新築と中古では、多少資金計画の立て方が違ってきます。中古マンションの場合、リフォームとしての費用を計算に入れておく必要があるからです。
築年数の浅い物件を購入するのであれば、さほど大きなリフォーム費用とはなりませんが、築年数が経過している物件を購入するのであれば、それなりのリフォーム費用を覚悟しておかなければなりません。
編集長の経験から、中古マンションのリフォーム費用というのは築年数5年ごとに100万円ほどを考えておくのがベストだと思います。築5年までの物件であれば0円、築5年から10年までだと100万円、築10年から15年だと200万円という感じです。
さらにリフォーム費用以外にも仲介手数料という費用も発生しますので、それらを考慮して資金計画を立て、その費用に見合う物件を探さなければなりません。
中古マンションの資金計画
中古マンションだからといって、新築と大きく違う点はありません。住宅ローンや控除も新築同様に受けることができます。
中古マンションの購入に必要な資金
物件価格(手付金含む)
※手付金は物件価格の10%程度、もしくは100万円ほどが一般的です。
登記費用
※所有権の移転や抵当権の設定などに掛かる費用です。
住宅ローン諸費用
※団体信用生命保険、保証料、事務手数料、印紙代などがあります。
税金
※契約時の印紙代、不動産取得税などがありますが、買い替えの場合には譲渡所得税が発生するケースもあります。
その他
※引越し費用、各種保険などの費用
仲介手数料
※不動産業者に支払う報酬で、物件価格の3%+6万円ほどが必要です。
リフォーム費用
※築年数によりリフォーム費用は大きく異なります。築10年ほどの物件であれば100万円から200万ほどを考えておくのが良いでしょう。
各種精算金
※固定資産税やマンション管理費、修繕積立金などを日割り計算で支払う必要があります。
赤字になっている3項目が中古マンション購入時に発生する諸費用となります。仮に2000万円の中古マンションを購入した場合、この3項目だけで約170万から200万(リフォーム費用100万で計算)ほどの費用が掛かる予算組をしておきましょう。
リフォーム費用も住宅ローンに組み込めるのか?
2000万の中古マンションを購入する際、200万円のリフォームを予定しているのであれば、誰だって2200万円で住宅ローンを組みたいと考えるでしょう。しかし住宅ローンとリフォームローンは別物です。
一般的にはリフォーム代金を住宅ローンに組み込むことは認められていませんし、仮にそれをやって銀行などにバレてしまうと全額返済ということにもなりかねません。そこで今回はリフォーム費用に関する考え方を少し書いていきたいと思います。
自己資金をリフォーム費用にまわす
先に書いたとおり、リフォーム費用を住宅ローンに組み込むことは、ほとんどの金融機関では認められていません。一部不動産業者と提携している銀行などで認められることもありますが、それでもリフォーム代金の50%くらいと上限が決められています。
そこで編集長がおすすめしたいのが、物件購入のために貯めていた自己資金をリフォーム費用にまわすことです。この方法であれば、自己資金をリフォーム費用にあて、物件購入代金を全額住宅ローンとして融資を受けることが可能になります。
物件価格にリフォーム代金を上乗せしてもらうのはNG!
不動産業者から、リフォーム費用を物件価格に上乗せしましょうか?という提案をしてくるケースがありますが、これは絶対NGです!これはハッキリいって違法な行為ですので、そうしたことが融資機関にバレてしまうと、全額返済を請求される可能性が高くなります。
似たような方法ですが、販売業者や不動産業者がリフォーム費用を立て替えるというやり方もあります。買主の収入に余裕があれば、住宅ローンの借入額を増やすことが出来るので、その場合はリフォーム費用を業者が補填し、その費用を物件価格に上乗せして販売する方法です。
要するに2000万円で販売されており、リフォーム費用に200万掛けるとします。この場合買主が2200万円の住宅ローンを確実に組めるというのであれば、リフォームは販売業者で行ってもらい、当初から2200万という形で販売されていることにすればいいのです。
ただ住宅ローンの審査に通らなかった場合などのリスクを考え、このやり方をOKする業者は少ないと思いますし、編集長的にもおすすめの方法ではありません。
有担保と無担保
そしてもう1つ覚えておいてほしいことがあります。仮にリフォーム費用を住宅ローンに組み込むことができたとしても、たしかに金利は低くて済みますが、それ相応のリスクを抱えることになります。
一般的な住宅ローンとは、土地と建物を担保に入れるので「有担保型」と呼ばれるローン商品であり、それに比べリフォームローンでは土地や建物を担保に入れない商品が多く、これを「無担保型」と呼びます。
当然、有担保型の場合、ローンの返済が滞ると土地や建物を融資先に差し押さえられてしまうのですが、無担保型の場合はそのリスクがありません。つまりリスクが高い有担保型のローンは借入金額を少しでも低く抑えておくのが得策だという考え方もできるということです。
~まとめポイント~
中古マンションの購入には、新築マンションに比べ、仲介手数料や精算金など多くの緒費用が掛かります。そのことを頭にいれ予算組をしなければなりません。
また一番頭を悩ませるのがリフォーム工事の取り捨てだと思います。購入後落ち着いてからリフォームを考えるという人もいれば、購入と同時にリフォームをしたいと考える人もいるでしょう。その場合、リフォームに掛かる費用をどうやって捻出するかが重要になります。
一般的にリフォーム費用を住宅ローンに組み込むことは出来ませんので、頭金として用意していた自己資金をリフォームに回すなどの対策が必要となります。