した収入ということに対する担保性を、金融機関が見る指標です。

同じ勤務先に最低でも3年以上勤めている必要があります。しかし、同一業種で、ヘッドハンティングやキャリアアップのための転職でしたら、むしろ評価の対象になるケースもありますから、事前に金融機関に打診してみても良いと思います。

また、大企業であれば担保性は高くなりますが、中小企業だから審査の対象外になるというわけではありません。収入・融資額・物件の評価などを総合して判断してくれます。

健康状態

住宅ローンは完済するまで他のローンに比べて、その期間が長くなります。その為、契約者の健康を金融機関は重要視します。

しかし住宅ローンを組んだ場合、ほぼ全契約者が加入を義務付けられている「団体信用保険」、通称団信に加入できれば問題になることはありません。

団信とは、住宅ローン契約者が金融機関を受取人とした生命保険です。契約者に万が一のことがあっても、その時点での残債が保険金として金融機関に支払われるという保険です。

もし、契約者に万が一のことがあっても住宅ローンは完済できますから、契約者の家族に残債ゼロで抵当権なしの住まいを残せます。

年収

申し込むローンと金融機関にもよりますが、最低年収が300万円ぐらいあれば、住宅ローンの審査対象になるようです。

もちろん、年収が多ければ多いほど条件は良いのですが、年収が少ない若いうちに住まいを持ちたいという、将来に対するビジョンも金融機関は重要視するといいます。


目次一覧

返済方法について

住宅ローンの基礎知識

審査について

住宅購入までの流れ

ローンの借り換え

住み替え・リフォーム

収益物件の購入

よくあるトラブル

住宅ローンの豆知識