団体信用生命保険の審査基準と落ちた場合の対応方法

団体信用生命保険の審査基準は?落ちたらどうすれば?

住宅ローンを申し込む際に、団体信用生命保険の申し込みも同時に行うと思います。

「団体信用生命保険の審査に落ちたらどうなるの?」
「どのように審査されるの?」
「落ちたら住宅ローンは組めないの?」

と疑問に思いますよね。今回は住宅ローン申し込みにおける団体信用生命保険について詳しく解説します。

団体信用生命保険(団信)とは

そもそも、団体信用生命保険とは何なのか、よくわからない方も多いと思います。

まず団体信用生命保険とは、住宅ローンの借主が死んだときに住宅ローンの残額が団体信用生命保険から出るというものです。残されたご家族が、住宅ローンの支払いに悩まされることはなくなるという非常に大切な保険です。

団体信用生命保険は、住宅ローンの審査においても、非常に重要なものになります。銀行の住宅ローンであれば、団体信用生命保険に加入できることが審査を通るための条件となるからです。

ちなみに、団体信用生命保険の保険料が気になるところかと思いますが、住宅ローンの場合は基本的に金融機関側で負担することになりますので、特に支払いが必要なものではありません。では団体信用生命保険について詳しく見ていきます。

審査基準

団体信用生命保険の申込書は、通常の保険の申込書のようになってると思います。これは銀行で審査するものではなく、各金融機関の保険会社で審査するものになるからです。ですので、審査基準がどうかという詳しいところは、保険会社にしかわからなくなっています。

過去に病歴があったり、今何か病気をしている、治療しているという場合は団体信用生命保険の審査に落ちているケースが多いです。また先ほど保険料は必要ないと書きましたが、場合によっては保険料分を金利に上乗せするということもあります。

団信審査に落ちた場合の対応方法

銀行の住宅ローンでは、団体信用生命保険に落ちれば審査は確実に通りません。では、保険に通らない人は住宅ローンも組めずにマイホームを購入することはできないのかというと、そういうわけではありません。ここからはその場合の方法をご説明します。

フラット35に申し込む

団体信用生命保険が通らない場合は、フラット35を利用するという方法があります。なぜフラット35なら大丈夫なのかですが、それは団体信用生命保険の加入が必須ではなく「任意」だからです。

フラット35は各金融機関が窓口となっており、銀行などで申し込みすることができます。ただ、申し込みは金融機関なのですが、審査をするのは住宅金融支援機構という機関が行います。

フラット35の特徴としては固定金利であること。これがいいかどうかは意見が違ってくると思いますが、最初の10年間は金利の優遇があり、固定金利なのに安いと感じられる方もいると思います。

気を付けないといけないのは、10年後なり一定期間が経過したあとに金利が上がるというよりも、優遇がなくなるということです。以前に私が勤務していた金融機関でも、フラット35で金利の優遇が無くなり、金利が4%ほどにもなって借り換えしたいという方もたくさんいます。

また、フラット35で団体信用生命保険に加入する場合は有料になります。毎月の保険料を支払うというよりも、金利に上乗せされるかたちになります。フラット35はメリットもありますが、気を付けなければいけない点がありますので、性質をよく理解して取り組むのがいいかと思います。

通常の融資で借り入れする

このケースはあまりないのですが、通常の融資で借り入れするというのは、銀行のプロパーローンで借り入れするということです。要は、事業などで借り入れする資金と同じようなかたちで、金融機関から借り入れする方法です。

プロパーで借りる場合の金利は、その人の属性や格付けのようなもので決まるため、通常の住宅ローンのように「変動金利で何%」のようには決まっていません。

プロパーの場合も、団体信用生命保険は任意です。加入する場合は先ほど記載したことと同じで、保険料が金利に上乗せになります。

プロパーを使うことはほとんどないかと思いますが、こんな方法もあるという程度で覚えておきましょう。

団体信用生命保険の種類

団体信用生命保険にもいくつか種類があります。まずは通常の団体信用生命保険と、過去に病歴があった人でも加入できる可能性がある、いわゆる審査基準を少し緩くしているワイド型というものがあります。

ワイド型では加入しやすい分、金利の上乗せ部分が通常に比べ大きくなります。

他に、通常の団体信用生命保険よりも保障を手厚くした、三大疾病型や八大疾病型、がんと診断されれば住宅ローンの残額が出るがん保障型などの保険もあります。保障が手厚い保険ほど金利の上乗せが増えますが、万が一の時を考えると非常に安心です。

フラット35やプロパーローンでは、団体信用生命保険加入は任意ですが、加入しないとリスクが大きいので、自分に合った保険に入ることをおすすめします。

団体信用生命保険の保険料はいくら?

団体信用生命保険の種類は色々あり、保険料は金融機関によっても変わってくる可能性がありますが、通常の団体信用生命保険では金利上乗せ0.1%、ワイド型で0.3%ぐらいになると思います。三大疾病型でも0.3%の上乗せくらいになります。

団体信用生命保険と生命保険の違いを比較

同じ保険でも、生命保険とは性質が全く異なってきます。団体信用生命保険に入るから、今加入している生命保険は解約してもいいと考えるのは少し早いです。ただ、見直しができることもありますのでその点を見ていきましょう。

死亡したら生命保険の代わりになる?

通常の生命保険とは性質が異なるポイントとして、団体信用生命保険が保障できるのは、あくまでも「住宅ローンのみ」です。住宅ローンの残額以上の金額は出ません。

もし一家の大黒柱に何かあった場合は、葬儀代であったり、残された家族の生活の部分のお金であったり、色々お金が必要になるので、通常の生命保険にも加入しておくほうが良いでしょう。

ただし、団体信用生命保険があるから、万が一の場合の住宅ローンの返済の不安はないので、生命保険の金額を今よりも少し下げることなどは、検討できるかと思います。

団体信用生命保険の加入によって、保険を見直すことができるのは大きなポイントです。金融機関の住宅ローンで申し込めるなら保険料はかかりませんし、フラット35などの場合でも保険料を払いますが、しっかりとした保障が付くことになります。

通常の生命保険では住宅ローン以外の部分を補えれば良いので、保険料金を下げることができると思います。住宅ローンの審査のためだけではなく、団体信用生命保険を有効に使って家計を見直しましょう。


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