パートローンとは、住宅ローンとは別に、個人が投資用の物件を購入する際に使われるローンです。住宅ローンは基本的に、法人ではない個人が、自分が居住するための住宅を購入する目的で融資を受けるローンとなっています。
そのため投資目的、利潤目的で融資をする金融機関も、利益は低めに設定しており2017年時点では、日本銀行のマイナス金利政策と相まって1%以下という非常に低い金利での融資を受けることも可能になっています。
アパートローンの特徴
アパートローンはあくまでも個人を対象にしたものが多いですが、投資用物件、利潤を出すための事業用物件など、利益を上げるために物件を購入する人用のローンになっています。その物件から利益が生まれることを織り込んで融資をするローンなので、金利も住宅ローンより高めに設定されているのが特徴です。
サラリーマンが借りられる限度額の目安
アパートローンですが、多くの金融機関でも融資を行っており、個人投資家が収益物件を所有したい場合には、アパートローンの融資を受けることが一般的になっています。
ただしアパートなど収益物件は規模にもよりますが、当然大きな建物も多いので、その購入金額も住宅より高額になることが多いです。住宅ローンの場合は融資を受けられる金額は、最大で年収の10倍ほど。安全に返済をできる範囲として、融資がおりやすいのは年収の8倍程度までと言われています。
もちろん職業がどんな会社であるのか、安定性の高い職場であるほど融資は受けやすく、公務員や医師、弁護士などの金融機関から見ても回収できない可能性が低い職に就いている人は、融資を受けやすくなっています。
一方、アパートローンで融資を受けられる金額はやはり年収の10倍程度というケースが多いです。しかしアパートローンでは、実績を積み重ねていくことで、融資を受けられる金額を上乗せしていくことも可能です。
例えば不動産投資を始めたい、という人であれば実績もなく融資をしても経営がうまくいかない可能性が高いので、年収の数倍程度しか融資をしてくれないこともあるでしょう。しかし、何棟もアパートの経営を行っており、担保になる物件を所有している、そして購入しようとしている物件も収益性や評価額が高いので、万が一の貸し倒れでも融資した資金を回収できる可能性が高い場合は、1億円を超える融資を受けることも可能になります。
住宅ローンとの大きな違いとして、住宅ローンは自宅の購入のみにしか使えないローンなので、融資を受けられるのは一つの金融機関だけです。2つも3つも住宅ローンの融資は受けられません。
しかしアパートローンは不動産物件の建築や購入に当てるためのローンなので、複数の金融機関から融資を受けることもできますし、一度に複数の契約をしてそれぞれ返済をしていくこともできます。それぞれの物件や個人の経験などを見ながら、臨機応変に審査を行っていくのがアパートローンなのです。
住宅ローンとの審査基準の違い
また住宅ローンとのもう一つの大きな違いが、物件の収益性を個人の属性以上に重視するという点です。住宅ローンは個人の返済能力が最も重視され、そのために年収が多くても安定性のない職業についている場合は、融資が受けられないことも多々あります。
しかしアパートローンは個人の年収よりも、その物件の評価額を重視していきます。年収300万円の人が5000万円のアパートを購入するために融資を受けたいと行ったら、住宅ローンではそれほどの金額を融資してくれることはないでしょう。
しかしアパートローンであれば、物件価格5000万円、評価額6000万円ならば融資をしてくれることもあります。それは貸し倒れをしても担保となる物件を売却すれば、十分に融資した以上の金額を回収できるからです。
ですので、評価額が物件価格以上に高い、「お宝物件」を購入するチャンスが有ればアパートローンの融資を狙ってみるのも良いでしょう。
人気のアパートローン
実際に金融機関ごとのアパートローンにはどのようなものがあるのでしょうか。一般的には、人気のあるアパートローンは、メガバンク、地方銀行、信用金庫、ネットバンクの順番になっています。
メガバンクの人気が高い理由として、支店展開しているエリアが広いので、いろいろな場所の物件購入時でも対応してくれる、という点が大きいです。地方銀行は自分たちの営業エリア中心になるので、金利が良くても融資が受けられないこともあるのです。
オリックス銀行
アパートローンの特徴
オリックス銀行のアパートローンは金利が低めで、投資を行いたい人に人気があります。
金利
オリックス銀行では2%台と比較的低金利のローン融資が受けられます。もちろんいくつかの条件がありますが、初期の数年の金利を抑えられるメリットは大きいでしょう。
融資の条件
融資の条件としては、融資期間が最大で35年まで、という特徴があります。木造物件は耐用年数が短いので、融資期間も短い金融機関が多い中、住宅ローンと同じく35年までの融資が受けられるのも、大きなメリットになります。
また年齢は55歳未満、融資金額の上限は2億円になっています。エリアは(原則として、首都圏、近畿圏、名古屋市、福岡市に限る)ですが、ケースによって札幌・仙台・北関東・東海圏のアパート(一棟)でも融資を受けられることもあります。
みずほ銀行
アパートローンの特徴
みずほ銀行は有名なメガバンクのひとつだけに、日本全国どこの投資物件でも融資を行ってくれる可能性があります。
金利
金利は融資を受けたい人、確認の属性や状況を鑑みて設定されます。融資の金額は50万円以上5億円以内(1万円単位)となっています。
融資の条件
満20歳以上かつ安定した収入があり、前年度税込年収200万円以上の人となっています。
返済は建物の耐用年数内で1年以上35年以内(1年単位)。変動金利の場合は2年以上35年以内、固定金利では11年以上20年以内になっています。
りそな銀行
アパートローンの特徴
団信に加入をすることで、70歳の人でも融資を受けられるために、高齢者の方に人気が高いアパートローンです。
金利
金利は明らかにはされておらず、物件の属性や債務者の属性に応じて変化していきます。借入金額は上限が1億円となっています。
融資の条件
融資を受けられる下限の年齢は20歳、そして最大の返済期間は30年。30年融資を受けられる年齢は上限が50歳未満。団信に加入すれば70歳でも融資を受けられます。
賃貸用物件の購入や建築、改修のためのローンとなっています。
三井住友銀行
アパートローンの特徴
建物の耐用年数が融資条件に設定されていないので、耐用年数を過ぎても融資を受けられる可能性があり、物件のリフォームなどにも利用できます。
金利
三井住友銀行が定める短期プライムレートに連動して決められます。融資金額は200万円以上です。
融資の条件
融資を受ける人間が個人であること。投資用住宅の購入、建築、リフォームの資金であること、また借り換えに使うものであること。
せん。
融資期間は1年以上最長35年以内(1ヵ月きざみ)。固定金利では2年以上35年以内です。
建築を前提にアパートローンを斡旋している業者も
またこれらのアパートローンとは別に、建物建築を前提に不動産業者からの斡旋で融資を受けられるローンもあります。頭金0で収益物件が得られることを謳っている不動産会社などが、このようなアパートローンの斡旋を行っています。
これは不動産会社が個人のアパート建築費で収益を得る代わりに、金融機関への説明や口利きをしてくれ、個人では中々借りられないような金額を金融機関との提携で融資可能にしてくれるというものです。
建物の建築費がある分、金融機関へのリスクをある程度不動産業者が分担して負担してくれるのです。
まとめ
アパートローンは住宅ローンとは似ているようで、審査基準や返済期間、金利など細かな部分が違っているものです。住宅ローンとは違う面での、融資を受けるための対策が求められますし、返済も住宅ローンより金利負担が大きいです。
どうしてもリスクが大きくなってしまいますが、その反面アパートローンを利用しなければ、自分の収益を拡大していくスピードも遅くなります。まずは良い物件探しから初めて、融資を受けられるように、不動産投資家としての経験を積んでいきましょう。