
今は住宅ローン金利が下落したことが引き金となり、多くの人がここぞとばかり住宅購入を検討しています。
この低金利時代に突入した一番の原因は政府主導のマイナス金利政策。先日この政策実行時期の延長が公表されましたが、一体いつまで続くのかを考えれば今が安く住宅購入できる絶好のチャンスと言えるでしょう。
しかも、住宅ローンの低金利は新規住宅ローンだけでなく、今よりも高い金利で借り入れしている住宅ローンの借り換え客の増加にも一役かっています。低金利で借り換えすれば、その分、支払う利息を減額できるのですから検討しない手はありませんよね。
そこで今回は住宅ローンの借り換えに焦点を絞って、その申込方法について詳しく説明していくことにします。
住宅ローンを借り換えするには?
「今は金利が低い」「でも借り換えするなら今だけどどうすればいいの?」となればまず思いつくのが今使ってる金融機関への相談でしょう。住宅ローン申し込みは面倒で専門的な事務作業も多いので、すべてを丸投げできる提携ローンを利用する方が大半です。これは住宅ローンを組む人の大半は初めてのことでしょうし、専門的な知識があるわけでもないので別段不思議なことではありません。
しかし、借り換えとなれば話は別です。金利を少しでも下げて利息支払いを軽減することが目的ですから、すべてを業者任せにしていたのでは選択肢はなくなり、本当に満足できる借り換え結果となる可能性は低くなってしまいます。
よって事借り換えに至っては、それに関わる最低限の基礎知識は身に付けておくべきでしょう。
申し込みする際の手続きや流れ
それではまず住宅ローン借り換えにどのような手続きが発生し、その流れはどうなっているのかを説明します。これは借り換えを行う上で知っておいてもらいたい基礎中の基礎となるので、しっかりと頭に入れるようにしてください。
その手続きと流れは下記のとおりです。
- 住宅ローン借り換えをする金融機関を決定する
- 借り換え先金融機関へ申し込み
- 借り換え先から申込用書類が到着
- 申込書類の返送
- 借り換え先金融機関による審査
- 審査通過後、契約書が郵送される
- 現在の借入先へローン残金の一括返済を申し出る
- 借り換え先と融資実行日(借り換え実行日)を決定する
- 借り換え先とのローン契約の締結
- 借り換え先から融資実行
- 現在の借入先へローン残金を一括返済
- 現在の借入先から抵当権抹消に必要な書類を受け取る
- 現在の借入先の抵当権抹消
- 借り換え先で新たに抵当権設定
- 完了
以上が大まかにはなりますが、住宅ローンの借り換え申込から借り換え完了までの流れとなります。
上記はネット銀行を例にしているため書類のやり取りが郵送となりますが、地元の銀行との取引の場合は担当者と直接やりとりすることになります。その他にも借り換え先金融機関によって流れに若干の違いは出てきますが、その点は担当者からしっかりと説明があるので安心してください。
しかし、借り換えでは1つだけ絶対に注意して欲しい点があります。それは借入先への一括返済の申し出です。
ほかの金融機関での借り換えをする際は一括返済するタイミングまで、借り換えすることを知られない方がスムーズに事は運びます。一括返済は本来ならその後発生する利息を手放すことになるので借入先は引き止め工作に入り、無用な手間がかかることになるからです。
借り換え先がほかの金融機関となる際は、この申し出るタイミングが重要となってきます。借り換え時の相談相手は現在の借入先ではありません。借り換え先の担当者と事を進めていくことになるので、相談相手は後者となります。
スムーズな借り換えを進めるためにも、この点はよく理解しておくようにしましょう。
借り換えにはどのくらいの期間が必要?
それでは住宅ローン借り換えの手続きと流れを分かってもらったところで、それに掛かる日数について説明しましょう。
住宅ローン借り換えにかかる日数は利用する金融機関によって違うので断定することはできませんが、おおよその日数は約1ヶ月ほどだと言われています。
しかし、この日数に影響を与えるのが審査時間。書類等の手続きはどの金融機関にしても大差はありませんが、この審査時間に限っては借入先の審査基準等の違いも影響してくる上、借り換えと言えども高額融資となるのが住宅ローンです。
と考えれば審査が慎重に行われるのは当然で、申込者の内容によって審査時間が違ってくるのは当たり前の話でしょう。
フラット35の審査をする住宅金融支援機構のウェブサイトでは、審査期間は7日~14日と記載されています。この記載時間から考えれば審査対象によっては2倍もの時間差が生まれることになるのです。
事実、書類を郵送で行うネット銀行の場合は1ヶ月前後が多いようですが、店舗を有する地元銀行ならば郵送取引ではなく直接取引となるので1~2週間ほどの日数短縮はできるでしょう。
しかし、これも申込者内容が大きく影響する審査時間次第です。ここがスムーズに進むのならば2週間ほどで完了する可能性もありますが、まずは1ヶ月くらいが一般的だと考えておいた方が無難ですね。
借り換えに必要な書類は?
借り換えにかかわらず住宅ローン申込で一番面倒なのが提出書類です。住宅ローンの場合は他の融資申込より実に多くの必要書類が求められるので、専門知識のない方にとってはできれば避けて通りたいところでしょう。
しかし、住宅ローン借り換えの場合は、必要書類をすべて自分で作成するケースが多くなってきます。特にネット銀行を利用する場合は銀行が用意してくれる可能性はないと考えておいてください。
それでは借り換え時に必要な書類を紹介していおきましょう。今回は実際にイオン銀行のローンサービスに申込依頼した際の必要書類を例に挙げて見ていくことにします。
その書類は下記のとおりです。
- 借入申込書
- 住宅取得以外の借り入れ内容に関する申し出書
- 機構団体信用生命保険に関する種類
- 本人確認書
- 住民票(発行1ヶ月以内のもの)
- 納税証明書、または源泉徴収票
- 借り換え対象物件の確認書類(売買契約書・登記簿謄本等)
- 現在の住宅ローンの返済予定表(写し)
- 住宅ローン返済が確認できる銀行通帳のコピー(直近12ヶ月分が記載されたもの)
提出が求められる必要書類は借り換え先金融機関によって違ってきますが、必要とされる公的書類は全金融機関共通です。
それではこれら必要書類について、その内容を簡単に説明しておきましょう。
借入申込書
借り換え先金融機関への借入申込書となります。これは金融機関にて用意されているので申込者が手を煩わせる必要はありません。
住宅取得以外の借り入れ内容に関する申し出書
住宅ローン審査で重要となってくるのが総返済負担率で、申込者の年収に占める年間ローンの返済総額割合を数値化したものです。審査に用いられるその基準は金融機関によって違ってきますが、フラット35の住宅金融支援機構の場合は下記の基準が設けられています。
- 年収 400万円未満 30%以下
- 年収 400万円以上 35%以下
この基準を上回るようならば返済負担が大きくなり、返済不能となる確率が高くなると判断されるのです。ここで中して欲しいのはこの返済総額は住宅ローンだけではないという点で、下記のような借り入れやローン組も含まれます。
- マイカーローン
- 教育ローン
- カードローン
- クレジットカードのリボ払い
- 住宅ローン(借り換え物件ではなく、ほかに支払い継続する物件)
よって、住宅取得以外の借り入れ内容を明記した書類の提出が求められるのです。
機構団体信用生命保険に関する種類
現在の機構団体信用生命保険は借り換えによる一括返済により終了するので、借り換え後も継続するには新規申込扱いとなり、下記の書類提出が必要となります。
- 団体信用生命保険加入申込書兼告知書
- 診断書(申込日に受信後1年以内であれば人間ドック検査成績書、勤務先実施の健康診断結果通知書で代用可)
本人確認書
本人確認書として下記書類のいずれかの提出が必要となります。本人確認書は金融機関によって指定が違ってくるので、必ずどの書類が本人確認書として認められるのかを確認しましょう。
- 運転免許証
- パスポート
- 住民基本台帳カード
- 個人番号カード(顔写真入りで住所、氏名、生年月日の記載があるもの)
- 日本国籍以外の人は在留カード、特別永住者証明書のいずれか1点
住民票
発行後1ヶ月以内の原本提出が必要となります。
納税証明書、または源泉徴収票
これも原本となり、ローン返済に連帯保証人予定がある場合はその人の分も必要になります。
雇用者の場合は勤務先で発行してもらえますが、個人事業主の場合はお住まいの市町村役場で発行してもらう必要があります。
借り換え対象物件の確認書類
借り換え物件が戸建てかマンションかによって提出が求められる書類に違いがあり、マンションの場合は必要ありませんが、戸建ての場合は下記書類提出が必要となります。
購入時締結した収入印紙付き、消印済みの下記2書類
- 不動産売買契約書または建築・工事請負契約書
- 重要事項説明書
- 新築時に建築確認申請した建築確認申請書
- 建築確認の検査済証
- 発行後1ヶ月以内の不動産登記簿謄本
- 発行後1ヶ月以内の土地公図の原本
- 借り換え物件の配置や間取りが確認できる建築図面と各階平面図
現在の住宅ローンの返済予定表
現在借入先の金融機関から直近で発行されたもの。ない場合は再発行手続きが必要となります。
住宅ローン返済が確認できる銀行通帳のコピー
これは返済状況を確認するために必要とされるので、借り換え時には大抵の金融機関から提出が要求されます。中には通帳繰越によって12ヶ月分が記載された銀行通帳がないというケースも珍しくないので、借り換えを検討している人は絶対に保管しておくようにしましょう。
なお見つからない場合は銀行から発行された取引明細書で代用できるなど、対応策が提示されるのでまずは借り換え先金融機関に問い合わせるようにしてください。