デザイナーズマンションの意味と借りる際の注意点

デザイナーズマンションの意味と借りる際の注意点

「私はデザイナーズマンションに住んでいます」と言うと、たいていの人は「わあ、すごい」と褒めてくれます。単刀直入に「お金持ちなの?」と聞いてくる人もいます。

確かにデザイナーズマンションと聞くと、おしゃれだったり高額な家賃だったり、芸能人だったり、華やかなイメージの言葉が頭に浮かびますが、実際のところ、デザイナーズマンションって何なんでしょうか?

デザイナーズマンションとは

デザイナーズマンションに関しては「この条件がそろっていなければ認められない」というような共通の約束事はありません。つまり、そのマンションのオーナーが「これはデザイナーズマンションです」と言えば、そうなってしまうわけです。と言い切ってしまうと身も蓋もありませんよね。

いくらオーナーが望んでも、全国に同じような造りが何百とあるようなありふれたマンションを「デザイナーズと銘打って入居者募集をしてくれ」と言っても、普通の良心がある不動産屋ならそんなことは受けないでしょう。やはり、「デザイナーズ」というからには、「こんな感じだろうな」というようなイメージがあります。

コンクリート打ちっぱなし

今ではコンクリート打ちっぱなしがデザイナーズマンションの代名詞みたいに思われているかもしれません。別にコンクリート打ちっぱなしでなければいけないわけでもないのですが、日本では第二次大戦後にフランスのル・アーヴルに建築家のオーギュスト・ペレが建てたコンクリート住宅にならった、打ちっぱなし部屋のイメージが強いですね。

物件自体はハイグレード

コンクリート打ちっぱなしなど堅牢な造りが多く、建物そのものはハイグレードです。当然のことながら、造りやインテリアのおしゃれ感は一般のよくあるマンションとは比べ物になりません。友だちを呼んでも、思う存分自慢できることでしょう。

家賃が高め

デザイナーズマンションと銘打ってあれば、家賃は周辺の相場の物件よりも高いはずです。確かに家賃が高いのはデメリットですが、その分身元のしっかりした人しか住めないと思うと、逆に安心に感じる人も多いでしょう。

デザイナーズマンションのメリット・デメリット

多分、これを読んでくれている人の多くはデザイナーズマンションに住んだことはないと思います。そこで、実際に住んでみた経験者からの情報です。デザイナーズマンションにおける最大の誤解は、「無駄におしゃれにしているから実は暮らしにくい」というものでしょう。でも、そんなことはありません。

通常の賃貸住宅は、オーナーがいかに効率よく入居者を集めて限られたスペースの中で利益をあげるかというオーナー目線で建てられています。しかし、デザイナーズマンションは、建築家やデザイナーが自分がその場所に住んだと仮定して、そこで実際に暮らす人の目線からデザインしています。

もちろん、建築家やデザイナーと趣味やライフスタイルが違えば居心地が悪いかもしれませんが、「住む人目線」で造られていることは間違いありません。

デザイナーズマンションのメリット

オシャレで自慢できるだけではなく、実際に住んでみると便利なことはいくつもあります。住んでみないとわからないかもしれません。

静か

堅牢な造りなため、防音性、遮音性に優れた建物が多く、周囲の部屋からの騒音が気になる人や、どうやってもバタバタ騒いでしまう子どもがいて気を遣うという人には向いていると思います。

ペット可が多い

まだまだ日本ではペット可の物件は探すのに苦労しますが、デザイナーズマンションはペットを飼育できる部屋が、普通のマンションより格段に多いと思います。中には最初からペットを飼うこと前提に、ペットに優しいデザインが施された部屋もありますよ。

広々している

基本的にデザイナーズマンションは広めの物件が多いです。さらにその上に天井が高い部屋も多く、実際の広さ以上に広々感を満喫できるでしょう。

デザイナーズマンションのデメリット

もちろんデザイナーズマンションにもデメリットはあります。家賃が高めというのはデメリットの代表格だと思うのですが、他にもいくつか知っておいたほうがいいことはあります。

光熱費がかかる

オシャレなコンクリート打ちっぱなし、かつ天井が高いとくれば、夏は暑く冬は寒いです。結露もあるかもしれません。正直、思っていたよりも光熱費はかかります。

インテリアがちぐはぐになる

最初からデザイナーの主張が強い内装になっている場合、自分のこれまで持っていた家具や自分のほしい家具がまったく合わないということもあります。そうならないようにあまり主張の強くない部屋や、自分と趣味が近い人のデザインしたものを選ぶのが基本ですが、そうそうぴったりの物件には巡り合えません。

インテリアがどうしてもちぐはぐになったり、それがいやで自分のほしいものをあきらめるという本末転倒なことになることも、ないではありません。

ヴィンテージマンションとの違い

デザイナーズマンションとよく混同されるのが、ヴィンテージマンションです。よく「ヴィンテージワイン」なんて言い方をしますが、ヴィンテージとは年月を経ることが劣化につながるのではなく、積み重なった年輪の分だけ価値を増すような、古くても価値のある上質なもの、と考えたらいいでしょう。

これも厳密にどういうものならヴィンテージと呼べるというくくりがあるわけではないのですが、大前提としていくつかのポイントはあります。

古い

当たり前ですがヴィンテージマンションは古いです。原宿の駅から至近、中華料理店が入っている「コープオリンピア」は日本で初めて価格が億を超えた億ション第一号と言われ、日本のヴィンテージマンションの象徴的な存在ですが、建てられたのは昭和40年のことです。

50年の時を経て、今もなおそのステータスを保ち続けているのですから正にヴィンテージ中のヴィンテージと言えるでしょう。

ただし、老朽化は否めず、建て替えるかどうかの話し合いはもうずっとされています。ヴィンテージマンションは自分の部屋に愛着がある人が多いので、建て替えやマンションの管理規約の変更などにかなりの時間とエネルギーは使います。

また、持ち分によって発言権の大きさも変わるので、たとえば大きな部屋を所有している人は大株主のようなものであり、他の住民が望んでもこの人が首を縦に振らないと何も動かないということもあります。

高い

そして、間違いなく家賃は高いです。正確に言えば、家賃が高いというよりも、それに付随する修繕積立金や共有部分の管理費、清掃費、老朽化した設備の維持費など、月々にかかってくる管理費がちょっと他のマンションとは比べ物にならないくらい高いところが多いです。下手をすると月に5万円は管理費だけで軽く超えてくるでしょう。

しかし、管理費が高いということは住民がそれだけ古いものを大事に使っていこうとしているという裏返しでもあります。

住環境が抜群

年月を経ても価値を落とさないヴィンテージマンションに絶対に必要なものは利便性です。繁華街の中にあったり、駅から至近だったりと、住環境は抜群なはずです。

たとえば「中野ブロードウェイ」と言えば、今ではオタクとサブカルチャーの聖地ですが、あの上は高級ヴィンテージマンションです。建てられたのは昭和41年とこちらも年代ものですが、駅から近いのはもちろん、屋上には庭園や池、プールもあり、完全に都会の中の別世界ですね。

デザイナーズマンションやヴィンテージマンションの家賃は、確かにお安くはないでしょう。毎月払うものだからもったいないな、と感じるかもしれません。でも、逆に考えれば、部屋は自分が一日の多くの時間を過ごす自分のお城です。本当に気に入った場所で暮らせるというメリットは、お金には代えがたいものかもしれません。

部屋との巡り会いはご縁のものですから、しっかり考えて選びましょう。


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