マンション売却だけに言えることではありませんが、不動産売却では依頼する不動産業者選びが成功のカギを握っていると言っても過言ではありません。
これはわたくし(以下の名称:編集長)の勝手な持論ですが、マンション売却に関しては依頼する「不動産業者選びで80%は成否が決まる」と思っています。
ここで手を抜いてしまうと必ず後悔するので、面倒でもしっかり比較して信頼できる業者を探しましょう。
不動産売却を成功させるには、以下に挙げる2つが大きなポイントになります。
1.不動産業者選び
2.売出し価格の決定
この2つを間違えなければ、理想に近いマンション売却を成功させることができるというのが編集長の考えです。
そこで今回は、この「不動産業者選び」と「売出し価格の決定」について、わかりやすく順を追って解説していきたいと思います。
査定から不動産業者を選ぶ
どんなに良い条件の優良マンションでも、依頼する不動産業者選びに失敗してしまうと、決して満足できる金額では売れません。それほどマンション売却おける不動産業者選びというのは、とても重要なポイントを占めています。
信頼できる不動産業者選びには、まず自分が接点を持つことが重要になります。実際に複数の不動産業者と接していくうちに「信用度」「信憑性」「相性」などが見えてくるはずです。
自然な流れで不動産業者と接点を作るには、マンションの売却査定を依頼するのが一番簡単で一般的な方法になります。
それでは売却査定について説明していきます。
簡易査定を依頼する
簡易査定とは、インターネット上で査定依頼をし、メールや電話でおおよその査定額を提示してもらう方法のことで、「仮査定」や「ネット査定」とも呼ばれています。
ちなみに実際に物件や現地を視察してもらい査定額を算出してもらう方法を「訪問査定」や「本査定」といいます。
簡易査定を依頼する不動産業者について
まずは不動産業者にも複数のタイプがあることを知っておきましょう。
主な不動産業者は以下の5つのタイプに分けることができます。
- 地元密着型の不動産業者
- 全国展開している大手不動産業者
- ネットでの一括査定に力を入れている不動産業者
- 買取を専門的に行っている買取業者
- 任意売却の物件を専門的に扱う仲介業者
上記5タイプの不動産業者には、それぞれ得意・不得意な分野がありますが、まずは無難に「地元密着型」「大手不動産業者」「ネット型一括査定業者」の3タイプに簡易査定を依頼しておけば間違いありません。
この3タイプが一般的な不動産業者なので、ネットの一括査定サイトを利用すれば一度で3タイプ全ての不動産業者へ簡易査定の依頼をすることができます。
ただし、ネットの一括査定にも多くのサイトがありますので、加盟業者などを考慮し、2つから3つの一括査定サイトを利用しておけば安心だと思います。
1つの一括査定サイトで、3社~5社くらいの査定を取り寄せることができます。
もし転勤や離婚など、特別な事情で売り急ぎたい場合だったり、リストラなどで住宅ローンの支払い不能となっている場合は、あわせて「買取専門」や「任売専門」の不動産業者にも簡易査定を依頼してみましょう。
簡易査定結果から数社を選ぶ
2~3つの一括査定サイトに査定依頼をすれば、合計10社ほどから簡易査定の見積りが提示されることになると思います。その中から最終的に2社~4社ほどに絞込みをしましょう。
簡易査定だけで業者を選ぶのは難しいと思いますが、見積り提示までに掛かった時間だったり、見積書の具体的な内容、査定の額、電話をしたときの応対などを目安にすると選びやすくなりますよね。
訪問査定を依頼する
簡易査定を依頼した業者の中から気になる数社を選ぶことができたら、いよいよ訪問査定を依頼します。先にも説明したように、訪問査定は現地に調査スタッフが入り建物の状況、立地条件、周辺環境などまで細かく調査しますので、より詳しい査定額が算出されることになります。
つまり「この訪問査定でおおよその売却価格が解る」ことになります。
調査スタッフの訪問があるので、依頼する業者は2社~4社くらいに抑えておくのが立会いなどの負担を考えるとベストだと思います。1社ずつ対応する必要がありますので、同じ日に時間をずらしてアポを入れておくか、別日を設定するのが望ましいです。
査定に掛かる時間は業者によって違いがありますが、だいたい30分~60分ほどです。査定見積もりが出るまでの期間も2日~1週間くらいを考えておくと良いでしょう。
訪問査定は、売主が業者をチェックする場でもある
訪問査定では、調査を黙って見ているだけではダメです。物件調査をされているのと同時に、今後付き合っていくことになる不動産業者や担当者を売主がチェックする良い機会です。物件を調査される代わりに、こちら側も不動産業者や担当者の質やレベルをチェックするようにしましょう。
業者側のチェックポイントとして以下のような点を観察しておきましょう。
- 約束の時間に訪問してくれたか?
- 言葉使いや対応に悪い点は無かったか?
- 解説や説明は素人にもわかり易かったか?
- 売主の希望などを細かくヒアリングしてくれたか?
この訪問査定時の印象で、依頼する不動産業者を決定したという売主は少なくありません。
できるだけ積極的にコンタクトを取り、その業者や担当者の質やレベルを見極めてください。
訪問査定では、どんな場所をチェックしているのか?
つぎに訪問査定時にチェックされるポイントなどを場所別に解説していきたいと思います。チェックされる箇所を事前に知っておくことで、それに見合った対策が取れるようになり、結果として高額査定へと繋げることも可能です。
訪問査定時にチェックされる場所は、大きく以下の3つに分類することができます。
部屋の劣化と環境
建物の劣化と管理状況
建物周辺の環境
それでは上記3ヶ所を場所別に詳しく解説していきますね。
部屋のチェックポイント
部屋の広さや設備関係は、査定依頼時に提供した情報で既に解っていますので、そう細かくチェックはされません。それよりも現地を見ないと解らないような「日当たり」「風通り」「ベランダからの眺望」「窓を閉めたときの防音レベル」などを重点的にチェックされます。
もちろんキッチン設備やバスルームなどの損傷や傷み具合もチェックされることになります。とくに水周りの傷み具合というのは、実際に物件を見てみないと予測がつかない場所の代表でもあります。
ただ実際に査定をしていた元不動産営業マンの立場からアドバイスするなら、日当たりだったり、ベランダからの眺望はどう頑張っても変えることはできません。
それだったら、少しでも査定員の印象を良くするために、購入希望者に好印象を与える「玄関」や「リビング」を広く明るく魅せることでプラス査定になる可能性が高くなると思います。
プラス査定にするためにやっておくこと!
- すべての部屋のカーテンを全開にしておく
- 室内の照明はすべてつけておく
- 部屋内を広くみせるため、無駄な荷物を置かない
- 玄関とリビングは少しでも広く見せる工夫をしておく
査定員の印象を良くするには、とにかく広くて明るい部屋という印象作りが大切です。
建物全体のチェックポイント
建物は基本的に共用部分になるので、あまり詳しくはチェックされないだろうと考えている人が多いようですが、そんなことはありません。どちらかと言うと部屋よりも建物全体のチェックに時間を要すことが多くあります。
一般的にチェックされるであろう箇所として「玄関ホール」「エレベーター」「郵便ポスト」「階段」「廊下」「駐車場・駐輪場」「ごみステーション」「外壁」などがあります。
その中でも特に厳しくチェックされる場所が、「外壁」「郵便ポスト」「駐輪場」「ごみステーション」です。外壁をみるのは、当然建物の劣化状況を調べるためなのですが、そのほかの項目はマンションの管理状況を調べるのが目的だと言われています。
ごみステーションや駐輪場、郵便ポストが片付いていないマンションは、管理が行き届いていないという印象を与えてしまい、管理組合が上手く機能していないと捉えられても仕方ありません。管理体制が上手く機能していないマンションは、それだけで大きなマイナスポイントとなります。
周辺環境のチェックポイント
周辺環境といえば、学校までの通学路だったり、最寄駅までの距離などだと思っている人が多いのですが、これらの情報は地図をみればわかってしまうので、訪問査定時に詳しく調べることはしません。
それよりも文字や地図だけではわからない点を重点的に調査されることになります。
例えば以下のような箇所が例としてあります。
- 近隣にある月極め駐車場の情報(賃料や空き状況など)
- 幹線道路に面している場合、大型トラックの往来がどれくらいあるのか?
- 外灯が無く、子供や女性に危険な公園や駐車場などが無いか?
- マンション建設が可能な空地が近くに無いか?
- マンション周辺の路上に無断駐車している車が無いか?
ただしこのような問題は今すぐにどうにかできることではありませんので、あまり深刻に考えすぎる必要はありません。
むしろ訪問査定の段階で逆に話しておきたい不安点などがあれば、包み隠さず正直に申告しておくようにしましょう。
- 雨漏りしている箇所がある
- 隣近所とトラブルを抱えている
- 騒音が凄い
- トイレやキッチンなど、修繕が必要な設備品がある
不安箇所の例
このようなマイナス査定になりそうな箇所を隠しておくと、売却後にトラブルとなる可能性が高くなります。トラブルになることを考えれば多少マイナス評価されてでも、正直に話しておくことをおすすめします。
査定額を参考に売出し価格を決定する
訪問査定も終わりました。この段階まで来ると、「簡易査定」と「訪問査定」を通して、ある程度はマンションの価格相場というのが見えているはずです。査定額が提示される前に一度、自分でだいたいの査定価格を予想し、売出し価格について考えをまとめておきましょう。
査定額に惑わされ過ぎないようにする
訪問査定が終わると数日ほどで査定見積書を提示してもらえます。その際A社の査定額2500万円に対し、B社は3000万円の査定額を提示されることも珍しくありません。
つまり査定額が3000万円だからといって、必ず3000万円でマンションが売れるわけでもありませんし、2500万円だったからといって絶対に2500万円以上では売れないというわけではありません。
売主が今後の計画(買い替えや住宅ローン完済)を立てやすいように、おおよその相場を特殊な計算式で割り出したのが「査定額」なのです。
A社は2500万だったけど、B社は3000万の査定だったから、B社に決めたという安易な業者選びだけはしないようにしましょう。それだったらどの業者も売れる売れない関係なく、高値の査定額を提示するようになってしまいますよね。
ここで覚えておいて欲しいのが「最終的に売出し価格を決めるのは、売主本人であり不動産業者ではない」ということです
売出し価格は状況に応じて、売主が決めれば良い!
査定額=売出し価格でないのであれば、どうやって売出し価格を決めれば良いの?と頭を悩ませる人も多いのですが、何も難しく考える必要は一切ありません。査定額という参考になる指標はあるのですから、後はそれぞれの状況に応じて売出し価格を決めれば良いだけです。
例えば査定見積りで3000万の提示を受けたマンションだったとします。
転勤や離婚など、どうしても早期に売却したいケース
→査定相場の3000万より1割ほど安く2700万円で売出す!
住宅ローンが3100万円残っているケース
→ 値引きされることも考慮し3200万円で売出す!
買い替えを希望しているので、少しでも高値で売却したいケース
→査定よりも高値になるが3500万円で売出し、じっくり買手が現れるのを待つ!
このように売出し価格というのは、それぞれの状況に応じて売主が自由に決めることが出来るということを覚えておきましょう。
また、売出し価格をどのタイミングで値下げするかというのも、売主が自由に決めることができます。一旦希望よりも高値で売出し、問い合わせ数などを見ながら値下げしていく・・・という方法もあります。
このように、不動産業者の査定額が絶対というわけではありませんので、売出し価格については自分自身の状況を踏まえた上で、まずは必要だと思える額を設定しましょう。
おすすめの一括査定サイト一覧
「おうちクラベル」は首都圏や関西圏など都心部のマンションを売却したい人におすすめです。
運営はソニーグループのSERホールディングスが行っているので安心感があり、大手、フランチャイズ、地元密着と言ったさまざまな業者の査定額を比較することができます。
提携業者の中には、売主にとって有利な片手仲介を行うSRE不動産が含まれます。対象エリア内でマンションを高く売りたい人は、ぜひ利用したいサイトです。
「マンション.navi」は、マンションの売却に特化した一括査定サイトです。大手不動産会社から地域密着型業者まで、たくさんの業者が登録されています。
地方の物件に強い業者や、訳あり物件に強い業者などもいるため、他のサイトで買い手が見つからなかった人も試す価値があります。
また、売却以外にも「賃貸として貸す」「業者に直接買取してもらう」場合の査定もできるので、売却以外の選択肢を考えている人にもおすすめです。
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