コインランドリーの利用者数は?将来性に関する考察

近年、新しい土地活用方法として注目されているのがコインランドリー経営。その高い収益性は目を見張るものがあり、賃貸物件利用で平均15%、所有物件利用ならば平均20%と高い利回りが期待できる点が魅力です。

利回りが15%なら約7年、20%ならば約5年で初期投資費用が回収できる計算となるで、投資家にとっても魅力的な投資対象となってくるでしょう。

しかし、そこで気になってくるのがその将来性です。今後も各方面から注目が集まるならばコインランドリーの施設数増加は目に見えています。となればそうなった時の需要状況がどうなのかは大いに気になるところです。

ですがそんな心配はありません。今は新しくコインランドリー利用者層が発掘され、需要は年々とどまるところなく増加の一途を辿っています。

そこで今回は現状のコインランドリー市場がどうなっているのかを見ていきながら、コインランドリー経営の将来性の確かさを再確認していくことにします。

コインランドリーの需要と将来性目次
  1. コインランドリー経営の将来性
    1. コインランドリーの利用者数
    2. 需要推移と将来性について
  2. まとめ

コインランドリー経営の将来性

コインランドリーは日本が高度経済期に入った昭和46年から50年ころから急速に増加を始め、利用者ニーズを時代の流れとともに変えながら今もなお増加し続けています。

それではコインランドリー市場が現在までどのような成長を見せてきたのか、今後の需要と将来性はどうなのかを見ていきましょう。

コインランドリーの利用者数

現在までの成長性を見る上で参考となるのが利用者数の推移です。この統計に関しては正式な調査結果が発表されていないため知ることは不可能ですが、それを裏付ける資料が厚生労働省より発表されています。

その調査報告が1995年度から2013年度まで各自治体の協力を仰ぎ作成された「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生状態に関する調査」です。その調査によるとこの調査期間におけるコインランドリー施設数の増加推移は下記のとおりとなっています。

年度 施設数 ランドリーのみ 乾燥機併設
1996年 10,288 9,562 666
1997年 10,739 10,051 688
1998年 11,323 10,613 710
1999年 11,843 11,116 727
2001年 12,502 11,832 670
2003年 12,726 12,156 570
2005年 13,746 13,264 482
2007年 14,840 14,404 436
2009年 15,426 15,062 364
2011年 15,985 15,696 289
2013年 16,893 16,693 239

※2001年度には鳥取県のデータは含まれていません
※上記データには自治体が把握できなかったものは含まれていません

上記の施設数の推移を見てもられば分かるでしょうが、コインランドリーの施設数は増加傾向を確実に維持しており、某ビジネスマガジンによれば2015年度には1996年度の9,206施設の約2倍にも上る18,000施設となると予測数値を出しています。2000年に入ってからの増加割合を見れば、既に2018年時点でその数は約20,000施設を超える数値となっていても不思議ではありません。

こうして施設数の増加を見れば、その利用者数の増加が継続して上昇傾向にある点は疑う余地はないでしょう。そして注目してもらいたいのはコインランド利用者割合です。現在の割合は人口の約6%にしか過ぎず、コインランドリー大国アメリカの20%という数値には遠く及びません。

しかし、年々欧米化する日本人のライフスタイルを考慮すれば、このアメリカの数値に近づいていく可能性は否めません。いえ、その可能性が高いとすら言えるでしょう。となれば今後のコインランドリー利用者数はさらに増加していくと考えるのが妥当でしょう。

需要推移と将来性について

コインランドリー施設の絶え間ない増加を見れば、その利用者も年々拡大していることは言うまでもありません。しかし、冒頭でも言ったようにコインランドリー利用者のニーズはコインランドリー市場の成長とともに形を変え現在に至っています。

そこで今度は現在のコインランドリーニーズを見ていきながら、コインランドリー需要の推移を考察し、その将来性について見ていくことにします。

利用者の求める現在のコインランドリーへの需要推移

コインランドリーの普及当時はコインランドリー経営を行う目立った経営者は銭湯経営者が多く、その顧客対象は洗濯機を持たない独身男性を狙った「銭湯併設型」と呼ばれるものが主流でした。

しかし、現在のコインランドリー市場は女性をターゲットにしたものが多く、店舗にも下記のような条件が求められるようになっています。

  • 店舗の清潔感
  • 店舗の安全性
  • 車が駐車できる十分な駐車スペース

近年のコインランドリー施設が銭湯併設型から、郊外型の大規模店舗へと形を変えているのも、利用者層が男性から女性へと変化したことが大きく影響しています。

女性がコインランドリーにニーズを求めるようになったのは、下記のような要因が関係していると考えられます。

  • 広い駐車場を完備した郊外型店舗が増え、気軽に訪れる環境ができた
  • 女性の社会進出が増えたことで家事時間がなくなり、まとめ洗いが必要になった
  • 毛布や布団が洗える点が大きく評価された
  • ハウスダストや花粉対策のため、大物が入る乾燥機需要が出てきた

女性がコインランドリーにニーズを求めるようになったのは、まさしく時代の流れによるところが大きいと言えるでしょう。

  • 女性の社会進出の推進
  • リーマンショック等の経済的問題による給与減額にともなうパート、アルバイトの必要性
  • 一昔前には問題とされなかった洗濯時のハウスダストや花粉対策

女性の新たなニーズ発掘によって、コインランドリー市場はさらなる利用者拡大と需要拡大が望める時代に突入したことは確かです。形を変えながらも増加傾向を維持する点は、コインランドリー市場を好意的に占う上でも大きな材料だと言えます。

今後のコインランドリー市場の将来性は?

女性ニーズを発掘できたことはコインランドリー市場を拡大するのに大きな要因となってきます。

男性ニーズの場合にはどうしても単身利用が多くなりますが、女性ニーズが高まれば家族単位での利用となるため、大型の洗濯乾燥機利用が見込めることから収益性が高くなることが予測できます。

また、コインランドリー利用に否定的な意見を持たない20代、30代が今後も継続することで、コインランドリー利用者の拡大も期待できます。

2013年に独立行政法人中小企業基盤整備機構(J-net21)が調査した今後の利用動向の結果では、否定的意見を持たないのは下記のとおりで、いずれも60%を超える数値となっています。

  • 20代女性 69%
  • 20代男性 66%
  • 30代女性 69%
  • 30代男性 64%

日本においては家庭でコインランドリーを利用する習慣はありませんでしたが、このように利用に抵抗ない青年層が家庭を持つようになれば、将来的には家庭でもコインランドリーを利用するのは当たり前という風潮を生み出す可能性は十分に考えられ、さらなる利用者の取り込みが期待できます。

となればコインランドリー施設数が増加し続ける現在、女性ニーズを取り込んだ新しい局面を迎えたコインランドリー市場はさらなる成長が期待できると予測できるでしょう。

まとめ

コインランドリー施設への需要はとどまるところを知らず、その利用者数も新しい利用者層を確保したことから、今後も増加していくことが予測できます。

独身男性を対象として始まったコインランドリー市場が、大きく形を変えながら今でも成長し続けているのには、もともと潜在的ニーズがあったことも要因の一つと考えられます。となれば、今後も成長著しいコインランドリー市場の将来性には注目の集まるところですね。

目次一覧

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