中古マンションを購入する際に、築5年や築10年の築浅と新築の価格差がどれくらいあるのか解説します。
一般的に築5年だと物件によって異なりますが5~20%、築10年だと大体の物件で25%程度、新築価格から下落します。
気になるのは「築何年目の物件がお買い得なのか?」という点ですが、もし中古マンションを購入するなら、築6年~15年の物件を買うのがおすすめです。
理由は、下記サイトの参考記事にあるように、築6年目以降に価格が大きく下落するためです。
中古マンションの価格はどれくらい落ちるのか?
新築マンションと比較して、中古マンションの価格がどのように下がっていくのか、その点について解説していきたいと思います。
築5年以内の中古マンション価格
築1年~築5年までは、基本的にそう大きく価格が変わることはありません。一般的に一日でも人が住んでしまえば、そのマンションは中古マンションとなってしまいます。
マンション業界では昔から、「一旦誰かが住んだ時点で10%ほど価値は下がる」と言われています。
つまり新築マンションでも、誰かが一日でも住んでしまえば、それは中古マンションとなるので、4000万円で購入した新築マンションだったとしても、わずか1日で3600万円程度にまで価値は下がってしまうことになります。
その後は1年ごとに1%~2%ほど、価値が下がっていくと考えれば良いので、築5年だと最高で20%程度価値が下落することもあります。特に首都圏近郊でいえば、埼玉県が一番下落率が高いと言われており、約23%の下落率というデータがあります。
- 埼玉(約23%)4000万円→3080万円
- 千葉(約20%)4000万円→3200万円
- 神奈川(約13.5%)4000万円→3460万円
築10年の中古マンション価格
築10年での平均下落率は約25%ほどになると言われています。つまり4000万円で購入したマンションの価値は3000万円まで落ちていることになります。
ただしこれも人気のエリアだったり、都道府県により格差がありますので、一概には言えないので下落率が20%程度の地域もあれば、さらに大きく下落して30%を超える場合もあります。
- 埼玉(約32%)4000万円→2720万円
- 千葉(約31%)4000万円→2760万円
- 神奈川(約25.5%)4000万円→2980万円
築10年以降の中古マンション価格
せっかくなので、築10年目以降の中古マンションの価格も紹介しておきたいと思います。マンション業界では、築20年での下落率は平均40%、築30年になると平均60%ほど下落すると言われています。
では実際に先ほどの3県で比較してみたいと思います。
築20年
- 埼玉(約53%)4000万円→1880万円
- 千葉(約54%)4000万円→1840万円
- 神奈川(約44%)4000万円→2240万円
築21年~30年
- 埼玉(約72%)4000万円→1120万円
- 千葉(約70%)4000万円→1200万円
- 神奈川(約63%)4000万円→1480万円
築20年を超えると一気にマンションの資産価値が下落しているのがわかります。
2018年現在の東京都内における中古マンション事情
上記で書いている通り、新築時から年月が経過するごとにマンションとしての価値は下落していくのが常識です。しかし、2013年の東京オリンピック決定を機に東京都内はもちろん、その周辺の地域ではマンション売買に異変が起こっています。
以下の内容は2015年8月にこの記事を執筆した時の内容になります。
まさにオリンピック特需という言葉が表す通り、2015年現在東京都内のマンション事情は大きく変貌しています。2013年の東京オリンピック開催決定から、どんどん東京都内の中古マンション価格は上場をはじめ、ついに新築時の販売価格以上で取引される物件も出てきました。
このとき東京都内のマンション価格は新築・中古ともに軒並み価格が上昇している真っ最中でした。まさに東京オリンピックバブルです。
しかしこの記事を書いたとき、オリンピックバブルも2016年までだろうと秘かに思っていました。2017年くらいからマンション価格は頭打ち状態となり、価格の上昇はストップ。
その後は、前年度の価格を下回る地域や物件が増えると予想していました。
理由は急激な価格上昇による反動、外国人投資家がひと段落すること、そして世界的に金利の上昇が始まり、日本も金利を上げると考えていたからです。
予想通りアメリカや欧州を中心に、金利の上昇が始まりました。中国人たちの不動産投資も落ち着きを見せました。しかし日本のマンション価格は予想に反して、2017年も上昇を続けました。
下のグラフを見てもわかるように、ピークだろうと思っていた2016年の平均価格を超え、2017年も中古マンションの価格は上昇を続けています。
※参考サイト:東日本不動産流通機構
そして2018年4月現在、やはり都心を中心に首都圏のマンション価格は上昇を続けています。
この要因は、日本が今だにゼロ金利政策を続けていることが考えられます。今のところ政策を変更する予定はないので、2018年もマンション価格の上昇が続く可能性が高いです。
新築時のより高く売却できるケースもある
築10年の中古マンションが新築販売時の価格より130%アップで取引される現象も起こっています。つまり10年前に4,000万円で購入した分譲マンションが10年経っているにも関わらず5,000万円以上で取引されていることになります。
これは中古マンションではありえないことです。
今のところ特に価格の上昇が目立つのは、23区内では東京メトロ線沿いにある小伝馬町と豊洲の2ヶ所です。その他にも半蔵門や外苑前などが高い上昇率となっています。
さらに広く首都圏でみれば、2008年あたりの中古マンション70㎡あたりの平均価格が3,128万円(平均築年数17.4年)でした。それが2017年では3,577万円(平均築年数22.8年)まで上昇しています。
比較すると価格が上昇しているにも関わらず、平均築年数は逆に古くなっています。首都圏全体のマンション価格がいかに上昇しているのが良くわかります。
今のところ130%以上の上昇率をみせているのは、東京メトロ線沿いにある小伝馬町と豊洲の2ヶ所ですが、120%以上の上昇率を見せているのは、半蔵門や外苑前など10ヶ所ほどあります。
東京都内の上昇率30位の都営新宿線の菊川駅近辺でも114%ほどの上昇率なので、東京23区に限ってみれば、かなりの確率で新築販売時よりも高い金額で取引されているのがわかります。
しかしこの現象がすべての中古マンションに当てはまる訳ではありません。
同じく東京23区だとしても、マンション価格が急に上昇した2006年より以降の新築マンションでは、ここまでの上昇率は望めません。つまりマンションの価格が落ち込んでいた2003年から2006年くらいまでの新築マンションが一番価格の上昇率が高いことになります。
中古マンションを購入するのに一番良い時期は?
中古マンションの購入を考えているケースで多くの人が悩むのが、築何年くらいの物件を購入するのが良いのだろう?と言うことだと思います。
もちろん築年数が浅い物件を購入するに越したことはありません。それだけ最新の設備やセキュリティが備わっている可能性が高いですし、防犯や防音などの対策も期待できます。
しかし、それは解っていても実際に予算という問題がありますので、多くの人が予算と販売価格を比較して悩んでいることだと思います。
築6年から築15年が狙い目な理由
マンションというのは、築6年目から大きく価格が下落すると言われていますので、出来るだけ築浅の物件を狙っているのであれば、築6年目以降の物件をおすすめします。
そして築15年を過ぎるとマンションの下落率は比較的緩やかになる傾向がありますので、あまり資産価値が落ちない中古マンションを考えている場合は築15年くらいの物件をおすすめします。
これは独自の見解なのですが、2018年時点で一番狙い目の物件は築15年前後の物件だと考えています。リーマンショックなどの影響もあり2007年ごろから新築マンションの価格は上昇しました。
ですので、新築マンションの価格が上昇する直前の物件を狙うことで、築年数も比較的浅く、なおかつ価格が安い物件を狙うことができますので、掘り出し物件に遭遇する可能性もあるからです。
逆になるべくなら避けたい物件が築5年以内と築20年くらいの中古マンションです。
築5年以内の築浅物件はあまり値が下がっておらず、購入後にドンと値が下がってしまう恐れがあるので、あまりおすすめしません。また築25年といえば1993年なので、バブル崩壊の前後にあたります。
バブル崩壊により、ゼネコン各社はあらゆる手段でマンションの販売促進に取り組みました。実際に価格を下げるために、コストを抑え、質を低下させたマンションも数多くあります。すべてのマンションが質の低下したマンションだとはいいませんが、そういうマンションもあるということです。