アパートやマンションの経営をする時に、何か専門的な資格を取得する必要はあるか、と疑問を持つ人は多くいます。
結論から言ってしまえばそれは「NO」です。アパートやマンション物件を経営するだけであれば、誰でもできることであり、マンションやアパートのオーナーを始めるにあたって必要な資格は一切ありません。誰でもすぐに始められるのは不動産経営の良い面でもあります。
一方で、不動産賃貸物件の経営はマーケティング、契約、管理等様々な業務が伴う作業も必要になってきます。
資格の取得は必要ないとは言え、本格的にオーナーとして収益を上げていきたいのであれば、専門的な知識はきっと必要になってきます。そこで不動産経営に役立つ資格をここでは解説します。
アパマン経営に関する資格とは
資格は、国家資格と民間資格の2つにわけられます。国家資格は、特定の業務に就く際に必要であるものも多くなっていますが、不動産関連の国家資格や民間資格には何があるのでしょうか。
宅地建物取引士
不動産関係の資格で最も有名なのが、この「宅地建物取引士」ではないでしょうか。
もちろん国家資格であり、不動産の売買を行う会社には社員5人につき1人在籍していなければいけない、という義務があります。大手の不動産会社では社員の殆どが宅建の有資格者であることをアピールしている会社もあります。
一体どのようなときに、この宅地建物取引士が必要になる場面は、不動産売買時に行う「重要事項の説明」と、それに伴う重要事項書の記名や押印時です。
不動産売買の契約を締結する時に、建物や土地の設備や条件に対する説明を行って、それを買主と売主の双方が理解したことを確認して、押印と記名をしてもらうのは、宅建士がいないと行えません。
不動産に関する建築基準法などにも精通しており、法令や税金、手続きなども熟知しています。
不動産に関する幅広い知識を、宅地建物取引士の取得の家庭で習得できるので、不動産関係の会社で勤務をしなくとも、不動産投資をする人の中にはこの資格の取得のための学習をする人が多くいます。
難易度的には、取得のために200~300時間程度の勉強が必要と言われており、不動産会社に入社した新卒社員は、1年から2年の時間をかけて、この資格の取得を目指します。
合格率は20%弱ですが、勉強の範囲がそこまで広くないので、会社員をしながらでも十分に取得できる資格です。年1回、10月に試験が行われています。
マンション管理士
この「マンション管理士」も国家資格となります。この資格の内容は、マンションを管理する上で必要な管理組合や住民の間の問題ごとなどを、適切に法に基づいて解決していくための知識や、技能を取得できるというものになっています。
マンションはアパートと比べて大規模であり、住人の数も多くなっています。家族で部屋を購入して、そこを長い期間の住居とする人も多くなります。
途中から入居した人と最初から住んでいた人、修繕費や管理費などアパートと比較すると、遥かにトラブルが発生しやすいです。賃貸のアパートなどは問題が起きれば引っ越しをすることがありますが、家族でマンションを買って住んでいればそうはいきません。
そんなとき、仲介をして問題解決に動くのが「マンション管理士」の役割になります。
この資格は、平成13年にできたばかりのまだ新しい資格ですが、合格率は9%以下となかなかの高難易度になっています。
ただ、後述の管理業務主任者資格を有していれば、50点満点の試験で5点加算されるので、かなり有利になります。試験は年1回、11月付近に行われるので、1回失敗すると翌年まで待たなくてはいけません。
資格取得のための勉強の中では、マンションの設備やトラブル解決に役立つ法律を学べるので、マンション管理だけではなく、アパートの運営にも役立つ知識を身につけられます。
大規模マンションの、管理組合に対するコンサルティングが、主だった業務内容ですが、管理費を滞納した入居者への対応の仕方や、共有部分の扱いといった細かなトラブル解決をする際にも、法的な根拠を持って説明できますので、入居者のトラブルで困っている大家さんにとっては、取得によるメリットは大きいといえます。
管理業務主任者
マンション管理士とともに、マンションを運営していく上で必要なのが「管理業務主任者」です。
マンション管理士は、マンションの住人や管理組合に対する交渉や問題解決が主な業務になりますが、管理業務主任者の場合はマンション管理業務の実務に直接タッチすることが多い仕事です。
この資格も国家資格であり、管理事務所30組合ごとに、一人の管理業務主任者を置く義務が、国によって定められています。
独占業務として、この有資格者が行う手続きとして管理組合に対し、管理委託契約を締結する際に重要事項の説明、及び管理事務報告を行うことが挙げられます。
もちろん、マンション管理に伴う実作業や法令に精通している必要もありますし、管理組合の会計や支出、建物の修繕の企画なども試験では問われるようになっています。
この資格は毎年12月、年1回のみの資格試験実施なので、取得の機会が少なくなっているため、じっくり勉強をしなくてはいけません。合格率は20%程度と、比較的高めになっていますが、それでも簡単に取得できる資格とはいえません。
不動産実務検定
ここまで解説した3つの資格は国家資格であり、契約などの業務を行う際に必須の資格でしたが、この「不動産実務検定」は民間資格となっています。
国が定めた資格ではないので、その効果は小さく思えますが、不動産物件の運営などに沿った、大変実践的な内容の資格になっています。2009年に作られており、不動産投資熱の加熱とも相まって、全国の大家や不動産コンサルティングを目指す人が取得を行っています。
初級ともいえる2級の試験内容では、大家としての基礎的な知識を身につけられます。客付けや契約、リフォームや税金、また入居者とのトラブル時の対処法など、大家をするのであれば必ず役に立つ内容となっています。
1級は上級編的な内容になっており、不動産投資をする際のノウハウや不動産関係のファイナンス、競売や借地取引を行う際の内容にも触れているので、土地から購入し建物を建てて投資する、不動産物件運営だけではなく物件売買でも収益を得たい、という人に役立つ専門的な内容です。
主催をしているのは一般財団法人 日本不動産コミュニティーで、資格には1級と2級があります。
1級のほうが難易度が高いのですが、資格の取得試験は頻繁に行われており、空き時間を活用して勉強し、何度も試験を受けられるため、取得難易度は低いといえます。毎日のオーナー業務の中での経験も活かすことができるので、それほど勉強時間も必要ないかもしれません。
1級、2級ともに12時間の講座を受け、資格試験をパソコンで受験し、それに合格すれば資格が取得できます。さらにその上にはマスターが存在し、1級合格者が20時間の講習を受けて試験を受け、合格すればマスター資格が得られ、不動産実務検定講座の講師を務められるようになります。
全国各地の「大家の会」などでも勉強会を行っているので、興味がある人は大家の会に参加をしてもいいかもしれません。過去問も公開されているので、事前に勉強しておくこともできます。
まとめ
アパートやマンション経営に役立つ資格としては、国家資格である宅地建物取引士。マンション管理士、管理業務主任者、民間資格の不動産実務検定に分かれます。
前者は専門性が高く取得も楽ではありませんが、国家資格だけに就職にも役立つ「潰しの効く」資格と言えるでしょう。国家資格は就職に役立ち、民間資格は実践的な内容ですね。
このような資格を取得して、アパマン経営に有利な知識を得ておくことは、収益物件を運用していく上でもかなり強い武器となります。
あまり勉強に時間が割けないという人は、より実践的な不動産実務検定に絞ってもよいでしょうし、マスターまでいって講師として収入を得るという選択肢もいいかもしれません。
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