急な転勤や引越しを余儀なくされた場合、所有しているマンションをどうするのか悩みますよね。売却したほうが良いのか?賃貸や空家で維持しておくほうが良いのか?
時間も限られるので、どちらを選択するのか早期に決断しなければなりません。
転勤や引越しを理由に売却を考えている場合、今の住まいに戻れるという確約があれば、賃貸や空家で維持するという選択肢もアリだと思います。ですが慎重に考えなければならないのが、住宅ローンと家賃という二重ローン状態が続くことです。
賃貸で貸せば家賃収入を住宅ローンの返済にまわすことができますが、それだと戻りたいときに退去してもらえなかったら?という心配をつねに抱えることになります。
一方で売却という決断をするのであれば、今度は「売却の期限」と「住宅ローンの残債務」という問題が出てきますので、それぞれの注意点を確認しておきましょう。
賃貸や空家で維持する場合の注意点
将来的に戻れる可能性があるのでしたら、賃貸や空家で維持するという選択肢もありますが、それなりに問題点もあるので、それを踏まえて検討しましょう。
賃貸マンションとして維持する
賃貸として貸す場合の最大の問題点が「空室」と「退去」だと思います。
借り手が現れず「空室」となれば、当然賃料は1円も入ってきませんので、住宅ローンと家賃という二重ローン状態となります。
それでも数ヶ月生活していけるだけの蓄えがあれば何とかなると思いますが、1ヶ月や2ヶ月だけでも厳しいというのであれば、賃貸という選択肢は現実的に難しいというのが編集長個人の考えです。
また、賃貸で貸すのであれば当然大家さんという立場になるので、エアコンが壊れた、給湯器が壊れたという突発的な修理代なども考慮しておかなければなりません。あくまでも参考例ですが、エアコン一台10万円、給湯器だと15万円、電気温水器なら40万円ほどの費用が掛かります。
そして一番懸念されるのが、「退去」の問題です。期限付きの転勤などで戻れる時期が最初から確定しているのであれば、期限付きの賃貸として貸し出すことも可能ですが、急に戻れることになった場合など、あなたの都合で借主が退去してくれる可能性が極めて低いと思います。
家主の急な都合で退去してもらうのであれば、引越し代相当の退去費を支払うというケースも珍しくありません。地域や借主の家族構成などにもよりますが、退去費の相場は50万から100万ほどになることも珍しくありません。
空家として維持する
賃貸で貸すことで修繕費や退去の問題があるのであれば、誰にも貸すことなく空家のまま維持するという選択肢がありますが、この場合も「二重ローン」と「劣化」という問題点が出てきます。
住宅ローンが残っているマンションであれば、当然住宅ローンと新たな住まいの家賃という二重ローン状態を続けることになります。賃貸なら家賃収入を住宅ローンに回すことができますが、空家のままでは一円の収益も生み出しません。
次に問題となるのが室内の劣化です。建物は人が住み続けて維持できるようになっており、空家の状態だと劣化が急速に早まります。
編集長も過去に不動産営業をしていたので、経験上よくわかるのですが、空き部屋のまま3ヶ月放置しているだけでも劣化を感じることがありました。それが数年になるのであれば劣化状況は想像をはるかに超えること間違いありません。
このような劣化を抑える手段として、1ヶ月から2ヶ月に1度のペースで業者に清掃に入ってもらう方法がありますが、それにも費用は掛かります。3LDKクラスでだいたい3万円から5万円が相場になります。
維持する場合のメリット・デメリット
空家や賃貸で維持する場合のメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット
- 家賃の収入で住宅ローンの返済ができる
- 家賃収入で返済することで、無償で不動産資産を手に入れることができる
- 将来的に、その家に戻ってくることができる
- 最終的には売却という選択肢が残されている
デメリット
- 室内の劣化が早い(空家の場合)
- 空き部屋というリスクがある
- 家賃の未払いというリスクがある
- 希望する時期に退去してくれない可能性がある
- 設備の故障など、余計な出費が発生する
売却する場合
売却を選択するのであれば、「期限」と「住宅ローンの残債」という問題があります。
いつまでに売却するのか?
転勤などで売却する場合、「いつまでに売却しなければならない」という期限の問題があります。売却は転勤後でも構わないと考えている人も多いようですが、売買契約やら決済のときに同席しなければならないので、かなりの手間が掛かります。
転勤日が確定しているのであれば、仲介を依頼する不動産会社に日程を伝えて、それに見合った販促活動をしてもらうよう相談してみましょう。
どうしても決まった期日までに売却できる見込みが立たない場合は、買取制度を利用するという手もあります。買取の場合、普通に売却するよりも金額は低くなりますが、その反面確実に現金化することができ、なおかつ瑕疵担保などの責任問題を回避できるというメリットがあります。
通常の売却であれば、売主は買主に対し、一定期間建物の保証をしなければなりません。売却後であっても期間内に雨漏りが発生したり、シロアリの被害が発見された場合には、売主の負担でこれらを補修・改善する義務があり、これを「瑕疵担保責任」といいます。
住宅ローンの残債以上で売却できるか?
転勤や引越しを控えているので、市場相場より少しくらい安くてもいいから、早急に売却したいと考える人も少なくありません。しかし、これには住宅ローンとの兼合いが問題視されます。
住宅ローンが残っている場合、当然売却した金額は住宅ローンの返済に充てないといけません。このとき住宅ローンの残債務以下で売却してしまうと、不足分を手出し返済しなければならなくなるからです。
不足分を手出しできるのであれば問題ありませんが、手持ちの現金に不安を感じるのであれば、ローンの残債務以上で売却するのが第一条件になってしまいます。
売却する場合のメリット・デメリット
売却する場合のメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット
- 固定資産税や維持管理費が掛からなくなる
- 住宅ローンの返済が終わり、資金繰りが楽になる
- 空き部屋や退去の問題など、精神的な悩みを抱える必要がなくなる
- 売却した代金を預貯金や投資に回すことができる
デメリット
- 再度、マイホームを購入しなければならない
- 損失がでると、住宅ローン残債務だけが残る
- 足りない分を現金で完済する必要がある
- 売り急ぐと、市場相場より安値での売却となる可能性が高い
このように転勤や引越しで売却を考えているケースでは、時期やローンの問題も同時に考えなければなりませんし、売り急ぐと市場よりも安値での売却になりがちです。
早期での売却を希望する場合、好条件で買ってくれる人を見つける必要があります。つまり、大々的に広告宣伝を打てるだけの営業力と資金力がある大手の不動産業者などを利用するのが編集長的にはおすすめです。
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