消費増税や住宅ローンの低金利が背中を押し、マイホームを具体的に考え始める方が増えています。テレビをつけると、マイホームの夢がさらに膨らむようなCMがたくさん流れていますね。
たくさんのメーカーが様々なCMを流していますが、マイホームの夢は一体どのメーカーに託せばいいのでしょうか。大満足な家づくりができるメーカー選びのコツを紹介します。
コツ1. まずは購入予算を決めよう
一生で一番高い買い物だからこそ、しっかりと資金計画を立てなければなりません。ご自身の予算に合うメーカーを選ぶことが、失敗しない家づくりへの第一歩です。
一般的な予算の決め方は「自己資金+住宅ローン」です。ここで注意しなければならないのが、頭金以外に初期費用も発生するということです。
住宅購入の際には、土地・建物以外に諸経費がかかり、基本的には現金で用意しなければなりません。そのため、住宅購入の際の自己資金とは、頭金と諸経費を合わせた金額となります。
諸経費とは
契約の際の印紙代、登記費用、税金、住宅ローンの融資手数料、保証料、火災保険料、引越し費用などがあり、購入金額の約3%から10%といわれています。
頭金とは
一般的には購入金額の20%といわれています。銀行によっては、金利優遇の条件としてあげらるれこともあります。
そのため、諸経費にかかる金額を10%、頭金を20%、合計で購入金額の30%程度の現金の準備をするのが理想的です。
住宅ローンの借り入れ額
年収と現在の家計から、毎月の返済額を算出しましょう。年収の25%程度の年間返済額が安心できる目安です。
諸経費・頭金・借り入れ額の3点をふまえて、現金で用意できる金額と無理なく返済できる住宅ローンの借り入れ額を計算してみましょう。
予算を決める前に住宅メーカーに行くのは危険!
住宅メーカーは顧客の予算を上げるために住宅ローンの借り入れ額を上げるような提案をしてくることが多いです。
大きな金額の話の中で、数万円のオプションは小さく感じてしまい、つい不要なオプションをつけてしまったり、省エネ性能により光熱費がかからないからとその分を月々の返済額に上乗せさられたり、最終金額を見て驚いたという話をよく耳にします。
しっかりと予算を立て、建てた後の生活も見据えて冷静に決めましょう。
コツ2. モデルハウスは真に受けすぎない
できるだけたくさんのモデルハウスを見学して、建てたい家のイメージをつかんでいきましょう。ただし、モデルハウスはあくまでモデルです。以下の点に注意して下さい。
モデルハウスは広すぎる
一般的な住宅の広さは30坪から45坪くらいです。住宅展示場に並びうモデルハウスはほとんどが一般的な家の倍くらいの広さです。
あらかじめ今住んでいる部屋のサイズや実際に使っている家具のサイズを測っておきます。モデルハウスへメジャーを持参し、測っておいたサイズを参考にしながら現実的な広さをイメージします。
モデルハウスはハイスペック設備・仕様の寄せ集め
設備や仕様は最高級なので、モデルハウスとすべて同じように建てると標準価格よりもかなり高額になります。気に入った箇所は、標準なのか、オプションなのか、メリットや効果なども詳しくチェックしましょう。
気になるメーカーのイベントに積極的に参加しよう
展示場のモデルハウスを見ただけではイメージがしにくかったり、構造の中身までは見えません。
完成見学会や実際に住んでいる家の見学ツアー、部材の工場の見学、各種セミナーなどを無料で開催しているメーカーがたくさんあるので、気になったメーカーのイベントに参加してみましょう。
モデルハウスで営業さんが説明してくれる構造や部材の良さを、実際に見て体感することができるので、そのメーカーの特性をより実感できますし、根拠なども勉強できます。
複数のメーカーで迷っている場合には、一社に決める後押しになりますし、参加者限定の特典を付けてくれることもあるようですよ。
コツ3. メーカを「5つの視点」で比べよう
メーカーによって工法の違い、不動産情報や住宅ローン・火災保険の紹介の有無、坪単価、保証の内容など千差万別です。しっかりと比較をし、自分の理想に近いメーカーを探しましょう。特徴を把握しておきたい項目は以下の通りです。
視点1. 得意とする工法
工法は、大きく3種類に分類できます。好みやコストだけではなく、耐震性や省エネ性能、建築予定地の地盤や広さなども含め、営業担当者とじっくり話すことが大切です。
木造
古くから日本人に愛されているつくりです。木材の調湿や断熱に優れている点が日本の風土に合っています。また、神社仏閣での建築で証明されているように、軽量でありながらしっかりとした強度を保てます。
軸組工法という日本で主流の柱や梁など木を組み立てる在来工法と、耐力壁によって建物を支える壁式枠組工法があります。壁式枠組工法はツーバイフォーやパネル工法に分かれます。
鉄骨造
工場で管理され大量生産された材料のため、職人の腕に左右されることなく、仕上がりが安定しています。また、木造に比べ工期が短いです。
材質上、耐火性・耐震性に優れているといわれています。木造に比べ、大空間が取れます。
鋼材の厚さによって、軽量鉄骨と重量鉄骨に分かれます。プレハブ工法や木造と同じような軸組工法(ラーメン構造)やパネル工法などがあります。
鉄筋コンクリート造(RC造)
圧縮の力に強いコンクリートと引っ張りに強い鉄筋の長所を併せ持った強い構造が特徴です。高い建物にも強度を発揮するので、マンションなどにも使われます。
耐震・耐久・耐火・遮音の性能が高く、また、大空間をとれるので店舗などにも向いています。建築コストは他の構造よりも高くなるのが一般的です。
主流となっているのはモノコック構造という、床・天井・壁4面を6面のコンクリートで構成する造りです。
以上のように、材料は「木材」「鉄骨」「鉄筋コンクリート」があり、構造は縦軸と横軸で骨組を造り建てる「軸組」と「ラーメン構造」、パネルや壁面で支える「壁式構造」があります。
それぞれの材料や構造にはメリットもデメリットもあります。
例えば木造の場合、耐震や断熱などはツーバイフォーの性能の方が優れていますが、間取りの自由度や木による調湿は在来工法に劣ります。
高気密の住宅を選んだ場合、冷暖房効率は上がっても結露の問題が発生します。耐久性が優れている建物ほど、重量が重くなる傾向にあります。
一般的にいわれている耐久年数は 木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート造 ですが、コストもそれに比例して高くなる傾向にあります。
選ぶ材料や構造によって工期もかなり差が出ますので、引越し時期などに制限がある方は気を付けましょう。
各メーカーが得意とする工法をしっかり把握した上で、各工法のメリットとデメリットをきちんと比較し、自分の家づくりにあったものを選びましょう。
視点2. 建築予定地の有無
土地から探す場合、自分で不動産屋に依頼するのが一般的ですが、建築条件付きやメーカーの提携不動産屋からお得に購入できる土地もあります。
また、なかなか都合のいい土地が見つからない場合、不動産業者と交流のあるメーカーには一般には出回らない土地情報が入ってくる可能性もあります。メーカーによっては建築予定地の地盤調査をサービスで行ってくれるところもあります。
視点3. 住宅ローンや火災保険
メーカーよって、自分で契約するよりも金利優遇や保険料の割引などお得になることがあります。ファイナンシャルプランナーに無料相談できることもあります。
視点4. 坪単価
一坪(約3.3㎡)あたりの建築費のことを坪単価といいます。注意しなければならないのは、計算する面積が「延床」か「施工」なのか、本体価格として計算する工事費にどこまで含めるのか、メーカーによって異なる点です。
坪単価はあくまで目安です。メーカーから見積もりを出してもらう際には、細かい諸経費などにも気を配り、実際にかかる総額を確認しましょう。
視点5. 保証内容
まず、「○年保証」といっても、無料でその期間ずっとメンテナンスをしてくれるわけではありません。有償の点検やメンテナンスを受けなければ保証してくれない場合がほとんどです。
つまり、「○年保証」は「○年間はお金を払えば責任をもって点検・修繕します」という意味です。保証内容や期間はメーカーによって異なりますので確認しましょう。
コツ4. 「信頼できる営業」かどうか
同じメーカーを選んだとしても、「良い担当者かどうか」で結果は大きく違います。理想の家づくりには、信頼できる営業担当が不可欠です。ここで、信頼できる営業さんの見つけ方をまとめてみます。
実績を聞く
一番簡単な「できる」営業さんの見分けるには、「今まで何棟の実績があるか」を聞くことです。経験が浅くても、熱心で誠実な営業さんはもちろんいます。
しかし、「できるだけたくさんのモデルハウスを見学しましょう」と前述したように、よりよい住宅を建てるにはより多くの情報を収集することが肝心です。
経験豊富な営業さんこそ、情報の宝庫なのです。間取りやオプションについて、今までの経験が反映された提案を期待できます。
営業さんの家族構成を聞く
親との同居や二世帯、子供の有無など、なるべく自分と似た環境の営業さんがおすすめです。なぜなら、自身を重ねてより親密に考えてくれるからです。
未婚の男性に、子供がいる生活をイメージして提案してもらうより、実際に育児を経験している人の方が具体的でためになる提案をしてもらえます。また、同じ環境の人間同士の方が、より信頼できる関係になりやすいと思います。
こころよく相見積もりをしてくれるかどうか
値下げに応じてくれる可能性、予算に合った提案をしてくれるか、価格以上の価値を見出せるかどうか、など、相見積もりは必ずとりましょう。
相見積もりを嫌がる営業マンは、顧客のためより自分の数字を優先しているからかもしれません。
他社の悪口をいう営業マンは問題外
自社製品に自信があれば、他社批判をする必要はないはずです。
こちらの話をしっかり聞き理解してくれるかどうか
どうしても、相性の合う合わないはあります。自分の話を理解していないのでは、と不安に思うときは担当者を変えてもらいましょう。
実際に家づくりを経験された方で、「信頼できる営業マンと出会ったことが決め手だった」という方もいます。
どんな構造やどんなデザインよりも、気持ちよくスムーズに相談できる相手がいることが家づくりを成功させる秘訣かもしれません。
まとめ
ハウジングギャラリーへ行くと、目移りするくらい素敵な家が並んでいて、実際に営業さんにお話を聞いてみるとどのメーカーさんも素晴らしく感じます。
一番良いハウスメーカーは?その答えは自分で探さなければなりません。自分に合う予算で、自分の望む生活が送れる家をつくってくれるかどうか。信頼できるハウスメーカーさんと一緒にぜひ家づくりを楽しんでください。