敷金を取り戻すために掃除しておくべきポイント

敷金を取り戻すために掃除しておくべきポイント

賃貸住宅を退去する際、敷金がいくら戻ってくるのかは大きいですよね。礼金はもともと返ってこないお金ですが、敷金は家賃の滞納や室内の破損、汚損などがあった時のために最初に預けてあるお金なので、本来なら全額戻ってくるのが筋ですが、なかなかそうはいきません。

少しでも多く敷金を戻してもらうためには、普段からきれいに部屋を使うことはもちろん、退去前のひと掃除が重要になってきます。

効率よく敷金を取り戻すために

まず、部屋の中の設備などを壊してしまったというようなことがないなら、ポイントを押さえた掃除が有効です。その際のキーワードの「原状回復」と「善管注意義務」を知っておきましょう。

原状回復とは

基本的に借りたものは借りる前と同じ形にしてから返しましょうというのが原状回復ですが、それは借りた時とまったく同じ新品同様にしろということではありません。畳のささくれやクッションフロアのへこみ、カーペットの日焼けなどは経年劣化であったり、通常に住んでいるだけで起きてくることでもあるので、そこは元に戻す必要はありません。

つまり、これらに関しては借主の責任ではないので、手間と労力をかけるのは無駄です。

一方で、自分がタバコで焼け焦げを作ったとか、何かをこぼしてシミにしてしまった、家具を引きずって床を傷つけてしまったという自分に過失がある場合のみ、元に戻す義務があります。

善管注意義務とは

浴室は使ったら掃除をして乾燥させておかないと、カビが生えます。カビの根がすでに入り込んでいてどうしてもカビてくるような部屋もありますが、それでもこまめに手入れをしていればカビがびっしりなんてことにはならないはずです。

このように、物件の資産価値を下げないように注意して暮らす義務があります。これを著しく怠ったと判断されたら、がっつり敷金から引かれることもあるでしょう。それでは、そんなことにならないために引っ越し前のひと仕事をしましょう。

カーペットをきれいに

カーペットが敷きっぱなしになっている部屋は、まずカーペットに何かこぼしたらすぐに拭き、しみにならないようにすることが第一です。こぼしたその時が勝負だと心得、下にしみ込んでしまう前に大量のタオルや雑巾などで吸い取ります。

でも、気づかない間にシミやカビで汚れていて引っ越し直前にそれに気づいたらどうしましょうか?

コーヒーのシミ

コーヒーは水溶性のシミなので、カーペットが濃いめの色でそれほど目立たないなら、まず水を多めにかけてきれいなタオルなどでくり返し汚れをタオルに移すつもりで吸い取らせてみます。コツはシミの周辺まで濡らすことです。範囲が狭いと逆に輪ジミになって目立つことになります。

それでだめなら、中性洗剤を薄めたものをかけて同じようにタオルに汚れをしみこませ、次に水で洗剤をすすぎ拭きします。この時重要なのが、こすったりたたいたりしないことです。それはシミを繊維の中により深くしみ込ませることになるので注意が必要です。

困るのが、じゅうたんが淡い色でどうやってもコーヒーのシミが目立ってしまう時です。そんなときには最終手段として、酸素系漂白剤を使いましょう。絶対に、塩素系漂白剤を使ってはいけません。塩素系漂白剤はかなり高い確率でカーペットを変色させて取返しのつかないことになります。

さらに、素材がウールやウール混の場合も避けたほうがいいでしょう。あらかじめ隅の方でやってみて色落ちや変色がないか、確かめてください。

お湯に溶かした酸素系漂白剤をしみこませた布で湿布し、ドライヤーで軽く温めた後にサランラップで乾燥を防ぎます。30分ほどそのまま置いて、ブラシや雑巾でシミを落としてみます。

これでダメなら、諦めたほうがいいですね。

カーペットのカビ

部屋に結露がある場合、家具の後ろなど気づかない部分にポツポツと黒カビが出ていることがあります。また、無精で万年床にしていたり、食材などを長期間置きっぱなしにしていてもカビてくることがあります。

カビの除去はプロでも難しいものです。おそらく、カビてしまっているのなら高い確率でそのカーペットは取り替えることになるでしょう。そのカビが手入れ不足によって生えたと判断されればその費用のいくらかは請求されると思います。

少しくらいのカビなら、様子をみながら酸素系漂白剤でコーヒーのシミと同じように落とせば、きれいになるかもしれません。

フローリングや壁

フローリングや壁はキズをつけたり穴をあけたりしないのが基本です。小さな画鋲の穴程度ならスルーされることのほうが多いと思いますが、勝手に釘を打ってしまったり、その穴が下のボードにまで達している場合にはかなり高い請求が来るかもしれません。

フローリングの色あせとキズ

日焼けによる色あせは借主に責任はありません。ただ、何か化学薬品などをこぼしたりして退色させた場合には修理費用は請求されるでしょう。

キズは、もし小さいものならホームセンターで売っている傷隠し材を塗ればかなり目立たなくなります。ただ、家具を引きずったへこみなどは素人では直すのは難しいので、普段の使い方が重要になります。もし、キャスター付きの椅子を使っているなら、下に保護ボードをかませましょう。

壁のキズや落書き

クロスの小さなキズ程度なら、木工用ボンドで貼ってしまえば目立たなくなることもあります。これもつけたらすぐに行ったほうが当然きれいに修復できます。

落書きは何で書かれたかによります。クレヨンなら、歯ブラシに歯磨き粉をつけてこすればかなりきれいに落ちます。範囲が広いと結構疲れますが、落書きの中では楽なほうですね。水性のペンなら、少しずつガラスクリーナーで落とすのがいいでしょう。

やっかいなのが油性のマジックやボールペンです。時間が経つと油性成分が壁にしみ込んでしまって、ちょっとやそっとでは取れません。手間や時間を考えるとあきらめるという手もありますが、どうしてもあきらめたくないのであれば、マニキュア除光液をつけて少しずつ拭きとっていく方法もあります。

ただ、壁の素材によってはかえって変色して汚くなってしまうので、必ず目立たない場所で確かめてみましょう。

キッチン、水回り

やはり家の中で一番汚れやすいのがキッチンや水回りです。くどいようですが、汚したらすぐに拭き取っておけばこんな苦労はないのに、と反省しながら掃除しましょう。

水回りのカビ汚れ

水垢によるくもりは、クエン酸やお酢など酸性のものがよく落ちます。どうせ引っ越しだから捨てるつもりのお酢があるのであれば、掃除に使ってしまえば一石二鳥ですね。

ただし、生えてしまったカビはお酢では落ちません。市販のカビ取り剤もありますが、パッキン部分に生えてしまったカビは塩素系漂白剤の原液と片栗粉を混ぜてペーストを作り、それを塗った後、ラップで湿布して数時間おきます。これでかなりとれます。

換気扇の油汚れ

旧式の羽がはずれるタイプなら、外してお湯に溶かしたセスキ炭酸ソーダに一晩つけておくと、気持ちがいいくらいするっと汚れがとれます。

ただ、ビルトインタイプは一度分解してしまうと復元に時間がかかるものもあるので、やらないほうがいいです。100円ショップで売っている不織布の換気扇カバーシートをつけておけば、掃除の手間が大幅にはぶけるのでおすすめです。

便利グッズ

掃除が苦手な人でも、なるべく効率よく汚れが落とせるグッズがあればモチベーションも上がりますよね。

ストッキング

これは結構万能です。乾いたままなら静電気があるので、ほこり落としやはたきの代わりになりますし、濡らして水回りのくもりや汚れもこするとびっくりするほど落ちます。もともとが薄いので、細かいところに入り込んでくれるのがうれしいところです。

セスキ炭酸ソーダとクエン酸

引っ越しするのにいろいろ洗剤を買いたくないなら、この二つでなんとかしましょう。基本は、油の汚れにはセスキの水溶液、水垢やトイレの汚れにはクエン酸です。汚れを中和して浮かしてくれるので、そんじょそこらの市販の洗剤よりも気持ちよく落ちます。

いろいろ書いてきましたが、いまだに敷金返還でもめる人は多いです。きれいに掃除をするのも手ですが、大家さんや不動産屋との交渉力のほうが、実は敷金の返還額には影響大かもしれません。できるところまで掃除をした上で自分が払うべきもの、払わなくていいものをしっかり勉強してから交渉にのぞみましょう。


目次一覧

不動産会社、検索サイト一覧

地域別の不動産会社

安く借りるコツ

お部屋探しの注意点

物件タイプごとの特徴

賃貸契約の基礎知識

敷金返還トラブル

住みやすい街や地域

コラム、Q&A