自宅も古くなったし買い替えようか、子供も独立したし違う環境の場所に家を買って引っ越しをしようかなど、ライフスタイルの変化によって今の家から新しい家に住み替えるといったことはあると思います。
でも今の家を売却して新しい家を買う際に、どのように手続きを進めていけばいいのかよくわからない。新しく家を買うのにローンを考えているのだけれど住み替えとなると何か違うのか。今の家にも住宅ローンが残っているがどうすればいいのか。など、分からないことが多いと思います。
住み替えは売ることと買うことの両方の手続きが必要になるので通常の家を買うだけに比べると少し複雑に感じるかもしれません。家を売るのが先、家を買うのが先、住宅ローンが残っている、住宅ローンが残っていないといったパターンがあります。
それぞれの場合の流れやメリット、デメリットを見ていき皆様にあった方法で手続きを進められるようになって頂ければと思います。
住み替えする際の不動産売買の流れ
住み替えには不動産会社の手続きの流れが大きく関わってきます。住み替えでは今の家を売ることが先になるケースが多いと思います。なぜなら家の売却資金をもって新しい家を買う資金に充てることが多いからです。
また売却資金をもって今の家の住宅ローンを完済するというケースも多いので、私が金融機関にいた時に見てきたケースは売り先行がほとんどでした。まず不動産会社に依頼することは今の家がいくらで売ることができるか査定してもらうことです。
何社か不動産会社を回り、机上査定で大体の金額を把握するのがいいと思います。ある程度この不動産会社で進めようかとなれば実査定を依頼します。今までの取引事例などを用いて3か月以内で売却できるおおよその金額を計算してくれます。
査定の金額に問題なければ、その不動産会社でお願いしますという「媒介契約」を結びます。そうすればその不動産会社は売却したい家を売るための買主を募集するために動き出します。ポータルサイト、いわゆるSUUMOとか独自の情報網で探し出したりします。
そして買主が見つかれば「売買契約」を結んで最後に引き渡し、決済という流れになります。もし買う方から入る場合は不動産会社やSUUMOなどのポータルサイトから物件を探し、申し込み。住宅ローンを使うのであればその金額で住宅ローンの審査をします。
住宅ローンの審査が通れば売買契約を結び(厳密にいえば売買契約の前に媒介契約を結びますが、大体売買契約と同時にする場合がほとんどです)、決済、引き渡しの流れになります。
住み替えする際のローンの状態
先ほども書きましたが、住み替えするにしても今の家の住宅ローンが残っているか、残っていないかで流れが変わってきます。それぞれのパターンについて詳しく見ていきましょう。
完済しているケース
まずは完済しているケース。この場合は特に住宅ローンの返済や抵当権の抹消などは気にしなくていいと思いますので、家を売れるときに売り、先に新しい家を購入してもいいので時間に余裕をもってそれぞれの手続きを進めることができると思います。
完済しているケースは新しい家を先に購入するにあたり住宅ローンを利用する場合でも、先に今ある住宅ローンを完済する必要があるなどの縛りがありませんので、気に入った物件が見つかった時点で購入手続きを進め、売却の手続きの方は自分が納得する金額で売れることができれば手続きを進めることができるというよう、自分のタイミングで進めることができます。
ですので、今の家の住宅ローンを完済しているケースは比較的手続きなどは楽になると思います。
返済途中のケース
では、まだ今の家の住宅ローンを返済している途中の場合はどうでしょうか。新しい家をローンを組んで購入するケースが多いと思います。その場合は今の家の住宅ローンを完済しなければ新たに住宅ローンを組むことはできません。そして、その場合は売却のタイミングと購入のタイミングを合わせなければいけないなど、手続きが少し難しくなります。
でも、なかなか売りたいタイミングで家を売り、買いたいタイミングで納得する家が見つかるとも限りませんよね。その際に後程説明する「つなぎ融資」を利用することによってある程度手続きを進めやすくなります。
住み替えの流れ
住み替えの流れとして今の家を売却することを先行するのか、新しい家を購入することを先行するのかの2パターンに分かれてきます。それぞれのパターンのメリット、デメリットを見ていきたいと思います。
売り先行のメリットとデメリット
売り先行のメリットとしては、売却価格が先にわかるので購入する際の資金計画が立てやすくなるということです。そして家を売る動きに時間をかることができますので、自身が納得する価格の金額で売ることができるまで時間をかけることができるという点がメリットしてあります。
デメリットですが、売却を先にすると新しい家の購入を同時に行わないことには住む家が無くなってしまいます。ですので購入のタイミングを合わせなければいけないという調整が必要になります。もしくは購入までの間、少しの期間賃貸に住むことも考えられますが、引っ越しの手間とお金がかかってしまうというデメリットがあります。
買い先行のメリットとデメリット
買い先行の場合を見ていきましょう。売り先行とは逆に買うことに時間をかけることができますので、納得する家が見つかるまでじっくりと探すことができるという点です。また、先に新しい家に引っ越すと売りたい家に家具などなくなり、生活感がなくなるので売却しやすくなったりします。
デメリットについては売却価格がわからないので資金計画がはっきりしないこと。そして売却と同時決済でない場合は購入資金が先に必要になります。また、同時決済にするために今の家を希望価格より低い価格で売らざるを得ないことも出てくる可能性もあります。
つなぎ融資とは
先ほど少し出てきたつなぎ融資について見ていきましょう。つなぎ融資とは主に新しい家の購入が先になり、家の売却が間に合わない場合に利用します。新しい家の購入資金と今の家の売却資金のタイミングがずれる場合に利用する短期のローンを住み替えの場合のつなぎ融資と言います。
新築戸建住宅を購入する場合に土地購入から建物完成までの間に建築会社や工務店に支払う資金を短期で借りるローンもつなぎ融資と言いますが、住み替え時とは別のものになります。住み替え時にこのつなぎ融資を利用することによって、今の家の売却のタイミングに縛られずに気に入った家の購入をすることがでいるというメリットがあります。
つなぎ融資は基本的に不動産会社に依頼し不動産会社の斡旋で金融機関から借りることになります。デメリットとしてほとんどが不動産会社の買取り保証制度とセットになり、買い手が見つからない場合は査定価格より下回る金額で不動産会社に売却することになりますので覚えておきましょう。
住み替え時には人によって流れは様々になりますが手続きの流れを覚え、場合によってはつなぎ融資も使い、納得する売却、購入をしましょう。