セカンドハウスをローンを組んで購入する際の注意点

セカンドハウスをローンを組んで購入する際の注意点

夢のセカンドハウス、自宅以外に自分の時間を有意義に過ごすための場所を求める人は少なくないのでは?年齢もある程度になって資金に余裕が出ると、予後の人生を考えて現実的な建設を考える人も出てくることでしょう。

しかし、セカンドハウスは一般住宅と違い、住宅ローンが利用できないなど様々な相違点があるため、建設に当たっては事前にしっかりと押さえておくべき要所があるのです。そこで今回はセカンドハウス建設で知っておいてもらいたい重要ポイントをしっかりと説明していきます。

セカンドハウスとは?

セカンドハウスと聞くと別荘を思い浮かべる人も多いでしょうが、この2つは全く違います。別荘は年に数度休みを利用して避暑や避寒などのレクリエーション目的に利用する場所を指し、税法上ではいわゆる「ぜいたく品」としてみなされます。これに対してセカンドハウスはその名が示すとおり2番目の家に当たり、実際に居住する住まいとなります。

よって定義上は毎月1回以上の居住を定期的に行う場所とされており、税制面でもぜいたく品である別荘とは別のものと考えられ、一般住宅と同じ優遇措置を受けることができます。一般的に別荘ではなく、セカンドハウスとして認められる具体例は下記のとおりです。

  • 転勤等で通勤圏外となったため、平日の通勤のための住居を持つ
  • 平日は違う所に住んでいるが、週末には必ず生活拠点となる住居

これら条件に合う場合にはセカンドハウスと認められ、税制上で下記の優遇措置が受けられます。

  • 固定資産税の減額措置
  • 都市計画税の減額措置

固定資産税の減額措置

固定資産税は毎年の1月1日時点で保有している土地、建物に対して課税される市町村税で、一般的には固定資産税課税台帳に記載されている建物と土地評価額の1.4%が徴収されます。

しかし、現在は住宅用地と新築建物に対しては固定資産税の軽減特例が設けられており、別荘ではなくセカンドハウスと認められれば、下記のようにこの減額措置が受けられるのです。

  • 面積200㎡以下 評価額の6分の1に減税
  • 面積200㎡以上 評価額の3分の1に減税

よって建物と土地評価額が1,800万円で面積200㎡以下の場合、軽減特例が利用できなければ下記の固定資産税がかかってきます。

1,800万円 × 1.4% = 25.2万円

しかし、軽減特例が利用できれば下記のように固定資産税の減額が認められるのです。

1,800万円 × 1/6 × 1.4% = 4.2万円

20万円以上の差額が出てくるのですから、これは見過ごすことのできない額と言えるでしょう。

都市計画税の減額措置

購入物件が都市計画事業や区画整理事業の行われている市街化区域内に建設された場合には、これら事業に利用する資金として都市計画税が徴収されます。しかし、これも先程と同じようにセカンドハウスとして、住宅用地と新築建物に対する軽減特例を利用すれば、下記の減額措置が受けられるのです。

  • 面積200㎡以下 評価額の3分の1に減税
  • 面積200㎡以上 評価額の3分の2に減税

以上のことからも第二の住居を持つ場合は別荘ではなく、一般住宅と同じ扱いのセカンドハウスという立ち位置である方が税制上では受けられるメリットは大きくなってくるのです。

セカンドハウスは通常の住宅ローン利用ができない!

セカンドハウスを購入する際に一番気をつけなければならないのが住宅ローン。冒頭でも少し触れましたが、セカンドハウスの場合は通常の住宅ローン利用ができません。一般的に住宅ローンは住むための住居を購入するために利用するローン商品です。

よって既に住居を所有しており、2軒目の住宅となる場合には、住むための住宅購入として認められないのが金融機関の一般的な見解となっています。先ほどのセカンドハウスの定義では住むための購入になるのですが、金融機関ではこの定義は通用しません。

となれば住宅ローンなしで何千万円もの高額商品をどうやって購入すればいいのという話になってきますよね。その点は安心してください。セカンドハウス購入のためのローン商品が下記のようにちゃんと用意されています。

  • セカンドハウスローン
  • フラット35

それではこの2つのローンはどのような条件となっているのかを見ていきましょう。

セカンドハウスローン

通常の住宅ローン利用ができない銀行でも、セカンドハウスローンといった名称でセカンドハウス購入に特化したローン商品が用意されています。しかし、セカンドハウスローン商品はあまりおすすめできません。

一般的に住宅ローンは高額借入となるため、ほかのローン商品と比べて低金利なっていますが、セカンドハウスローンはこのメリットが生かされておらず、住宅ローンとしては驚く程の高金利設定となっています。下記はメガバンクの一つである三菱東京UFJ銀行のローン商品である「セカンド住宅ローン」の適用金利です。(2017年9月現在)

  • 変動金利 3.275%
  • 5年固定金利 4.000%
  • 7年固定金利 4.200%
  • 10年固定金利 4.200%
  • 15年固定金利 5.050%
  • 20年固定金利 5.500%

三菱東京UFJ銀行の通常住宅ローンの変動金利が0.575%~1.075%、5年固定金利が0.300%~0.400%であることを考えれば、高金利なのが分かると思います。通常、銀行が提供している住宅ローンの金利は変動で0.5%前後、20年固定でも1.5%くらいです。

となれば、利用できると言われても、このローンを利用する気にはなりませんよね。

フラット35

そこでおすすめなのがフラット35です。フラット35は通常の住宅購入で使われている住宅ローンですが、そこは国の機関である住宅金融支援機構が運用しているだけあって、利益重視ではなく国民の生活を第一に考えたローンが取り揃えています。

よって長期固定金利で借りやすい上、安心して利用することができるのです。また申し込みもセカンドハウスだから特別に、ということもあありません。通常の住宅購入時と全く同じ申し込み方法でOKです。

これもセカンドハウス購入にはフラット35が適していると自信を持っておすすめできる条件の一つでしょう。そして気になる金利条件は下記の通りです。(2017年9月現在)

フラット35:返済期間21年以上~35年以下
  • 融資率90%以下 金利1.080%~1.660% 一般適用金利1.080%
  • 融資率90%超  金利1.520%~2.100% 一般適用金利1.520%
フラット20:返済期間20年以下
  • 融資率90%以下 金利1.020%~1.600% 一般適用金利1.020%
  • 融資率90%超  金利1.460%~2.040% 一般適用金利1.460%
フラット20:返済期間36年以上~50年以下
  • 融資率90%以下 金利1.480%~1.980% 一般適用金利1.480%
  • 融資率90%超  金利1.920%~2.420% 一般適用金利1.920%

セカンドハウスとなればある程度年齢がいっている人が購入することからも、フラット20、もしくはフラット35の利用となるでしょうが、先ほどの三菱東京UFJ銀行のセカンドハウスローンと比べれば金利に、かなりの開きがあるのが分かります。

住宅ローン控除は受けられない

セカンドハウスと認められれば通常住宅と同じように減税を受けることができますが、残念ながら住宅ローン控除に関しては適用外となってしまいます。住宅ローン控除は新しく住宅購入した際に受けられるのですが、全てのケースで控除OKとなるわけではありません。

控除を受けるためには下記条件を満たす必要があるからです。

  • 合計所得金額が3,000万円以下で、購入者が日本国内に居住している
  • 住宅取得日、または工事完了日から6ヶ月以内に住み始め、毎年12月31日まで住み続けている
  • 購入時に築25年以内で耐震基準に適合している

ここで問題になってくるのが2番目の条件です。セカンドハウスは毎月1回以上の居住がある住居であり、ずっと住み続けているわけではありません。よってこの条件に反することとなって、住宅ローン控除を受けることはできないのです。

残念ではありますが、この点はしっかりと覚えておくようにしましょう。


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