
マンションの売却か賃貸かで迷った時の注意点を解説しています。それぞれメリットとデメリットがあるので、比較して判断する必要があります。
売却のメリットは、まとまった現金が入るので、住宅ローンの返済ができます。マンションの維持管理の手間やコストもかからなくなります。ただし、資産が無くなることや、買い手が見つかるか不透明な点などを理解しておく必要があります。
賃貸のメリットは、家賃収入が見込まれ、さらに、さまざまな費用を経費計上できる点にありますが、空室リスクや入居者とのトラブルなどを想定しておく必要があります。
最終的に悩んでいる人は、両者がそれぞれいくらになるのか、比較して判断すると間違いないでしょう。
マンションを売却するメリットとデメリット
まずはマンションを売却する場合のメリットやデメリットについて考えてみましょう。
売却のメリット
- まとまった現金が入ってくる
- 住宅ローンを完済できる
- 維持管理の煩わしさがなくなる
- 譲渡損失が発生した場合、控除を受けることができる
まとまった現金が入ってくる
マンション売却の最大のメリットは、まとまった現金が入ってくることだと思います。
特に相続したマンションであれば、住宅ローンの残債務もないでしょうし、マンションを売却した資金を、新たにマイホーム購入の頭金にしたりすることもできます。
住宅ローンを完済できる
売却したお金で残っている住宅ローンを完済することもできます。一度住宅ローンを完済することで、金融機関への信用も作れますし、次に住宅ローンを組みやすくなるというメリットにも繋がります。
維持管理の煩わしさがなくなる
マンションの管理や補修など、維持管理の煩わしさから解放されることを一番のメリットだと言う人もいます。それくらい不動産の維持管理というのは大変ですし、いろいろな出費も必要になります。
譲渡損失が発生した場合、控除を受けることができる
新しい新居への買い替えに限定されるのですが、購入したときの代金より、売却したときの代金が低ければ、譲渡損失として控除を受けることができます。
もし1年で損失を控除しきれないときは、最大で4年間繰り越して控除を受けることも可能です。
売却のデメリット
- 資産を手放すことになる
- 買い手がいつ見つかるか不透明
- 仲介手数料や補修など、現金の出費がかさむ
資産を手放すことになる
これまで一生懸命住宅ローンを払ってきた、せっかくの資産を手放してしまうことになります。家に愛着がある場合は、手放したくない気持ちでいっぱいになってしまいますよね。
買い手がいつ見つかるか不透明
売却するにしても、すぐに買い手が見つかるとは限りません。長い場合だと売りに出して1年以上も買い手が決まらない物件もあります。
いつ売れるかわからないという不透明感があり、その間はずっと不安な日々を過ごさなければなりません。
仲介手数料や補修など、現金の出費がかさむ
買い手が運よく見つかったとしても、仲介業者に支払う手数料や、引渡し前に損傷箇所の修繕など、それなりの現金の出費があります。
売却した代金で支払えば良いと思ってるかもしれませんが、大抵の物件の場合、売却代金は住宅ローンの返済で相殺されることが多いので、仲介手数料や補修費用は実費負担として考えておくのが妥当です。
マンションを貸す場合のメリットとデメリット
同じくマンションを賃貸として貸す場合のメリットやデメリットについても考えてみます。
賃貸のメリット
- 家賃収入が見込める
- 近隣の賃貸マンションよりも高い家賃で貸すことができる
- 住宅ローン以上の収入が見込める
- 修繕費や住宅ローン金利、固定資産税までもが経費で計上できる
家賃収入が見込める
毎月決まった金額の家賃が入ってくるのは、かなり大きなメリットだと思います。将来的に老後の年金もどうなるか未知数ですし、家賃収入があるのは将来的にもプラスだと思います。
近隣の賃貸マンションよりも高い家賃で貸すことができる
分譲マンションというのは、通常の賃貸マンションよりも人気が高いため、割高で貸し出すことができます。相場よりも2割くらい高い家賃でも借り手はみつかりますので、利回りが10%を超える物件もあります。
住宅ローン以上の収入が見込める
毎月住宅ローンの返済として8万円を支払っているのであれば、賃貸として貸し出すことで毎月家賃収入が10万円だとすると、住宅ローンの返済をして、さらに2万円の現金が手元に残ります。
極端な話をすると、自分のお金を一切使わずに住宅ローンを完済することもできるということです。
修繕費や住宅ローン金利、固定資産税までもが経費で計上できる
賃貸として家賃収入を得ることで、確定申告をしなければならないのですが、このとき住宅ローン金利や固定資産税を経費として計上できるようになるので、総合的に収める税金が少なくなる可能性が高いです。
どれくらい税金を節約できるかはケースによるので、税理士などに一度相談するのが良いでしょう。
賃貸のデメリット
- 空室リスクがある
- 維持管理費用がかかる
- 住宅ローン金利が上昇するリスクがある
- 賃貸トラブル
- 入居者がいると好きなタイミングで売却することが難しい
- 物件が傷み、不動産価値も低下し続ける
空室リスクがある
賃貸最大のデメリットは、つねに空室のリスクを背負っているという点です。退去後にすぐ次の入居者が決まらなければ、当然家賃収入もありません。
住宅ローンの支払いが終わっている物件であれば、少しくらい家賃収入がない期間があっても何とかなりますが、住宅ローン返済を家賃からまかなっている場合は、返済滞納のリスクも背負うことになります。
維持管理費用がかかる
固定資産税、マンションの積立金や管理費など、不動産を維持するにはそれなりの費用が掛かるのは当然のことです。
それらの維持管理費用を、賃貸収入でまかなえるのであれば問題ありませんが、トータルで考えたとき、家賃収入よりも出費が多くなったというのでは本末転倒です。
住宅ローン金利が上昇するリスクがある
賃貸として貸し出している期間に経済が上昇し、住宅ローン金利が上がる可能性もあります。35年固定金利で借りていればあまり気にする必要はありませんが、今は多くの人が低金利の変動金利を利用しているのではないでしょうか。
借入れ金2,500万円として、金利が1.0%から3.0%にあがると、月々の支払いは何と20,000円ほど増えます。これをそのまま家賃の値上げに反映することは到底無理でしょう。
賃貸トラブル
賃貸として他人に貸すのですから、当然トラブルも起こります。家賃を毎月きちんと払ってくれない入居者もいますし、日曜祝日関係なしに、「水道が出ない」、「隣の部屋がうるさい」などのクレームにも対応しなければなりません。
これらのトラブル処理は、管理会社に一任することもできますが、そうなると毎月数千円を管理費として払わなければなりません。
管理人も不動産業界の経験者なのでいえますが、トラブルやクレームの対応ほど疲れることはありません。
入居者がいると好きなタイミングで売却することが難しい
いざまとまった現金が必要になっても、賃貸として借りてくれている人がいるかぎり、その物件は収益物件としてしか売却できません。
通常の売却を希望するのであれば、入居者に立退きの合意を取らなければならず、退去費用として家賃数か月分を支払う必要があります。
物件が傷み、不動産価値も低下し続ける
賃貸として貸している以上、その物件は年数に比例して傷みがでてきます。築年数が古くなればそれだけ不動産物件としての価値も下がります。
5年間賃貸として貸して得た家賃収益と、5年後に売却したときの予想売価を比較してみて、どちらが得なのかをシュミレーションしてみることをおすすめします。
悩んでいる人におすすめのサービス
それでも、やはり売却か賃貸のどちかにするか決めかねているという人は、賃貸と売却を比較できる「マンション.navi」というサイトがおすすめです。
サイト名の通り、マンションの売買や賃貸に特化しているサイトで、売却したいマンション名を入力するだけで、売却予想価格と賃貸の家賃相場が表示されるので、賃貸か売却かで迷っている人にとっては、とても利用価値の高いサイトだと思います。
試しに、ネットで見た売出し中の中古マンションで売却相場と賃貸相場を試算してみました。
このマンションだと、売却相場が2,070万円~2,270万円で、賃貸としての家賃相場が11.1万円~13.1万円であることがわかりました。この査定額が実際どくらい正しいのか、現在売り出し中の物件情報が下図です。
(出典:SUUMO http://suumo.jp/)
たしかに売却相場の2,070万円~2,270万円の中に入っていることがわかります。また賃貸で貸した場合の表面利回りも、ひと目でわかるようになっており、この物件であれば、予想利回りは6.67%となっています。
収益物件として、理想とされている利回りが最低でも8.0%程度なので、利回りとしては少々物足りないことが判りました。
「マンション.navi」の公式サイトはこちら
同じような一括査定サイトは、他にも数多くありますが、マンション.naviのように、売却相場と賃貸相場が同時にわかる査定サイトはほとんど見かけません。
とくにマンションの売却と賃貸に特化しており、マンションの売買を検討しているのであれば、ぜひ知っておきたいサイトの1つです。
売却か賃貸、どうすればいいのか?
上で説明したように、売却するにしても賃貸として貸し出すにしても、それぞれ一長一短があり、どちらが良いという断言はできません。
その人の状況や考えかたによって、売却の方が良い場合もありますし、賃貸として貸しながら様子を見る方が良い場合もあります。しかし、売却と賃貸のどっちか決まってないのであれば、管理人としては売却をおすすめします。
理由は、不動産の中古市場は年々供給過多となっており、今後もその状況は改善されるどころか、どんどんエスカレートする一方だと思います。
説明するまでもありませんが、供給の方が需要を上回れば、それだけ売却相場は下落していきます。その良い例が賃貸物件です。
今の賃貸市場は、明らかに供給過多となっており、数年前に家賃10万円だった物件が、今は75,000円や80,000円に値下げをしても、入居者を確保するのが難しくなっている現状があります。
これと同じ現象が、今後、売買市場でも起こると管理人は思っています。ですので、将来的に売却する考えが少しでもあるのだったら、「売れるうちに売っておく」という言葉通り、買い手がみつかるうちが売り時だと思います。
売るか貸すか迷ったら、まずは賃貸の相場と売却の相場を比較して、その検討材料から自分の状況を加味して、どちらが損をしないのかを判断していきましょう。
おすすめの一括査定サイト一覧
「おうちクラベル」は首都圏や関西圏など都心部のマンションを売却したい人におすすめです。
運営はソニーグループのSERホールディングスが行っているので安心感があり、大手、フランチャイズ、地元密着と言ったさまざまな業者の査定額を比較することができます。
提携業者の中には、売主にとって有利な片手仲介を行うSRE不動産が含まれます。対象エリア内でマンションを高く売りたい人は、ぜひ利用したいサイトです。
「マンション.navi」は、マンションの売却に特化した一括査定サイトです。大手不動産会社から地域密着型業者まで、たくさんの業者が登録されています。
地方の物件に強い業者や、訳あり物件に強い業者などもいるため、他のサイトで買い手が見つからなかった人も試す価値があります。
また、売却以外にも「賃貸として貸す」「業者に直接買取してもらう」場合の査定もできるので、売却以外の選択肢を考えている人にもおすすめです。
「HOME4U」は、NTTデータが運営する国内最大級の不動産一括査定サイトです。大手不動産会社から地域密着型業者まで、たくさんの業者が登録されています。
地方の物件に強い業者や、訳あり物件に強い業者などもいるため、他のサイトで買い手が見つからなかった人も試す価値があります。
大手企業が運営していてしっかりとした実績もあり、熟練されたスタッフが在籍しているので、信頼度が高く安心して利用することができます。