注文住宅で家を建てる際に、建物本体の価格にばかり気を取られがちですが、庭や外構工事にも大きな費用がかかってきます。そこも含めた上での資金計画を立てる必要があります。
また、庭や外構も含めてマイホームとなるので、細かい部分まで検討して、より良い家を建てましょう。
依頼先別の費用相場と注意点
庭や外構工事にかかる費用は、ハウスメーカーと専門業者へ依頼する場合で異なってきます。
また、それぞれにメリットとデメリットや注意すべき点があるので、これから詳しく解説をしていきます。
ハウスメーカーに依頼する場合
大手ハウスメーカーが当初から規格化・工業化住宅を販売する目的で設立されたのに対し、一般的にハウスメーカーと言われている企業の中には、工務店が発展・派生した結果、規格住宅を販売するようになった住宅会社もあります。
これらの大手住宅会社は総合住宅展示場に出店したり、テレビコマーシャルを放映してしているため、一般的に大手ハウスメーカーと同じイメージが持たれていますが、フランチャイズ展開している大手住宅会社が受けた依頼は、地域の工務店が請け負うケースも多いので、ハウスメーカーとは区別して考えるのが妥当でしょう。
費用相場
まず、資金計画を考える前に知っておいていただきたいのですが、それなりの外構工事をしようと思ったら、建築価格の1割程度は見積もっておいてください。
例えば、2000万円の家なら、200万円くらい、2500万円の家なら、250万円と大まかに見積もっておくと良いでしょう。もちろん、家を建てる敷地の広さやカーポートやウッドデッキなどの設備をどれくらい入れたいかで大きく変わってきます。
メリット
ハウスメーカーは、住宅の低コスト化を図るために考え出された方法なので、原価としてのコストは安いです。
ただし、ハウスメーカーは数を売ることが事業構造的に重要なため、工務店や建築家に比べて広告宣伝費や展示場の建設・維持費、営業マンの人件費などに多額の経費を投入します。そのため、価格の面で絶対的に優位といえるまでの安さにはなりません。
デメリット
ハウスメーカーは規格住宅という前提ですので、設計の自由度は低い所があります。
オプションや色の選択肢を増やしたり、仕様の幅を持たせている商品もありますが、規格住宅である以上、完全な自由設計にはなりません。
ただし、ほとんどの建て主にとってはハウスメーカーのもつ設計の自由度で十分である場合が多く、何を望むかによっては、設計の自由度が低いことが即デメリットということにはなりません。
デザインを「個性」という点でとらえるならば、数を売ることが必要なハウスメーカーでは、なかなか融通は利かないと思っておきましょう。
注意点
予算を考える上でとても大事なのがタイミングです。
資金計画を考える前と、タイミングにこだわる理由は、たいていの資金計画は、ハウスメーカーが主導して作る場合が多いからです。
家の見積書の中で、「その他」の蘭に外構工事がさらっと入っている場合が多いので、注意しましょう。
また、「外構なら大体100万円くらいでいけます」とハウスメーカーから言われても、実際にやってみると思っていたよりも質素な外構となってしまっていることがあります。
営業担当者としては、全体の金額が大きすぎると「高いのではないか?」と家の建築自体を諦めてしまっては困るので、外構工事費用を調整に使って、最低限すぎる場合もあります。
専門業者に依頼する場合
こちらで紹介する専門業者とは、外構専門業者などをメインとして説明をしていきます。
費用相場
なかなか具体的な数字がなく、ピンキリとなりますが、一般的な大手ハウスメーカーよりも安く済むことが多いです。
メリット
ハウスメーカーに比べて割安となります。先ほども説明した通り、ハウスメーカーは広告宣伝費および営業マンの人件費に大きなお金をかけて顧客獲得を目指しています。
そのため、建物それ自体は安くできても、その経費が上乗せされて、結果的に坪単価が高くなることがあります。専門業者の場合、そのような経費はありませんので、建物の建築それ自体にかかる経費のみと考えることができます。
また、後にも述べますが、基本的には自由設計ですので、自分の思い通りの住宅を作るにあたっても、ハウスメーカーとは違い、オプション料金として金額が上乗せされることもあまりありません。
既に標準仕様として商品化されているハウスメーカーとは違い、基本的に自由設計ですので、要望が通りやすい傾向があります。
デメリット
専門業者は全国いたるところに存在しているので、近所で依頼できるというメリットがある反面、数が多いことから、技術にばらつきがあります。
腕がいい専門業者を見つけたいところですが、それを判断するのは難しいことです。
また、会社の規模が小さいところが多いため、倒産の確率は高くなります。立ててもらった次の年には倒産、建築中に倒産することもあります。
注意点
デメリット部分と重複するところはありますが、専門業者へ依頼をするときには、その会社の規模や信用力をしっかりと見ておくことが必要です。
資金的に余裕がない会社ですと、ブラックな会社の割合も増してきます。自己責任となりますので、しっかりとリサーチしておきましょう。
一度の工事で完成させないという手もある
住宅ローンに組み込める本体工事や外構工事のみをまずは建築し、その他自己資金で対応する部分についてはしっかりと検討する時間を設けて、決まったのちに専門業者へ依頼するのも一つの手です。
焦って雑に外構や庭を決めてしまうことを防ぐために、別々の時期に進めることはおすすめです。総費用が安く済む可能性も高くなります。
庭づくりのポイントと注意点
ここからは庭造りのポイントについて説明していきます。
庭づくりのポイント
まずは庭づくりのポイントになります。
目的を考える
庭造りをする際に考えることは、その庭の目的を考えることです。まず決めておきたいことは、「実用的な庭」「鑑賞用の庭」のどちらを重視して造るかです。
「庭で子供や愛犬を遊ばせたい」「庭でガーデニングをしたい」という方にはデッキやガーデニングルームを設置した「実用的な庭」を目的とするとよいでしょう。
また、「外観やリビングからの景色を良くしたい」「観るだけでリラックスできる空間がほしい」という方には色とりどりの木々を植えたり、季節により咲く時期が違う花などを植えた「鑑賞用の庭」がおすすめです。
メンテナンスのしやすさ
家を維持・管理していくために、どれだけの時間と労力がかかるのかも大切です。
毎日のように庭のお手入れをする時間があれば、芝生や草花を中心とした庭を造ったとしても問題ないですが、夫婦共働きの場合には植物の手入れに時間をかけられない方が多いと思います。
そのような共働き世帯であっても、テラスなどを主体としたドライガーデンであれば、あまりお手入れの手間がかからないのでおすすめです。
導線を考える
お気に入りのアイテムや植物を一つ一つ気に入ったからといって何も考えずに追加していくと、庭全体のバランスが崩れてしまい、乱雑な庭になってしまいます。。
ガーデンをデザインするときには、まず人がどこを歩くのか、「動線」を考えることが必要です。それに沿って、園路やテラス、ベンチを配置していくと使い勝手のよい庭になります。
家からの見え方を考える
次にそのテラスやベンチから、そして室内リビングのソファーや和室など、それぞれの場所から何がみえるのかを考えることが重要です。
庭の中の見せるべきものと、隠すべきものを整理していくと、よりリラックスできる景観を楽しめる庭が出来上がります。
庭づくりの注意点
庭造りの際に気を付けておかなければならないことは、5年後や10年後のことを考えることです。
「1階のベランダ近くに植えられた木から毛虫が落ちてきて困る」などの相談も起きることがあります。
また、季節によっては華が全く咲かないという状態が続くなどの季節のバランスを欠いた庭となってしまうケースもあるので、しっかりと検討しましょう。
庭や外構も含めて一つの家となりますので、しっかりと気を抜くことなく詰めていき、ステキなマイホーム生活をおくりましょう。