アパートやマンションの家賃を上げる方法と料金相場

所有アパートやマンションの家賃を上げる方法、料金相場と決め方

不動産投資用物件を所有して利益を出しながら運営していくには、家賃を適切に設定し、満室経営を心がけなければいけません。多くの売買物件においても、提示されている表面利回りは、満室経営であることを前提にしています。

満室にするには、相場を把握しながらその中でもできる限り高めに家賃を設定し、入居者にとって高さを感じさせないながらも、こちらは利益を確保していかなければいけません。

そこで、相場と大幅に数字が異なることなく、それでいて家賃を上げるためには何が必要か、そして家賃はどのように把握をしていけばいいのかを見ていきましょう。

家賃の決め方と料金相場

もっとも重要な家賃の決め方ですが、初心者大家さんの場合、不動産屋にアドバイスを求める以外の方法がわからないこともあるでしょう。それももちろん重要ですが、自分で情報収集をすることも大切です。

不動産屋に聞く

最も簡単な手段が、入居者募集を依頼する、不動産屋に家賃をいくらにしたらいいかを聞くことです。これは特に地元で長年営業している不動産屋に聞くと良い回答をもらえる可能性が高くなります。

地元に強い不動産屋の場合には、そこのエリアに学生、サラリーマン、ファミリーなどどんな人間が賃貸物件をよく探しに来るのかを、店舗に来る人間を見ながらよく把握しています。

さらに住居に求められる設備や、住まれやすい立地、どんなシーズンにお客が集まりやすいのかなど、客付けに必要な条件を熟知して、あなたの物件に合った家賃設定を教えてくれることでしょう。まずは不動産賃貸のプロフェッショナルに聞くというのは、初心者が家賃の相場感を把握していくためでも、重要な事です。

ネット上で競合物件の家賃を知る

今は賃貸物件情報を掲載した不動産サイトがネット上にいくつもありますし、TVCMも非常に多く放送されています。

2000年代に入るまで、部屋探しをする人は、直接不動産屋に赴いてから部屋探しをすることが多かったのですが、今では大半の人が一度ネット上で部屋探しをしてから、その物件の情報を見て不動産屋に問い合わせをするようになってきています。

つまり『部屋探しをする人が最初に触れる情報源はネット』であり、そこには家賃を決めるために必要な情報が多く掲載されているのです。賃貸物件サイトでは、駅名、距離、設備や面積で条件設定した上での賃貸物件検索ができます。そこで自分が所有する物件を似た条件を入力し、いくらで賃貸に出されているかを見てみましょう。

もちろん全く同じ条件の物件というのは中々ありませんが、相場観を把握するには最も簡単な手段と言えます。どれくらい競合物件があるかもわかりますし、サイトによっては駅ごとの平均的な賃料が掲載されているものもあります。こういったサイトは部屋を借りる人のためのものと思われがちですが、部屋を貸したいという人間にとっても十分情報源として役立つものになっています。

その他にも不動産管理会社による家賃一括査定サイトなどもあるので、そういったサービスを利用して適切な家賃相場を把握するのも良いでしょう。

家賃を決める際の注意点

家賃を決める際には、何が家賃を左右するかも知っておかなければいけません。そういったいわゆる物件のスペックを知らないと、比較対象として競合物件を調査する場合にも、適切な比較対象を見つけられないでしょう。同じ駅での物件を探すとして主に比較しなければいけない点は以下のようになります。

駅からの距離

駅への近さは入居者が利便性や治安を見る上で非常に重視をするポイントと言えます。近ければ近いほど家賃は高くなる傾向にあります。

築年数
 

建物の築年数も、多くの人が重視するポイントです。新しい物件のほうがセキュリティ性や美観も良く人気があります。不動産経営をしていく中でも、築年数で家賃を徐々に下げなければいけないでしょう。

設備
 

セキュリティ関係の設備、浴室乾燥金などの便利な設備、ネッチ無料などのインフラに関する設備が充実しているかどうかで家賃は変わってきます。

周辺環境

警察署や学校に近い場所は、治安が良いので人気がありますし、逆に繁華街に近すぎる、人気がない場所にある、騒音がうるさいと言った環境は人気がないので家賃は低くなります。

面積

部屋の大きさも当然ながら家賃に大きく影響します。広い部屋であれば、面積に比例して家賃は高くなるでしょう。

建物の種類

マンション、アパート、戸建て、個人の家の下の階を借りる賃貸併用住宅やシェアハウスなど、建物の種類によっても家賃は変わってきます。RC造のマンションは高くなりますし、木造のアパートは安めな傾向があります

利回りも考える必要がある

また一方で賃貸物件経営を成り立たせるには、自分が利益を得られないと意味がありません。ローンの融資を受けて物件を購入する場合には、毎月のローン返済もおきな負担になります。

部屋が満室経営できてもローン返済に満たない金額、つまり赤字経営では不動産投資をする意味が無いといえます。自分が利益を出し、多少の空室があってもローンを返済するには毎月の週ニュがいくら必要なのかを見極めて設定を行いましょう。

ローン返済が10万円あるのでしたら、最低でも空室や修繕費、税金のことを考えてその1.5倍、できれば2倍は確保しておきたいところです。支出から収益を逆算し、利回りをいくらに設定するのかも考えていきましょう。

家賃を上げるには

参考として地域別の家賃平均額を以下に記していきます。
(参考:LIFULL HOME'S)

他の多くの不動産情報サイトでも、こういったデータは見ることができます。

  • 東京23区ワンルーム~1DK 85,000円 新宿区 91,000円
  • 東京市部ワンルーム~1DK 55,000円立川市 58,000円
  • 大阪ワンルーム~1DK 53,700円 中央区 66,000円
  • 名古屋ワンルーム~1DK 53,900円 中区 62,000円
  • 福岡ワンルーム~1DK 43,100円 博多区 48,000円
  • 札幌ワンルーム~1DK 37,700円 中央区 42,000円
  • 沖縄ワンルーム~1DK 49,400円 那覇市

このようなデータを見ながら自分の所有物件が高いのか、低いのかを把握していきましょう。

適切に賃貸物件経営を行っていく中でも、家賃をできるだけ上げて、かつ入居者の満足度も両立させなければいけません。ではどういったことをすれば、賃料を相場の中で高めに設定できるのでしょうか。

設備投資をする

建物の立地や周辺環境は自分の力で変えることは、事実上不可能です。そのため家賃を挙げるための取り組みはいかに物件を魅力的な者にするかにかかっています。

やはり最も簡単にできるのは住みよさを上げるための設備投資です。基本であるエアコンの設置やモニター付きインターホン、宅配ボックスの設置でセキュリティを改善する、またプロパンガスを都市ガスに変えて、入居者の出費を減らせるようにする、といったことも設備改善の一つと言えます。

費用はかかりますが、ユニットバスをバストイレ別にすることも、最近の入居者嗜好に沿った設備投資です。

リフォームをする

築年数が古い物件は設備もさながら、見た目にも魅力的でないので敬遠されがちです。特に女性はきれいな物件かどうかは重視しますし、和室は洋室より人気がありません。

畳をフローリングの部屋に変える、壁紙を張り替える、デザイン性のある装飾をつけるなどのデザインリフォームは、効果が非常に高いです。若者を呼び込みたいのであれば、部屋の綺麗さやデザイン性をリフォームで改善しましょう。

付加価値を付ける

設備やリフォームだけではなく、その物件ならではの特徴をつけるということも、特定の層を呼び込む効果があります。例えばペット飼育可物件にすれば、動物好きの人を費用をかけずに呼び込めますし入居時に家電などのプレゼントをするといった施策もあるでしょう。

シェアハウスのように共有設備を設けて入居者同士のコミュニケーションを図れるようにすれば、趣味が同じような人が集まって、長く住んでくれることもあります。

家賃を上げていくためには、適切な相場を知り、どんな設備があれば家賃をいくら高くできる、といった細かい点まで調べるようにしましょう。ただし費用対効果も重要です。100万掛けてリフォームしても千円しか家賃を上げられないのでは意味がありません。

そのうえで現在の流行、入居者が求める設備を知って設備投資をすれば、魅力的な物件を作り上げることができ、その結果高い家賃設定でも人がこぞって住んでくれるようになるでしょう。


目次一覧

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