太陽光発電はアパートやマンションなどの不動産投資のように高額投資となる土地活用ではない上、一般的な土地活用では収益性がなく眠らせたままの土地でも収益を生み出す可能性が高いビジネスです。
また徐々に売電価格は低くなってはいますが、太陽光発電による売電は電力会社に買い取ってもらえる国の制度があるため、まだまだ安定した収益が上げることができます。しかし太陽光発電で収益を上げるためには、売電するための電力を十分に発電できる環境が必要不可欠となってきます。
そのために必要になってくるのが下記の2点です。
- 太陽光発電に向いている土地であること
- 発電量を上げるための対策対応
せっかく始めた売電ビジネスもこの条件がクリアできていなければ十分な発電量は得られず、残念な結果となってしまう可能性が高くなってきます。
そこで今回は太陽光発電に向いている土地の条件にはどんなものがあるのか、そして発電量を上げるコツにはどんな対策方法があるのかを解説していきます。
- 太陽光発電に向いている土地の選択と発電量
太陽光発電に向いている土地の条件
十分な発電量を得るためには日当たりがいいことが条件となってくることは言うまでもありませんが、必要な条件はそれだけではありません。
太陽光発電に向いている土地の条件として挙げられるのは下記のとおりです。
- 日当たり
- 傾斜
現在お持ちの土地にこれら全ての条件を求めるのは決して容易なことではありませんが、これら条件が揃うほど確実に発電量は多くなってきます。仮にどれもあたはまらないという場合にはほかの土地活用を検討した方がいいでしょうし、土地を購入してビジネスを始めるのであればこれら条件が揃う土地を探すことがビジネス成功への第一歩となってくるでしょう。
そこではこれら条件について詳しく見ていくことにしましょう。
日当たり
太陽光発電でまず考えなければならないのが日当たりです。設置したパネルに陽が当たらなければ十分な発電は望めませんからこれは当然のことでしょう。しかし、太陽光発電においてはいかにパネルに日が当たるかが重要なポイントとなってくるので、一口に日当たりがいいといっても求められる条件が出てきます。
その日当たりのいい土地の条件は下記のとおりです。
- 周囲に日を遮る建築物等がない
- パネルを南向きに設置できる環境である
- 日射量が多い
- 日照時間が多い
この条件を見ると単に土地だけで言えばできるだけ広いこと、地域性を加えれば日射量が多く、日照時間が長いところが太陽光発電に向いていることになってきます。
太陽光発電に向く地域に緯度は関係ない!
土地が広ければパネルをその分多く敷き詰められますし、周囲に建物があっても季節を問わずに昼間の日照時間が長くなる南向きにパネルを設置しやすくなります。よって、まず地域性を問わず土地選びで必要となるのはこの2点となってくるでしょう。
しかし、問題なのは地域性です。普通に考えれば日本は南に行くほど温暖となってくるので、太陽光発電に適しているのも南の地域と考えられます。これはあながち間違っている考え方ではないのですが、一概にそうも言えないのも事実です。
下記の各都道府県の発電量順位を見てください。これは全国の太陽光発電設置住宅の発電状況のデータを集積したサイト「ソーラークリニック」に載っている2013年3月から2014年2月までのデータを元にした発電量の平均値ですが、面白い結果となっています。
平均発電量ベスト5
- 1位 山梨県 1436kwt
- 2位 長野県 1427kwt
- 3位 徳島県 1373kwt
- 4位 静岡県 1368kwt
- 5位 群馬県 1366kwt
平均発電量ワースト5
- 1位 秋田県 902kwt
- 2位 青森県 1027kwt
- 3位 鳥取県 1055kwt
- 4位 北海道 1064kwt
- 5位 岩手県 1070kwt
発電量1位には日本最南端の沖縄がくるかと思いきや、上位2県は全く想像しなかった山梨県と長野県で、九州や沖縄よりもい度が高いにもかかわらず実に多くの発電量が得られています。これは南北の緯度だけが発電量に影響するわけではなく、年間降水量が少ないことや標高が高く日照時間が長いことが影響した結果です。
また順位ではワースト5に入る北海道ですが、広大な土地を有することで異なった気候の地域が混在しており、場所によっては太陽光発電に適している地域も含まれ、土地の広さを生かしたメガソーラー事業には最適な環境のところも存在します。
以上のようにお住まいの地域が南寄りでない場合でも、十分な発電量が見込める地域である可能性はあります。固定観念にとらわれず、まずはお住まいの地域の発電量がどうなっているのかを確認するようにしましょう。
傾斜
太陽光を効率よくパネルに当てるための理想的角度は平均して30度と言われています。よって、角度調整がしやすい平坦な土地がおすすめです。傾斜地の場合には雨水や土砂による被害が考えられるため、太陽光発電システムの設置には不向きな環境となってきます。
傾斜があるようだと造成費用が発生するため、初期投資額も余分にかかってしまうことになります。現在お持ちの土地を利用する際には仕方のないことですが、土地購入で発電ビジネスを始める人は土地の傾斜も頭に入れておきましょう。
発電量を上げるコツ
次は発電量を上げるコツについて解説します。太陽光発電に適した土地環境であっても、発電量を上げるための対策を講じているかどうかで得られる発電量は違ってきます。
住宅用に設置する太陽光発電システムはパッケージ商品となっているので、対策を講じるといってもやれることは限られてきます。しかし、発電ビジネスとして利用する産業用太陽光発電システムならば、発電量を増加させて減退させないための対策を取ることができます。
その対策は下記のとおりです。
- コーディング剤でパネルをコーディング
- スプリンクラーの設置
- 反射パネルの設置
- 角度変更ができるパネルの導入
これら対策を取るには投資費用が必要となるため、まずは費用対効果を考えなければなりませんが、こういった対策が取れることは覚えておいて損はないでしょう。それではこれら対策内容について簡単に解説していきます。
コーディング剤でパネルをコーディング
太陽光発電システムは基本的にはメンテナンスフリーとされていますが、気をつけてもらいたいのがパネルの汚れです。導入初期は雨によってパネルに付いた汚れは洗い流されますが、それでも年数が経てば汚れが付着したまま落ちにくくなってしまいます。
パネルの経年劣化はどうしても防ぎようがないため、年数を追うごとにパネルの持つ自然浄化作用も薄れてくるからです。となれば照射面積が削られてその分、発電量は減退してしまいます。
それを防ぐのがコーティング剤です。車のフロントガラスに塗るワックスのような働きがあり、ソーラーパネルの親水性を高めて自然浄化作用が高くなります。
スプリンクラーの設置
太陽光発電にはより多くの太陽光の照射が好ましいのですが、パネルに使われている結晶シリコンの性質が影響して、高温になりすぎると発電効率が落ちてしまいます。特に日差しの強くなる夏場はその傾向が顕著に現れ、1割から2割ほどの発電量減退が発生します。
そこでおすすめなのがスプリンクラーの設置です。散水作業によってパネル温度を下げ、発電効率の低下を防ぐことができます。
反射パネルの設置
発電効率を上げる方法として有効なのがパネルの裏側への反射パネル設置です。太陽光発電のパネルは1枚ものではなく、細長く切断されたパネルが一定の間隔を保ちながら配置されています。
よって、パネルの裏側に反射パネルを設置することで、その隙間からもれた太陽光を再度パネルに照射でき発電量が増加します。照射された太陽光を余すことなく発電に利用できる実に理にかなった方法というわけです。
現在は低コストのシート型反射パネルも販売されており、費用対効果も高くなってきているので、是非とも検討してみるようにしましょう。
角度変更ができるパネルの導入
先程も言ったようにパネルの理想的な角度は30度とされていますが、太陽からの照射角度は季節によって変わってくるので、それに応じた角度設定が発電効率を上げることになります。
最近はパネルの角度を調整できるものが多くなり、太陽光を自動追尾できるものから、手動で行うものまで様々です。自動追尾型となれば高額な費用がかかりますが、手動ならばそれほどではありません。
これも費用対効果に応じてどちらがいいのか、必ず検討するようにしましょう。
まとめ
バイデンビジネスに成功するためにはまずは太陽光発電に適した土地選びが重要なポイントとなってきます。お持ちの土地を利用する際には、まずはその適応性がどうなのかを確認する必要があるでしょう。
また、発電量を上げるための対策は土地に多少の適応性がない場合でも、それを補う手段となる可能性も出てきます。発電効率を上げるためだけでなく、そういったメリットがあることも理解した上で、どのような対策が取れるのかを費用対効果に照らし合わせながら検討する必要があります。
どちらにしても今回話した内容は売電ビジネスを成功させる上では重要なポイントとなってくるので、現在検討中の方は特理解した上で、高い発電効率が実現できる環境づくりに取り組むようにしてください。