あなたは、いつマンションを購入しようと考えていますか?
マンションは決して安いものではありません。
ライフスタイルに合わせて、購入すべき物件も異なってきますので、どんな物件をいつ購入するか、しっかりと見極める必要があります。
独身でマンションを購入する
近年、結婚前にマンションを購入しようとする人が増えてきました。独身の人がマンションを購入する注意点は、自分が住まなくなった時を考えて購入すべきであるということです。
1K、1DK、1LDKなどの単身用の物件は、価格も手ごろですので、単身者でも新築を手に入れることも可能です。しかし、将来結婚をしたときに、手狭になり、ほかの物件に住み替える可能性も大いに考えられます。
資産価値の下がらない物件を選ぶ
一番大事なのは、賃貸、売買で客付けをしやすい物件を選ぶことです。購入価格を大幅に下回って売却するのでは、すぐに客付けができても意味がありません。販売価格が安くならない、資産価値のある物件を選びましょう。
自分の次に購入したマンションに住む人もやはり単身者でしょう。仕事などで、頻繁に公共交通機関を利用することが多いと予想されます。そのために、駅の近くの物件を選ぶ事が望ましいでしょう。エレベータのない最上階の物件や、小高い丘の上に建っている物件も、人によっては、実用性がないと判断されます。
デザイナーズマンションは、単身者に人気があるように思えますが、中には間取りの配置が悪い、冷暖房効率が悪い、日照条件が悪いなどのマイナス面をカバーするために、作られたものがあります。動線や風通し、日照をチェックしてから選ぶべきです。また、建具やキッチンに蛍光色が使われているなどの、好みがはっきり分かれるものは、避けたほうがよいでしょう。
リフォームをしやすい間取りなら、入居しようとする人の層が広がります。バルコニー側に居室とダイニングが隣接している2DKの間取りなら、リフォームして1LDKにできますし、6畳の居室が2部屋、ふすまで仕切られている部屋なら、12畳の居室に変更できます。
その他の注意点に関しては「資産価値が落ちにくいマンションとは?」で詳しく解説しているので、あわせて確認してください。
住宅ローン控除の受けられる物件にする
購入する際は、平米数の確認を必ず行いましょう。自分で住むためにマンションを購入するなら、住宅ローン控除の適用は必ず受けたいはずです。住宅ローン控除は、年末ローン残高の1%が控除になる制度です。住宅ローンは数千万単位で組むケースも多いですから、かなりの金額が控除されます。
控除の適用条件に、床面積があり、50㎡~240㎡のマンションのみ、控除されます。販売されている単身用物件は、50㎡以下のものが多くあります。購入してから控除が受けられない物件だと慌てないように、きちんと確認しておきましょう。とくに、1K、1DK、1LDKを購入する人は要注意です。
床面積は物件資料ではなく、登記識別情報に記載されている面積で判断されます。床面積の適用条件は、不動産取得税や登録免許税、住まい給付金などにもありますので、注意が必要です。
単身者は、結婚だけでなく、転勤などでマンションに住まなくなる可能性があります。将来を考えて、5年後、10年後に売却できる物件を選び、節税しながら生活することをお勧めします。
パワーカップルがマンションを購入する
「パワーカップル」とは、2人がそれぞれ年収700万円以上稼ぐ30歳~40歳代のフルタイムで働く共働き夫婦のことを指します。定義したのはニッセイ基礎研究所です。そのような世帯が、現在、都心部や近郊のマンションを購入しています。収入が多いと支出も多くなりがちです。判断を誤ると将来、支払ができなくなる可能性があります。
35年後まで1,400万円の収入が継続できるのか?
世帯年収1,400万円超の世帯は全体の2%弱。希少な高額所得層です。夫婦合わせて1400万円の世帯年収があれば、9,800万円程度の住宅ローン融資が可能です。金利水準が史上最低の今なら、年収の7倍くらいまではローン審査が通ります。
住宅ローンを組むときは、ほとんどの人が30年以上のローンを組みます。9,800万円の借入、頭金1,000万、金利1%とすると、月の支払いは24.8万円となります。マンションならば、管理費、修繕積立金も月の支払いに加わり、月に30万を超える支出となります。
支払は、定年してからも続きます。再就職し、年収が少なくなってからも、毎月30万円以上返済できるでしょうか?長期でローンを組む場合に、限度額までローンを組むのは危険です。限度額の6、7割にとどめておくのが賢明です。
離婚した時を前提に考える
もし、離婚になったら、2人の収入で借り入れた、ローンの返済計画を変更しなくてはなりません。自分1人だけの収入になってときに、マンションの支払いができるかどうか検討しましょう。
財産分与のためにマンションを売却したとしても、売却価格が購入価格を上回らなければ、ローンの残債は消えません。新しい住まいの費用とローンの残債を返済する収入を確保する必要があります。
現在は、3組に1組が離婚する時代です。話をしにくいことですが、ペアローンを組む際は、独りになったときにどうするか、リスク回避の方法を確認し合うことが大切です。
子どもの教育費を考慮する
子どもにかかるお金は教育費と養育費に分けられます。これらを考慮してローンを組まないと、家計が火の車になってしまいます。
日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(平成26年度)」によれば、教育費の総額は、高校まですべて公立、大学は国立の場合で教育費は1,015万円。幼稚園から大学まで私立で、大学は私立理系(4年間)の場合は、2,465万円程度かかります。
幼稚園から高校まですべて私立に通い、私立の医学・歯学系の大学を選択した場合には、教育費は4,643万円にもなるのです。24年間の養育費を合わせれば、6,000万円を超えるでしょう。タワーマンションが買えるぐらいの金額となります。
現在の収入、使えるお金の割合が、ずっと続かないことを自覚したうえで、購入できるマンションの価格を設定することが大切です。ローンも同じように、限度額まで組むのを控え、返済額を設定すべきです。
結婚を機にマンションを購入する
結婚がきっかけで、マンションを購入する人は、今後、夫婦でどんな生活を送りたいかを最初にじっくりと話し合いましょう。定年まで共働きするのか、子どもは設けるのか、ずっと同じマンションに住み続けるのかによって、どんなマンションをどこに購入するかが決まってきます。
資金計画を立てる
自分たちの人生設計が建てられたら、購入できるマンションはいくらなのかを計算しましょう。自分たちが借りられる金額と月々返済が可能な金額をきっちりと把握しておかないと家計が火の車になってしまいます。
まずは銀行でどのくらい借りられるかを確認します。実際に銀行に行かなくてもはネット銀行などのサイトで資産も可能です。リノベーション物件を購入するときは、注意が必要です。築年数が経てば経つほど、マンションの評価が低くなりますので、融資金額が少なくなります。
マンション購入時には、購入費用だけでなく、不動産取得税、登録免許税などの税金や、不動産会社に支払う仲介手数料などの諸費用がかかります。購入後も固定資産税や管理費、修繕積立金、居室内の修繕費などの出費があるでしょう。それらも考慮して、月にいくら払えるかを考えましょう。
資金計画の詳細については「新築マンションを購入する際の資金計画」の記事で分かりやすく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
リノベーション物件に要注意
リノベーション物件を購入するときは、注意が必要です。築年数が経てば経つほど、マンションの評価が低くなりますので、融資金額が少なくなります。実際融資を申し込むと、自分たちが試算した金額よりも少ない額しか融資されないケースが考えられます。
安価で家族の好みや価値観を反映できるリノベーション物件ですが、将来的にマンションを売却するライフプランを立てている人にはおすすめしません。耐用年数を大幅に超過した物件は、売却時に資産価値の下落幅が大きくなります。リノベーションで費用をかけたのに資産価値は少なくなってしまいます。
子育て中にマンションを購入する
賃貸住宅に住んでいて、部屋が手狭になるなどの理由でマンションを購入するケースです。教育資金が必要になるので、人生において、一番お金がかかる時期です。教育資金を最初に確保し、残ったお金を住宅購入費用に充てるようにします。
子どもを大学まで公立に入学させるのか、私立に入学させるのはいつからか、教育方針によってかかるお金が上記のように異なります。将来どうするか決めかねている場合は、教育費のお金を多めに見ておきましょう。
資金計画の詳細については「新築マンションを購入する際の資金計画」の記事で分かりやすく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
ファミリータイプのマンションは、子どもが独立してしまうと、広すぎて、もて余してしまう可能性があります。また、近年は年を取ったら、自宅で過ごすのではなく、介護施設に入居する人が多くなっています。将来売却することも考えて購入するのがよいでしょう。
スーパーや駅、金融機関が近いなどの売却しやすい立地、間取り変更がしやすい部屋の配置であるなど、売りやすい物件の条件は、基本的には単身用と同じです。ファミリータイプのマンションは、子どもが同居する可能性が多いので、学校や病院が近いとさらに好条件となります。
また、年を取ってからもマンションに住み続ける予定の人は、バリアフリーの改修がしやすい物件を選ぶべきです。車椅子で通れるサイズの廊下であるか、敷居などの段差を将来取り除く工事ができるかなどをチェックするとよいでしょう。
まとめ
マンション購入時に、支払金額や見た目のきれいさ、現在のライフステージなど、つい、目先の条件だけ考えて購入しようと思う人がいますが、それは間違いです。将来のライフスタイルの変化のことはもちろん、売却することも合わせて考え、物件を選ぶ事が大切です。
また、金利の変動などの経済状況の変化も考慮しなくてはなりません。自分たちだけでは計画を立てられない人は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをお勧めします。総合的に判断し、マンション選びを行いましょう。