【必読】山林を売る時の価格相場と売却時の注意点

【必読】山林を売る時の価格相場と売却時の注意点

山林を売りたい人向けに、売却価格相場と注意点を解説しています。管理や維持、使い道がなくて困っている人はチェックしてみてください。

山林の価格相場は、1平方メートルあたり100~5,000円と山林の種類によって異なります。山村奥地林地は安く、都市近郊林地ほど高くなります。

売却する際の注意点としては、面積が広大なため、登記に計算されている面積と実際の面積にズレが生じることが多いです。正確に面積を計測するには、相当な費用がかかるので、登記簿の面積を利用します。

なお、農地の売却については、以下の記事で解説しています。田んぼや畑を売りたい人はぜひチェックしてみてください。

農地を売る時の価格相場と売却時の注意点

山林を売却する際の注意点

山林は、農地よりも使い道に困るという事情があります。一面に木々が生えている山は、家や施設を自由に建てることもできませんし、利用自体が制限されてしまいます。そのため、土地としての利用価値がどうしても低くなり、価格が安くなる傾向にあります。

しかも、山林はとても広大なぶん、登記に計算されている面積と実際の面積にズレが生じることが多くなります。売却する際には正確に広さを把握することが必要になりますが、実際の面積を計測するだけでも相当な費用がかかってしまうのが難点です。

登記簿に書かれている面積と実際の面積が異なってしまう場合、売主と買主のいずれかが不利益を被ることになります。面積が小さければ購入者には不利になり、逆に実際のサイズが大きければ購入者が得をします。

しかし、山林は広大で計測するだけでも相当なコストがかかる特性上、実際に測量をすることはせずに、登記簿に掲載されている面積を利用することになっています。

そしてなにより、広さを計測するための莫大なコストをかけたとしても売却が叶わないこともあります。一般的に考えて、山林を購入したところであまり使い道がないからです。山林に生えている木々が必要だからまるごと購入するとか、スキー場やゴルフ場をつくりたいという用途くらいでしょうか。

海外の投資家が日本の山林を狙っている!?

また、ここ数年、「海外の投資家がこぞって日本の山林を欲しがっている」というニュースを目にする機会が増えました。彼らにとっては外国である日本の山を購入する目的は、山の土地そのものの活用にあるのではなく、山が持っている莫大な資源だと言われています。

たとえば、清流が流れている山があるとします。そういったところでは、天然の綺麗な水を採取することができますし、実際に見えている分だけでなく、さらに豊富な水資源が山中に眠っている可能性があります。現在は中国やインドなどで水不足が懸念されていることもあって、日本の山をまるごと手に入れたいと考える海外の投資家がいるのです。

また、山林に生えている木々も貴重な資源となります。日本の質の高い材木は利用価値も高いので、海外の投資家には魅力的に映ります。山林を購入してしまえば、山の資源を利用する権利も得られます。

海外投資家は日本の山林について、富を生み出す金脈として着目している側面があります。

もちろん、海外の投資家が日本の国土を購入することについては、必ずしも手放しで喜んでいいわけではありません。しかし少なくとも、日本の山林には大きなニーズが隠れていることを示していると言えるでしょう。

山林は売りにくいと言っても売れる可能性が全くないわけではありませんから、山林の売却を成功させるためには、その山林を欲しいと言ってくれる人を見つけることが何よりも重要だということを理解してください。

価値の分かってくれる人に売る、というのが大きなポイントです。

山林の価格相場

山林とひとくちで言っても、さまざまな種類の山林があり、種類によっては高めの評価を得るものもあります。

山林は、評価基準の分類上、4種類に分けられています。

  • 都市近郊林地
  • 農村林地
  • 林業本場林地
  • 山村奥地林地

都市近郊林地が最も価格が高く、上から順にどんどん価値が低くなります。種類の名前でだいたいイメージがつくと思いますが、最も高い価格がつきやすい都市近郊林地は、要するに市街地の近くにあるという意味です。一方の山村奥地林地は、読んで字のごとく、山奥にあって使いづらいところです。

宅地に近い山林であれば交通アクセスが比較的よくなりますし、山奥にあるのであれば山林に行くのさえ大変という状況も想像できます。こうした使いやすさなどの山林の特徴が、売却価格を決定します。

実際の相場価格は、下記のとおりです。

都市近郊林地の相場価格

1平方メートルあたり=約1000円~5000円

農村林地の相場価格

1平方メートルあたり=約300円未満

林業本場林地の相場価格

1平方メートルあたり=約100円未満

山村奥地林地の相場価格

1平方メートルあたり=約100円未満

こうしてみると、数ある不動産ジャンルと比較してもだいぶ安くなっています。山林はその利用のしにくさから買い手がつきにくく、価格が安くなることが理解できると思います。

山林を売却する際の流れと手続き

山林をまるごと売ってしまう場合には、山林の品質や木々の品種などをもとにして評価を決めていきます。もちろん、木々としての利用価値が高くなれば売却価格も上がります。

たとえば、山にまったく道がないのであればそれだけ使いにくいという評価がなされます。たとえ木々を伐採したとしてもその木を搬出する経路がなければ、道を改めてつくる必要がでてきます。そのぶん、余計なコストがかかることは言うまでもありません。

売却を決めたのであれば、専門家に依頼してどのような状況なのかを確認しなければなりません。間伐などのメンテナンスが定期的に行われているかどうかも見逃せないポイントです。

まずは最寄りの地域にある農林組合に相談してみましょう。山林を売りたい人と買いたい人を斡旋してくれるので、一般的な市場で売却をするよりも確実に売れることも考えられます。

一度、専門家に見てもらって、売れる山林かどうかを判断してもらいましょう。

山林を売るコツ

相場価格が安いといっても、購入希望者にとっては宝の山に映る可能性もあります。山林を売るためのポイントは、山林を欲しがっている人を探すことなのです。

相場は平均的な需要に基づいているわけですから、たとえ一人であったとしてもその山林を強烈に欲しがっている人を見つければ売れるわけです。山林を売るノウハウを持っている不動産業者に協力を仰げるかどうかがカギになります。

山林の売買に関する斡旋を行っている組合やマッチングサービスなどもあるので、試しに使ってみるのもひとつの方法です。

さきほど述べたように、日本の山林は海外の投資家からも注目されています。山林売却の顧客は、必ずしも日本に留まらないことを知っておきましょう。

そう考えると、営業力のある不動産業者や関係機関に売却の窓口になってもらうことがいかに重要かが分かります。

最近では、山林の売買を専門的に扱っているインターネットサイトも誕生しており、山林を売却できる間口が広がりつつあると言えます。

ある業者からは「使いものにならない」と言われる山林であっても、一方で、思いもよらない利用方法を提案してくれる業者がいるかもしれません。

そうなれば、相場よりも高値で売れる可能性が出てきます。的確な価値を算定できる業者に売却手続きを任せるためにも、複数の業者を比較してみてください。

売りにくい事情を抱えた特殊な不動産ではあることは間違いありませんが、山林を利用したいニーズを持っている人を探してくれる仲介業者を利用することが肝要です。

山林を売却する際の税金や手数料

山林に生えている木にも価値があると考えるため、木は木として、個別に税金がかかるのが厄介なところですが、立木のところは山林所得を求め、土地のところは譲渡所得を計算します。

立木のところの山林所得は、
山林所得=売却価格-必要経費-特別控除(最大50万円)
で求めます。

必要経費とは、山林取得時にかかった仲介手数料や登記費用、管理費用のことを指します。

また、特例措置として、概算経費控除があります。所有期間が15年以上と長期間の場合に税金が優遇されるものです。

そして、山林所得税額は下記のように求めます。

山林所得税額=山林所得×1/5×規定の税率×5

土地は譲渡所得

譲渡所得は、
売却価格-譲渡費用(売却にかかった費用)-取得費用(取得したときにかかった費用)
で求めます。

この譲渡所得額に一定の譲渡所得税率をかけると、土地にかかる税金がわかります。

農地同様、山林の税金の計算はわかりづらいものです。ここでは、立木と土地の双方に税金がかかるのだということを覚えておいてください。

山林は宅建業法の対象ではない

一般的な不動産を売却する場合とは異なり、山林では仲介手数料がかからないことがあります。

一般的な土地や建物の仲介を業者に依頼すると手数料がかかります。これは不動産取引に関する法律によって規定されています

しかしながら、山林は宅地でも建物でもなく、この法律(宅地建物取引業法)の対象とはならないために、仲介手数料の制限がありません。

したがって、不動産業者が自由に決定することができます。業者はビジネスとして山林売買を行うわけですから一定の手数料はかかりますが、実際の手数料額は業者の裁量にゆだねられることになります。手数料については、各業者に相談してみないとなんとも言えないのが実情です。

まとめ

山林を所有していても、日々の管理費用がかさんでしまうばかりで、なかなか活用できないという悩みを抱えてしまうことがあります。所有するだけでも固定資産税がかかるわけですから、経済的な負担を考えると、早めに処分してしまったほうがいいこともあります。

所有者に明確な所有意図がないのであれば、早めに専門家に相談してみるとよいでしょう。海外の投資家や林業ではない異業種企業など、思わぬ買い手が見つかることもあります。

まずは「いつでも売却できる心構え」をしておけるように、複数の業者に査定を出して、事前に資産価値を調べておくといいでしょう。

※農地の売却に関してはこちらで解説しています。
>>農地を売る時の価格相場と売却時の注意点

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