注文住宅や建売住宅で夢のマイホームを手に入れる、人生で一番大きなお買い物になるので、数パーセントの値引きが非常に大きな金額となってきます。
しかし、家を買うのに値引きなんてできるのだろうか、そう考えていらっしゃる方々のために、この記事が少しでもお役に立てればと思います。
注文住宅の値引き交渉について
値引き交渉はおすすめできない
やる気がなくなる
注文住宅の建築を成功させるために、とても大事なのが業者との信頼関係の構築です。
注文住宅の建築は様々な人たちとの関わりが必要な共同作業となります。それぞれの人に役割があり、一人一人が仕事として頑張って完成まで進めていきます。
そのため、良い家を完成させるためには、その工事に関わる人々との信頼関係がないとかなり険しい道となります。住宅会社にどんな家にしたいのかを伝える前に値引き交渉に力を入れてしまうと、業者側としてもいい印象を持ちません。
業者のモチベーションが保たれて初めていい家になると思いますので、業者やその下請けの工事会社としっかりと信頼関係が築けていないと、実際に作業をする業者さんたちのやる気も出ません。
業者の方々も仕事とはいえ、一人の人間ですので、好き嫌いなどだけでもちょっとした部分で作業に雑なところが出てしまうこともあるかもしれません。
たとえ値引き交渉によりとても安く工事ができたとしても、家づくりにかかわる人たちとの信頼関係が崩れて雑な仕事となってしまっては、結果的にいい家にできず損をしてしまうこともあります。
しっかりした家が完成しない
モノには適正価格というものあり、その品質を実現するために必要な価格はある程度決まっています。
注文住宅はオーダーメイドなので、適正価格がいくらなのかは家によって異なりますが、おおよその適正価格はあります。
注文住宅の価格については、客としては安ければ安いほどお得にはなりますが、適正価格としては業者が適正な利益を乗せた上での価格である必要があります。
そのため、もし値引きが実現したとしても、それが過度なものである場合、業者サイドとしては適正な利益を確保するために、当初見積もりで見込んでいた材料費や労務費を削減して調整します。
少額の値引きならば、値引きした分をそのまま利益から少し削る場合もありますが、工務店などは売上に対する粗利率が15%前後と低いため、利益から高額(100万円単位)の値引きをすることは難しいと思います。
このような理由があるため、もし大幅な値引きができたとしても、業者の利益は削らずに材料費や労務費で調整することになり、家の完成度に影響を与え、家自体の品質を低下させてしまうことにもなるため、値引きの際は注意が必要です。
建売住宅の値引き交渉について
建売住宅なら値引き交渉できる
建売住宅とは、文字通り建ててから売る住宅のことです。市場動向を見てきっと売れると判断し建てるのですが、必ず売れるということはありません。
いつ売れるか分からないものをリスクを抱えて立てていることもあるので、注文住宅に比べて値引き交渉はしやすいと考えるのが普通だと思います。
建売住宅の場合、この売れないリスクを軽減するために、家そのものがローコスト仕様となっているケースが多いので、しっかりと家の造りを確認しておくことが必要です。
値引き交渉をする際には、必ずその住宅の築年数を確認しておきましょう。建売住宅の場合、その家に誰も住まずに喚起をしなければ傷むのも早くなります。
また、建築してから1年経過すると「未入居の中古物件」という扱いになります。
つまり、新築とは呼べなくなっています。新築でないことのリスクは買い手が取らなくてはなりませんので、「瑕疵担保責任保険」の適用外となってしまいます。
値引き交渉のタイミング
販売開始すぐは値引きできない
当然のことかもしれませんが、販売開始すぐの場合には、まだ建物が新しくその物件がまだまだ売れる可能性があると、営業マンも考えています。
いってみれば、まだまだ期待できる住宅だと思っているので、値引き交渉は難しくなるでしょう。
完成間近でも値引きできる可能性あり
ハウスメーカーの営業マンはこの時期も営業活動をしています。
完成する前から、買い手がついていることで、この物件が優良物件であることを説明できるので、大幅ではありませんが値引きできる可能性はあります。
完成後すぐは狙い目
最近の分譲住宅は完成前に完売することを目標に各社販売合戦を繰り広げています。
モデルハウスでのイベントなどで盛り上がっているうちに、完売させてしまうことが、営業マン達の成果となるのです。そのため、とても焦って販売をしているので、値引きの交渉がしやすいです。
もうすぐ築1年なら20%の値引きも
建築完成後6ヵ月以上売れ残る物件は換金処分の為に10%程度の値引きの可能性が出てきます。
あくまで売れ残りの処分ということで決済します。
さらに、築1年が近づいてくると20%程度の値引きをする建売住宅もあるので、狙い目になります。
ただし、それだけ売れ残っているということは何か問題があるかもしれませんので、しっかりと確認をしておきましょう。
値引き交渉の注意点
値引き交渉は必ず契約前に
値引き交渉をする際には、購入の意思があることをしっかりと示す必要があります。
冷やかしで来た客の対応に時間を取られるのは、営業マンにとっても時間の無駄となるので、きちんと取り合ってもらえないです。
そのためにも、値切る気があることを契約前までなるべく出さないようにしましょう。
できるだけお金の話を控え、契約直前になって、予算との折り合いがつかないことを伝え、値引き交渉に入りましょう。
値引き交渉は直接会ってしよう
このような交渉ごとは、どんな場面でもそうですが、直接会ってお話をしたほうが真剣さも伝わります。
また、電話ですと一度保留にされるとハウスメーカー側でどのような話し合いが行われているかもわかりませんので、直接会って交渉しましょう。
値引きできなかったら
仮に値引きができなかった場合には、家具や家電などを初期設備としてつけてもらえるオプション等をつけてもらうことで、トータルのコストを抑えることも良いでしょう。
また、新しい建売住宅が出てくるタイミングや築年数が1年に近づいたタイミングで再度検討するなど、先延ばしにすることも良いでしょう。
値引き交渉をすることで、安く住宅を購入することができ、その分他のことにお金を使うことができます。
ただし、必要な部分まで削ってしまうことや、結果的に悪い家に住んでしまうことがないよう、最大限注意して目的を持った交渉を行いましょう。