夢のマイホームを決めていざ着工という時に行われるのが、様々な儀式ではないでしょうか?人生に一回きりのイベントですので、しっかり確認をして、失敗のないように準備を進めておきましょう。
それでは、これから新築の際の2大イベントである、地鎮祭と上棟式についてご解説していきます。
地鎮祭について
地鎮祭とは、建築の三大式典の一つで、新築工事に着手する前に土地の神に祈る儀式となります。お祈りをする目的としましては、主に下記の2点となります。
- その土地に住む神様を祝い鎮め、土地を利用させてもらう許可を得る。
- これからの工事の安全と家の繁栄を祈願する。
神主がその土地の神様を呼び、祈りを捧げる儀式になります。また、余談にはなりますが、祈りの儀式には地域や宗教によって異なるため、複数種類があります。
それでは、ここからは地鎮祭を行うにあたって、事前に知っておいた方がよいことをご紹介いたします。地鎮祭が行われるまでに確認して、万全の状態で本番を迎えられるように準備をしていきましょう。
地鎮祭の流れ
- ①神座の四隅に斎竹(いみだけ)を立てて、注連縄(しめなわ)をめぐらし、紙垂を下げます。
- 四隅に立てる際に、1辺2メートル四方に配置します。また、注連縄は竹の上部約2メートルの高さで右奥(東北)の隅より時計回りに張り巡らします。
- ②米、塩、山の幸・海の幸・畑の幸(それぞれ3種類ずつ)と神酒(みき)を飾ります。
- ③神酒、米、塩、白紙敷地を中央と四隅にまきます。(四方祓い)
- ④地鎮祭が終わるとその場所で直会(なおらい)を行います。直会とは、祭りの終了後に神前に供えた神酒(みき)を神職や参列者で飲むことをいいます。
- ました。神と人とが一体となることが、直会の根本的意義であるということができます。
- ⑤神主より建物の基礎工事の時に建物のほぼ中央に埋めてくださいと、鎮物(しずめもの)が渡されます。
- 鎮物とは、工事の無事を祈って地中に埋めるもので、小形の鏡や御弊などを埋めます。
- ⑥設計者が鎌、施主が鍬(くわ)、施工者が鋤(すき)の順で、盛砂を三度作業する仕草を行います。
地鎮祭をするタイミング
地鎮祭をする日取りを決める際に、大安・先勝・友引などといった六曜の吉日を選ぶ方も多いですが、
神道で行う地鎮祭に吉日は関係ありません。
ただ、お祝い事ですので、心情的に仏滅を避けて、大安の午前中を選ぶ方が多いです。
こちらの六曜の吉日を選ぶよりは、出席者の都合がよく、お天気の良好な日取りを選らぶことが
おすすめです。
地鎮祭にかかる費用相場
神主さんへ包む初穂料平均
2~5万円程度が相場となりますが、地域や神社によって異なるので、神主に確認しておくのがよいでしょう。
お車代
遠方からお呼びした場合に、5千円程度必要となります。
お供え物
神主に用意していただいた場合に5千円~1万円程度必要となります。ご自身で用意したほうが安く済むことが多いです。
※参列していただいた棟梁などの関係者への祝儀は必要ありません。
地鎮祭をする際にこちらが用意するもの
地鎮祭で用意が必要なものを予め把握しておき、早めに準備を進めておくことが大切です。ここでは、必要なものを記載しておりますので、早い段階で把握しておきましょう。
お供え物
- 清酒(一升)⇒のし紙をつけてもらいましょう
- お米(一合)⇒洗米
- 塩(一合)⇒敷地を清めるために必要となります。
- 水(一合)
- 海の幸⇒魚(鯛が一般的)、昆布、するめ
- 山の幸⇒果物(りんごやオレンジなどの季節のものが一般的)
- 野菜⇒地面の上にできるもの(トマトやナス)と、地面の下にできるもの(人参や大根)
紙コップ(人数分)
杯の代わりに使用します。
初穂料
2~5万円(のし袋に入れましょう)
御供物料
お供え物を神主に用意していただく場合のみ。
竹、しめ縄、砂、鎌、鋤、鍬
施工者が用意してくれます。
祭壇
神社で借りられる場合、施工者が持っている場合があります。
※最近では、「地鎮祭セット」などといった便利なネットサービスもあるので、ハウスメーカーや
工務店に確認してみましょう。
地鎮祭の服装や注意点
地鎮祭での服装
一般家庭の地鎮祭では、スーツなどの正装である必要はありません。建設会社の方々も作業着で出席することもあり、施主や家族の方々も普段着で問題ありません。
むしろ、挨拶周りを行う必要もあるかと思いますので、動きやすい服装がおすすめです。
地鎮祭での注意点
普段から工事を行っており、騒音を発しています。近所の方々はその音を不快に思っていることもあります。
そんな普段不満を抱えた近所の方々が、地鎮祭を行うにあたって、挨拶に来ないと新居で暮らす前から悪印象を与えてしまい、ご近所付き合いをマイナスからスタートさせてしまうかもしれません。
地鎮祭が始まる前に、あらかじめ地鎮祭が行われること、お騒がせすることをお伝えしておくことが大切です。ちょっとしたことでご近所付き合いを円滑に進めることができるので、挨拶周りはしておいたほうが無難でしょう。
上棟式にについて
地鎮祭が終わり、ついに着工します。家の土台が出来上がり柱、梁、桁、力板などの骨組みが完成した段階で行われるのが、上棟式です。
上棟式は、竣工後も建物が無事であるよう願って行われるものです。それでは、ここからは上棟式について理解を深めていきましょう。
上棟式の流れ
- ①棟梁が棟木に幣束(ヘイグシ)を立て。破魔矢を飾ります。
- ②建物の四方に酒・塩・米をまいて清め、上棟の儀を行います。
- ③上棟の儀の後、施主のあいさつ、乾杯を行い直会を行います。
- ④工事に関わっている職人さんの紹介が行われます。
- ⑤施主から職人へご祝儀をお渡しします。
- ⑥お開き
上棟式をするタイミング
上棟式を行うタイミングは、工法により異なり、下記の通りとなります。
・木造軸組の場合
棟木を棟に上げる時
・鉄骨造
鉄骨工事が完了した時
・鉄筋コンクリート造
躯体コンクリートの打ち込みが完了した時
また、上棟式を行う日取りとして、避けたい日取りがあります。それは、「三隣亡」という日になります。この日は、近隣の人に災いが及ぶとして近隣の人が嫌がることがあります。
三隣亡とは、この日に建築をすれば火事を起こし、近隣三県を焼き滅ぼすといって忌む。
旧暦1・4・7・10月は亥の日、2・5・8・11月は寅の日がそれにあたります。
上棟式にかかる費用相場
- ご祝儀(棟梁、建設業者責任者、設計者など):5千円~1万円
- ご祝儀(各職方):3千円~5千円
- 神酒、米、塩、山の幸、海の幸など:1万円~2万円
- おつまみや酒肴:2万円~3万円
なお、神主さんへ包む初穂料は上棟式では、必要ありません。
上棟式をする際にこちらが用意するもの
- お酒(一升)⇒神酒用
- 紙コップ⇒神酒用
- 梅干し⇒神酒を飲みながら食べます。
- 缶またはペットボトルのお茶やおつまみなど
- 個包装になったお菓子
- 手土産⇒赤飯やおまんじゅうやビール券
上棟式の服装や注意点
上棟式での服装
こちらも地鎮祭と同様です。念のため下記にもう一度記載します。
一般家庭の地鎮祭では、スーツなどの正装である必要はありません。建設会社の方々も作業着で出席することもあり、施主や家族の方々も普段着で問題ありません。
むしろ、挨拶周りを行う必要もあるかと思いますので、動きやすい服装がおすすめです。
・上棟式での注意点
こちらに関しても地鎮祭と同様になります。お騒がせすることとなりますので、あらかじめご近所さんにご挨拶をしておくと良いでしょう。
地鎮祭・上棟式は共に工事の安全およびそこで行われる日々の暮らしを安心したものにすること、この工事に関わる方々へ感謝の気持ちを表現することを目的として行われます。
出席していただいた方々のため、自らの家庭のためにも、早い段階で準備が必要なことや当日の流れを把握して、スムーズに式を進められるようにしておきましょう。