住宅ローンの審査にクレジットカードは影響する？

最終更新日：2021年08月02日

クレジットカードは、今やほとんどの方が持っているのではないでしょうか。会員カード等でクレジットカードがついてくることも多く、クレジットカード払いも楽だし、使い慣れてくると支払いはカードばかりになってきますよね。

では、住宅ローンを借りようと思ったとき、クレジットカードを持っていることで何か影響するのかと、疑問をお持ちの方もいると思います。

結論からいってしまいますが、住宅ローンの審査に影響があります。ただし、必ずしも影響するとも限りません。使い方次第や、使用状況によります。

そこで今回は、安心してクレジットカードを使うためにも、住宅ローンの審査に通るためにも、クレジットカードと住宅ローンの関係性について詳しく解説します。

クレジットカードは審査にどれくらい影響する？

「クレジットカードが住宅ローンに影響するなら、審査が通るまで安心して使用できない。」
「住宅ローンに影響が出るなら、いっそのことクレジットカードを使うことをやめてしまおうか。」

このように考える必要はありません。

まずは、どのように住宅ローンの審査時に影響してくるか見ていきましょう。住宅ローンの審査で重要なポイントの1つとして「返済比率」があります。

返済比率とは、住宅ローンの借主の収入に対して借り入れの返済の割合がどれだけあるかを示すものになります。借り入れというのは住宅ローン以外ももちろん含みます。住宅ローンを申し込む時に、他に借り入れがあるかどうかの確認があるはずです。

しかし、中には審査を通したいがために嘘の申告をし、申込書にも記載しない方もいます。そのために、金融機関は全国銀行個人信用情報センターに問い合わせを行います。個人情報になりますので、事前にお客様の同意書を頂きます。

また、私の勤務していた金融機関では、全国銀行個人信用情報センターからの情報を使用していましたが、金融機関によっては株式会社シーアイシーや、株式会社日本情報信用機構の情報を用いることがありますが、どれも内容は同じです。

全国銀行個人信用情報センターからの回答に、過去2年分の借り入れの履歴が載っています。

これには残りどれだけの残債があるか、返済状況は良好なのか、延滞があるのか、過去延滞があったけどいつ解消したかなど、すべての情報がわかてしまいます。全国銀行個人信用情報センターからの報告書を確認して、お客様の借り入れ状況を見ます。

そして本題に戻るのですが、クレジットカードの情報もここに記載されています。今延滞があるか、過去の延滞履歴はどうなのか、キャッシングを利用しているかということを確認します。

クレジットカードの使用状況が良好であれば審査には影響しませんが、キャッシングを利用している場合は返済比率が変わってきますので、審査に大きく影響します。

では、どのような時に審査に影響するのかについて、もう少し詳しく解説していきます。

審査に影響するケース

まずは、どのような場合に住宅ローンの審査に影響が出るのかご説明します。

クレジットカードの支払いを延滞している場合

クレジットカードの返済を延滞していると、基本的には住宅ローンの審査では落ちます。「いついつまでには返済します」と申し出たとしてもダメです。ちなみに、一度全国銀行個人信用情報センターから情報を取得すると、どこの金融機関で取ったかの履歴が残ります。

ですので、A銀行で申し込みしようとして、クレジットカードの延滞があったので住宅ローンの審査に落ち、少し期間をおいて、延滞が解消してからB銀行に申し込みに行ったという場合は、B銀行はA銀行で情報を取ったということがわかります。

1年以内に別の銀行で情報照会を取ってるのは、たぶん住宅ローンの審査に落ちたなというのがわかりますので、そのようなお客様に対してはかなり警戒して審査を行いますので、不利になることは間違いないです。

ですので、延滞があるとはっきりわかっている場合に、「試しに審査が通るか申し込んでみよう」ということはやめておきましょう。

過去にクレジットカードの支払いを延滞していた場合

今は良好に支払いしているけど、過去に延滞していたことがあった場合は、住宅ローンの審査に影響が出ます。過去に延滞していたから必ず審査に落ちるというものではなく、何故延滞していたか、今後は延滞することなどはないか等を厳重に審査します。

延滞履歴があれば金融機関はかなり警戒をしますので、厳しい目で審査していく方針になるわけです。

キャッシング枠を利用している場合

クレジットカードには、キャッシングが利用できるものも多いです。このキャッシングも、住宅ローンの審査に影響します。

先ほども少し説明しましたが、これは返済比率に影響してくるからです。キャッシング枠は要は借り入れと同様に見られますので、返済比率を計算する際に、キャッシング枠分を上乗せして計算します。

ただし、使う予定がないのにもかかわらず、勝手にキャッシング枠が付いてるということも多いと思います。キャッシングを使用していない事が確認できれば審査には影響しませんので安心して下さい。

全国銀行個人信用情報センターからの照会を見れば、今まで使用経歴が無いことは確認できます。

審査に影響しないケース

次、に住宅ローンの審査には影響ないケースについて説明していきます。

クレジットカードの支払いをうっかり延滞してしまった場合

クレジットカードの支払い用の口座を、別に用意しているという方もいるかもしれません。毎月の支払いには全く問題なく、たまたまうっかりして支払い用口座にお金を入れるのを忘れてしまい、延滞してしまったというケースがまれにあります。

実際に、私が住宅ローンを担当していた時もそのような方がいました。この場合は、たまたまうっかりで延滞してしまったということがはっきり確認できれば、審査には影響しませんので安心して下さい。

クレジットカードを何枚ももっている

クレジットカードを複数枚持っていても、延滞等特に問題なければ審査には影響しません。今は何にでもクレジットカードがついてきますが、延滞がなければ心配しなくても大丈夫です。

リボ払いを使っている

リボ払いを使っているからということは、特に審査に影響は出ません。もちろんのことですが、延滞などがあれば影響は出ます。

まとめ

このように、クレジットカードを持っていることが、必ずしも住宅ローンの審査に影響が出るということではありません。

住宅ローンの審査があるから、クレジットカードはこれから使わないということをしなくても、延滞なく、しっかりと毎月の支払いをしておけば、審査に影響はありせん。

これからも支払いが滞ることがないよう、計画的にクレジットカードを使っていきましょう。