高額なローンを組んで購入した夢のマイホーム。そんなマイホームを手放すのであれば、少しでも高く売りたいと思うのは当然のことです。
マンションを高く売るためには、売却依頼をお願いする仲介業者の選択、適切な売出価格の設定、多くの媒体での宣伝広告などいろんな要素がありますが、それと同じくらい大事なのが売りに出すタイミングです。
- 築何年以内だと高値がつきやすいのか
- 一年を通して売りに出すのにベストなタイミングは何月なのか
このように、時期やタイミングで売れる価格が全然違ってきます。その他にも絶対に避けた方がよいタイミングであったり、いつまでに売却しなければならないという、期限が決まっているときの賢い売却方法について解説します。
築年数別、一番の売り時はいつ?
新築で購入したのに、仕事の都合で転勤になってしまったり、家庭の都合で親と同居することになったり、仕方なくマンションを手放すことになるもケースもあるでしょう。
そんなとき、新築から3年や5年が経過しているマンションが、いったいどれくらいの価格で売れるのか気になりますよね。
ここでは築年数別にみて、どれくらいマンションの売却価格に差が出てくるのかを解説します。
まず、新築時4,000万円で購入した分譲マンションという例で話をします。
築年数 | 売却価格相場 |
---|---|
築1年 | 3,600万円 |
築2年~築5年 | 3,560万円~3,440万円 |
築6年~築10年 | 3,400万円~3,240万円 |
築11年~築15年 | 3,200万円~2,780万円 |
築16年~築20年 | 2,700万円~2,380万円 |
新築マンションで購入しても、1日でも誰かが住めば、その物件は中古マンションという扱いになってしまいます。ですので、購入後1日で売却したとしても、購入価格から10%程度値が下がってしまうのは仕方ありません。
その後は、築5年までは基本的に大きな値崩れはせず、築5年を過ぎると毎年1%~2%くらい値が下がっていくのが一般的です。
ちなみに1都3県の中で、一番下落率が大きいと言われている埼玉県の例を見てみましょう。
築年数 | 売却価格相場 |
---|---|
築1年 | 3,600万円 |
築5年 | 3,080万円 |
築10年 | 2,720万円 |
築20年 | 1,880万円 |
築30年 | 1,120万円 |
築5年以内に売却すると買い手はすぐに決まる
よく物件情報を見ていると「築浅物件」という表記を見かけることがあります。しかし不動産取引において、築何年以内の物件のことを「築浅物件」と呼ぶのか明確なルールはありません。
築10年以内の物件を、築浅として紹介している不動産業者もあれば、築5年以内の物件に限り「築浅物件」と紹介している業者もあります。
このように明確なルールがない築浅物件ですが、某不動産情報サイトが実施したアンケートでは、80%を超える人が「5年以内が築浅」と解答しているように、築5年以内の物件を一般の方は築浅と認識していることがわかります。
そのため築5年以内の中古マンションは、比較的すぐに買い手が決まる傾向にあります。ですので、マンションを売却するのに一番適している時期は、築5年以内だということになります。
築5年と築6年では、買い手側のイメージも大きく違ってくることから、早々に売却の意思が決まっているのであれば、なるべく築5年以内に売却することを強くおすすめします。
また築10年を過ぎた時点で、一旦ガタッと値が落ちる傾向にあるので、遅くとも築10年以内での売却が理想的です。
マンションの売り時はいつなのか?
マンションを少しでも高く売りたいのであれば、買ってくれる人が一番多い時期を狙って売りに出すのが、一番の理想であることは言うまでもありません。
購入希望者が多ければ、それだけ高額で買ってくれる人に出会える率も高くなりますし、何より値引き交渉にも強気な姿勢で挑めます。
人の移動が多くなる時期が狙い目
一年を通してマンションを買いたいという人が一番増えるのは、新年度を迎える前の2月~3月です。これは賃貸の掘り出し物件が出やすい時期でもあり、まさに不動産業界の繁忙期です。
3月の新学期、転勤シーズンと同じくらい9月も転勤などが多い時期なので、不動産が動きやすい時期だと言われています。
しかし実際は3月の繁忙期と比べると、言われているほど動きはありません。下図の月別引越し件数をみても明らかです。
(出典:価格.com)
この結果からみても、どうしても急ぎで売却する必要がある場合を除くと、一番の繁忙期でもある2月~3月を狙ってマンションを売りに出すのが高値で売れる可能性がもっとも高い時期であることがわかります。
購入する人はいつから物件探しを始めるのか?
3月が一番狙い目の時期であることは理解頂けたと思いますが、3月に売りに出していては間に合いません。3月の新学期や転勤シーズンに不動産物件が動くということは、その前の段階から購入者は物件探しを始めています。
子供が小学校にあがるのと同時に新居の購入を検討している人は、遅くても年が明けた1月ぐらいから物件探しを始めますし、転勤を機に不動産の売買を検討する人たちは、辞令から1ヶ月以内の異動が一般的なので、少なくとも辞令が発せられる2月を目処に動き出します。
マンションを売りに出したとき、その物件情報が市場に浸透するまで約1ヶ月はかかります。それを踏まえて逆算すると、新年度を狙って売りに出すのであれば、遅くても前年の12月には売却を依頼する仲介業者を決めておく必要があります。
繁忙期を狙うなら半年前に売り出すのは早すぎる
マンション売却を紹介しているサイトなどで、「3月の繁忙期を狙うなら、半年前には物件を売りに出しておくのがベスト」だと紹介していることが多いのですが、不動産業界に長年勤めていた管理人から言わせてもらうと、さすがにそれは少し早すぎると思います。
たしかに、子供の成長に合わせてマンションの購入を検討している人であれば、半年前くらいからマンションの物件情報をインターネットなどで調べるようになります。しかし、この時期に気になる物件を見つけたとしても、実際購入に動くことはほとんどありません。
実際にその人たちが動き出す、12月・1月まで物件が売れてなかったとしたら、「あれ?この物件まだ売れてないんだ。何か問題があるのかな?」と、疑問に感じて警戒されかねません。
もし自分が気になっていた物件が、3ヶ月経っても売れてなかったら、何か問題がある物件なのかなと、手を出しづらくなりますよね。
管理人の経験上、本当に良い物件というのは、売りに出してからほとんど1ヶ月以内に、買い手が決まる傾向が強いと感じます。ですので、3月の繁忙期を狙うのであれば、やはり年末の12月~1月を目処に売りに出すのが、時期的に一番ベストではないでしょうか。
一年を通して一番不動産物件が動かないのが12月だと言われています。これは、年末の押し迫った時期に引越しをする人が少ないからです。
ですので、12月に売りに出しても、しばらくは反応を実感できない時期が続くと思いますが、それは心配いりません。検討している人がアクションを起こしていないだけで、ネットなどで物件情報はしっかりとチェックをしています。
それらの人が実際に動きだすのが、年が明けて少し落ち着いた1月中旬くらいです。その年末年始の層を狙うためにも、12月中旬までに売りに出しておくのが一番理想的な時期でしょう。
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地方の物件に強い業者や、訳あり物件に強い業者などもいるため、他のサイトで買い手が見つからなかった人も試す価値があります。
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