中古マンションの物件見学と価格交渉について

中古マンションの物件見学と価格交渉について
気に入った物件があれば、即申込を済ませる

中古マンションの場合、新築マンションと違い早い者勝ちです。ですので、気になる物件があれば、とりあえず買いたい意思があることを売主側に伝えなければなりません。

新築マンションのように、複数回見学してからじっくり申し込みをしようと思っていると、必ず他の人に先を越されてしまいます。

中古マンションで掘り出し物件を見つけた場合、とにかくスピード勝負だと思ってください。ですので、1回の物件見学をどれだけ効率良く出来るかが、とても重要になります。

中古マンションの物件見学

新築マンションと中古マンションの大きな違いは、実際の物件を見れることにあります。

新築マンションは、あくまでもモデルルームという形なので、なかなかイメージが沸かないのですが、中古マンションは物件そのものの姿を見ることが出来ますし、管理状況や建物の劣化状況などを見ることも可能です。

物件内部のチェック箇所

まずは部屋内部のチェック箇所を紹介しておきます。このとき持参するものは、筆記具とサイズを測るメジャーだけで問題ありません。中古物件の場合、仲介する不動産会社の担当者が同行することになりますが、事前にお願いして物件の間取り図を用意してもらっておきましょう。

チェック項目を大きく分けると以下のような点になります。

専有部分と共用部分

※建物だけじゃなく、室内でも専有と共用部分が明確に分けられています。当然共用部分には勝手に手を加えることができませんので、リフォームなどの際には管理組合などの許可が必要になります。

例)シングルガラスをペアガラスに交換するのも、ガラス部分が共用なら許可が必要

ただし、物件案内をする不動産会社の担当者が、そこまで理解しているケースは少ないので、どうしても手を入れたい部分があれば、その部分が専有か共用かを後日確認してもらうようにしましょう。

日照や通風、騒音など

※部屋の電気を消してもらい、室内にある窓を全て開けてもらいましょう。そうすることで日照具合を調べることができますし、風通りや騒音などを知ることができます。窓は一面だけ開けても、風通しは確認できませんので、必ず全ての窓を開けてから確認してください。

水まわり

※キッチン、トイレ、バスルームなどの水まわりは一番傷みが出やすい部分です。サビ、カビなどの状況確認をし、状況が悪い場合には売主負担で引渡し前に補修・修繕をして頂けるか確認してください。

もし売主側の負担で修繕・修復するのが難しいというのであれば、その修復費を値引き交渉するという方法もあります。一般的に水まわり設備品の寿命は15年程度だと言われていますので、築年数10年を超えているような中古マンションの物件は要チェックです。

動線

※家事や炊事の効率化を出すためには、動線のチェックは欠かすことができません。これは間取り図でも確認できるのですが、実際の物件を見ながら確認するのが一番効率的ですし、図面だけでは見えない部分がきっと見えてきます。

もし動線が悪いようであれば、それを踏まえたリフォームなども考慮しなければなりませんので、その際に邪魔になっているキッチンの向きや建具などを動かすことが可能なのかを事前にチェックしておきましょう。

天井、床、側壁などの構造部分

※構造部分になると素人ではチェックできないことも多いでしょうが、壁や床の厚みくらいは聞いておくようにしましょう。その際、防音性能はD値という言葉で表現することがありますので、D値くらいは事前に勉強しておくようにしましょう。

D値の基準

D-35:隣世帯のテレビや日常的な会話がはっきり聞こえるレベル
D-40:隣世帯のテレビや日常的な会話がかすかに聞こえるレベル
D-45:隣世帯のテレビや日常会話がほとんど聞こえないレベル
D-50:隣世帯のテレビや日常会話は聞こえないが、大声などを出すと聞こえるレベル
D-55:隣世帯のテレビや日常会話はまったく聞こえず大声で歌っても聞こえないレベル

D-45以上の物件であれば問題ありません。もし不動産業者が解らないと言うのであれば、新築時のパンフレットを確認してもらったり、販売業者に問い合わせしてでも調べてもらうことをおすすめします。

騒音問題というのは、思っている以上に深刻です。とくにマンションとなると両隣と上下部屋の騒音を気にしなければなりませんし、戸建てのように防音対策(リフォーム)も簡単にはできませんし、断熱効果も大きく変わってきます。

各部屋の広さや全体的な間取り

※廊下と部屋のドアの間口は何センチくらいあるのか?トイレや洗面・脱衣所は狭くないか?子供部屋にも収納スペースがあるか?など、全体のチェックも欠かさずに行いましょう。

とくに両親と同居をしていたり、将来的に介護の心配がある場合は、廊下幅やドアの間口サイズが重要になります。

建物全体のチェック箇所

建物全体というのは、劣化状況はもちろんですが、マンションの管理などが上手く機能しているかという問題なども含んでいます。

こちらもおおまかなチェック箇所を紹介しておきます。

外観

※外観のチェック箇所はクラックと呼ばれるヒビ割れが発生していないか?外壁の汚れを放置していないか?などです。基本的に外観の汚れを放置しているような物件は管理が疎かになっている傾向が強いと捉えることができます。

清掃状況

※建物全体のチェック箇所で一番重要視して欲しいのが清掃情況の確認です。

ゴミステーションはもちろんですが、通路・エレベーター・エントランスホール・駐輪場などの清掃までしっかり行き届いているかを見てください。それと意外に盲点なのですが、自分が購入しようと思っている部屋の隣部屋の集合ポストもチェック箇所のひとつです。

少し大げさかもしれませんが、郵便物が溜まっている場合、その部屋の人間性を疑う必要もあります。一生住む家なのですから、それくらい神経質に考えても問題ありません。

駐車スペース

※中古マンションの場合、すでに利用できる駐車スペースが決められています。自分がその部屋を購入した場合、駐車場のどの部分に車を止めることになるのか?一番端っこなどは駐車しづらかったり、通路に面している場合はゴミを投げ込まれて車が傷つくことだってあります。

掲示物

※エントランスホールには、マンションの掲示板が設置されているはずです。ゴミの出し方について注意書きがされていたり、今度の全体清掃の日程や管理組合で決められた重要事項などが掲載されています。

もしかすると、「マンション周辺に変質者が出没しているので注意!!」なんて貼紙がしてあるかもしれません。そうなると娘さんがいる家庭は不安ですよね。

土地の所有権

※分譲マンションの土地は大きく「敷地権」と「借地権」に分けられます。当然、所有権が認められる「敷地権」の物件であるほうがおすすめですし、借地権だと将来的に土地を返還することだってあります。

建物周辺の環境

建物だけじゃなく、その周辺のチェックも怠らないでください。マンション付近に街灯もなく暗い夜道がないか?無断駐車をしている車が目立たないか?駐車場への出入りは容易であるか?などです。

ホームインスペクションを利用する

購入したい物件が1つか2つに絞れたのであれば、最終契約をする前にホームインスペクションの診断を仰ぐことを強くおすすめします。

ホームインスペクションとは、建物や構造などを診断してくれるプロの建築家や家屋調査士に物件診断を依頼することです。この調査を受けることで目に見えない給排水管だったり、構造部分の劣化状況はもちろん、防音性、耐震性、耐久性など、総合的な状況を知ることができます。

当然依頼費は掛かりますが、数千万円という大きな買い物をするのですから、多少の出費は覚悟しなければなりません。おおよその金額ですが、3万円から5万円程度を考えておけば良いでしょう。交渉次第では、この調査費用を売主と折半にしてもらうこともできるはずです。

担当者に確認しておくポイント

物件案内をしてくれる仲介業者の担当者に確認しておきたい項目などについて話をしたいと思います。

リフォームの可否を確認しておく

マンションというのは戸建てのように自由にリフォーム工事ができるわけではありません。専有部分と共有部分に分けられており、共有部分に関してはリフォーム不可だったり、管理組合などの許可を受ける必要があるからです。

例えば購入したい物件のキッチンが古いタイプなので、新しいシステムキッチンへ変更することだって不可となる場合があります。もっと言えば玄関のカギを防犯性の高いものに交換するのだって不可となる場合があるのです。

もし購入と同時にある程度のリフォームを考えているのであれば、それらの箇所についてリフォームが可能であるかを聞いておかなければなりません。先ほども言ったように仲介業者なので、そこまで詳しく回答できない場合も多いでしょうが、その場合は管理組合などに確認をしてでも回答をもらうようにしてください。

万が一「それは購入者さんのほうで確認してください」などと回答する仲介業者であれば、その時点でその業者で購入するのは止めたほうが良いでしょう。

値引き交渉の可能性

仲介業者の担当者であれば、ある程度の値引きに売主が応じてくれるか解っています。具体的な値引き金額などは簡単には教えてくれないでしょうが、値引きに応じる姿勢が売主にあるのかを確認しておくだけでも全然違います。

編集長も仲介業者の営業マンをしていた経験があるから言えますが、売主が値引きに応じてくれるかどうかは、担当者の腕に掛かっている部分が大きいです。実際には当初の売値のまま契約に結びつく物件と言うのは、全体の1割にも満たないくらいです。

客付きの状況

何ヶ月くらい前から売出している物件なのか?これまでに何組くらいの購入希望者を案内したのか?など、その物件の客付き状況を絶対に確認してください。もし口が軽いような担当者であれば、実際に現段階で具体的に購入を検討している人がいるのかなども聞いておくと良いでしょう。

~まとめポイント~

とても長い記事になってしまいましたが、それほど中古マンションの内見は大事だということです。新築マンションと違い、内見をして悠長に購入を検討する時間はそう多くありません。そのためにも一度の内見である程度の内容をすべて聞き出す必要があります。

もし内見を終えて購入を引き続き検討したいと思うような物件であれば、買付証明書を発行してもらい、交渉権を獲得しておくのも一考だと思います。交渉で最終的に金額面などの条件が折り合わなければキャンセルすることだってできますし、違約金などを請求されることもありません。


目次一覧

新築マンション購入までの流れ

新築マンションで特に気をつけたいポイント

新築マンションに関するよくある質問

中古マンション購入までの流れ

中古マンションで特に気をつけたいポイント

中古マンションに関するよくある質問

予算、間取りに関するアドバイス

耐震・セキュリティについて

女性のマンション選びアドバイス