住宅ローンの借り換えは金利や費用を比較して検討しよう

住宅ローンの借り換えは金利や費用を比較して検討しよう

近年はマイナス金利政策による住宅ローン金利の引き下げもあって、住宅ローンの借り換えを検討する人は少なくありません。住宅ローンの借り換えは低金利の住宅ローンに借り換えることで支払利息を減額することが最大の目的となってきます。

住宅ローンの場合、数千万円にも上る高額借入ですから、金利が1%安くなっただけでも支払う利息総額には大きな差が生まれます。となれば超低金利時代に突入したと言われる今こそが絶好の借り換えチャンス路も言えるでしょう。

そこで今回は住宅ローンの借り換えで重要となってくる金利と諸費用について詳しく説明していくことにします。

借り換えローンを比較する際のポイント

現在は実に多くの金融機関から住宅ローンが販売されているので、借り換えするといっても安易に決めてしまうと十分なメリットを生む借り換えとはなりません。

よって、借り換え先を選ぶ際には一番重要になってくる金利はもちろんのこと、借り換えにかかる諸費用がいくらかかるのかが重要なポイントとなってくるのです。

現状金利と比較する

メリットの高い借り換えとするためには、いかに低金利の条件で借り換えをするかがまずは一番重要なポイントとなってきます。

借り換えしたはいいが金利が思ったように下がらず、現状の借入残金が少なかったこともあって、諸経費を支払うと支払額はさほど変わらなかったという話もなくはありません。こんな結果では手間と時間がかかっただけで、メリットのある借り換えとなったとは言えません。これならば端から借り換えなんてしない方がマシですよね。

そうならないためにもまずは、いかに低金利の住宅ローンに乗り換えることができるかが、借り換えする際に求められる最重要課題となってくるのです。

しかし、いくら低金利の住宅ローンがあったとしても、申込者の全てが借り換えできるとは限りません。

そこで最低ラインとしてのたたき台となるのが、現状金利との比較です。

一昔前ならば金利差1.0%以上、住宅ローン残金500万円以上のラインを切る借り換えは、大きなメリットを生まないため借り換えする意味がないとも言われていました。しかし、現在は超低金利時代のため金利の心配をする必要がない上、保証料無料のネット銀行が出てきたことから、この条件に満たない場合でも十分な借り換えメリットが生まれると言われています。

低金利に加えてメガバンクや地方銀行では必要となる0.2%ほどの保証料が金利に加算されないのであれば、十分利息支払いメリットのある借り換えができる可能性は高くなってくるというわけです。

よって、まずは借り換え先の金利と現状金利にどれだけの差があるのかを比較することが先決です。そして求められた利息支払い額の減額幅がどれくらいになり、それが借り換えするに足るメリットなのかどうかを比較検討しなければなりません。

金利タイプを比較する

前回の住宅ローンを組んだ際も金利タイプの選定には頭を悩ましたことでしょう。

住宅ローンの金利タイプは大きく分けると下記の2つに分類されます。

  • 変動金利 固定金利よりも低金利だが、金利上昇のリスクがある
  • 固定金利 変動金利よりも高金利だが、金利上昇のリスクがない

金利タイプを変更しない場合は検討する必要はありませんが、これ以上、下がることはないと言われている超低金利時代だからこそ、金利上昇リスクのない固定金利に乗り換えたいという人もいることでしょう。しかし、借り換え時に金利タイプを変更する場合には注意が必要です。

現状が変動金利で今の固定金利の方が低金利ならば、思い切って固定金利に乗り換えるのは検討に値します。ですが低金利に惹かれて固定金利から変動金利への変更ははっきり言っておすすめとは言えません。

現在は下がりようのないほどの低金利であり、銀行収益を考えればこれ以上の金利低下はありえないと言われています。しかも低金利に一番大きな影響を与えているマイナス金利政策は期間が定められており、終了と同時に金利上昇が起こることは目に見えています。よって、金利は今後上昇していくだけで、これ以上、下がることは考えにくいのが実情なのです。

これは確率の問題ですから必ずと断言することはできませんが、その可能性が高いことだけは事実です。変動金利による支払利息の減額幅は、固定金利よりも確実に大きくなりますが、このシミュレーションによる数値だけを鵜呑みにして金利タイプを変更することだけはおすすめしません。

それでもという人はこのリスクがあることをしっかりと肝に銘じておきましょう。

借り換えで発生する諸費用を比較する

借り換えローンなら通常の住宅ローンと比べると、免除されているものもさぞあるだろうと思われている人はいませんか?残念なことにそんなものは一切ありません。借り換えローンと住宅ローンの契約は全く同じ過程が発生するので、借り換えローンを組む際には、最初に味わった面倒な契約手続きをまた再度行うことになります。

発生する諸費用も全く同じです。となれば諸費用が決して安いものではないことは自ずとお分かりですよね。借り換え時に発生する諸費用は下記のとおりです。

  • 融資事務手数料
  • 信用保証会社への保証料
  • 団体信用保険料
  • 金銭消費貸借契約の収入印紙代
  • 抵当権設定登記に関わる登録免許税
  • 抵当権設定登記に関わる司法書士報酬
  • 火災保険料

収入印紙代と登録免許税に関しては定められた金額請求となるため、どの金融機関を利用しても変わりませんが、ほかの諸費用については利用する金融機関によって大きく変わってきます。

住宅ローンの借り換えにかかる諸費用が30万円~280万円と大きく差額が出ているのも、請求される諸費用の設定額に違いが出てくるからです。いくら金利が低くなったといっても諸費用で300万円近くかかってしまっては、最終的に得られる減額メリットは大きく低下してしまいます。

よって、住宅ローンの借り換え時には金利だけでなく、この諸費用も比較検討する必要があるのです。

これら諸費用の中でも高額となるのは、住宅ローンで金融機関に支払う3大コストとも呼ばれている下記の3つです。

  • 融資事務手数料
  • 信用保証会社への保証料
  • 団体信用保険料

残りの諸費用は若干の差は出てくるものの、下記のように大きな金額ではないため諸費用が高額になるかどうかは、この3大コストと呼ばれる諸費用が幾らになるのかにかかっていると言ってもいいでしょう。

  • 金銭消費貸借契約の収入印紙代 2万円
  • 抵当権設定登記に関わる登録免許税 3万円
  • 抵当権設定登記に関わる司法書士報酬 5~10万円
  • 火災保険料 数万円

3大コストと呼ばれる諸費用を比較検証!

それでは3大コストと呼ばれる諸費用について検証します。

融資事務手数料

これは借り換えローン契約時に金融機関へ支払う事務手続きにかかる手数料を指し、金融機関によって「事務手数料」とか「取引手数料」など様々な名称で呼ばれています。

この融資事務手数料は最大で65万円ほどとなりますが、金融機関によって請求される額は下記のように大きく違ってきます。

  • メガバンク 数万円
  • ネット銀行 融資額 × 定率(2.16%など)

よって、まずはこの保証料を抑えるためには高額な融資事務手数料となるネット銀行よりも、数万円程度ですむメガバンクがおすすめとなってきます。

信用保証会社への保証料

この保証料は契約者が返済不能となった場合、信用保証会社からの代位弁済の保証を受けるために発生する費用となります。

保証料は利用する信用保証会社によって費用が違いますが「融資額 ×2.06%」くらいが一般的な費用となり、1,000万円の物件で約21万円となるので、借入残金が多く残っている3,000万円の物件だと総額で60万円を超える保証料の支払いが必要となってきます。

しかし、保証会社を付けるのはあくまで金融機関のリスク対策で、支払う契約者の借金が帳消しになるわけではありません。そのため必ず保証会社を付けることが大半のメガバンクや地方銀行に対して、ネット銀行の大半は契約者の立場に立って保証料を不要としています。

となれば決して安くない保証料を削除できるネット銀行は大きな魅力のある借入先となってくるでしょう。

団体信用保険料

3大コストと呼ばれる諸費用の中でも最も高額になるのが団体信用保険料です。

民間金融機関では団体信用保険料が住宅ローン金利に含まれているので、実質は無料と考えても差し支えありません。しかし、日本政策金融公庫のフラット35は話が違います。加入は任意となっていますが実際のところは大半の方が加入しており、年に1回保険料支払いが行われます。

その保険料は「融資残高 × 0.385%」となっており、3,000万円の物件を35年で返済するとすれば総額で約200万円にも上る保険料支払いとなってきます。フラット35は民間金融機関よりも借り入れしやすいというメリットはありますが、民間金融機関が利用できるならこの保険料を含めた比較検討を欠かすことはできません。

まとめ

メリットの借り換えをするには金利と諸費用の比較が重要なポイントになりますが、金利も安く申し込みやすいフラット35は高い団体信用保険料が発生するといったように、1つの条件だけに囚われてしまうと、そのデメリットを見逃してしまうことにもなりかねません。

各金融機関はそれぞれに特徴があり、それがメリット・デメリットが存在します。よって、借り換え先を選ぶ際には1つのメリットだけに固執すると結果的にはメリットの低い借り換えとなる可能性も高くなってくるのです。

借り換え先を選ぶ際にはまず金利面を最優先に比較し、ほかの条件がどうなっているのかを徹底比較した上で一番メリットの高いところを選ぶ必要があります。

決して容易な作業ではありませんが満足いく借り換えとなるよう、今回説明したことをよく念頭に置いてしっかりと比較検討を行うようにしましょう。


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