駐車場経営は高額な初期投資が必要ないため、手軽に始められる土地活用として注目を集めています。また駐車場経営は専門業者に管理や集客などの経営の一部を委託することもでき、一括貸出してすべての経営を業者に委託することもできるので、本当にメリットの高い土地活用と言えるでしょう。
となれば、使い道がなく休眠状態の土地がある人が駐車場経営をやってみようと考えるのも当然です。しかし、この駐車場経営は手軽に行えるというメリットがある反面、大きなデメリットもあります。活用する土地が駐車場経営に適していなければ収益性は低く、期待したような結果を得ることはできません。
空いている土地があるから手軽に駐車場経営でも始めてみようでは、駐車場経営で成功することはないでしょう。
そこで今回は駐車場経営を始める際に一番重要となる、駐車場経営に向いている土地かどうかの判断基準についてわかりやすく解説していきます。
駐車場に向く土地なのかを確認しよう!
駐車場に向いているかどうかを判断するため判断基準は下記2つのポイントです。
- 敷地条件が駐車場に適しているか?
- 周辺環境に駐車場としての需要はあるか?
この2つをクリアできれば、まず駐車場経営に失敗することはないでしょう。それではこれら判断ポイントを見ていくことにします。
敷地条件が駐車場に適しているか?
駐車場経営に適した土地かどうかを判断するためにまず確認しなければならないのは、活用しようとしている土地が車の駐車に適しているのかという点です。自分の土地を私的に駐車場として利用するのならば少々、駐車場としての条件に適していなくても気にはなりませんし、我慢すればいいだけのことです。
しかし、お金をもらって駐車場として貸し出す際にはそうはいきません。車の駐車に悪影響となる敷地条件が多ければ、まず借り手が付くことはありません。駐車するのに一苦労という状況では、借り手がここはダメだと思うのは当然のことですよね。
そこでまず行わなければならないのは、活用する敷地条件が駐車場に適しているのかを確認する必要があります。
そのポイントは下記の2点です。
- 接道幅は十分あるか
- 高低差に問題はないか
それではこれらポイントを詳しく解説していきましょう。
接道幅は十分あるか
接道とは活用予定の敷地が面している道路の幅を指します。建築基準法において住宅建設の場合には4m以上の接道が必要とされますが、駐車場の場合にはその規定はありません。しかし、駐車場としてとして利用するのならば、住宅建設次と同じ4m以上が好ましいとされています。
1mとなれば通行に問題がありますが、2mあれば問題はないでしょう。しかし、駐車場の場合には初心者のペーパードライバーでも無理なく車の通行ができることが駐車場選びの条件として加わってきます。
通行しにくいところよりも通行しやすいところの方が好まれるのは当然の話です。狭い道路を通らなければ駐車場に付けないという状況では、利用者からも敬遠される可能性が高くなってくるでしょう。
また、接道と合わせて接道に面する敷地の間口(入口幅)も重要なポイントになってきます。接道が十分でもそこに面する駐車場の間口が不十分では、これもまた利用者からも敬遠される原因となってきます。
間口は最低でも2m以上、広いほど好評価になります。これは工事によって広げることも可能ですが、その場合の投資費用は覚悟しておきましょう。
高低差に問題はないか
駐車場にする予定の敷地とそこに面する道路、つまり入口に高低差がある場合は、必ず敷地の造成が必要になってきます。駐車場として利用する場合には敷地とそこに面する道路がフラットに近い状態が求められます。
高低差の解消には敷地の造成の他に、入口にスロープを設ける方法もありますが、フラットな状態が求められるのは入口だけではありません。駐車場として利用する敷地もフラットに整備する必要があります。
予定地となる敷地の状態によって工事費用が違ってくるので、この点も事前に確認するようにしましょう。
周辺環境に駐車場としての需要はあるか?
予定地となる敷地が駐車場利用に問題がないとわかれば、次に確認しなければならないのがその敷地周辺に駐車場としての需要があるのかという点です。需要がなければ駐車場を作っても借り手は見つからず、経営が上手くいくことはありません。
このニーズの確認は、駐車場経営を成功させるために必要不可欠になります。また、この需要の確認は駐車場を下記のどちらで経営するのに適しているのかを判断するための判断基準にもなってきます。
- 月極駐車場
- コインパーキング
駐車場経営を行う際には、まず上記どちらのタイプを選ぶのかを決定しなければなりません。敷地周辺の環境に適した駐車場でなければ、たとえ駐車ニーズがある環境でも十分な借り手が見つからないことも出てきますし、本来ならば上がるはずの収益も上がらないという事態を招きます。
よって、まずは敷地周辺の駐車ニーズはあるのかを確認し、その駐車ニーズはどちらの駐車場が適しているのかを判断しましょう。
どちらのニーズにも当てはまらないということになれば、その敷地は駐車場経営には向いていないと判断できます。その際には本当に駐車業経営という土地活用でいいのかを再考する必要があるでしょう。
月極駐車場に適した周辺環境
月極駐車場に向いている立地条件は下記の2つになります。
- 周辺が住宅地である
- 周辺がオフィス街である
周辺が住宅地であれば自宅駐車場では足りない人やマンションやアパートの敷地内駐車場に駐車スペースが得られない人の利用が見込めます。またオフィス街であれば通勤に利用する車の駐車場として、または会社の専用駐車場としての利用者確保が見込めます。
しかし、オフィス街の場合には会社に来訪した人の駐車ニーズも出てくるので、短時間の駐車ニーズも出てきます。よって月極駐車場だけでなくコインパーキングとしての利用価値も考えられます。
まずはこの見極めが重要となってくるでしょう。大都市においては通勤手段は車よりも公共機関の利用者の方が多いのが実情です。よって、お住まいの地域のオフィス街の通勤手段に何が使われているのかを調べる必要があります。
こういった調査は個人では無理があるので、やはり駐車場経営の立ち上げから専門業者を交えることをおススメします。すべてを個人で行う人もいますが、収益性の高い駐車場経営とするためには専門業者に頼るケースが大半です。
このような状況にある人は早めに専門業者に相談するようにしましょう。
コインパーキングに適した周辺環境
月極駐車場に向いている立地条件は下記の3つになります。
- 周辺にショッピング施設がある
- 周辺に病院や学校、駅がある
- 周辺がオフィス街である
周辺がオフィス街である際の対応は先に解説しましたが、周辺に商業施設、特に学校や駅がある場合にはコインパークにはもってこいの最適条件になります。学校や駅は来訪者が多い割に、専用の駐車場施設の完備が不十分なケースが大半です。
よって、この条件に見合った土地であれば、コインパーキングでの駐車場経営がおすすめとでしょう。
しかし、このような好立地条件の場合には、すでに多くのコインパーキングが開設されているケースが多く見られます。需要があっても供給過多の状態では施設によほど近いなど、特化した好条件でもなければ満足な利用者を得ることは難しくなってきます。
この市場調査も個人で行うには難しいものとなってくるので、月極駐車場と同様に早めに専門業者に相談することをおすすめします。この判断を誤るといくら立地条件が良くても、満足のいく収益を上げられません。駐車場経営を行うかどうかを判断するためにも、早めの相談を心がけましょう。
まとめ
手間がかからず投資費用を抑えたいという人には、駐車場経営はまさに打って付けの土地活用となってきます。しかし、今回解説したように駐車場にすれば儲かるという単純なものではありません。
駐車場経営を成功させるには、予定している敷地が駐車場経営に適しているかの判断が必要になってきます。近年は駐車場経営のメリットだけが先行して伝えられていますが、成功するには必要となる条件をクリアする必要があります。
駐車場経営を検討している人は今回解説した内容をよく理解して、失敗のない土地活用にしてくださいね。