アパート経営、マンション投資の利回りやリスクまとめ

アパート経営、マンション投資の利回りとリスク、失敗例

土地活用の1つの方法として、アパートやマンション経営があります。物件を購入して毎月の家賃収入が得られるので、かなり魅力的な活用方法ですが、中には失敗している人もいます。

ここでは、アパートやマンション経営のメリットと、運用していくうえで気になるリスクや失敗例について解説します。この記事を参考に、アパートやマンション経営を成功させましょう。

アパート経営、マンション投資とは

アパートとマンションは、どちらも集合住宅としておなじみですが、アパートとマンションの違いがよくわからないという方も多いです。

この2つの違いを、多くの人がこのようなイメージを持っているのではないでしょうか。

  • アパートは木造や軽量鉄骨造りで二階建て
  • マンションは鉄筋で造られていて高さがある

強度に関しても、マンションと呼ばれる建物の方が、「鉄筋造りで部屋数も多くがっちりとした構造になっている」、という印象を持っていると思います。

ですが実は、アパートとマンションの違いは法律などで明確に定められておらず、とても曖昧です。

どちらも、独立した部屋が複数集まっている集合住宅には違いはなく、各部屋を賃貸することで毎月の家賃収入を得ることができます。これがいわゆるアパート経営であり、マンション投資です。

アパート経営とマンション投資の違い

「アパート経営」とは、一般的にアパート一棟をまるごと賃貸することを指します。複数の部屋をすべて一括して扱うので、そのぶん収入は増えます。管理する部屋数が多くなれば、オーナーにのしかかる手間や負担も、それに比例して大きくなっていきます。

「マンション投資」はアパート経営とは異なり、一棟全体というよりも、その中の一室を所有して賃貸するのが一般的です。もちろん、投資にかけられる資金や時間に余裕があれば、所有する部屋数を増やしていくこともできます。

物件のある場所にもよりますが、マンション投資はアパート経営よりも少ない資金で始められることが多いです。一室と建物一棟を比べると、一室の方が安く買える場合がほとんどだからです。

アパートとマンションの区別が必要な場合は分けて解説しますが、基本的にこの記事では、アパートやマンションへの投資を賃貸住宅への投資としてまとめて、「アパマン経営」として解説します。

アパマン経営のメリット

アパマン経営では、失敗やリスクなどが注目されがちですが、もちろんメリットもあります。まずはアパマン経営のメリットから解説します。

マンション投資なら一室から始められる

マンション投資は、「一室から賃貸経営ができる気軽さ」が大きなメリットです。気軽と一口に言っても最低限のまとまった資金は必要となりますが、同じ地域のアパート一棟を買う資金より安く抑えられます。

アパート一棟を買う場合に資金面で難しい場合でも、ワンルームなら購入できるという人は多いので、投資を始めるハードルは低いと言えます。

長期的に収入を得られる

他の投資の代表例としては、株式投資が有名です。株式投資はアパマン経営よりも少ない資金で始められますが、社会情勢や政治の動向を受けて価格が変動するなど、短期的に見ても予想がつきにくいリスクがあります。

それに比べると、アパマンの家賃はよほどのことがない限り、長期間にわたって価格に変動がありません。もちろん、状況によって値下げを行うこともありますが、数年後の見通しは株式投資よりはつきやすいです。

短期的なリターンを期待する「投機」ではなく、じっくりと腰を据えて取り組めるのがアパマン経営の大きなメリットです。

手元資金が少なくても始められる

アパートやマンションは、ほとんどが数千万円単位の価格のため、金融機関からお金を借りて購入しますが、株式投資などの場合にはそうはいきません。アパマンを一括で購入する人は少ないです。

貯金のすべてをアパマン経営に使わずに、手元に資金を残しながらアパマン経営ができるため、上手に借り入れを行うと、それが大きな武器になります。

手元に現金がまったくないという状態は、日常生活を送るだけでもリスクが高すぎるので避けるべきです。そのような観点からも、金融機関のローンが利用できるというのは、大きなメリットになります。

毎月の負担を減らすためには、入念な返済計画の立案が必要です。賃貸収入を確保しつつ、着実にローンを返済できる範囲での借り入れをするためには、自分の懐具合と相談しながら適切な融資計画を立てなければなりません。

無理なローンを組んでしまうと、アパマン経営どころか、物件を手放すことにもなってしまうので要注意です。

ローンの中には、自己資金ゼロで初期投資全額をローンで借りることができるローン商品もありますが、そのような住宅ローンは、それ相応の担保の提供は求められることには注意しましょう。

また、金融機関からお金を借りる際には、固定金利や変動金利といった融資の仕組みを理解することが必須です。

どのような融資を受けるのかは、長く将来に渡って大きな影響を及ぼすので、慎重に対応していきましょう。

副業としてのアパマン経営

数室程度の管理であれば、日々の仕事に影響しないことがほとんどです。会社に勤めながら、サラリーマン大家として活動している人も多いです。

また、物件を管理してくれる会社へ委託してしまえば、オーナーとしての負担を軽減できます。

副業禁止規定のある会社もありますが、アパマン経営は副業に当たらないという解釈が一般的です。会社で働いている時間が副業に取られるわけではないですし、会社の事業とライバル関係になる競業になることも考えにくいというのがその根拠となります。

平日はフルタイムで働いているビジネスパーソンであっても、アパマン経営であれば副業としてチャレンジできます。

「本業の収入とは別に少しでも収入をプラスしたい」、「将来の資産設計に役立てたい」。アパマン経営はこのような人の希望を叶えられるということです。

「利回り」は投資効果を示すモノサシ

新しい物件を建てるにしろ、中古物件を購入するにしろ、投資効果としての「利回り」が一定の評価基準になります。

利回りとは、物件の購入やメンテナンス等にかかる費用に対して、どのくらいの収益が上がるのかを示したデータであり、ひとつのモノサシとして活用できます。

利回りは、不動産投資をするにあたって非常に大切な数値となるので、投資家たちは常に利回りを気にします。利回りが高ければ、それだけ収益性の高い物件という評価を下せるのです。

仮に、5,000万円で物件を買い、満室の場合の収入が年間で500万円あるとします。話を分かりやすくするために、修繕費用や税金などの経費は除外して考えます。

利回りは、支出に占める利益の割合ですから、500万円(収入)を5,000万円(支出)で割って算出します。

500万円÷5,000万円=0.1

利回りは「10%」ということになります。

言い方を変えれば、1年間で投資額の10分の1の収入を得ることができ、10年間満室の状態で賃貸できれば、すべての投資額を回収できる計算になります。

つまり、利回りが高ければ高いほど、早く投資金額を回収できることになります。利回りが投資物件の評価基準となるのは、投資効率を示すモノサシになるからです。

不動産会社が提示する物件説明の資料(マイソク)には、想定利回りが書かれていますが、その利回りは、「満室を想定した利回り」であることに注意してください。

また、将来必要になるであろう修繕費などの諸経費は考慮されていませんので、マイソクに書かれている利回りだけで判断せず、あくまで理想の値であることを意識しましょう。

利回りは高ければ高いほどいいのか

市場に出されている物件の利回りは、おおよそ5%から10%程度が多くなっています。中には、15%や20%といった高い利回りを売りにしている物件もあります。

ですが、立地条件や築年数などによっても利回りは大幅に変わりますし、先述した通り、将来いくらかかるかわからない修繕費等は数値に含まれていないため、記載されている利回りをどの程度物件選びの基準にすればいいのか、という問題が残ります。

将来的に修繕費用が全くかからないことはあり得ないですし、空室になってしまったときのことも考慮しながら、利回りを見る必要があります。

ゆえに、「利回りの高さ」だけにとびつくのは危険です。15%だから絶対買いというわけでもありませんし、5%だからダメというわけではありません。

年数がある程度経過している物件は、利回りが高くなる傾向にあります。新築時より安い価格ですから、計算上の利回りは高くなります。

しかし、築年数が増えれば修繕費用が新築よりも多くかかりますから、不確定な支出がそれだけ増える可能性が高くなります。

このような不確定要素を、正確に利回りに反映させることはできませんので、利回りがいいことだけに飛びついてしまったばっかりに、修繕費用ばかりがかかり、結果的にマイナスになってしまうことも考えられます。

利回りはわかりやすい指標なので、いかに高いかに目が行ってしまいますが、数字だけで決めず冷静に判断していくことが、アパマン経営を成功させるために大事なこととなります。

利回り10%の意味合いと目的を考える

1億円の物件で年間収入1,000万円を得るのと、1,000万円の物件で年間収入100万円を得る場合を考えてみてください。

収入と投資資金が10倍も異なるにも関わらず、両者は同じ10%の利回りです。

同じ数字でも意味合いがまったく変わってきますから、まずは、自分がどういった目的でアパマン経営を始めたいのかという目的を定めることが大切です。

賃貸収入をできる限り増やしていきたいのか、それとも、給与収入の足しになればいいのか。このような目的の違いによっても、投資するべきアパマンの選び方が変わります。

用意できる頭金の額など、自分の懐具合なども加味しながら、物件選びをしなければなりませんし、経済的な将来設計によっても左右されます。

投資効果の良しあしを図るうえで利回りは重要な指標にはなりますが、それだけにとらわれてしまうと、アパマン経営の失敗にもつながるので気を付けてください。

100万円の収入で十分なのか、1,000万円がどうしても欲しいのか。利回りが同じ10%であっても、オーナーの考えによって、投資するべき物件は別のものとなります。

アパマン経営をする目的を決めてから、利回りを上手に活用して経営計画を練っていきましょう。不動産ビジネスの経験が豊富な複数の不動産会社からアドバイスをもらいつつ、総合的な判断をするのが賢明です。

利回りはあくまでもひとつの指標であって、絶対的な基準ではないということは、しっかりと頭に入れておきましょう。

アパマン経営のリスク、デメリット

アパマン経営を検討している人が一番気になるのは、このデメリットやリスクの部分だと思います。どれだけデメリットのフォローができるのか、リスクヘッジのためにどう行動していくのかが、アパマン経営の失敗・成功の分かれ道となります。

では、アパマン経営のリスクやデメリットを解説します。

空室のリスク

アパート経営の場合、部屋はたくさんあるのにも関わらず誰も借りてくれないのであれば、お金にならない部屋を抱えることになり、固定資産税の支払いやローンの負担だけが重くのしかかります。

長期間にわたって部屋が空室になってしまうのであれば、その立地における投資判断そのものを反省しないといけません。

甘い見込みを立てたまま、高額なアパートを購入しまうことにも注意が必要です。満室状態が続くことを想定していたのにも関わらず、すぐに空室だらけになってしまって、計画通りにローンを返済できないことも十分ありえます。

その後の収益を正確に見通せる不動産投資のノウハウを持っている不動産業者であれば、適切なアドバイスが期待できますので、一度相談してみるのも有効な選択肢です。

一方で、一部屋へのマンション投資は、その一室が空室であれば、家賃収入がゼロとなってしまいます。リスクが一室に集中してしまうことを避けるには、複数のマンションを購入するといった対策も考えられます。

家賃を払ってくれないリスク

たとえ満室であったとしてもリスクが消えるわけではありません。賃貸人が家賃を滞納してしまうケースでは、当然ながらオーナーの収入にはなりません。

悪質な滞納者には法的な対応も検討しなければならないなど、この問題はなかなか厄介です。

そのような家賃滞納リスクの対策としては、事前の入居審査をしっかりと行うことで、ある程度の対策になるでしょう。

建物はどんどん劣化する

新築の状態はいつまでも続きません。これはアパートかマンションの違いに限らず、建物全般に言えることです。

時がたつにつれ、故障や不具合が増えてくることは覚悟しなければなりません。また、地震など、天変地異の影響も避けることが求められます。

建物の劣化は、人命にも影響を与えますので、細心の注意が必要です。定期的な点検、修繕費用の積み立て、保険への加入等が劣化リスクの軽減につながります。

アパマン経営のよくある失敗例

空室がない状態で、賃貸人も毎月決められた時にしっかりと家賃を振り込んでくれさえすれば、アパマン経営はとても魅力的な投資です。

不動産投資を始める際には、成功談ばかりに目がいきがちですが、ここではあえて失敗談を取り上げます。

購入時の状況がずっと続くと思っていた

物件を購入するには、事前に物件に関する情報に接するべきです。自分の目で確かめるのはもちろんのこと、不動産業者の意見も聞きながら、投資物件として優秀かどうかを確かめなければなりません。

たとえば、満室の物件があり、旧オーナーがなんらかの理由で物件を手放したいとして、売りに出していたとします。購入時から満室なので、新オーナーには空室リスクがなく、最高の利回りを想定して購入したとします。

しかし、どんな建物であっても、年月と共にどんどん劣化していきます。たとえ満室でも、建物の補修費用がかさみ、結果としてキャッシュフロー(現金の出入り)がマイナスになってしまうこともあります。

入居状況も、購入時の状態がずっと続くわけではありません。空室が増えていき「こんなはずじゃなかった…」と嘆くオーナーも少なくありません。

満室の状態を前提とした収支計画を建ててしまった場合、その計画を実現できなかったときのリスクはかなり大きいです。

入居状態の予測が難しいのは仕方ありませんが、ずっと満室が続くことはあり得ないと思ったほうがいいでしょう。

購入当時の状況は続かない

この事例が教えてくれるのは、「物件を買った当時の状況が、永遠に続くことはあり得ない」ということです。

資産としての物件価値がどんどん目減りして、あげくにはローンだけが残ってしまったという失敗談は、アパマン経営にはつきものです。必要以上に楽観的に考えてしまうと、大きな失敗につながります。

特に、ローンの返済が滞ってしまうことは避けなければなりません。家賃収入を期待していたのに、見通しが甘く経済的に困窮してしまう、という失敗談も耳にします。

信頼できる不動産業者のアドバイスに耳を傾けるなどして、慎重にアパマン経営を行うことが大切です。

物件を購入するときに収支シミュレーションをすると思うのですが、公租公課(税金)の負担や修繕費用などをしっかり加味して計算しましょう。

物件を確認せずに買ってしまった

アパマン経営では、自分が住んだことのないエリアの中古物件も購入対象となります。

「地方のアパートまるごと一棟買い」、「地方在住者オーナーが購入する都心の高層マンションの一室」なども、不動産投資のひとつの方法です。

自分が住んでいる地元での物件探しであれば、ある程度の土地勘がありますが、知らない地域であればそういうわけにはいきません。

どの地域の中古物件を購入してもいいのですが、事前に情報を収集しなかったがゆえに、あとで痛い目にあう失敗談があります。

現地調査にはそれなりの手間や時間がかかりますが、それを惜しんで満足できない投資結果となってしまっては本末転倒です。

業者と入居希望者の言葉の意味が違う

現地に赴いて自分の目で確認すれば、近隣の状況を自分の価値判断で理解できます。業者の言う「生活に便利な地域」という言葉と、オーナーや入居希望者が考える「生活に便利」は異なることもあります。

「便利」という言葉はあくまで主観的なものなので、業者として嘘をついているわけではありません。「生活に便利だから入居希望者が後を絶ちませんよ」、という言葉を信じ、購入後に想像とは違う物件であることに気づいても遅いのです。

見ないとわからない部分もある

遠方にある物件だからと言って、不動産業者やインターネットだけの情報のみに頼って物件購入をしてしまうと、思いも知らなかったところに潜む瑕疵(欠陥)に気づかないこともあります。

建物そのものを自分の目で確認し、一般的な劣化状態との違いとの差も、しっかりと見ておかなければなりません。もしかすると、夜になると生活騒音がひどくなるなど、時間帯によって周辺環境の様子が変わってしまうこともあります。

通常は不動産業者が丁寧に教えてくれるのでそれほど心配はないのですが、業者がすべてを知っているわけではありませんので、自分の足と目で把握して納得する過程をおろそかにしてはならないと筆者は考えています。

中には、人気物件は急いで買わないとならないからいちいち見ていられない人や、本業が忙しくて内覧する時間がないという人もいるでしょう。

そのような場合には、まずその物件を担当する業者にひとこと入れておき、現在の申し込み状況等を事前に確認しておくことが、失敗を避けるセオリーです。

収支のよい不動産投資を行うには、物件選びを人任せにせず、自分で確かめて納得のいくアパマンを購入することが大前提だと覚えておきましょう。

最近多い「賃貸保証トラブル」

最近、話題となっているのが「賃貸保証」トラブルです。ネットニュースでも話題となったので、ご存知の方も多いかもしれません。

賃貸保証とは、空室になった場合でも、管理会社が賃料収入を代わりに払ってくれることを指します。

アパート一棟をあなたが建てて、賃料を保証してくれる会社に貸します。そして、その会社が入居者に転貸します。この仕組みは、サブリースと言われ、リスクのない賃貸経営ができるということで注目されています。

オーナーとしては、賃貸人がいてもいなくても、賃料収入を得られるので空室リスクがなくなるので、良いことしかないように思ってしまいます。

しかし、よく考えてみると分かるのですが、サブリースの会社としても、賃貸人がいなければそれだけ収入が減るのですから、賃料を保証する原資はどこから出るのか、という疑問が出てきます。

しかも、アパートは年月が経てばたつほど、入居希望者が減っていく傾向にあるのですから、いつまでも賃料を保証してくれるというのは、少し不思議な感じがします。

賃料の値下げによるトラブル

空室がある状態が続き、年月が経ってくると、賃料を保証してくれる会社はオーナーに対して、保証する賃料の値下げを交渉してきます。サブリース会社の原資を生むために有効な方法だからです。

ですが、オーナーはいつまでも同じ賃料が入ってくると思い、この会社と契約していたため、「話が違うじゃないか」ということでトラブルになります。

問題なのは、賃料保証というシステムそのものより、「契約時には説明がなかったのに、あとになって条件変更を突き付けられた」と主張するオーナーが多いことです。

契約をする段階ではうまい話ばかりを言って、リスクについては説明を省くという業者側の姿勢があったのかもしれません。または、説明をしたのにオーナー側がメリットだけに目を奪われてしまい、きちんと理解していなかったということもあるでしょう。

トラブルの原因は説明不足と理解不足

いずれにしても、このトラブルの要因としては、最初の契約段階での説明が足りないことです。最初から、賃料保証の限界を説明をして、それを納得したうえで契約するべきだったのです。

そういったトラブルを今後なくすため、減額する可能性があることを書面に記載して、口頭で説明しなければならないというルールがつくられました。

このルールはすべての業者に適用されるわけではないことから、実効性について議論をしているところですが、まずは業者側の意識が変わることが期待されています。

本サイトの読者の中にも、賃料保証会社を使うことを検討している人がいるかもしれませんが、物件選びと同様に、しっかりと自分の頭で考えて、仕組みやリスクを理解してから契約するようにしてください。

アパマン経営を始める際の流れ

実際にアパマン経営を始めるにあたって、どのような手続きを踏めばいいのかについて解説します。

  1. 立地を選ぶ(アパマンの需要があるか)
  2. 建築会社を選ぶ
  3. どのような建物(部屋)にするかを決める
  4. ローンの利用など、資金計画を立てる
  5. 工事着手から建物完成まで
  6. アパマン経営のスタート

新築の場合、建物が関連法律に適合しているかを行政が審査する「建築確認」など、行政への届出が必要になりますが、これは建築会社が実施してくれます。

立地を選ぶ(アパマンの需要があるか)

中古物件にしろ新築物件にしろ、いずれにしても立地は非常に重要です。周辺のアパートやマンションには需要があるか、生活がしやすい地域なのかなどを調査する必要があります。

土地活用としてのアパマン経営を考えているのであれば、住宅施設の需要があるかを把握してください。

建築会社を選ぶ

ハウスメーカーや工務店など色々な会社があり、どの会社を選べばいいか分からないというのが本音かもしれません。

もし、これまでに建築会社を利用したことのある友人・知人がるのなら、話を聞いてみることをおすすめします。信頼できる会社だったかどうか、本音の話を聞いてみてください。

建築会社を選ぶポイントは、「どこにどんな建物を建てれば投資効果が高くなるか」を、詳しく教えてくれるかどうかです。家づくりのノウハウがなければこの質問には上手に答えられないはずです。少なくとも、真摯な対応でアドバイスをしてくれる会社を選びましょう。

また、これまでにどんな建物を作ってきた会社なのかを知るのも、参考情報として有益です。デザインが決められているアパートやマンションを建てる会社もあるため、自分の好みのデザインをしてくれるかどうかも、会社選びの基準にしてみるといいでしょう。

どのような建物(部屋)にするかを決める

新築する部屋のタイプにもいくつかあり、ひとり暮らし用がいいのか、それとも家族が揃って暮らせる部屋がいいのかを、立地条件などを見ながら決めていきます。新築の場合には、入居希望者がどんなタイプを求めているかが大切なポイントです。

逆に、「どんな入居希望者を呼びたいのか」というマーケティングの視点から考えることもできます。広めのマンションにするのであれば家族連れがターゲットになりますし、近くに大学があれば学生を狙ったワンルームのアパートにするといったイメージです。

中古物件を購入する際は、その物件のこれまでの稼働率などを参考にして、予算とも照らし合わせながら選んでいきましょう。

資金計画

アパマンは、お小遣い程度のお金で買える代物ではありません。少なくとも数千万円程度の費用はかかってしまいます。一括で支払うというよりも、多くの場合は金融機関からお金を借り入れます。

資金計画を立てる際には、想定利回りを基準として、どのくらいの賃料収入があるのかをシミュレーションします。

将来に渡って想定通りに行くとは限りませんので、厳しめの見通しにすることが大切です。税金や修繕費も支出として計算にいれなければなりません。

実際にいくらくらいのお金がかかるのかは、のちほど見ていきます。

工事着手から建物完成まで

金銭面にメドがつき、建築会社等との契約をすませれば、いよいよ工事が始まります。この段階から、不動産業者に主導してもらい、入居希望者を集めていきます。

アパマン経営のスタート

建物が完成し、賃貸人が集まれば賃貸経営が始まります。場合によっては、賃貸管理会社への委託も有効です。

以上が主な流れですが、必ずしもこれらの手順通りにする必要はありません。まず最初に建築会社を選び、その会社と相談しながら立地を決めたり、建築プランを模索するケースもあります。

専門家の力を借りることは大事ですが、決して任せきりになるのではなく、要所要所で相談しながら、納得のプロセスを経た上で進めるのが何よりも重要です。

アパマン経営で必要なお金

アパマン経営をするには資金が必要です。大きく分けて「初期費用」、「ランニングコスト」に分けられます。

初期費用

アパマン経営を始めるにあたって、どのくらいの費用がかかるかはとても気になることだと思いますが、確定的に示すことは難しいです。

新築物件か、中古物件か、アパートかマンションかなど、条件によって必要な資金が大きく変わってくるからです。

ただひとつ言えるのは、自分の年収や貯金額をベースにして、アパマン投資にかける初期費用を見積もることが大切だということです。

ローンに関する考え方についても、さまざまな議論がされています。低金利な時代だからこそ、ローンを借りなければ損だと主張する人もいれば、何十年もローン返済に縛られるなんてリスクが高すぎる、という人もいます。

生活に必要なお金を犠牲にしてまで、アパマンを購入するのはバカげていますから、あくまで自分の状況や資金に応じて、アパマン経営に必要な資金を逆算して割り出していくといいでしょう。

アパマン経営は何千万円単位の投資です。投資額が多ければそれに応じてリターンも大きくなりますが、同時に大きいリスクが起こることもあるます。

「アパマン経営を始めるにはいくら必要か」という視点ではなく、「アパマン経営の初期費用として用意できるのはいくらか」、という身の丈に合った視点を持って進めていくことを忘れないでください。

ランニングコスト

アパートやマンションの修繕費用など、建物を維持していくにもお金がかかります。金融機関への返済(ローン)や、管理会社への手数料、修繕費用が代表的なランニングコストです。

ローンや管理会社への手数料は、毎月どのくらいの金額がかかるのかを事前に把握できますが、修繕費用だけははっきりとした価格は見通せません。

そのため、家賃収入の中から一定額をプールして、将来に必要となることを見越した修繕費用を積み立てておきましょう。

新築物件であれば、しばらく修繕することはありません。中古物件の場合、状態によっては購入時に修繕が必要なケースがありますので、修繕面ではコストが高くつくと言えます。

また、古い物件を格安で購入して、リフォームやリノベーションをして、新築のように作り直す方法もあります。

アパマン経営の費用は、収益や利回りに大きく関わってくるので、なるべく安く低く抑えたいと思いがちですが、抑える部分と抑えてはいけない部分をしっかりと見極めることが大事になります。

税金について

アパマン経営では、自分が物件の売買と所持をすることになります。

ここでは、物件の購入時や、建物を所有することによって発生する税金について解説します。

登録免許税

物件を新築した場合には「所有権保存登記」、中古物件を購入した場合には「所有権移転登記」が必要です。この登記をする際にかかる税金が、「登録免許税」です。

法務局へ登記申請をする際に、収入印紙で納めます。収入印紙はコンビニエンスストアや郵便局で購入できますが、法務局の専用窓口でも買うことができます。

所有権保存登記…不動産の価額×0.4%
所有権移転登記…不動産の価額×2%

ただし、軽減措置が適用可能な場合もありますので事前に確認しましょう。

不動産取得税

不動産取得税は、固定資産税評価額の4%です。

物件を購入してから半年後くらいに都道府県から納付書が郵送されます。

印紙税

物件の売買契約書に貼る印紙代です。物件の売買代金によって税額が異なります。一例を上げると以下の通りとなります。

1,000万円超から5,000万円以下の場合、15,000円

5,000万円以上から1億円以下の場合、45,000円 

固定資産税

毎年1月1日時点の物件所有者が、固定資産税を支払います。中古物件を6月に購入する場合には、売主と買主の間で半分ずつ負担するなど、両者の間で精算することになります。

まとめ

いかかでしたでしょうか。今回は失敗談を取り上げたため、すこし後ろ向きな内容に感じられたかもしれません。

アパマン経営は、必ずしもバラ色なことばかりではないですし、どうしても多額のお金がからんでしまう性質上、失敗してしまうと取返しのつかないことになってしまうのは事実です。

しかし、リスクの存在を理解して堅実な経営に徹すれば、これほどまでに安定的な収入を得られる投資はないと思います。資産運用としてのアパマン経営は、やはり魅力的なのです。

アパマン経営に関心のある人は、自分の懐事情と相談しつつ、経済的に無理のない範囲と、アパマン経営を始めたい目的を確認することから始めてみてください。それこそが、アパマン経営を成功させる第一歩となります。

おすすめ土地活用比較サイト

タウンライフ土地活用

タウンライフ土地活用には、全国200社以上の優良認定企業が登録しており、複数の企業の活用プランを比較することができます。

通常の一括資料請求サイトとは違い、「活用プラン」「収支計画書」「市場調査書」の3つを無料で提案してくれます。

毎月先着99名限定で土地活用のコツをまとめた「不動産投資スペシャルガイド」をプレゼント中です。

相談するだけでもらえる本なので、初めて土地活用する人はタウンライフを利用してみてください。

公式サイトはこちら


HOME4U 土地活用

「HOME4U」は、NTTデータが運営する土地活用一括比較サイトです。大手企業が運営しているためセキュリティ面も安心して使えるサービスです。

登録されている企業には、大手企業から地域密着の中小企業まで、しっかりと実績のある企業がたくさん登録されています。

土地所有の有無を選択できるようになっているので、投資目的による活用方法を比較したいケースでも使うことができます。狭小地や変形地などの地形でも対応してくれます。

どの比較サイトを使おうか迷っている方や、信頼度が高いサービスを安心して利用したいという方におすすめです。

公式サイトはこちら


リビンマッチ

リビンマッチは最短60秒で土地活用のプランを提案してくれます。

2017年8月には楽天リサーチで、利用したい不動産ポータルサイト1位になっているので、安心して利用できます。

47都道府県に対応していて、地方で土地活用を検討している人でも地元に密着した会社のプランを比較することができます。

郊外で土地活用を検討してしている人はリビンマッチがおすすめです。

公式サイトはこちら


目次一覧

アパート経営の基礎知識

物件選びのコツ

運営のコツ

融資・資金調達

節税・確定申告

土地活用

駐車場経営

トランクルーム経営

コインランドリー経営

民泊(Airbnb)経営

太陽光発電

コラム 、よくある質問