夢のマイホームを建てる、そのために住宅展示場を回り、理想の家を思い浮かべながら、様々な不動産会社に話を聞いて不動産会社を選びます。
そして、建てるために必要なお金をどのように捻出するか、住宅ローンを借りるにはどの金融機関がよいのか、様々な選択を行い、とても苦労をしてようやく着工します。
ただし、そこまでで安心してはいけません。着工してからは基本的には不動産会社任せとなりますがそんな中でもより理想の家に近づけるためにできることがまだあります。それは、職人さん達が作業をしている現場を見に行くことです。
見に行っても自分が作業できるわけではないし、見に行く必要はあるのだろうか、と思う方が多いかと思いますが、見に行くことで良いこともあります。
ここでは、そんな建築現場を見に行くメリットや、作法をご紹介いたします。ワンランク上の家にするために、参考にして下さい。
建築現場を見に行くメリットと注意点
建築現場を見に行くこと、一見意味のないことに思えるかもしれませんが、そこには人と人とのつながりにより生まれる様々なメリットがあります。
大工(職人)と仲良くなる
ふらっと建築現場へ行き、大工さんにご挨拶や日頃作業をしていただいている御礼をすると大工さんは、「礼儀正しくて、よいお客さんだな」と思ってくれることが多いでしょう。
建築現場に顔をだして、挨拶をする方は多くないので、その他の人と比べて良く思われます。そうすることで、「この人のために、この家をしっかり建てよう」と思ってもらえることでしょう。
大工さんも人間ですから、時には作業が少し雑になってしまうこともあるかと思いますので、その時にお客さん(あなた)の顔を思い浮かべてもらい、「いやいや、雑な作業をしては申し訳ないな」と思ってもらうことは非常に大事なことです。
ここからは、さらに一歩踏み込んで大工さん達に頑張っていただくために、差し入れについてご説明します。
差し入れは必要なのか?
先ほどご説明した通り、大工さんと仲良くなることで、よりよい仕事をしようと頑張っていただけます。ご挨拶するだけでなく、差し入れも持っていくとさらに効果があるでしょう。
どのようなものを差し入れとして持っていくと喜ばれるのか、例として下記に記載しますので、ご覧ください。
差し入れに持っていくと良い物
- ビール
- お菓子
- 缶コーヒーやお茶
上記のような差し入れを持っていくと無難です。
大工(職人)に要望を伝えられる
また、建築現場へ行くことで得られるメリットとしては、その場で物を見て直接要望を伝えられることです。
実際に目で見ないと大きさや広さがわからないこともありますので、気になったところはその場で大工さんに聞いてみたり、要望を伝えてみたりすると理想の家に近づけることができるでしょう。
大工さんとしても、直接お客さんから聞いたほうが理解もスムーズで作業に反映しやすいので、双方にとってメリットがあります。
着工後でも間取りや設備の修正や変更ができる
多くの方は、着工してしまったら、あとは間取りの変更や設備の修正はできないのでは、と思っているかと思いますが、着工後の仕様変更は日常茶飯事です。
むしろ、建築中に伝えておかないと、出来上がってしまってはどうしようもありません。居住前の最終確認だと思って、建築現場で実際に住むことを想像しながら問題がないか、随時確認をしておくことが大事です。
いざ住み始めてから、ああすれば良かった、こうすれば良かったと後悔しないために、チェックの意味も兼ねて、建築現場へ行くと良いでしょう。
工期や費用が追加されるので注意
ただし、修正が発生した場合には、修正の大小にもよりますが、基本的には追加で費用が発生したり、工期が伸びます。
理想と現実のバランスを考えて、決定する必要があります。また、大幅な間取りの変更の場合、建築確認申請(行政へどのような家を建てるか申請するもの)をやり直す場合もあるのでしっかり確認しておきましょう。
建築現場に行く時に持っていくと良いもの
ご参考までに、建築現場に行く時に持っていくと良いものをご紹介します。現場に行って怪我をしないように、注意しましょう。
スリッパ(上履き用)
建築中の家ですので、足を保護する必要があります。
手袋
現場にはいろいろな材料がおいているので、現場チェックの際にモノを動かし怪我をしないよう持っていく必要があります。
デジカメなどカメラ機能のある機器
現場に行って見たものをしっかり記録に残し、帰ってからでも確認できるようにしておきましょう。
メジャー
図面と現場を見比べ、気になるところがあれば寸法を測り、変更を希望する場合には速やかに現場監督に相談しましょう。
図面
現場と見比べるために持っていきましょう。
マスク
建築現場は埃っぽいので、マスクで口を保護しましょう。
建築現場で見るべきポイント
これまで説明をしました通り、建築現場へ足を運び、実際に目で見て修正箇所がないか確認する必要があることはご理解できたと思います。
ここからは、具体的にどの部分に注意して確認をすると良いか、説明します。
間取りの確認
こちらは間違っていたら、大問題です。設計書と配置が違っていたり、明らかに大きさが違っていたなど、そんな間違いしないだろう、と楽観的に確認せず、しっかり確認しておきましょう。
また、正しく建築されていても、本当にこの間取りでよいか、念のためもう一度生活をイメージして確認をしましょう。
窓の高さや大きさ
窓が当初予定していた位置よりも低い位置に設置されていたり、大きさが違うこともありますので、確認しましょう。
また、実際に見てみると部屋の広さに対して窓が大きかったり、小さかったり感じることもあるかと思いますので、確認が必要です。
床や壁
床や壁の色、工事中に傷が入ってしまっていないかなど、細かいところに注意する必要があります。
棚や収納の増設
収納部分は足りているか、実際に見ると意外と小さく、物が入らなかった、とならないように確認しておきましょう。
ドアの向きと扉の変更
ドアを開いたときに不都合がないか確認しておきましょう。細かいところですが、毎日使うので、小さなストレスの積み重ねが大きな負担となります。
各照明の配置
照明の位置が悪く、部屋全体が明るくならないこともありますので、こちらも確認が必要です。
各業者の技術と仕上がりを確認する
大工さんの技術を見る上で重要なのが、「巾木(はばき)」という壁と床の交わる箇所についている部材です。
交わる箇所に隙間が空いてるのは、腕の悪い大工の要素の一つとなります。
この大工さん大丈夫かな、と思ったら、担当者に連絡を入れ、一度相談をするのが良いでしょう。
新築は、不動産会社や銀行との契約が終わったらあとはお任せ、という心持ちではなく、出来上がるまでしっかり見ておくことで希望のマイホームに近づくと思います。
実物を見なければわからないことが多いこと、大工さんとの良好な関係を築くために、是非建築現場に足を運んでみてください。