2016年4月から、やっと電力の自由化が本格的にスタートします。なんだ4月からの話か!と思われたかもしれませんが、決してそうではありません。電力の自由化は2016年1月1日より既に始まっています。
というのも、今回の電力の自由化というのは、基本的に事前予約申込制になっています。その予約申込を開始している企業がすでに現れており、現に東京電力でも1月8日に新プランの発表をし、事前予約をスタートさせています。
ですので、「4月からスタートなんでしょ?」と悠長にかまえていると、いざ契約したい電力販売業者をみつけても、すでに申込を終了しているなんてこともあり得るので、電力会社の変更を検討しているのであれば、今からどの電力会社にするか選んでおかなければなりません。
そこで今回は、電力自由化の基礎的な解説をしていきますので、ぜひ参考にしてください。
電力の自由化とは?
これまで家庭用電力というのは、基本的に各地域の電力会社(東京電力・関西電力・九州電力など)と契約をして電力の供給を受けていました。しかし、今回電力販売が自由化されることで、必ずしもこのような電力会社から電気を買う必要がなくなります。
新たに電力の販売事業に参加を表明している企業は、2016年1月10日現在で119社もあり、その中から自分たちのライフプランに合う販売業者と直接契約することができるようになります。
例えば、携帯電話で有名なドコモやau、ソフトバンクなども電力販売事業に参加を表明しています。こうしたドコモやauと電力契約をすると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
メリットはズバリ、電気料金の値下げです。ドコモの場合、予想では現在ドコモの携帯電話を契約している人であれば、携帯電話と電気料金のセットプランなどを利用することができるようになり、電気料金も携帯電話料金も割引が受けられるようになることが考えられます。
そのほかコンビニチェーンのローソンなども電力事業に参加しますので、ローソンのPontaカードを持っていれば、買い物するたびにポイントが溜まっていましたが、ローソンと電力契約することで、電気料金に対してもポイントが溜まるようになるはずです。
ただし、100社以上の企業が一斉に販売合戦を繰り広げることで、消費者側にしてみれば、料金体系やサービスが複雑化していくことが懸念されています。例えば携帯電話の料金プランなどが良い例ですよね。大手携帯電話3社で顧客獲得合戦を繰り広げるあまり、料金プランが複雑化しすぎて、完全に消費者はおいてきぼり状態となっています。
今のところ、携帯電話のように「何年縛り」という契約にはならないようです。月単位で契約先を変更できるのは良いことですので、良い販売業者がみつかれば今のうちにどんどん乗り換えて行くのも良いでしょう。
電力の自由化はマンションにも関係あるのか?
さて今回の電力自由化ですが、マンション住まいや賃貸アパート住まいの場合はどうなるのか気になりませんか?結論から言うと、分譲マンションでも賃貸アパートでも、電力会社を自由に選んで契約することは可能です。ただし、少しだけ例外もあります。
それはすでにマンションの管理組合などがマンション全体で電力契約を行っている場合です。実は今回の電力自由化は、あくまでも個人消費者を対象にスタートする制度であり、大規模マンションや工場などの電力自由化というのは、一足先に開始されているのです。
ですので、すでにマンション全体の電力契約を結んでいる可能性があり、その場合は、管理組合の許可なしでは自由に電力会社を変更することはできません。あなたが住んでいるマンションの電力契約がどうなっているのか?というのは、管理組合や管理会社に問い合わせないと知ることができないので、電力会社の変更を検討しているのであれば、早い段階で確認しておくようにしましょう。
それともう1つ、賃貸物件の場合は大家さんの許可が必要になるのか?という問題ですが、基本的に電力会社との契約に大家さんは関係ありません。アパートなどに設置されている電気メーターを変更することになるのですが、これは元々電力会社のリース品ですので、大家さんの私物ではありません。
つまり、大家さんに一言断りを入れておくのが望ましいが、必ずしも大家さんの許可が必要という訳ではないということです。
電力会社の変更は思っているよりも簡単
電力の自由化にも興味あるし、電力会社の変更も視野にいれているけど、手続が面倒なんじゃないの?と思われている方が意外に多いようですが、実は電力会社の変更はビックリするほど簡単に手続ができてしまいます。
ステップ1:契約したい電力会社を決定する
まずは契約したい電力会社を決めてください。料金プランやサービスなどを各社比較しながら、どの企業と契約したいか考えて行くのが良いでしょう。1月現在各社ともに料金プランをどんどん発表していますので、各社の料金プランなどを比較しているサイトなども次々誕生しています。
契約したい電力会社が決まったら、その企業の受付窓口に電話をして契約したい旨を伝えます。このとき、今まで契約していた電力会社の指針票(請求書)が必要なので、手元に1ヶ月分でいいので準備しておくとスムーズに契約できます。
ステップ2:電気メーターの取りつけ
契約が済むと、電力会社から電気メーターの取り付けに来てくれます。既に使っている電気メーターが新しい物であれば、交換する必要はありませんが、古い電気メーターの場合は、デジタル式のメーターに交換が必要となります。ただし交換の際に費用を請求されることはなく、基本的に電力会社が無償で取りつけしてくれます。
手続は基本的にたったこれだけです。あとは引き落としなどの書類が郵送で送られてくるので、それに記入をして返信するだけで済んでしまいます。ネット環境があれば、電力会社のWEBサイトからでも申込の手続ができてしまいます。
これらの手続が終われば、4月度から新電力会社との契約がスタートしますので、何も面倒な手続は必要ありません。