不動産取引のイメージは、「物件情報を正確に把握しにくい」「大きな買い物なのに、購入決定尾ため情報が少ない」「査定金額や販売金額、賃料募集価格が妥当か分からない」など、ネガティブなものが多いようです。
口コミサイトはそのような不安要素を取り払うためのツールの1つと言えます。口コミサイトをどんな会社が、どんな目的で運営しているかを意識しながら、自分がどんな目線でマンションをチェックすべきか、サイトを閲覧することで学びましょう。
おすすめ口コミサイト5選
「マンション選びは失敗したくない」と思い、購入前に調査する人がほとんどだと思います。
ショールームに行く、販売員から話を聞くことは当たり前ですが、実際に住んでいる人や近隣住民に話を聞けば、生の情報が得られ、さらに正確な情報が掴めます。しかし、実際はなかなか話が聞けないものです。
そんなときに役立つのが口コミサイトです。ここではおすすめのサイトを5つ紹介します。
マンションレビュー
「マンションレビュー」は、ゼネラルリサーチ株式会社「不動産相場・口コミサイトに関する調査」全国の20~50代の男女に行った、インターネット調査(2018年6月調べ)で、「情報を収集しやすい」「信頼できる」「不動産相場が分かる・口コミが信頼できる」の3項目とも顧客満足度1位に輝いているサイトです。
口コミだけでなく、偏差値、販売履歴、賃料履歴、暴落履歴、適正価格履歴、ランキングが分かります。
不動産価格・相場のデータベースにより、現在住んでいるマンションやこれから買おうとしているマンションの現在の適正価格を自動査定により確認が可能。また、物件詳細は、画像、地図情報により表示され、視覚的に分かりやすいサイト構成になっています。
データの数が多いこと、客観的なデータが提示されていること、口コミなどの「生の声」がたくさん見られることが人気の秘密のようです。
マンションコミュニティ
マンションコミュニティは、日本最大級の口コミ掲示板です。「BBS」は、「マンション健闘者掲示板」「契約者・住民掲示板」「一般知識版」「ミクル掲示板(外部サイト)」「e戸建て(外部サイト)」などのカテゴリーに掲示板が分かれています。
「東京23区の新築分譲マンション」「横浜市の新築分譲マンション」など、エリア別に口コミがまとめられています。
更新時間が新しい順に、スレッド方式で表示。スレッドは、エリアで検索が可能となっています。また、各物件ページに行くと「検討スレ」「住民スレ」「価格スレ」と3つのスレッドに別れ、膨大な数のスレッドを見やすくしてあります。
人気マンションブロガーによる「マンションコミュニティ覆面座談会」も公表。ウェブ上で発言しているため、臨場感たっぷりの座談会となっています。
マンションノート
「マンションノート」は、2013年3月に公開。100万件以上の全国各地のマンションの口コミが検索できるサイトです。
マンションの住人やかつてマンションに住んでいた人、周辺の住人、専門家、不動産業者、物件オーナーなど。あらゆる立場の人たちが投稿しています。
ダイレクトに物件名を入力して探せるのに加え、物件探しの大手ポータルサイトのように、エリアや沿線、購入希望価格、築年数、間取り、駅からの徒歩時間、居住形態(賃貸、購入)、中古か新築かなどのカテゴリーから選択肢物件を絞っていくことができます。
物件ごとに口コミと募集中の物件情報、「管理・お手入れ」「共用部分/設備」「住人の雰囲気」「お部屋」「お買い物・飲食」「子育て・病院」「治安・安全」「自然環境」の項目別にスコアが表示されています。
口コミを自ら書くか、有料会員にならないと、非公開口コミを閲覧できない点はマイナスポイントです。
マンションカタログ
会員登録をしたり、自分が書き込みをしないと閲覧できなかったりするサイトがある中、「マンションカタログ」は、そのような制限なしで、マンションの口コミが閲覧できる、総合マンション情報サイトです。煩わしさを感じない「見やすさ」で人気を集めています。
情報の並び順を「新着順」「スコア順」に並べかえられるうえ、「いいところ」「気になるところ」「管理面」「共用施設」「部屋」「住人」「子育て」「お店」などのカテゴリー別でデータを抽出できるので、必要な情報だけを素早く調べることが可能です。
投稿も「所要時間3分」とうたわれている通り、簡単です。ニックネーム、性別、年代、マンション名をクリックし、マンション名を選び、口コミを入力する、シンプルなステップです。
実際に検索してみると、分譲マンションの登録数よりも賃貸物件の登録数のほうがやや高く感じます。
住まいサーフィン
投資でマンション購入を考えている人におすすめなのが、こちらのサイト。
「住まいサーフィン」は、将来的に「資産価値が下がらない物件」を購入してもらうために、マンションの適正価格を知らせるサイトです。会員登録は無料。登録は5分程度で済ませられます。
運営会社は、顧客の収益を最適化することを目的にした、不動産コンサルティング会社の「スタイルアクト株式会社(https://styleact.co.jp/)」です。
代表取締役である沖有人氏が解析する「沖式中古時価7平方メートル換算」「沖式中古時価平方メートル単価」などをマンションごとに発信しています。
オリジナル性が高いために、不賛成派もいますが、値下がりしないマンションを購入できたと満足しているユーザーも多いようです。
「首都圏の高学歴な親が選ぶ小学校区ランキング」「認可保育園入りやすい?駅ランキング」 など、同社独自の目線で綴ったコラムは時事問題を不動産の価値に絡めてあり、一読の価値があるものです。投資を考えていない人でも興味が湧く内容となっています。
口コミを参考にする際のポイント
口コミサイトの情報は参考になりますが、情報を鵜呑みにするのはよくありません。以下の点に注意しながら読むと、そのサイトの傾向が確認でき、自分がどんなポイントをチェックしなくてはならないかも分かります。
運営会社をチェックする
サイトをじっくり閲覧すると、運営会社の意図が分かってきます。たとえば、前述した「住まいサーフィン」は、不動産投資をサポートするコンサルタント会社が運営していますので、物件を購入するだけでなく、売却するところも視点においています。
運営会社によって口コミの内容が変わってくることも想定されます。色々な口コミサイトを比較して、自分の目的と運営会社の意図が似ているサイトの口コミを重視しましょう。
データの数は多いか確認する
口コミサイトの掲載数は重要です。データが少ないと偏った意見しかチェックできませんし、たくさんの意見をチェックし、よいという意見があれば、安心するのが人間の心理です。
もちろんですが、提供されている統計データをチェックする場合は、母体となるデータの数がどれだけ多いかも確認しておきましょう。
実際に住んで失敗した人の体験談
マンションに住んで公開したという人の理由は、おもに「支払い」「間取り」「立地」「不動産業者」「構造」の5つに分かれるようです。
住宅ローン
一番多いのが、住宅ローンの月返済額を賃貸住宅の賃料と同じくらいの金額に設定したが、固定資産税や管理費、修繕積立金がかかることを重視しなかったという意見です。
「将来、子どもにかかるお金が増えると思うとだんだん後悔するようになってきた」「夫の給料が減額された」などの生活環境が変わったことをきっかけに後悔する人が多いようです。
間取り・階数
「小さい子がいるので庭があった方が良いと思い、一階の庭付きマンションを購入したが、防犯面が心配。虫も入ってくる」
「物件購入時、夫婦2人だったため、2LDKマンションを購入したが、子どもができ、手狭になった。当時は買いかえればよいと思っていたが、子どもの教育費が思ったよりかかり、狭い部屋に居住することになった」などの意見が聞かれます。
口コミサイトで、自分と別の視点で書き込みしている人の意見は重要です。
立地・環境
購入価格を抑えるために、アクセスの悪い場所の物件を選び後悔した人もいます。駅からバスを使う、郊外のマンションや駅から徒歩15分以上かかるマンションを購入した人は不満が多いようです。
また、近隣の敷地に購入時にはなかったマンションが建ってしまい、住環境が悪くなったといケースもあります。不動産業者などに聞いて、建設予定があるかどうかはしっかり確認しましょう。
不動産・マンション業者
業者への不満は、取引に関するものとアフターフォローに関するものが多いようです。
「築浅物件なのに、結露で壁に穴が開いたので相談したが、保証期間が過ぎていると言われた」「手付金の一部を販売会社が負担すると言われたが、返してもらえなかった」など、悪質とも思える事例もあります。
構造・設備
失敗談で多いのは、リノベーションマンションを購入したとき、躯体が古いために起こるトラブルに関するものです。とくに、水回りは要注意です。配管は古いと、錆水が出たり、つまりが起こったりします。
これらは、専有部分の修繕だけではなく、マンション全体のメンテナンスが必要になるので、事実確認だけでなく、将来どんな修繕計画をもっているかも確認しておいた方がよいでしょう。
まとめ
「口コミ」への書き込みは、一般的に、マンション販売業者なども参加していることがあるので、100%信じていいものではないですが、特に、マイナスポイントについては、実際に確認してから購入したほうがよいでしょう。
自分がどんなポイントを確認したらよいかを知るうえで、口コミサイトは購入前に一度目を通すことをお勧めします。実際に居住しようとする人はもちろん、投資用に購入する人にも役に立ちます。