部屋探しについて

部屋探しについて

新入学、新社会人、転勤、結婚などと理由は様々ですが引っ越しをする場面は出てきます。そんな時に必ずしなければいけないことに、「部屋探し」があります。

部屋探しを何度も経験している人でしたらさほど難しくはないと思いますが、実際にはそんなに何度も経験している人は少ないということが一般的です。

部屋探しを失敗してしまうと、経済的・精神的なダメージが大きくなり、その部屋に住み続けること自体にストレスを感じてしまいがちです。

そこで、どうやったら失敗しないで上手な部屋探しができるのか、ということを考えるために必要な情報をまとめてみました。

安くて良い部屋を探す時のコツ

部屋探しをするときにまず考えることは、「できるだけ安くて、しかもできるだけ良い部屋に住みたい」ということです。

「できるだけ良い部屋」に住もうと思うと「できるだけ安く」は達成できず、やはりそれなりの家賃を支払うことが普通です。

とは言え、仕送りやバイト代、給料などの収入は決まっていますから、その中から「将来に備えて貯金もしたい」と考えると、多額な家賃を払い続けることは非現実的です。

そして、安くて良い部屋を探すためにはポイントがあります。要約するとそのポイントは4つで、以下のとおりになります。

  • リフォーム物件
  • UR賃貸住宅
  • 最寄り駅までバスを使う
  • 最寄り駅に急行が止まらない

では、項目別に内容を見ていきます。

リフォーム物件

部屋探しに慣れていないと、どうしても新築あるいは比較的新しい物件に目がいってしまいがちですが、新築や比較的新しい物件の家賃は高くなっています。逆に、築年数が古くなるほど家賃は下がる傾向になっています。理由は、経年劣化による物件の評価額が下がるからです。

三井住友トラスト基礎研究所のデータによると築年数3~10年で2%前後、築後11~20年で9%前後家賃は下がる値傾向があります。

これは、すべての賃貸物件を総合した数値ですから、古くても家賃が下がらない超人気物件も含まれています。その為、一般的な物件だけを評価した数値とはやや乖離があります。

一般的な物件では大まかにいって、築10年で10%前後、築20年で20%前後の下落率だといわれています。だいたい、10年で10%の下落率という感じです。

つまり、新築時は10万円だった部屋が、30年経つと7万円で住めるということになります。ただし、そのままでは経年劣化を隠すことは出来ません。

ある程度リフォームをしてあり、快適性を確保してある物件を探すことがポイントです。築年数の古い物件は、そのままだと入居者を確保しづらい為、リフォームをするケースが多いのですが、リフォームをしたからといって大きく家賃が変わることはありませんから、狙い目です。

UR賃貸住宅

UR賃貸住宅とは、旧公団住宅のことです。基本的には礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要という入居条件ですから、家賃とともに初期費用を相当抑えることが出来ます。

例えば東京都練馬区にある物件ですが、最寄り駅が西部池袋線大泉学園駅(徒歩12分)、2LDKで床面積59㎡、11階建ての3階、エアコン・自動お湯張り/追い炊き機能の浴槽・モニター付きインターホンなどの設備がついて、家賃は109,400円です。

同地域で同程度の物件の家賃が、だいたい18万円ぐらいですからかなり割安感があります。

最寄り駅までバスを使う

最寄り駅までの距離が遠ければ、それだけ入居者にとっては条件が悪くなりますから家賃は安くなります。

例えばUR賃貸住宅の項目で例に挙げた物件ですが、駅から徒歩12分という条件でした。同じ程度の物件で、駅からバス8分とか車13分という条件になると、民間の賃貸住宅でも10万円を切る物件が出てきます。

さらに、立川駅からバス9分のアパート(築29年)になると、1K・ユニットバス付で家賃は23,000円という安さになります。

ただし、会社から交通費が全額出る場合は良いのですが、毎日駅までバスを使うと1万円を超えるバス代がかかります。自転車で駅まで行くとしても、駐輪代が毎月発生しますから、その分は家賃に含めて考えた方が良いと思います。

最寄り駅に急行が止まらない

急行や快速、特快の止る駅や、ターミナル駅(JR・私鉄・地下鉄などが乗り入れている駅)の場合は、交通の利便性が高いのでどうしても地価が高くなりますから、その分は家賃に反映されています。

逆に、急行停車駅から1駅、あるいは2駅しか離れていなくても地価は抑えられていますから、家賃は低くなる傾向があります。

しかし、生活が不便になるのかというとよほど郊外にならない限り、急行停車駅の周辺とあまり差はありません。

例えば1Kマンションの家賃ですが、東京都の荻窪(急行・特快・地下鉄乗り入れ)だと79,000円ぐらいですが、1駅離れた急行の止らない阿佐ヶ谷になると65,000円という物件が出てきます。

阿佐ヶ谷が荻窪に比べて暮らしにくいかというと、まったくそんなことはありませんから、毎月14,000円の差は大きいといえます。

以上4つのポイントをみてきましたが、他にも探すコツがあります。以下の記事でまとめて解説しているので、安くて良い部屋を探したい人は、必ずチェックしてください。

掘り出し物件の探し方をチェックする

不動産業者を選ぶ時のポイント

部屋を探すためには、不動産業者との付き合いは必須です。気持ちよく応対してくれて、依頼者の立場に立って物件を探してくれるような、良い不動産業者にあたればすごくラッキーな感じになります。

その逆だと、探してくれた物件が良い物件だったとしても、なんとなく色褪せて見えてしまいがちです。

では、どうやって不動産業者を選ぶのかということを考えていきます。そのポイントを要約すると3つになり、それは以下のとおりです。

  • 電話応対が良いこと
  • 口コミや評判が良いこと
  • きちんと仲介手数料を取ること

では、項目別に内容を見ていきます。

電話応対が良いこと

電話の応対は、その会社の社員教育の現れです。質の良い応対をしてくれるようだと、社員教育のレベルはある程度期待できます。これが駄目だと、結果もそのとおりになる傾向があります。

よくいわれていることなのですが「メラビアンの法則」というものがあり、人と人のコミュニケーションは視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%という法則です。

電話でのコミュニケーションでは一番大きい視覚情報はゼロで言語情報だけすから、電話できちんとコミュニケーションが取れるようでしたら、ある程度の社員教育がされていると考えても大きな間違いではありません。

また、3コール以内で電話に出ることは当たり前ですから、この面も見逃さないようにしましょう

口コミや評判が良いこと

よくネットなどの口コミはあまりあてにならないという人もいますが、極端な書き込み以外は案外口コミのとおりだといえます。

悪意に満ちた書き込みをしている場合、不動産業者との間にトラブルがあったことがうかがえます。しかし、不動産業者も接客業ですから、一方的にトラブルを起こすことは考えづらいことです。それを一方的に悪意に満ちた書き込みをすることは、自分にもかなり非があったことだと予想できます。つまり、ネットの口コミや評判は案外当たっているといえます。

もし、実態を知りたいのでしたら、物件のオーナーである大家さんを訪ねて様子を聞くとか、対象の不動産業者が管理をしている物件にいって、無作為に住んでいる人を訪ねて聞いてみることが一番確かです。

なお、物件のオーナーを調べるのでしたら、物件のある地域を管轄している法務局へ行くと調べることが出来ます。

きちんと仲介手数料を取ること

通常仲介手数料は1ヶ月分が当たり前です。しかし、仲介手数料を割り引くようだと、良い物件を隠していることもあります。

不動産業者は仲介手数料の他に大家さんからもらえる広告料がありますが、これが付いている物件とついていない物件があります。

仲介手数料を割り引ける物件は、広告料のついている物件だけになりますから、それ以外の物件を隠している可能性が考えられるので、きちんと仲介手数料をとる不動産業者の方が「隠し玉なし」という可能性が高いことになります。

番外編・地元の信頼できる不動産業者の良さ

良くいわれていることですが、「大手は良い物件を持っている」ということがあります。確かに大手の不動産業者は、資金力もあり知名度も高いので大家さんは安心感を持ちますから、物件は多数抱えています。また、対応できる地域も広いことは、利用者にとってはメリットになります。

しかし、居住を希望するエリアの中で信頼できる不動産業者を見つけられると、かなり希望に近い物件を探してもらえることがあります。

物件の物理的な評価に加えて、住民の気質や鮮度の高い食材を売っているスーパー、それに安くて美味しい飲食店を利用しやすいなど、物件の持っているソフト面の情報を駆使して、暮らしやすいところを探してくれます。

こういったことは、長年地元で開業していなければ得られない情報ですから、大手の業者よりも優れている部分です。

内見時の注意点

希望の物件が出たら、必ず内見をする必要があります。部屋の設備や交通の便などはクリアーできているという条件で、内見をするときのポイントがあります。

そのポイントを要約すると2つで、以下のとおりです。

  • 物件そのもの
  • 周辺の状況

では、項目別に内容を見ていきます。

物件そのもの

物件そのものの設備などは希望を伝えてありますから、実際の使いやすさや収納スペースの大きさなどをチェックします。

あとは、日当たりや風通しの良さ、ベランダの状態(洗濯物を干しやすいことなど)、駐車場や駐輪場の状態、騒音の程度、要修繕ヶ所のあるなしなどをチェックします。

特に、風呂場や洗面所、キッチンなどは実際に水を流せたら、流してチェックするべきです。きちんと流れるかどうか、一定の水圧はあるかなど、きちんとチェックしましょう。

また、騒音ですが、学校や幼稚園が近いとかなり気になります。どの程度の音が出るのか、学校や幼稚園が稼働しているときに確認することが重要です。

周辺の状況

周辺の状況は、そのまま生活のしやすさにつながりますから、大切です。

まず、最寄り駅までのルートです。人通りが多くて、夜でも明るいことが防犯上望ましい条件です。できれば、防犯カメラや監視カメラの位置も把握しておくべきです。とくに、女性の場合は必須だと考えてください。

次に、病院や交番、消防署の位置はどこなのか、なるべく遅くまで営業しているスーパーはあるのか、コンビニはどこなのか、手近に外食をできる安くて美味しい店はどこにあるのか、家族持ちの場合は学校の場所などもきちんと把握することが必要です。

他にも、工場が近いと有機溶剤や機械油の臭いがするケースもありますから、工場の稼働時間中にチェックする必要もあります。また、マンションの1階にファストフードの店が入っていると、その臭いが上がってくることもありますから、注意してください。

なお「駅から徒歩10分」などという表示がありますが、これは不動産業界全体の規定で「80mで1分かかる」ことが条件です。ただし、坂や階段などのように歩行速度が落ちる条件は、まったく加味されていません。実際に、自分の足で歩いて所要時間を確認する必要があります。

家賃を安くするための交渉術

出来れば家賃は安いにこしたことはありません。家賃交渉のポイントですが、まず4月~6月が狙い目です。

部屋の需要期が過ぎると不思議なぐらい鎮静化しますから、この時に空き部屋を持っている大家さんは、「このまま空き部屋が続いたら大変だ」というプレッシャーを感じているので家賃交渉はしやすくなっています。

次に、同じ建物でも空き部屋率が高い部屋があります。別に訳あり物件でもないのに、なぜか空き部屋率が高い部屋のある場合がありますから、不動産業者に聞いてみると案外教えてくれることがあります。これも、大家さんにとってはプレッシャーですから、交渉はしやすくなります。

他にも、築年数が古い建物だと、意外に値下げに応じてくれるケースもあるといいますから、不動産業者に相談をすることをおすすめします。

家賃交渉は不動産業者に任せるべきで、自分は大家さんと交渉しない方がベターです。すべて、不動産業者に任せた方が気持ちよくやってもらえます。

それと、家賃の値下げ額ですが、6~7万円ぐらいの家賃で万単位の値下げはあり得ないことが普通です。数千円単位の値下げになることが一般的ですから、あまり多額な値下げをするように無理を言わない方が賢明です。

あまり無理ばかりいっていると、審査が通らないケースになってしまいますから、注意が必要です。

上手に値下げ交渉をしてみましょう。


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