掘り出し物件の探し方を解説しているサイトは多数ありますが、元不動産営業マンだった編集長からすると的外れなことを書いてるサイトも少なくありません。またどのサイトを見ても同じような内容が書いてあります。今回は実際に不動産会社で働いていたからこそ知っている掘り出し物件探しのコツをこっそり教えます。
家賃が安い掘り出し物件を探す際は、以下の4つのポイントを抑えておきましょう。
- 転勤シーズンの前に探すと人気物件や掘り出し物件を見つけやすい
- 本当に人気の物件はホームページには掲載されない
- 自社所有物件は初期費用が安い
- 賃貸マンションの賢い選び方
ポイントを理解しておくと、自分の理想とする部屋が安く借りれる可能性が高まるので、これから解説する内容をしっかり理解しておきましょう。
転勤シーズンの前に探すと人気物件を見つけやすい
人気物件や掘り出し物件を探すなら、繁忙期が終わった5月とか6月が狙い目だと紹介している情報サイトが数多くありますが、これは明らかに間違いです。
たしかに家賃の値引きができるお得物件という意味なら間違いではありませんが、ほとんど空き部屋が出ない人気物件だったり、明らかに相場よりも家賃が安い掘り出し物件を探すのでしたら、繁忙期が終わってからではもう見つけることはできません。
掘り出し物件や人気の高い物件をみつけたいのであれば、繁忙期の後ではなく、繁忙期の前が本当の狙い目です。正確には1月末から2月後半くらいが一番おすすめです。
理由は不動産の賃貸契約にあります。賃貸物件には「一ヶ月前退去告知義務」というものがあります。これは退去が決まった場合、遅くとも退去予定日の一ヶ月前までには退去することを家主(管理会社)に連絡しなければならないという規約です。
3月と4月は卒業と新年度の時期でもあり、転勤・進学・新卒などで一番賃貸物件の入れ替わりが激しい時期です。どんなに良い掘り出し物件でも、転勤や卒業などが理由で退去が出ます。
その時期を上手く狙うのが、人気物件や掘り出し物件に出会える確率が一番高いということになります。
本当に人気の物件はホームページには掲載されない
これは実際に不動産会社で働いていた人しか知らないことかもしれませんが、本当に人気の高い賃貸物件というのはほとんどホームページには情報が公開されません。いや正確に言えば情報が公開される前に次の契約者が決まってしまうケースが大半を占めています。
上記でも話したように退去をする場合、入居者は一ヶ月前には退去する旨を連絡しておかなければなりません。その退去連絡が入ったときから営業マンは次の入居者を探し出します。基本的に不動産会社の営業マンは顧客を個人単位で管理しています。
だいたい1人の営業マンで5人から10人は顧客を抱えていますし、多い人だと30人~50人くらいの顧客を抱えていることもあります。
そして退去の連絡が入ると、まず真っ先に自分が抱えている顧客の中に条件が合う人がいないかを探します。当然条件にあう顧客がいる場合には、その顧客に連絡をいれますので、顧客が気に入ればその物件はホームページに公開されることもなく次の賃貸契約が成立してしまうというカラクリです。
少し言い方に御幣があるかもしれませんが、極端な言い方をするならホームページに公開されている賃貸物件というのは、抱えている顧客では借り手が決まらなかった売れ残り賃貸物件だと言うことです。
ではどうやったら営業マンの顧客リストに入れてもらえるのか?これはもう脚を使って不動産会社をこまめに廻るしかありません。
メールや電話でお問い合わせをしただけでは営業マンの顧客リストに入れてもらうのは難しいです。実際に不動産の店頭へ出向き、出来れば物件案内を受けておくのが一番手っ取り早い方法だと思います。
しかし平日の日中は仕事をしていて思うように不動産巡りが出来ない、という人もいるでしょう。そのような人には、最近話題になっている「イエッティ」というサイトがおすすめです。
対応エリアは首都圏エリアのみと限定されていますが、チャット形式で部屋探しができるので、希望している条件を登録すれば、すぐに物件を紹介してもらえます。
イエッティを利用する主なメリットは次の3つです。
- 不動産屋まで行かずに部屋が見つかる
- 自分で探す手間がはぶける
- 夜遅くでも対応してくれる
対応時間は10時~22時までなので、仕事で不動産屋に部屋を見に行けないという方にもおすすめです。
イエッティはスマホ専用のアプリもありますし、利用料も無料で、ネット上に掲載されていない物件も紹介してもらうことができるので、対象のエリアに住んでいる方は活用してみて下さい。
イエッティの公式サイトはこちら
自社所有物件は初期費用が安い
次ぎは初期費用を大幅に抑えることができる物件の探し方を紹介したいと思います。通常は家賃10万円のマンションだと初期費用の目安は約40万~50万円となります。
一般的な初期費用の内訳
- 敷金1ヶ月=10万円
- 礼金1ヶ月=10万円
- 仲介手数料=10万8千円(税込)
- 前払い家賃=10万円
- 火災家財保険=2万円
これを10万円から半額程度値引きする方法です。
その方法というのは「自社所有物件」を探すことです。自社所有物件とは、不動産会社が自己所有している賃貸物件のことです。つまり家主が不動産会社だったり、その不動産会社の社長になっている物件のことを言います。
この自己所有物件を探すことで、なぜ初期費用が安くなるのか?それは仲介手数料に秘密があります。
通常賃貸物件を契約するときは家賃1ヶ月分を仲介してくれた不動産会社に支払うのが一般的ですよね。しかしそれはあくまでも家主と借主の契約業務を仲介した手数料という名目です。
もし家主が不動産会社だったらそれは仲介にはなりませんので、当然仲介手数料を支払う必要はありませんし請求されることもありません。
この仲介手数料を払わないだけでも10万8千円も得をしてしまいます。さらに自社所有物件の場合、礼金を徴収することも滅多にありませんので、さらに10万円出費が減ります。仲介手数料と礼金だけで20万8千円も初期費用を抑えることができるというカラクリです。
ではどうやって不動産会社の所有している賃貸物件を探せばいいのかですが、これは思っているよりも簡単に探すことができます。
自己所有物件を探すコツは「物件情報欄」にあります。家賃や住所、間取りなどが書かれている部分のことです。この物件情報欄の下の方に必ず「取引態様」という欄がありますので、そこの注目してください。
その取引態様の欄に「貸主」や「家主」と書いてあるのが自社所有物件ということです。もしその物件の家主が他にいればその部分は「貸主」ではなく「仲介」や「媒介」と記載されているはずです。
もちろん先ほど紹介した「イエッティ」でも、「○○の地域で自社所有物件を探してください」とお願いしてみるのも良いでしょう。
賃貸マンションの賢い選び方
続いては賃貸マンション選びのポイントを2つ紹介します。
- 分譲マンションを選ぶ
- 都心部なら築11年以降、地方なら新築物件を選ぶ
1つ目の「分譲マンションを選ぶ」というのは、よく言われていることなので知っている人も多いと思いますが、賃貸マンションといっても大きく2種類あります。1つは賃貸として貸し出すことを目的として建てられたマンション。そしてもう1つが販売することも目的として建てられた分譲マンションです。
ここで言うところの「分譲マンションを選ぶ」というのは、その意味のまま分譲用に建てられたマンションを選びましょうということです。当初は販売されていた分譲マンションも、買主の都合で賃貸に出されることは珍しくありません。転勤だったり、離婚だったり理由は色々あります。このようなマンションを狙うのがおすすめです。
賃貸を目的として建てられたマンションと、販売を目的として建てられたマンションは、至るところに違いがあります。耐震強度、防音性能、設備品の豪華さなどです。編集長も長年不動産業界で働いて来ましたので、おおよその建築費なども知ってます。
賃貸用として建てられたマンションであれば、2LDKとして1部屋の建築コストはおよそ700万~800万円くらいです。しかし分譲マンションであれば、同じ2LDKでも販売価格は3000万円ほどになります。当然土地の費用も込みなので高値になるのは仕方ないとして、それでも土地費用を差し引いても1200万~1500万ほどでしょう。
この金額差をみても、明らかに販売用の分譲マンションの方があらゆる面で勝っていることがわかります。防音対策、キッチンなどの設備品、さらに耐火耐震などの構造面で大きく勝っています。
ですので賃貸マンションを探すときには、元々分譲マンションとして販売されていた物件を探すのがおすすめです。若干家賃は分譲賃貸マンションの方が割高になっていますが、2割増くらいであれば検討する価値は十分にあります。
都心部なら築11年以降、地方なら新築物件を選ぶ
次に2つ目の「都心部なら築11年以降、地方なら新築物件を選ぶ」について説明します。
これは地域性もあるのですが、東京、大阪、名古屋、福岡のように大都市圏では入居者の確保も大変で、こまかく家賃の見直しが行われています。新築時の家賃が15万円だった賃貸マンションがあったとしましょう。築3年、築5年、築10年という風に家賃は年々下がる傾向にあります。新築時15万円だった賃貸マンションは、築10年を過ぎると約1割ほど家賃が下がる傾向にあります。
しかしこれが地方部へ行くとちょっと違います。地方部では賃貸マンションは非常に需要が高い反面、そこまで豊富な物件数がありません。そのため新築時10万円だった賃貸マンションでも築10年を過ぎてもほぼ新築時と同様の家賃で貸し出されています。
つまり入居者確保競争が激しい大都市圏であれば、家賃が1割安い築11年以上の物件を探すのが得ですが、地方だと家賃差がほとんど無いので、築年数が新しい物件を探す方が得をするということですね。
以上が他よりお得な「掘り出し物件」の探し方です。これから引越しを考えている人はぜひ参考にしてください。
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