夢のマイホームを建てる、住宅展示場を回り、様々な不動産会社に話を聞き、不動産会社を選びます。
一生に一度の高価なお買い物になりますので、とても慎重に苦労しながら選択し、住宅ローンをどの金融機関で申し込むか検討します。そしてようやく着工となり、一安心。
ただし、ここで気を緩めすぎてはいけません。理想のマイホームとするために力を入れるべきことがまだあります。
着工してから全て不動産会社任せになってしまい、実際に家が出来上がって見に行くと、「思っていたのと違う」「ここの窓が小さい」など、様々な理想との乖離が見えてくるでしょう。そこの乖離を無くすためにも、大事にしていただきたいイベントが、「内覧会」になります。
「内覧会」とは、売主とか買主が、一緒に家の中を見て回って、物件に不備がないか、あるいはどんな不備があるかを確認することです。ここで言う「不備」には様々なものがあります。とはいえ、素人の私たちが内覧会でどこを見ればよいのか、なかなかわかりません。
この記事では、そんな方々のために、内覧会でのチェックポイントや注意点をご紹介します。
内覧会でのチェックポイント
家が建ち、いざ内覧会へ。何も準備をせずに行くと、なんとなく中身を見るだけで、確認すべきところを確認できず、直すべき箇所を直さずに入居することとなってしまいます。
下記の確認すべき点をしっかり把握して、万全の状態で内覧会に臨みましょう。
図面通りに仕上がってるのか?
契約時にもらった間取り図を持参し、契約時の設計図通りの間取りとなっているか確認する必要があります。扉の開く向きや、コンセントの位置、扉や窓の立て付け等確認をしましょう。
内装に傷がないかチェック
柱やフローリングなど、傷がないか確認して下さい。傷が初めからついてしまっているケースは散見されますので、この段階できちんと確認をして、不動産会社に伝えることが重要です。曖昧にせずしっかりと確認してもらいましょう。
室内の寸法を測っておく
完成した物件を始めて見る場でもあるので、この段階で室内の寸法を測ってしまって、住み始める際の家具の配置の参考にするのもよいでしょう。
また、間取り図と見比べて、建築上のミスがないかも併せて確認をしておきましょう。
内覧会で必要なもの
しっかりと内覧会の準備をして、一度で多くの情報を持ち帰り、問題がないか確認しましょう。
下記に必要なものを記載します。
内覧会に持っていくべき5つの物
デジタルカメラやスマートフォン等の写真機能の付いた機器
住宅の様子をしっかり記録に残し、帰宅後に確認できるように写真を撮りましょう。
メジャー
間取り図通りとなっているかや、家具の配置を決めるために役立ちます。
ビー玉
家が水平であるかを確認するために使います。室内の中央にビー玉を置き、自然に転がり始める住宅は危険とされます。目で見えない部分に気づかせてくれる道具になりますので、持っていきましょう。
水平器
ホームセンターなどで購入できます。水平器を使用することで、サッシや建具などの立て付けを確認し、家の歪みをチェックします。
懐中電灯
収納や床下などの、暗い場所を確認するために使用します。また、内覧会が遅い時間の場合、こちらは必須となります。
場所別のチェックポイント
外観
内装だけでなく、外観もしっかりチェックしておきましょう。
- 電気メーター・ガスメーター・給湯器などを固定するための金物などがしっかりと固定されているか
- 外壁とサッシに隙間がないか
- 基礎周りにひび割れはないか
- 外構工事に終わっていないところがないか
- 土地の境界が明らかに示されているか
- 隣の土地の所有者と共有になっているものがあるか
なお、この際に隣接している住民の方々にも立ち会いをお願いしておくと、境界線や越境などの認識について事前に確認ができるため、引き渡し後に思わぬトラブルが発生することを未然に防ぐことができます。
また、外壁などのチェックは素人には難しいため、建築士やホームインスペクターなどの専門家に依頼して同行してもらうと、安心でしょう。
室内
室内は特にチェックする箇所が多いので、しっかり確認しましょう。
- 契約時の図面と相違ないか
- ドアの開く方向に問題がないか
- 収納や壁や窓の大きさや位置が間違っていないか
- 床や階段は水平になっているか、きしみはないか、変な音がしないか
- 床と壁は垂直になっているか
- 壁のクロスに汚れや目立つつなぎ目はないか
- ドアや窓、収納扉などの開閉でつっかえることはないか
- 床下内部にごみが散らかっているなど、おかしいところはないか
- コンセントがきちんと使えるか
水回り
キッチンや洗面所、トイレ、浴室の水がきちんと出て、きちんと流れるか。
内覧会後の注意点
引き渡し後に指摘
引き渡し後であっても対応してもらえることが多いです。ただし、傷や汚れは入居後についたものかどうか判断できないので、内覧会のときに指摘しておくのが無難です。
内覧会の後でも対応してもらえるなら、「内覧会は適当でいい」とするのはやめておいたほうがよいでしょう。会社や担当者にもよりますが、引き渡し後の買主による指摘は、積極的に対応しない会社が少なくありません。
お金をもらってしまえば、あとは相手にしない、という会社もあるということを認識しておくべきでしょう。入居後に、定期点検を行うハウスメーカーも多いので、その際には内覧会の際に問題がなかったものの、後々生じた不具合を指摘することもできます。
残金決済の準備
引き渡し日の当日には、すでに支払い済みの手付金や中間金以外の残代金を売主に支払う必要があります。
住宅ローンを利用している場合には、決済日に借入金が振り込まれるように調整しておく必要があります。
ちなみに、借入金が振り込まれることを「ローン実行」といい、金融機関から買主の口座を経由して、売主の口座に振り込まれるのが一般的です。仲介手数料や司法書士への登記費用などの諸費用も必要となりますので、最終確認を行いましょう。
引っ越し会社の手配
ファミリーの引っ越しは、訪問見積もりが必要なケースがあるため、決済日が決まり次第、すぐに見積もりを手配しましょう。
最近では複数の引っ越し会社に一括で見積もりを依頼できるサイトもありますので、活用するのも良いでしょう。
ご近所さんへのご挨拶
近隣への挨拶まわりは、引っ越しの後にする人が大半ですが、引っ越しの当日にトラックの駐車などでご迷惑をかけることとなります。
できれば引っ越し日が決まった段階でご近所さんへご挨拶をしておくと良いでしょう。
内覧会が終われば、残すは引き渡しと入居です。焦る気持ちもあるかと思いますが、内覧会をおろそかにしないことは非常に重要です。
新居への入居の最終確認と思い、最大限注意を払ってチェックすることが、今後何十年も続くマイホーム生活をよりよいものにするはずです。