住宅ローンを組む時は金融機関の特典を比較しよう

住宅ローンを組む時は金融機関の特典を比較しよう

低金利の定着化とともに金融機関の金利競争が激化しています。しかしいくら金利の水準が下がっても、銀行にとって担保付きの優良資産である住宅ローンの獲得競争は激しさが増しています。

一度獲得すると銀行にとって長期間金利が得られる住宅ローンなので、利幅が少なくなっても金融機関にとって重要なものになっています。

しかし銀行は民間会社である以上、金利を引き下げるにも限度があります。そこで住宅ローン獲得のために、各金融機関が新たなサービスとして打ち出してきているのが各種特典の充実です。今回はその特典について、種類別に銀行がどのような内容の特典を提供しているか解説します。

住宅ローンを組むとついてくる特典を比較

銀行の利用者が住宅ローンを組むと、かなりの確率でついてくるのが各種の特典です。特典には、その銀行が住宅ローンに付加サービスとして独自につけている特典、また銀行のグループ企業や他の業態の企業と連携して付けているものなど、色々あります。

特典そのものは、住宅ローンについていないものより断然お得ですが、それも内容次第です。なぜなら、いくら特典の種類そのものを増やしてくれても、それが自分に興味あるものや実際役に立つものでなければ意味がないからです。

そこで、以下では各銀行が提供している特典について、種類別・銀行別に紹介します。興味のない特典については飛ばしてして、興味のある特典を中心に読んでみて下さい。

マイルがもらえる金融機関

各行では航空会社と提携して、マイルを特典としてつけているので、マイルを貯めている人にはおすすめです。

住信SBIネット銀行

JMBモール経由で住信SBIネット銀行住宅ローンを契約すると、JALマイレージを4,000マイル手に入れることができます。

新生銀行

ANAマイレージクラブ会員限定・住宅ローン1,000万円以上契約の顧客を対象に、融資実行と同時にANAマイレージ10,000マイルがもれなくプレゼントされます。

スルガ銀行

スルガ銀行ANA支店で住宅ローンを契約すると、年末の借入残高に応じて、残高(500万円~1,000万円)最少1,500マイルから残高(5,000万円以上)最大25,000マイル受け取ることができ、さらに契約から最長10年間、毎年マイルがゲットできます。

さらに、スルガ銀行では同様なサービスとして、Dバンク支店でGポイントがローン残高に応じて最大40,000ポイント、同じくdポイントがローン残高に応じて最大40,000ポイント、リクルート支店でフラット35契約と同時にリクルートポイント10,000ポイント、などの特典が用意されています。

Tポイントがもらえる金融機関

Tポイントがもらえる金融機関もあります。Tポイントが貯められる場所は多いので、Tポイントを貯めている人にはおすすめです。

新生銀行

新生銀行で住宅ローンを2,000万円以上、借入期間20年以上、で契約すると、所定の固定金利適用の顧客を対象に、返済しながらTポイントを毎月1,000ポイント受け取れる特典があります。

借入実行日より合計10年間Tポイントが受け取れるので、1,000ポイント×120回⇒120,000ポイント受け取れます。
※返済途中で繰り上げ返済があると以降のTポイント付与がなくなるので注意して下さい。
※他の付帯サービス、「安心パックW」、「Tポイント×住宅ローン」との併用不可

住宅ローンの契約と実行のタイミングで条件を満たしていると、さらにTポイントがもらえます。条件は、融資額500万円以上になります。

  • 500万円~1,000万円…5,000ポイント
  • 1,000万円~2,000万円…10,000ポイント
  • 2,000万円以上…20,000ポイント

※他の付帯サービス、「安心パックW」、「Tポイント×住宅ローン」との併用不可

手数料・金利などの割引特典

銀行独自の特典として、各種取引に係る手数料減免・無料対応や住宅ローン金利の優遇サービスを行っています。

楽天銀行

楽天銀行ではフラット35の融資事務手数料を、そのものが業界最低水準だけでなく、返済口座を楽天銀行と指定することで、さらに引き下げて、借入額×1.08%にしてくれます。
※楽天銀行以外の口座に返済口座を指定した人は融資事務手数料が借入額×1.404%となります。さらに最低金額は108,000円です。

三菱東京UFJ銀行

住宅ローン契約で以下のATM利用手数料など各種手続き無料になります。

  • 全国の当行ATM利用手数料が何回でも無料
  • 提携先コンビニATM利用手数料が3回まで無料
  • 「三菱東京UFJダイレクト」での他行宛て振込手数料が3回まで無料

さらに、女性向けの特典として、住宅ローン契約と本人出産前から出産後6ケ月以内に申し出すると、申し出日から1年間、適用金利からさらに年0.2%優遇されます。 

みずほ銀行

住宅ローン契約で、ライフステージ応援プランおよび返済額増額指定サービスの手数料(1回あたり)5,400円が無料となります。

ARUHI

ARUHIの取り扱いしているフラット35の申込で、全国展開のARUHI店舗からでなく、直接ネット(WEB)申込を利用した場合、事務手数料を「融資額×2.0%」から「融資額×1.0%」に割引してもらえます。
※ただし最低事務手数料が200,000円に設定されています。

スルガ銀行・ゆうちょ銀行

スルガ銀行・ゆうちょ銀行(銀行代理業者)提携の住宅ローン「夢舞台」契約の顧客対象に、子どもが一人生まれるたびに、出産祝いとして利用中の住宅ローン金利0.1%優遇が受けられます。

保障内容の特典

銀行では住宅ローン契約と同時に疾病特約付き団信(団体信用生命保険)の加入をおすすめしていますが、それに関する特典も用意されています。

じぶん銀行

一般団信やガン50%保障団信が保険料無料で入れます。一般団信では、住宅ローン利用者が死亡・高度障害等で返済ができなくなった場合、ローン残高の全額が保険金から返済されますが、ガン50%保障団信に加入していた場合でも、ガンと診断された場合、就業不能状態に関係なく、診断だけでローン残高が半分(50%)に減額されます。

ただし50%保障団信の契約は満50歳までの顧客に限定されています。さらに本人が希望すれば、ガン100%%保障団信に年0.2%金利上乗せで入ることができ、ガン診断でローン残金の全額が保険金から返済されます。

住信SBIネット銀行

一般団信に加えて8大疾病保険を基本付帯することで、就業不能になった場合、一定の条件の下で「月々のローン返済に対する保障」、「ローン債務残高に対する保障」が受けられます。保険料は住信SBIネット銀行が負担するので本人は無料です。

また女性限定で「全疾病・ガン診断給付金付き」保険・アンジェリーナが利用でき、就業不能になった場合、「月々のローン返済に対する保障」、「ローン債務残高に対する保障」に加えて、ガン診断を受けた場合、30万円(1回のみ)を給付金として受けられます。またアンジェリーナに関する保険料も無料です。

ARUHI

全期間固定金利のフラット35、販売額全国ナンバーワンのARUHIが女性限定で行うサービスが「ARUHI With Woman」です。
このサービスでは、女性は8大疾病保障特約付き保険および失業保障特約に「保険料半額」で加入できて、就業不能や失業等の状態が続いた場合、保険から返済が保障されます。

三井住友信託銀行

住宅ローン契約と同時に、保険料無料でメットライフ生命のローン返済支援特約付き医療保障保険に加入できます。万一ケガ、病気で入院すれば1日当たり、1,000円の入院給付金が受け取れます。

また出産後6ケ月以内に申し出すると、申し出から1年間、ローンの適用金利からさらに0.1%優遇が受けられます。
※ただし住宅ローンは当初借入額1,000万円以上、かつ借入期間10年以上の方が対象となります。

その他の特典

銀行は傘下に多くのグループ企業や取引先を抱えており、それらの企業と連携することで住宅ローン契約者に特典を提供できます。

イオン銀行

住宅ローン契約者限定のサービスで、毎日の買い物をイオングループですると、支払いから都度5%の割引が受けられます。
※ただし住宅ローンは借入金額1,000万円以上、かつ借入期間10年以上の顧客に限ります。
※イオンセレクトクラブに入会が条件となっており、割引対象期間は入会日から5年間、また年間でも割引上限金額があります。

新生銀行

安心パックWは新生銀行の住宅ローンに付帯されているサービスです。安心パックとして「コントロール返済」「安心保証付き団信」、さらに「病児保育サービス」「家事代行サービス・ハウスクリーニングサービス」の安心パックがついて、安心パックW(ダブル)と呼んでいます。

※「コントロール返済」とは、収入・支出に応じて電話一本で返済額を調整できるサービスのこと、繰り上げ返済で利息を減らすとか、期間短縮した範囲でいつでも元金返済を休むことができます。

みずほ銀行

みずほ銀行で住宅ローン契約すると、みずほ銀行がパートナー契約した企業で暮らしに役立つ色々な以下の特典が得られます。

  • ハウスクリーニング、宅配クリーニング全品10%割引
  • 旅行代金3%割引
  • 家具・インテリア購入時、店舗価格より3%割引
  • 生活まわりのトラブルかけつけサービス2年間無料
  • 家電購入特典5%ポイント付与
  • 家族向け引越料金15%割引

まとめ

住宅ローンの特典について、銀行別にその内容やメリット、利用できる条件等、色々と解説してきました。また今回取り上げた銀行以外にも、キャンペーン期間を定めた特典も含めて、今や住宅ローン契約に絡んだ特典は目白押しです。

そのため、もしかすると特典の良し悪しで住宅ローンを決める人もいるかもしれませんがそれは早計です。住宅ローンを決める時に本当に大事な点は他にあります。住宅ローン利用者にとって一番大事な点、それは「諸費用も含めて総額でいくら支払わなければならないのか」ということです。

本人が候補に挙げたいくつかの銀行の中で、借入支払総額を比較して最も低く、さらにその銀行が用意している特典がローン利用者にとって魅力的かつ利用価値の高いものならば、その銀行こそ住宅ローンを申し込みする先であると考えています。

※特典に関しては2017年8月現在の情報になります。


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