新築の内装を決める際には、壁や床、備え付けの家具などがまず思い浮かぶと思いますが、忘れてはいけない設備が、「コンセント」の位置です。
快適な住宅とするためには、間取りや採光などに気を配る人は多いですが、コンセントの位置決めは何かと見落としがちな部分です。
新築物件に移った後に、不便を感じないようにするために、どのように考えていけばよいのか、使いやすいコンセントの位置について説明していきます。
コンセントの位置や数のポイント
コンセントの位置を決めるにあたって、下記のポイントを押さえておきましょう。
現在使っている電気製品をリストアップ
まずは新築の家でも使用する電化製品をリストアップしておきましょう。
それぞれの部屋の用途を決めておく
間取りを確認して、そこでだれがどんな生活をするか考えてみましょう。子供部屋にテレビは置くのか、パソコンは置くのか、など具体的なところまでしっかりと落とし込みましょう。
季節や未来の変化を考える
建築している季節のことばかり考えがちですが、春夏秋冬の生活を意識して考えましょう。
掃除のしやすさを考える
掃除機を使う際に、コンセントの位置が悪くて掃除できない場所が出てくる、ということもあります。掃除機を使うシーンを想像しながら、しっかりと考えましょう。
また、車内掃除をする方は、外壁にコンセントがあると便利です。
建て終わってからの増設は難しい
建て終わってから、「ここにコンセントがないと不便だった」、と思うことは多々ありますが、場所によってはコンセントを増設することが難しいです。
配線の場所にもよりますが、費用が何万円とかかってくる場合も多いですので、後悔しないためにもコンセントの位置を考えておくことが重要となります。
配置したら便利な場所と平均個数
キッチン
住宅のコンセントで最も重要な場所は、キッチンです。使用する家電の数や電気の容量を確認しておかなければ、使い勝手が悪く、ブレーカーが落ちることが多くなってしまいます。
台所で使うものの例としては、下記のものがあると思います。
- レンジ
- トースター
- 炊飯器
- 冷蔵庫
- IHクッキングヒーター用
- 食器洗い乾燥機用
これらの家電を使うことが一般的ですので、計3箇所程度はあると便利でしょう。
リビング
リビングでコンセントが必要となるところは、テレビ周りや電話、インターネットのモデムやルーター、携帯電話の充電やパソコン電源などの日常的に使用するものが多いです。
自分のリビングでの生活の仕方を想像しながら、コンセントの数を考えていきましょう。
- テレビの裏
- パソコン、電話、モデム、ルーター
- エアコン用
- 掃除機や携帯電話の充電、その他
これらを使う場合には、6箇所程度必要でしょう。リビングは、模様替えを比較的頻繁に行う場所でもありますので、多めにコンセントを設置していくと良いでしょう。
寝室
寝室は、ベットを置く位置が限られないように、コンセントを配置しておくことが大事です。
数は2畳に1箇所ほどあると良いでしょう。場所としては、部屋に入ってすぐのスイッチの下に1箇所あると掃除機などで使用できます。
部屋の奥に対面に1箇所ずつあることで、ベッドを置けば携帯電話の充電に使用したり、机を置くと電気スタンドやパソコンの電源に使用できます。
トイレ
狭い空間なため、ウォシュレット用に1箇所あれば良いでしょう。
脱衣所
洗面台と洗濯機で1箇所ずつは必要です。扇風機や電気ストーブを脱衣所に設置したい場合には、もう1箇所用意しておきましょう。
ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットは、将来書斎にする可能性もあります。電源を用意しておかないと、多様性がなくなってきます。1箇所程度あればよいでしょう。
階段下収納
最近では、充電な家電が数多くあり、携帯電話やお掃除ロボット、コードレス掃除機など、収納の中にもコンセントがあると重宝されます。
こちらも1箇所程度あればよいでしょう。
家の外
家の外にコンセントがあることで、車内掃除機や外の照明、日曜大工用などに活用することができます。
ここで必要な個数は、それぞれの人のライフスタイルによって大きく変わってきますので、しっかり検討しましょう。
コンセントの高さも考えよう
コンセントの高さも重要です。一般的には床から25cmと言われていますが、使う用途によっては高さを変えたほうがいい物もあります。
高さを検討すべきコンセントを用途別に解説します。
冷蔵庫
冷蔵庫のコンセントは普段は抜き差ししないため、トラッキング現象の予防のために、高い位置に設置することが望ましいです。
一般的には、床から170cm~180cmで、使用する冷蔵庫の高さを測ってから、検討するのが良いでしょう。
洗濯機
洗濯機で使うコンセントは漏電防止のため、洗濯機より高い位置に設置することが望ましいです。
一般的には110cm前後に設置することが多いですが、使用する洗濯機が決まっているなら、邪魔にならない高さを図っておきましょう。
廊下、階段
廊下、階段でのコンセントは、掃除機用や電飾の飾りなどで使用することが多いです。掃除機用として通常より高い位置に設置するのも良いでしょう。
エアコン
エアコン専用コンセントは床から185cm及び天井から50cmの位置が一般的ですが、エアコンの設置位置が決まっているなら、エアコンの上に設置するなどして、コンセントが目立たないようにすることも可能です。
多めに付けても困ることはない
コンセントの設置数については、多めにあって困ることはありません。使っていなければ、特段電気代がかかるわけでもないので、様々な場所にあるのは便利です。
ただし、子供がいる家庭の場合には、コンセントがありすぎると、危ないこともありますので、注意しましょう。
電気系統の注意点
電気系統には、様々な注意点があります。一つ一つ解説をしていきますので、確認していただければと思います。
ブレーカーの容量
ブレーカーの容量については、その家の設備によって変わってきます。オール電化住宅の場合には、60A契約で十分かと思います。
スイッチの位置
スイッチの位置も、快適な生活を送る上で、非常に大切な要素の1つです。部屋や廊下によって、取り付けるべき位置も変わってきます。
基本的には各部屋や廊下の出入口部分につけるのが一般的です。
インターホンの配置と数
インターホンの場所は、門がある家の場合には、門に置くのが一般的でしょう。ない場合には、扉の前となります。
また、モニターに関しては、やはり滞在時間の一番長いリビングに設置するのがベターです。
各照明の配置と数
照明は、生活をする上で、非常に重要です。気分が明るくなったり暗くなったりすることもありますので、しっかりと全体に光が行き渡るように設置しましょう。
セキュリティ対策関連
防犯カメラ
空き巣は、常に気にするところでもありますので、防犯カメラがあるということだけでも安心材料となります。予算があるのであれば、設置するに越したことはないでしょう。
センサー付きライト
玄関にセンサー付きライトをつけておくことで、夜に誰かが家の玄関に入ってきた、とわかる場合もありますし、空き巣を行う側からしても目立ってしまうので、敬遠します。
セコムなどのセキュリティ設置
いざというときに、最も頼りになります。こちらも予算次第となりますが、設置したほうが安心であることは間違いないでしょう。
電気図面で見るべきポイントと注意点
スイッチの打ち合わせをするときに、必ず出てくるのが電気図面です。
スイッチやコンセント、照明など電気工事が必要なものが載っている図面のことです。ここで注意すべき点を下記に説明していきます。
- スイッチが扉の影になっていないか
- スイッチの場所が中途半端で使いづらい場所にないか
- スイッチがきちんと連動しているか
- 家具を置く位置にスイッチが設置されていないか
このような点に注意して、チェックしていきましょう。コンセントの設置場所や電気周りは、生活をするうえで、地味なところではありますが、とても重要な要素です。
生活をする上で、ちょっとしたストレスが積もり積もって大きな負担となってきます。たかがコンセント、と思わずにしっかりと考えて配置を考えましょう。