一戸建てや賃貸併用住宅に投資するメリットとデメリット

一戸建てや賃貸併用住宅に投資するメリットとデメリット

賃貸不動産経営と言えばアパートやマンションを思い浮かべがちですが、家族向けの戸建て住宅賃貸、そして大家の家の一部を賃貸物件として貸し出す賃貸併用住宅経営というものもあります。それぞれの賃貸経営におけるメリットやデメリットを見ていきましょう。

戸建賃貸とは

戸建賃貸とは、一戸建てを丸々貸し出すタイプの賃貸物件です。平屋や2階建て、庭付きの鋳物などその種類も多様であり、主にファミリー向けの需要が多くなっています。
土地の広さも必要になるので、駅の近くに建てることが難しいですが、その分やや駅から離れていても需要があります。

戸建て賃貸のメリット

戸建賃貸に住む人は、ある程度の部屋数と広さを求める人が多いです。そのため子持ちの家族が住むことも多く、一度住んでもらえれば、2年や3年で出ていくということが少なく、小学生など引っ越しすると転校が伴う子供がいれば、転校を避けるために10年など長い間住んでもらえることも多いです。

また土地と建物が全てオーナーのものになるので、修繕化管理は他人の許可を待つまでもなく行えますし、場合によっては入居者にある程度の階層やリフォームを許可することで、自分で管理をしなくても建物の状態を良好なままに保ってもらえることもあります。

さらにファミリー向けの場合は、駅から徒歩10分以上の場所でも、ワンルームやカップル向け物件よりも入居者が集まりやすい傾向にあるので、ある程度立地の悪さをカバーすることもできます。

戸建賃貸のデメリット

戸建賃貸ですが、実際の運用はなかなか戸惑うことも多いです。まず戸建賃貸は家を建てるための土地が必要なので、アパートやマンションよりも利回りが低くなります。建物も中古住宅を購入し、貸し出してしまうと、自分で気が付かない部分の瑕疵があった場合にもその修繕費と自分で負担しなくてはいけないので、修繕費が高額になりがちです。

もともと土地を持っている人が新築するのであればよいのですが、新たに土地を買ってそこに賃貸用戸建住宅を建てるのであれば、費用がかなり掛かるので、おすすめできない側面もあります。

またファミリー向け物件は一度決まれば長く住んでもらえるのですが、なかなか住む人が決まらないことも往々にしてあります。家族で一時的に転勤をするのであればマンションを利用する人が多いですし、日本は住宅の新築信仰が根強いので、中古住宅の人気が今ひとつということも、戸建賃貸の入居者の決まりにくさに影響していると言えます。

また長く住んでもらえるのは良いのですが、その期間の修繕費の負担はどうするのかというトラブルや、退去後に長く修繕をしていないなどの問題も発生しやすく、かなりの大規模修繕が必要となることがあります。良くも悪くも入居者の属性に左右されやすいのが戸建賃貸の特徴です。

戸建賃貸が向いている人

戸建賃貸をするのに向いているのは、土地を相続などで所有しているけど、旗竿地などアパートを建てるのには向いていない、といった場合です。

アパートでは不人気ともなる立地でも、戸建てで住むのであればそんなに気にする人はいないものです。売るにもあまり良い価格で売れない、アパートも建てづらいというときは、コンパクトな戸建てを建てて、それを貸し出すというのも一つの手です。

中古住宅を購入し戸建賃貸にするときは、築10年など比較的新しく、シロアリ被害がないなど状態の良いものをしっかりと選ぶか、もしくは郊外で数百万円で非常に安く売りに出されているものを購入し、自分でリフォームして貸し出すという、どちらかの方法になるでしょう。

アパート賃貸よりも大家のすることが多いので、悪く言うと手間がかかりますが、良く言えば工夫のしがいがあるといえるでしょう。

賃貸併用住宅とは

賃貸併用住宅とは自宅の一部を賃貸用物件として、人に貸し出している家のことを指します。一般的には大家の居住用スペースと、賃貸用スペースを分けるために、1階をアパート、2階を大家の住居などにしていることが多いです。まれに自宅の一部の部屋を貸し出すだけ、ということもあります。

賃貸併用住宅のメリット

賃貸併用住宅の最大のメリットは、金利の低い住宅ローンを賃貸用物件の購入に利用できることです。住宅ローンの金利はアパートローン金利の半分以下であり、また35年返済など長期での返済契約ができます。アパートローンでは上限が20年、金利も3%など、住宅ローンよりも条件が悪いことが一般的です。

賃貸併用住宅でも賃貸用の面積が、家の面積の半分以下であれば住宅購入用の資金とみなされて、住宅ローンが利用できます。また自宅のローンの返済を家賃収入で賄うことができるので、ローンの返済が非常に楽になり、多く部屋を設ければ、ローン返済金額以上の家賃収入を得て生活を楽にすることもできます。

その他にも築10年間の間は賃貸用に貸すけれども、子供用の部屋が必要になってきたら子供の部屋に転用する、年老いた両親に住んでもらうようにするなど、場合によって自分たちで利用する部屋にも転用できます。

賃貸収入を得る、自分たちのために利用するなど、ケースによってフレキシブルな運用ができるのが大きな魅力です。

賃貸併用住宅のデメリットやリスク

賃貸併用住宅は家の部分と賃貸用の部屋を同じ建物の中に設けるので、どうしても建物の設備費がかかります。

普通の家であればトイレが1つか2つ、お風呂は一つですが、賃貸併用住宅の場合はそれぞれの部屋にキッチンや風呂トイレが必要になるので、どうしても普通の住宅より費用がかかり、建物だけで5千万円など掛かることもあるでしょう。

もちろん家賃収入を得られるメリットがありますが、満室で運営できることを前提にローンを組んでしまうと、計画通りに人が住んでくれなかった時に、返済が滞り家を手放さざるを得ません。土地ごと買うよりは、今ある家の建て替えを行う時に、賃貸併用住宅にするなどの安全策を採ったほうが良いでしょう。

また下の階に見知らぬ人が住んでいる、上の階に大家が住んでいるというのはお互いにストレスやプライバシーの問題が発生することもあります。交流が気にならない、交流したい人が住むのならば良いですが、互いの部屋の騒音が気になる、朝玄関で会うのがなんとなく嫌、というケースもあります。

しっかりと住居スペースと賃貸スペースを分け、極力入居者と大家が顔を合わせる機会をなくしたほうが無難です。

賃貸併用住宅が向いているのはこんな人

賃貸併用住宅のメリットは、家賃収入を住宅ローンを利用して得られる、運用が自由にできるという点になります。

ただし家賃収入を完全に返済の当てにするには需要を読まないと危険になりますので、土地を持っていて建築費用を抑えられる、大学が近くにあり一人ぐらいの安定した需要が見込める、それなりの建物を建てられる土地を確保しているなどの条件を揃えてから検討すると良いでしょう。

基本的には新築の物件であれば入居者リスクは抑えられますし、金利が低いのでローン返済の負担も小さくなり、賃貸併用住宅のメリットはより大きくなります。
ただし当然2軒目の賃貸物件を持ちたいときには、2つ住宅ローンの利用はできないので、普通のアパートローンを使うことになる点は把握しておきましょう。

戸建賃貸、賃貸併用住宅の運営は、普通のアパートやマンションの賃貸経営とは異なるノウハウが必要になってきます。どちらも建築費用がかかるので、用途に困っている土地の活用法、もしくは現在の家の建て替えの時に、選択肢に加えてみるのもありでしょう。


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