新築や建て替えでもらえる補助金や助成金、給付金まとめ

新築や建て替えでもらえる補助金や助成金、給付金まとめ

これから住宅の建築を考えている方は、新築や建て替えでももらえる様々な補助金や助成金があることをご存じでしょうか?
住宅建築にかかる費用は大きな額でもあり、補助金や助成金を賢く利用して、少しでも建築費の負担を抑えたいものです。今回は新築や建て替え時に活用できる補助金や助成金をまとめてみました。

新築や建て替えで補助金や助成金がもらえる

新築住宅や建て替えでもらえる補助金や助成金の概要や申請の要件、申請方法などを解説します。

解体費用助成金

古家付き土地を購入して住宅を建てる場合や、古家付き土地を相続したなどの場合、古家の解体費用が別途かかります。地域によっては、解体費用助成金制度を利用できる場合があります。この制度は自治体によって実施していない場合もあるため、全ての古家に利用できる制度ではありませんが、建物が所在する自治体で必ず確認してみましょう。

例えば東京都の場合、「木密地域不燃化10年プロジェクト」の一環として、平成32年まで「不燃化特区」の制度が設けられています。この制度は、東京都と区が連携し、特に重点的・集中的に改善を図る地区を指定、不燃化を強力に推進して「燃え広がらない・燃えない」まちづくりを進める制度です。

不燃化特区では老朽建築物除去費用が支援され、固定資産税や都市計画税が減免(最長5年間)されます。支援制度の内容は各区で異なるため詳しい内容は各区のHPで調べるか問い合わせてみましょう。

参考:東京都都市整備局

助成の対象となる建物は、不燃化特区内の昭和56年以前に建築された木造または軽量鉄骨造りであること、または延焼防止上危険である木造または軽量鉄骨造りのいずれかの要件を満たさなければなりません。

助成の内容は実工事費(老朽建築物及びそれに付属する工作物の除却工事費及び除却後の敷地の整地費)、または25,000円/㎡(限度額)のうち額の少ない方が助成されます(世田谷区の場合)。

除却工事に着手する15日前までに認定申請が必要になります。まずは自治体に事前相談を行い、助成対象になるかの確認をします。助成対象となる場合は、申請書や申請に必要な書類についての説明が受けられます。

※解体費用の助成金は地域や自治体によって、老朽危険家屋解体工事補助金・危険廃屋解体撤去補助金・木造住宅解体工事費補助事業など、名称や助成内容・要件などが異なります。

木造住宅の耐震建替えの補助金

自治体によっては、地震による木造住宅の倒壊による被害を最小限にし、安全な街づくりのため、耐震性が不足する木造住宅の建て替え経費の一部を補助する制度があります。

補助の対象となる既存建築物は、その自治体に所在する昭和56年5月までに建てられたもので、在来軸組み工法や伝統的工法・枠組み壁工法によって建てられた2階以下の建築物であること、また、耐震診断を実施し上部構造評点が1.0以下の建築物や、地震に対して安全でないと認められた建築物であることなど。

さらに補助対象者は、対象建築物の所有者で住民税を滞納していないなどが要件になります(自治体によって要件が異なる)。助成金額も自治体によって異なります(足立区の場合は除去費用の1/2以下、上限100万円)。

すまいの給付金

すまいの給付金とは、消費税率引き上げ後の住宅を取得する場合に、消費税の負担を軽減させることを目的として現金を給付する制度で、平成26年4月から平成33年12月まで実施されます。

給付金対象者は、自分で居住する住宅を取得した登記上の所有者であり、一定以下の収入の人(消費税率8%の時:収入額の目安が510万円以下、10%の時:収入額の目安が775万円以下)、また住宅ローンを利用しないで現金で住宅を取得する場合は50歳以上の人(消費税率が10%の時:収入額の目安が650万円以下)に限られています。

給付金の額は、住宅取得者の収入(収入は額面収入ではなく、都道府県民税の所得割額に基づき決定される)と不動産登記上の持分配分によって決まります。
※給付額=給付基礎額×持分割合

例えば消費税10%の場合、収入額の目安が450万円以下の人は都道府県民税の所得割額が7.60万円となり、給付基礎額は50万円です。登記上の持分配分が本人のみの場合は、給付基礎額(50万円)×1=50万円となります。

給付金の申請は、新築住宅入居後の1年以内(当面の間は1年3か月に延長されている)に給付申請書及び確認書類をすまい給付金の事務局へ郵送するか申請窓口に持参します。
申請書類提出から給付金受領までは概ね1.5か月~2か月程度です。

ZEH支援事業

ZEH(通称ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、住宅の断熱性や省エネ性能を向上させ、太陽光発電などの導入によって年間の一次消費エネルギー量の収支をゼロまたはプラスにする住宅のことです。ZEHを新築する人やZEHの新築建売住宅の購入者、または既存住宅をZEHに改修する場合などに国の補助金が受けられます。

補助金の額は平成29年度が定額75万円(平成29年10月10日で公募終了)でしたが、平成30年度は70万円に減額されました(平成31年まで引き続き運用される)。
また、蓄電システムの導入には設置費が3万円/1kWh(上限)の1/3、工事費は5万円/台(上限)の補助金があります。

補助金を受けるためには、ZEH認定ビルダーに設計・建築を依頼する必要があります。まずは複数のZEH認定ビルダーを選んでプランなどの相談や見積もりを依頼してみましょう。最終的に工事を依頼するZEH認定ビルダーがZEH仕様の住宅を建て、補助金の申請をしてくれます。

エネファーム設置補助金(家庭用燃料電池システム導入支援事業)

エネファーム設置補助金制度は、FCA(一般社団法人燃料電池普及促進協会)が指定した機器システムを住宅及び建築物に導入・設置する個人や法人が対象となります。

申請者の要件は、日本国内に在住していること、自らが補助対象システムを支払うこと、補助対象システムに対して他の補助金等を受給していないこと、補助事業完了日から6年以上継続して使用できることなどです。

エネファーム設置の補助額は、固定高分子形(PEFC)では11万円、固定酸化物形(SOFC)は16万円になります。また、既築建物の場合や燃料がLPガスの場合、寒冷地仕様の場合などは、3万円の追加補助額があります。

補助金の申請方法は、FCA指定の補助金申込・交付申請書に必要事項を記入しFCAに書留郵便で提出します(持参による受付は原則行っていない)。
尚、募集期間は平成30年2月23日(金)17時までFCA必着となっています。

太陽光発電固定価格買取制度

新築住宅に太陽光発電システムは導入したいと考える方も多いと思います。しかし残念ながら国(経財産業省)による補助金は平成25年に終了しましたが、固定買取制度は引き続き実施されています(平成29年度の買取額は、出力制御対応機器設置義務なしで28円/1kWhでしたが、平成30年には26円/1kWhになります)。

さらに、自治体によっては補助金がもらえる場合があります。東京23区で補助金を実施している自治体と補助金の詳細は以下になります。

  • 足立区:6万円/kW(上限は24万円)
    ※足立区内の業者と設置契約した場合は7.2万円/kW(上限は28.8万円)
  • 板橋区:2万円/kW(上限は10万円)
  • 大田区:4.5万円/kW(上限は27万円)
  • 葛飾区:8万円/kW(上限は40万円)
  • 北区:8万円/kW(上限は20万円)
    ※助成予算の残額が平成29年12月20日現在で500万円余りとなっています。助成を希望される方は早めに申請しましょう。

ほとんどの自治体の場合、工事着工前に申請が必要です。申請には補助金交付申請書に必要事項を記入し、必要書類(住民票・工事請負契約書の写し・システムの設置に係る領収書や明細書の写し・電力受給契約確認書の写し・納税証明書など)を添えて自治体に提出します(申請受付期間があるため注意が必要)。施工業者に依頼する場合は委任状が必要です。

自治体による補助

それぞれの自治体によって実施されている補助金・助成金が異なりますが、一例を挙げてみると、品川区の場合は太陽光発電システム設置助成事業の他に、家庭用電気式生ごみ処理機購入助成制度が実施されています。助成金額は本体購入価格の1/3(6万円以上の場合は2万円が限度)。受付期間は平成31年3月31日までになっています。

また、東京23区やその他の自治体でも緑化工事助成金制度が実施されています。これは新たに屋上・壁面緑化を行う人(新築・既存住宅に限らない)に工事費の一部を助成する制度です。助成基準単価は杉並区の場合、個人所有の建物で25,000円/㎡(限度額は壁面緑化と合わせて100万円)になります。受付期間は各自治体で確認が必要です。

まとめ

住宅の新築や建て替え時にもらえる補助金や助成金の主なものをまとめてみましたが、自治体によって取り組みが異なるため、他にも様々な補助金や助成金を実施している場合があるかもしれません。

家の新築や建て替えを考えている方は、まず建築する地域の自治体のホームページなどでどのような補助金や助成金があるのか調べてみることをおすすめします。

住宅の建築は人生において一大プロジェクトです。抜かりなく用意周到に準備や計画をして、より良い住まいを手に入れられるよう、家づくりを進めていきましょう。


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