住宅ローンの審査での勤務先への在籍確認の内容について

最終更新日：2021年08月02日

住宅ローンを申し込むと、審査に進む段階で申込書に記入している勤務先に、本当に在籍しているかを確認する「在籍確認」を行うことがあります。この在籍確認がとれないと審査は通りません。

「在籍確認があるなんて初めて聞いた」、「在籍確認ってどんなことをされるの？」と思う人も多いと思います。

今回は、住宅ローン審査においての在籍確認について詳しく解説します。

勤務先に在籍確認が行われるケースもある

基本的に在籍確認を行う際は、住宅ローン申し込み書に記入した勤務先に電話をして、本当にその会社に在籍しているかを確認します。

最近では、夫婦でローンを申し込む「連帯債務型」で住宅ローンを組む人も多くなってきましたが、この連帯債務型の場合は夫だけでなく、妻が記入した勤務先においても在籍確認を行います。

他のケースとしては、今は別の会社に派遣されているという人もいると思います。そういった場合は、基本的に本社に在籍確認を取ります。

では、ここからは在籍確認の詳しい内容について見ていきたいと思います。

在籍確認とは

そもそも、なんで在籍確認をする必要があるのか、と感じる人も多いと思います。在籍確認をする理由には、「住宅ローンの申込書に嘘の勤務先を記入していないか」、「記入している勤務先が実在しているか」を確認するためです。

住宅ローンの申込書に嘘の勤務先を記入していないか

住宅ローンの審査では、「お客様の返済能力」が審査の重要なポイントになります。しっかりとローンを返してくれるかを、厳しく審査しなければいけません。

そこで重要なのが勤務先になります。

• 会社の業績が著しく悪い
• 最近できたばかりの会社で基盤ができていない
• 社内で不祥事があった

これら勤務先の事情で、住宅ローンが通らない可能性もあります。そのため、本当は勤めていない、「嘘の勤務先」を記入する人もいます。

また、住宅ローン申し込み時には源泉徴収票を提出します。源泉徴収票には勤務先が書いてあるのですが、発行されてから転職したり、退職して今は無職という可能性もあります。

これらの可能性があるため、勤務先に電話をかけ、本当に在籍しているかを確認するというわけです。

記入している勤務先が実在しているか

過去に、記入してある勤務先が実在していなかったという事例がありました。以前はそこまで厳しくなかったのかもしれません。その時は、住宅ローン実行後に発覚したようで、銀行側も困ったみたいです。

ですが現在では、帝国データバンクで勤務先の情報を調べたり、今ではホームページを作成されている会社がほとんどなので、インターネットで調べれば実在していることをほぼ確認できます。

しかし、新しくできたばかりの会社や、規模が小さな会社、古い気質の会社などはHPが作成されていない場合があり、帝国データバンクにも情報が無いケースがあります。

そのような場合に、実際に勤務先へ電話をかけて、本当に実在しているか確認をとります。

在籍確認行われるタイミング

では、在籍確認はどのタイミングで行われるかということですが、これは銀行によってタイミングが違う場合があります。というのも、住宅ローンの審査では、事前申込と本申込があり、どちらで在籍確認をするかが銀行によって違うからです。

私が金融機関に勤めていた頃は、住宅ローンの本申込の申込書を書き、審査に入る前に行うことが多かったです。大体が住宅ローン申込書をもらった翌日に電話をすることが多かったです。

このタイミングで行っていたのは、審査を進めて住宅ローンの審査を通せるとなった段階で、在籍確認をしたところ在籍していませんでしたとなると、審査にかけた時間も無駄になりますので、このタイミングで行う決まりとなってました。

事前審査の段階では、「年収や家族構成など、このような内容で住宅ローンは組めるのか」という簡単な審査になるので、在籍確認は行っていませんでした。ただ、銀行によっては審査の最終段階で確認するなどもあるようです。

在籍確認の内容

在籍確認の際、どのようなことを確認されるのかですが、内容自体、大したことは確認されません。勤務先に電話をかけ、本人に替わってもらう。そして、本人が実際に電話に出れば、「確認をとれた」となります。

私が勤めていた金融機関では、事前に在籍確認をするということは、お客様には伝えていませんでした。

理由としては、事前に伝えておくと、もしかしたら何か対策をされて、不正を行われてしまうかもしれない可能性があったからです。

事前に在籍確認をすることを伝えている金融機関では、勤務先に電話をし、本人が出れば、本人の生年月日や勤続年数など簡単な質問を行い、確認をとったりするようです。

そもそも、在籍確認をされないケースもあります。たとえば、源泉徴収票や健康保険証で、勤務先に勤めていることが確認でき、勤務先も帝国データバンクの評点が高く信頼性が高い場合は、在籍確認を行わないこともあります。

また、ある程度の規模の会社ですと、その会社に出向いて住宅ローン相談会などを実施することがあります。そこからの申し込みですと、在籍していることは把握できるので、わざわざ在籍確認は行いません。

在籍確認時に不在だった場合

在籍確認時に不在だった場合、審査に落ちるのかと不安になりますよね。ですが、そんなことはないので心配しなくても大丈夫です。不在であっても、在籍していることが確認できれば問題ありません。

どういうことかといいますと、勤務先に電話をかけ、「〇〇はただいま離席中です」など、明らかに在籍していることが確認できれば、それで在籍確認がとれたということになります。

派遣先に勤務している人は、派遣元に在籍確認をとりますので、確実に不在となります。そのため、在籍確認があったことを知らないまま住宅ローンを取り組まれている人も多いはずです。

在籍確認は、あくまでも念のために行うものです。「不在だから審査に落ちる」、「電話に出れなかったから審査が通らなかった」、ということはまずありませんのでご安心下さい。

在籍確認をすることを知らされないこともありますので、住宅ローンの審査の時は、「在籍確認をする場合がある」くらいで知っておけばいいでしょう。