注文住宅を建てるハウスメーカーの選び方と比較ポイント

注文住宅を建てるハウスメーカーの選び方と比較ポイント

注文住宅を建てる際に、非常に重要となるのが、ハウスメーカー選びとなります。ただし、初めて家を建てる方が大半であるため、何を基準に選んだら良いかわからない、というのが現状だと思います。

そこで、今回はハウスメーカーの選び方や注意点、最後にハウスメーカーの特徴を解説します。

ハウスメーカーの選び方と注意点

ハウスメーカー選びの基準を決めるためにも、その選び方や注意点をしっかりと把握する必要があります。

一つ一つ解説を進めるので、じっくりと理解していただければと思います。

ハウスメーカーを決めるまでの期間

家を建てるのは、一生に一回という方がほとんどです。それなりに覚悟を決めて建てられるのですが、意外な盲点はハウスメーカーを選ぶまでの期間です。家を建てるというのは、あれこれ悩むことが多いですが、ハウスメーカーを決めるのは時間をかけずに決めてしまう方が多いです。

実際問題、住宅構造やデザイン、建築工法もハウスメーカー毎に特徴があります。そのため、それぞれのハウスメーカーに得意不得意があります。

とりあえずハウスメーカーを決めてしまうのは考え物です。よくあるのは、ハウスメーカーの営業マンのセールストークにはまってしまい、毎週土日にそれぞれのハウスメーカーの営業マンが自宅に訪れ、多くの時間を営業マンとの対応に割かれることになり、疲れ切ってしまうケースです。

こういうケースでは、ほとんど頭が働かなくなり、ハウスメーカーの営業マンの言いなりになってしまいます。

理想的には、ハウスメーカーを決めるまでに、半年から1年程度の余裕を見ておくと良いです。それぐらいの時間があれば、毎週営業マンと打ち合わせる必要もないので、余裕をもって望めます。

自分の建てたい家のイメージを固める

自分が作りたい家のイメージを固めながら、各注文住宅メーカーがどんな工法、どのようなデザインの家を造っているのかつかんでおくことが大事です。

そのために、様々な施工事例をインターネットや雑誌、資料請求をしながら情報収集し、自分たちのこだわりを実現してくれそうなハウスメーカーはどこなのか、また家づくりを行う上での重要なポイントは何か、というような知識を幅広く収集すると良いです。

住宅展示場や見学会に参加する

住宅展示場や見学会に参加することで、そのハウスメーカーの家の特徴などをその場でいろいろ聞くことができます。

ただし、住宅展示場でも注意することが必要です。営業マンがとても積極的にセールスしてくるため、気を抜くとすぐに時間が経ってしまい、数件しか回れなかったということも多々あります。

ハウスメーカーによって得意不得意が異なる

家族全体で家づくりの要望がまとまり、家づくりのスケジュールを考え始めたとき、ここで目的別にどんなハウスメーカーと相談すればよいか目安を挙げます。

ハウスメーカーにはそれぞれ特徴があるので、下記に項目別に解説します。

断熱性能の高い家を建てたい

最近の省エネブームで、どのハウスメーカーも高気密、高断熱性能を謳っています。しかし、カタログやモデルハウスの性能と実際に新築した時の住宅は違います。

特に新しい工法の場合は施工する工務店がその技術を習熟しておらず、その性能を実現できない場合があります。高気密、高断熱住宅はツーバイフォー住宅や輸入住宅の方が実績はあります。

シックハウス対策を重視したい

建築基準法の改正で、どのハウスメーカーもシックハウス対策には力を入れています。現在、新築住宅では24時間強制換気システムの導入を義務として課されており、シックハウスになることはないのではと思う方も多いですが、それでも問題のある住宅が出ています。

原因は、建材にはシックハウスの原因となる化学物質は少なくなりましたが、システムキッチンや化粧台など箱モノには規制の及ばないものがあり、それが原因で発症してしまうケースがあります。

また、強制換気システムも施工によっては、最低限必要な換気量を確保できていないこともあり、それも原因となります。

新築住宅の竣工時には、室内空気の測定を実施することで、強制換気システムの性能を把握し、シックハウスを予防することができます。空気に含まれる化学物質の量が厚生労働省の基準を満たしているか調べてみましょう。

なるべく価格を抑えたい

ローコスト住宅を謳っているハウスメーカーはいくつかあります。例えば、エスバイエルの「すまい21やセキスイハウスの「ツーユーホーム」も場合によっては安くなることがあります。

フランチャイズ方式では、ユニバーサルホーム、アイフルホーム、も比較的安く、輸入住宅の中ではセルコホームにもローコスト住宅があります。ただ、これらの住宅がローコストなのは規格型住宅を造る場合であり、きめ細かな仕様変更を要望すると決してローコストではなくなります。

ローコスト住宅を謳っている業者に注意

建築費というものは、材料費・人件費・諸経費で成り立っています。このうちの人件費、諸経費にお金をかけているのが大手ハウスメーカーです。営業マン、モデルハウス、広告宣伝費などは、すべて依頼主の建てる家のコストに加算されてきます。

ローコスト住宅と謳っていても、オプション料金を追加されることや、外構工事費を別に徴収される可能性もあります。もしくは、そういった追加料金がかからない場合は、依頼主には見えていない「材料費」でコスト削減されている可能性もあるので、しっかりと見積書を確認する必要があります。

色々なハウスメーカーを見ることが大事

自分に合ったハウスメーカーを選ぶためには、様々なハウスメーカーの情報を収集することが大事です。最初に見たハウスメーカーが合っている、と思っても一度他のハウスメーカーについても調べてから選ぶべきです。

多くの選択肢を持つことで、比較することもできるので、すぐに決めてしまうのは避けるのが無難です。ただし、多くのハウスメーカーを比較しすぎて、労力をかけすぎるのも良くないので、バランスが大事になります。

人気ハウスメーカー一覧

ハウスメーカーを選ぶ上で、考えるべきところを解説したところで、ここからは具体的にどんなハウスメーカーが人気があるのか、またその特徴を説明します。

それぞれのハウスメーカーに特徴がありますので、一つ一つ確認して、自分に合ったハウスメーカーを絞っていきましょう。

積水ハウス

注文住宅の受注数で最大手のハウスメーカー。坪単価50万円台~80万円台の商品を幅広くそろえて全国展開しています。鉄骨と木造の両方を建てられます。

戸建て住宅では2014年度に13,000戸以上を販売しています。特に高級注文住宅に強いのはもちろん、分譲戸建て住宅、分譲マンション、賃貸住宅といったあらゆる住宅の供給に秀でているのも特徴です。

積水ハウスの公式サイトはこちら

積水化学工業(セキスイハイム)

家を建てるのに必要なパーツをあらかじめ工場で作っておき、それを現場に運んで現場で組み立てるというユニット工法を採用しているハウスメーカー。プレハブ住宅の利点である、「住宅ごとの制度のばらつきがない」、「工期が短い」という点をメーカーの大きな特徴として挙げています。

設備としては独自の空調システム「快適エアリー」が特徴的で、部屋ごとの温度差を小さくするだけでなく、除湿や加湿昨日にも期待できます。

セキスイハイムの公式サイトはこちら

ミサワホーム

ミサワホームといえば、「蔵のある家」が有名です。天井高が1.4m未満の場合、床面積に算入しないことが建築基準法で定められており、それをうまく活用して大収納のある家を建てることができます。主には、木質パネル接着工法という独自の技術を中心としたプレハブの住宅を中心に年間約1万棟を販売しています。

倒産の危機などを何度か乗り越えている会社のため、倒産を心配されている方もいますが、その耐震性やデザイン力で人気のハウスメーカーです。

ミサワホームの公式サイトはこちら

坪単価が安いメーカー

上記のような人気の大手メーカーのほかに、それぞれの特徴をもったメーカーは数多くあります。まずは坪単価が安いとされているメーカーを紹介します。

タマホームの坪単価と特徴

坪単価

30万円~50万円程度

特徴

タマホームが安い理由としては、オリジナル仕様のものがなく、一般部材の大量仕入れを行っていること、工期短縮や低工賃による人件費の削減の2点の理由となります。

ただし、人件費の削減により、坪単価を安く抑えていますが、それはクレームになりやすい理由にもなっています。良い営業マンと現場監督、工務担当であれば、安くてもちゃんとした家になります。

しかし、それなりの仕事をしてくれる下請けの工務店は、大体大手が抑えていたり、または地元の小さなハウスメーカーとして建てています。多少手抜きがあったからといって、必ずしも重大な不具合が出るかもわかりませんので、当たり外れがあると思っていただければと思います。

タマホームの公式サイトはこちら

アイダ設計の坪単価と特徴

坪単価

30万円~40万円程度

特徴

「555万円の家」というキャッチコピーを耳にしたことがある人も多いと思います。
「555万円の家」に代表されるような、超ローコスト住宅を提供しているのが、アイダ設計というハウスメーカーです。

基本的に在来工法の住宅を提供しています。アイダ設計については、木造軸組工法、土地探しからの住まいづくり、ということも謳ってはいますが、他社との比較において、一番といえるのはその低価格です。
自社施工、自社プレカット工場など中間マージンを発生させない徹底したコスト削減ということころが一番の売りです。

ただし、こういった坪単価というのは、最初の見積もりで出てくる数字を基準とするか、実際にそのあとにかかってくる工事なども含めるかによって、大分違いがあるということも注意が必要です。

また、最低価格帯のもの以外でも、耐震・防犯も兼ね備えた住宅、長期優良住宅仕様の住宅、高気密・高断熱仕様の住宅の4タイプから選べるプランなどより充実した内容の家まで幅広い家造りに定評がありますので、それによっても価格は違ってきます。

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坪単価が平均的なメーカー

次に、平均的な価格帯のメーカーになります。

一条工務店の坪単価と特徴

坪単価

50万円~70万円程度

特徴

一条工務店の特徴は、「免震」をはじめ、「高気密高断熱」や「加圧注入による防蟻処理」などを他社に先駆けて開発し、一条工務店の商品を海外の関係工場で製造することで大手ハウスメーカーの平均単価程度の価格を実現しています。

一条工務店では、ハウスメーカーとしては珍しく、「一条工務店専用の商品開発や製造を行う関係工場」を持っており、キッチンやお風呂などの住宅設備まで制作しているようです。その種類はかなり多く、一般市場に流れているものはほとんど使っていないぐらいのようです。

一条工務店の公式サイトはこちら

イシンホームの坪単価と特徴

坪単価

45万円~60万円程度

特徴

イシンホームは、ECO-I工法という独自の工法を開発しています。この工法は、耐震性や耐久性、断熱・気密性などを高めるための工法で、住宅の各部で様々な仕掛けがされています。

イシンホームの特徴は、このECO-I工法など、こだわりをとことん研究して実験して商品化しているところだと思います。

コストを抑えることも確かに企業努力ですが、本当にいいものを提供するための研究と実験をすることも評価できる点です。研究開発費も住宅の価格に反映されますので、販売棟数が少ないメーカーがするとそれなりの価格が上乗せされますが、そこは選択する人の考えでしょう。

イシンホームの公式サイトはこちら

坪単価が高いメーカー

最後に富裕層向けの高価格帯のメーカーを紹介します。

スウェーデンハウスの坪単価と特徴

坪単価

65万円~100万円程度

特徴

スウェーデンハウスの大きな特徴としては、北欧の寒い地域で培われた技術を日本にいち早く取り入れたハウスメーカーです。

北海道からスタートした会社のため、高気密高断熱を非常に重要視した造りとなっています。寒い地域だからこそ培われたスウェーデンハウスの優れた技術が日本にどこまで受け入れられるかは興味深いところです。スウェーデンハウスは、特に窓の性能にこだわっており、木製の窓を使用しています。

引き渡しの際には、そのメンテナンス用のキットが渡されるそうですが、性能と引き換えにやはりメンテナンスが必要となります。断熱性能をとにかく高くしたいという方にとっては、メンテナンスも苦にならないかもしれませんが、メンテナンスフリーも考慮したいといった方は、あまりお勧めできません。

スウェーデンハウスの公式サイトはこちら

三井ホーム

坪単価

55万円~100万円程度

特徴

三井ホームは自社の社員ではなく、外部の「デザインを主に扱う建築家」や「インテリアコーディネーター」に委託し、三井ホームの家を設計しています。これは、デザインの良さを大きくアピールして、三井ホームのファンを増やすために一つの戦略だと思います。

また、高所得者にはとても評判がよく、坪100万円を超えるような家も多く建てられています。このことが、ハウスメーカーの中で最も高い平均坪単価につながっているのだと思います。

三井ホームの公式サイトはこちら

まとめ

ハウスメーカー選びは、家を建てる第一歩となります。この段階で、信頼のおけるハウスメーカーを選ぶことで、今後の家づくりの大きな部分を占めてきます。

自分の営業成績のみを考える営業マンやとりあえず家を造ろうという作業員になってしまうと、自分の望む家を建てることから遠ざかってしまいます。

近道をするためにも、ハウスメーカー選びに妥協することなく、決めることが非常に大切になります。


目次一覧

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