固定金利と変動金利の違い、メリット・デメリットの解説

固定金利と変動金利の違い、メリット・デメリットの解説

住宅を購入するときには住宅ローンを組むのが一般的だと思います。私は住宅ローンアドバイザーをしていた時に、「固定金利」と「変動金利」は何がどう違うのかという質問をよく受けました。

大きな金額のローンになりますから、少しでも得になるチョイスをしたいものですよね。そこで、ここでは固定金利と変動金利を比較しながら、その違いを説明します。

固定金利と変動金利の違いは?

固定金利はローン支払い期間中は決まった金利で固定されています。金利の変動にかかわらず、ローンの支払い額は完済まで変わりません。

固定金利型ローンの代表的な商品としては、CMでもよく流れている「フラット35」がありますが、他にも様々な金融機関が独自の商品を出しています。

一方で変動金利のローンは大々的にCMをうっているわけではないので、よくわからないという人もいると思いますが、途中で金利の見直しがされ、変動するローンです。金利の変動に合わせて、元金と利息の割合を調整するため、年2回、金利の見直しがされます。

つまり金利の変動によって支払い額が増えるリスクがある代わりに、固定金利のローンより短期的な金利は安く設定されています。

金利を見直す時期は各金融機関によって異なりますが、4月と10月が多くなってます。各金融機関が発行しているローンパンフレットに小さく記載されているので、機会があれば見てみてください。

固定金利のメリット・デメリット

まずは「最初に決められた金利」でローンをずっと払い続ける固定金利のメリットとデメリットを挙げてみます。

固定金利のメリット

固定金利では、名前の通り金利が「固定」で、支払うべき金額が決まっているので、先の見通しが立てやすい点がメリットです。以下、もう少し詳しく説明します。

返済予定が立てやすい

ローン期間中は、ずっと決まった金利が続きますので、返済予定が組みやすく、安心です。

不動産ローンの支払いは35年間と長期に渡りますが、その間には職業が変わったり家族構成が変わったりと、収入・支出のバランスが常に動きます。長期の計画を考える時に、住宅ローンの支払い額が決まっているだけでも、随分と計算がしやすいものです。

ローン返済中に金利上昇のリスクがない

金利は日々変動してますが、それにも左右されずに決まった金利で支払っていくので、毎月の支払の他、総支払額も変動することはありません。

10年前は2.0%台ですが、現在安いところで1.48%などがあります。金利だけみればこれは本当に低い金利です。このように破格の低金利が35年間も固定できるというのは、私のようなアドバイザーからすると、驚くほど「リスクが低い金融商品」と言えます。

固定金利のデメリット

今は低金利時代なので、固定金利型がおすすめされていますが、良い点ばかりではありません。続いて固定金利の悪い点を挙げていきます。

変動金利より金利が少し高い

貸し手である金融機関は、将来金利が上昇したときに固定金利だと低い金利のままになるので、損をするリスクがあります。そのリスクの分、金利に上乗せをして借り手に負担してもらっています。

融資実行時の金利が適用される

家を新築するとなると3ヶ月~4ヶ月はかかりますが、ローンの最終手続きは完成後になります。つまり、ローン案内チラシ掲載の金利より安くなるか高くなるかがわからない所がデメリットになります。

今までの金利がどう動いているか、銀行の担当や住宅営業担当者はわかっているので、現在どういう金利情勢なのかを聞くのも一つの目安になります。

私も、住宅ローンアドバイザー時代には固定金利を選んだお客様には、住宅設計の打ち合わせの時から最後まで、金利の動きがわかるような資金計画を出して、金利の変更があった時にはその都度お知らせしていました。

金利が決まるのは、その月の月末ですから、それまでは安心できず、住宅が完成する間際は金利の動きに注視していました。

商品によって金利の差が大きい

先ほどから「フラット35」を紹介していますが、この商品は金融機関やローン会社によって、そこそこ金利が違います。なぜなら金利は手数料や証券購入した投資家に支払う利息、運営費など、多くの要素が関わってくるからです。

銀行の「フラット35」は他に比べて金利が高めのものが多い気がしますので、利用する際には各金融機関の金利をよく見て確認しましょう。

変動金利のメリット・デメリット

変動金利の最大のメリットは、金利が固定金利より低く設定されていることでしょう。

貸し手側の金融機関に金利上昇リスクがない分、一般的に固定金利より金利は安くなります。そのため、なるべく安い支払いで「家賃感覚」でローンを返していこうという人もいます。

変動金利のデメリットは金利の変動リスクがあるということです。

金利は日々変動しています。金利の見直しは年2回で、返済額の見直しは5年毎になりますので、先の金利がどのくらいかというのは今の時点では予測不可能です。

そのため、毎月家賃感覚で支払っていたが、総支払額にしてみると増えていたなんていうこともあります。

変動金利と固定金利のハイブリッド型も!

もともとは変動金利のタイプでも、「3年固定○○%」「5年固定○○%」とうたったものを銀行やCMでよく見かけます。これらは「キャンペーン金利」、「固定金利選択型」ともいいいます。

このタイプは最初の決められた期間は固定の金利で、それ以降は変動金利になるので、月々の支払いが若干多くなるリスクはありますが、良い面もあります。

最初は金利が固定されていて、月々の支払い額が決まっているため、当初の返済計画が立てやすく、安心です。また固定期間が終了したときに、金利情勢を見て条件の良い違う金融機関のローンに借り換えをするという選択肢も出てきます。

自分に合うローンを選ぼう

最近は金利が安くなり、家を建てるなら今!という感じになってきてますよね。これからの生活を考えると不安なので、計画が立てやすい全期間固定金利で組まれる方も多くなってきたと感じます。

実際にもし今、私に住宅ローンの相談がきたとして、そのご家庭の条件があうならば、全期間固定をおすすめすると思います。

融資実行時の金利が適応のため、すごくドキドキしますが、ここまで金利が下がっている今だからこそ、全期間で返済予定が立てられる方が安心だからです。

ただ、住宅ローンは目先の金利の安さだけで決めるものではありません。それに付随する団信や保証料など諸費用も重要なポイントです。

家庭の現状や今後の生活プランなどを考え、どのタイプが自分に合っているのか、良いところ、悪いところを理解した上で住宅担当者や銀行の窓口に相談して資金計画を立てるようにしましょう。

大きな額のローンを組むわけですから、家庭によって安心感の基準が異なると思いますので、そこはしっかりと「これを一番に安心して暮らしたい!」というのを話し合うのも良いかと思います。

もちろん金利は低い方がいいいに決まってます。ただ、長いローンになるので目先の事だけでなく、今後住宅ローンが負担にならない安心した暮らしができるようによく考えて、自分に合ったものを選びましょう。


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