賃貸物件の情報を見ていると、よく目にするのが「徒歩○○分」という言葉。徒歩で駅まで行く時の所要時間を表していますが、これは本当に正確な数字なのでしょうか。
駅までの距離は物件を決めるうえでとても重要なポイントです。駅からの距離によって利便性も全く違いますし、家賃相場も変わってきます。
そこで今回は「徒歩○○分」という条件が本当に正確かどうかを調べてみましょう。
賃貸物件の徒歩時間の計算方法
まず賃貸物件に書かれている所要時間というのはどのように計算されているのでしょうか。その計算方法と、グーグルマップなどの地図アプリとの差についてみていきましょう。
徒歩1分で80mという計算
「徒歩○○分」は本当に正確なのか?と言っても、不動産会社が適当な数字を書いているというわけではありません。
実は賃貸業界では、徒歩の所要時間を計る基準が1分で80mと決まっています。つまり、駅までの距離が約400mであれば徒歩5分、約800mであれば徒歩10分という計算になるという事です。
ただしこの計算で算出された時間が、必ずしも正確であるというわけではありません。なぜならこの計算は単純に距離だけで算出しているからです。
実際に歩いて目的地まで行く時には、信号があったり坂道があったりなど、様々な障害があります。また子供の足やお年寄りの足では、1分間に80m歩くという条件自体が厳しい場合もあります。
つまり徒歩○○分というのは、必ずしも正確というわけではなく、およその目安として参考にするというのがおすすめです。
目的地とはどこを示すのか
物件情報では、駅だけでなく小・中学校、病院、スーパーなど、色々な目的地までの所要時間が掲載されています。ここで勘違いしがちなのが、記載されている所要時間で目的を果たすことができるということ。
特にありがちなのが駅までの所要時間が5分なので、電車の発車時刻の5分前に出発すれば間に合うという勘違いです。実際に駅まで5分で歩くことができたとしても、5分後の電車に間に合うことはできません。
なぜなら所要時間というのは、あくまで物件から一番近い駅の出入り口までの距離で計算されています。そのため出入り口から駅のホームまで階段を上り下りしたり、改札を通ったりなどの時間は含まれていないのです。
物件情報に記載されている所要時間は、どこを目的地として示しているのかを知っておくことも重要なポイントです。
目的地一覧
- 駅…一番近い出入り口
- 小・中学校…一番近い門
- 病院…正面入り口
- スーパー…入口
- 公園…正門
グーグルマップの徒歩時間と比べてどうか?
グーグルマップとは、目的地までのルート検索だけでなく、実際に歩いた距離や時間を正確に計ることができるというとても便利なサービスです。
物件情報に記載されている所要時間と、グーグルマップの所要時間を比較してみると、どれほど差が出てくるのでしょうか。
基本的に、グーグルマップも1分で80mという基準は同じです。ただ物件情報と違う点は、信号や坂道などの障害物を考慮して所要時間を計算しているというところ。
そのため、物件情報に記載されている所要時間よりも、グーグルマップで計算した所要時間の方が長い可能性が高くなります。
駅から徒歩10分、実際の距離は?
では実際に駅から徒歩10分と書かれていた場合、どの程度の時間がかかってしまうのでしょうか。
<平坦かつ信号がない>
この場合は、大人の足であればほぼ10分程度で到着することができます。
<坂道や信号がある>
この場合は、書かれた時間よりも1~2分オーバーすると考えるのが妥当です。大通りを横切らなければならない場合は、信号待ちの時間が長くなるので+3分はみておきましょう。
<近道がある>
計測したルートとは別に、小道やショートカットできる公園などがある場合は、記載された時間よりも早く到着することができます。場合によっては1~2分も短くできる場合もあります。
このように、実際にかかる時間は歩く環境によって全く違ってきます。記載された所要時間を鵜呑みにするのではなく、ある程度の目安としてとらえましょう。