うつ病は審査に影響する?告知しないとどうなる?

うつ病は住宅ローン審査に影響する?告知しないとどうなる?

住宅ローンを申し込む際、金融機関はヒト、モノ、カネを基準に審査を行います。ではうつ病の方でも住宅ローンは借りられるのか?審査の際に影響はあるのか?でもうつ病であることを黙っていればいいんじゃないか?

と色々と考えられる方もいると思います。結論から言いますと、うつ病は住宅ローンの審査に影響します。というよりも住宅ローンの審査が通らない可能性が極めて高いと思います。それがわかっていて告知をしないことはもちろんいけないことです。

今回は住宅ローンとうつ病について見ていきたいと思います。

うつ病と住宅ローンとの関係

うつ病の方はなぜ住宅ローンの審査が通らないのか。うつ病と住宅ローンの関係について説明していきます。先ほどヒト、モノ、カネで金融機関は審査すると説明しました。ヒトではそのお客様が住宅ローンを借りてもちゃんと返済していけるかを見ます。

モノでは住宅ローンを融資するにあたって、その物件が法的な基準を満たし問題ないものかどうかを見ます。また、万が一返済ができなくなった際に任意売却などして返済をするために、住宅ローンを借りる金額以上の物件価格があるかどうかを見ます。

カネの部分では住宅ローンを借りる際にフルローンではなく、物件購入価格の1割から3割程度の頭金を用意できるか、頭金を出した後でも万が一何か急な大きな出費があった際にでも対応できる預貯金があるかどうかを見ます。

うつ病の問題点

うつ病ではこの中のヒトの部分で引っ掛かってきます。なぜうつ病であると引っ掛かるのか。その理由としては金融機関側からすると、毎月安定的に住宅ローンを返済することができないとみなすからです。やはりうつ病であると現在の会社で働き続けることが困難になることが想定できます。

もしくは一時的か長期的に休職し、その間給料が満額でない可能性もあります。そうなると当時想定していた収入と、それに見合った返済額で設定していたものが変わってきます。理由はどうあれ毎月の返済はやってきますので、住宅ローンの返済に家計が圧迫され、通常の生活費にお金が回らなくなります。

これは金融機関のためでもありますが、住宅ローンを借りられる方のためでもあるので、うつ病の方に住宅ローンを融資するのは難しいと金融機関の担当者は判断するのです。ちゃんとした生活を送れることが前提での住宅ローンの融資になるので、仮にうつ病でも住宅ローンを借りれたとしてもあとが大変です。

そしてもう一つ住宅ローンの審査でやるべきことがあります。それは団体信用生命保険に申し込むことです。これはフラット35以外の金融機関の住宅ローンであれば申し込みは必ず必要になります。この団体信用生命保険に入れなければ住宅ローンの審査には間違いなく通りません。

仮に金融機関の担当者と面談した際に、うつ病であることがバレなかったとしても、団体信用生命保険の審査でうつ病であることを申告しないと、保険を申し込む際の告知義務違反にあたります。

そうなってしまうと、借主様に万が一が起こってしまった場合に、うつ病であることを告知していなかったがために保険がおりないことになります。団体信用生命保険で住宅ローンの残債を返済しなければ、残されたご家族の方がただでさえ大変なのに、住宅ローンの返済もしていかなければならないことになってしまいます。

ですので、うつ病の方が何とかして住宅ローンを借りようとしても、それは今後その方自身のためにもなりません。うつ病で住宅ローンを組みたい場合はちゃんと症状が治ってから検討されると良いと思います。

うつ病とは

そもそもうつ病ってどんなものなの?と思われている方もいると思うので簡単に説明します。うつ病には大きく2種類あります。1つは一般的にうつ病と呼ばれている大うつ病。2つ目は躁(そう)うつ病。これは最近では双極性うつ病と呼ばれているようです。

大うつ病はどのようなものかというとストレスが引き金となってで、やる気がなくなったり、物事の興味がなくなったり、不眠やひどく落ち込んだりする症状が出ます。日本ではこの大うつ病の患者様が増えているようです。これが原因で勤務している会社を長期休業したり辞めてします方も少なくはありません。

躁うつ病に関しては気分が非常に落ち込むときと、気分が非常に高揚しているときのサイクルが年に数回繰り返される症状があります。これは住宅ローンの審査の際には少し難しい問題になってくると思います。

なぜなら、気分が高揚しているときはその方は何でもできると思い込んでいる状態で、金融機関の担当者ではうつ病かどうかという判断はできないと思います。団体信用生命保険の審査においても告知しなければ審査に通ってしまう可能性もあります。

先ほども説明しましたが、住宅ローンを借りた後が大変になるので、躁うつ病の方がもし周りにいれば注意して見ておかれるのがいいと思います。

うつ病の告知義務

先ほどから何度も出てきている団体信用生命保険の申し込み時に、医師からうつ病と診断されている場合は必ず告知しなければいけません。これはどんな生命保険に関しても言えることですが保険には告知義務というものがあり、嘘の告知や告知しなかった等のことがわかると、もし保険の審査に通った後でも何かあったときに保険金がおりないことになります。

このような審査関係については金融機関のためだけに行われるのではなく、自身のためにも審査しておりますのでしっかりとありのままのことを告知してください。無理やり審査を通して住宅ローンを借入できたとしても、苦労することになってしまいます。

告知をしないとどうなる?

うつ病であることを告知せずに、金融機関担当者もうつ病とわからずに審査を進めると住宅ローンを借りれてしまう可能性はあります。ただ、先ほどの説明したように後から嘘の告知をしていると判明すれば万が一の時に保険金は出ません。

また住宅ローンを返済でこなくなれば最終的に任意売却をし、住宅ローンの返済に充て、持ち家を失ってしまうことになります。告知しなければ大丈夫ということはなく後から大変なことになります。無理やり住宅ローンを借りても良い思いをするのはその一瞬だけで、あとから返済に苦労します。

金融機関で住宅ローンを担当していた時も無理のある計画で住宅ローンを組み、返済に大変苦労されている方を数多く見てきました。延滞が続けば返済を要注意者として管理され、少なからず返済の催促はされます。住宅ローンの返済を待ってくれることはありませんので必ず返さなければいけません。

告知をしなかったり、不正をして無理やり住宅ローンを借りようとするのではなく、自身のためにも計画的に住宅ローンを返済できるようにしっかり考えて検討するのが良いと思います。


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