マンション選びのポイントの1つが「間取り」です。マンションの形は大きく分けてセンターイン型と田の字型に区別されます。
それぞれにメリットとデメリットがあります。自分が購入しようとしているマンションがどちらのタイプなのか確認しておき、買ってから後悔しないようにしましょう。
センターイン型マンションの特徴
センターイン型とは、以下のように玄関を住戸の中間付近に設置した間取りのことを言います。
メリット
センターイン型マンションのメリットは4つあります。
居室とリビングの面積が大きくなる
中央に玄関があると、廊下が短くなります。廊下の面積が少なくなることで、専有面積に対して、居室とリビングの面積割合が多くなります。
コモンスペース、プライベートスペースに区別が可能
中央に玄関があることに、空間が2つに分けられます。リビング、キッチン側はコモンスペース。来客があったきはこちら側に案内します。反対側は、プライベートスペース。寝室や子ども部屋といった家族だけが使うスペース。
このようにライフスタイルにとって空間を使い分けることが可能です。この機能を「PP分離」ということもあります。
さらに、角部屋以外でも、外部に面するバルコニーを2面設けることが可能になります。間取りをうまく配置すれば、キッチンから玄関横へ「勝手口」を設けることもできるのです。
バルコニーを2面作ることができる
センターイン型の間取りは、バルコニーを2面設置することが可能になります。玄関を中央に設置するため、外に面している部分を有効に使うことができます。バルコニーを2面作ることは、開口部が増え、明るい雰囲気になります。また、風通しもよくなります。
間取りに可変性がある
センターイン型の間取りは、個室と個室が隣接している場合が多いので、間取り変更ができる可能性が高くなります。部屋の間にある間仕切り壁を取り払えば、広い個室にリフォームすることも可能です。
リビングに隣接している和室を洋室にリフォームし、壁を取り払えば、ワイドリビングにすることができます。
デメリット
センターイン型のデメリットは主に2つです。
コストがかかる
センターイン住戸のデメリットは、建設費が高くなることです。間取りが多少複雑になるため、コストは、後述する田の字型に比べて4~5%程度上がります。また、センターイン型の間取りにすると、住戸数をあまりつくれないので販売価格も上がります。
玄関の見通しが悪くなる
センターイン型は、玄関を専有部分の中央に配置します。リビングや個室から玄関が見えないため、誰かが侵入したときに、よく見えない場合があります。そのために、防犯に注意が必要です。
日常的に施錠する、自動点灯の照明にするなど、対策をしておきましょう。
田の字型マンションの特徴
センターイン形の間取りに対し、「田の字型」という間取りがあります。玄関から見て一番奥がリビングで、廊下の左右に居室や洗面所などが田の字型に配置されています。
メリット
田の字型マンションのメリットも4つあります。
建設コストがかからない
田の字型の間取りはシンプルです。居室に凹凸がないため、施工に手間と時間があまりかかりません。そのために、建設コストが抑えられ、販売価格もセンターイン型に比べて安価となります。
居室の独立性が高い
田の字型の場合、廊下が中央を貫いています。また、風呂、トイレ、キッチンも中央に配置されています。そのために、居室が隣接していません。独立性が高いので、プライベートの時間を必要とする、中学生や高校生の子どもがいる家庭には好まれます。
玄関の見通しがよい
間取りは、ほとんどの場合、玄関を入ると、まっすぐに廊下が走り、突き当たりにリビングが配置されています。玄関から人が入ってきた気配をすぐに感じ取ることができます。セキュリティ面では、センターイン型よりも田の字型のが優れていると言えます。
水回りの騒音問題が出にくい
田の字型の物件は、水関係の騒音が出にくいと言われています。洗濯機、風呂、トイレ、キッチンなどの水回りの設備が、居室の中央に配置されているからです。
もし、夜中に洗濯機を回したとしても、自宅の居室がクッション材になり、隣の住宅へ直接音が伝わりません。
デメリット
田の字型マンションのデメリットは4つあります。
風通しが悪い
田の字型の間取りは、風通しが悪くなります。角部屋でない限り、開口部は玄関側とバルコニー側の2か所となります。通常は、玄関を締めきっておきますので、開口部が1カ所になり、風が通りにくくなります。
プライバシーが確保しづらい
廊下が真ん中を走っていることは、プラス面でもありますが、マイナス要素もあります。玄関からよく見えるということは、来客に部屋が見えてしまうことを意味します。
目隠しの暖簾(のれん)がなかったり、ドアを開け放しにしたりしておくと、リビングの様子が玄関から丸見えになってしまうので、注意が必要です。
北側の部屋に陽が差さない。
通常、バルコニーは南側、玄関は北側に配置されます。田の字型の玄関側、つまり北側にある居室には、窓が玄関側の共用通路にありますので、陽が当たりません。北側の居室は、南側の居室に比べ、昼間でも電気を付ける可能性が高くなります。
間取り変更が難しい
2部屋の境目を壊して1部屋として使おうとリフォームするときは、田の字型だとリフォームが難しい場合があります。中央に廊下や水回りがあるために、部屋が隣接していないためです。リノベーションを前提にマンションを購入する場合は、十分に検討する必要があります。
まとめ
マンションを購入する際の「間取り」は「予算」や「立地」とともに、とても大切です。
それぞれマンションを購入する目的は異なると思うので、自分の理想の住まいがセンターイン型なのか、田の字型なのか、チェックしておきましょう。
両方の長所、短所を理解し、自分のライフスタイルに合った間取りのマンションを選ぶようにしてください。