傾斜地や狭小地など変形地に家を建てる注意点と施工例

傾斜地や狭小地など変形地に家を建てる注意点と施工例

「傾斜地や狭小地に家を建てたい」と思う人や、なぜあのようなところに家を建てるのだろう、と疑問に思う方々、様々な意見があると思います。

そのような人たちに是非知ってもらいたい、傾斜地や狭小地に家を建てるメリット・デメリット、そしてそれぞれの土地の特徴や向いている設計などを解説します。

変形地に家を建てる際の注意点

まず、変形地は一般的に下記の通り分類されます。

  1. 傾斜地
  2. 狭小地
  3. 旗竿地
  4. 三角地

さて、このような土地に家を建てたい、と思ったときに何に注意をすべきなのか、気になるところかと思います。下記にまとめているので順番に見てきましょう。

法律および条令を確認する

建築する際には、一定の基準があり、そこを遵守する必要があります。建ぺい率や容積率、道路斜線など、建設には様々な制約があるため、そこにさらに制約が加わるため、本人の希望する住宅を建てられないことがあります。

施工費用の注意点

旗竿地などで、前の道路は広いですが、竿の部分の道が狭いと建設車両が家の前につけることができず、作業工数が増えてしましい、費用がかさむことがあります。

また、電気や水道管などを奥まで引き込むのに工数がかかることもあるため、そこで費用がかかってしまうこともあるので、事前に調べておいたほうが良いでしょう。

住宅ローンを検討している方へ

住宅ローンを借りる際には、新築した建物およびその土地を担保とするため、その土地および建物の価値を銀行が査定します。

査定の際に、家の前の道路(接面道路)の所有者を調べ、公道(国や自治体が保有する道路)でなかった場合には、個別に道路の持ち分を保有している必要があります。

その家に接する道路についても、不動産会社にしっかり確認しておく必要があります。

選んではいけない変形地

選んではいけない変形地として、「袋地」があります。この土地は、公道に出るために、他人の保有する道を通らなければならない土地であるため、問題が起きやすいです。

他人の保有する土地を通るため、その保有する人から、賠償金を請求される可能性もあり、候補地からは無くしておいたほうが良いでしょう。

ここまでで、大まかに変形地に新築する際の注意点を記載しましたが、変形地に新築することは、悪いことばかりではありません。

変形地に家を建てるメリットもあるので、わかりやすいようにメリットとデメリットを下記にまとめていますので、まずは大まかに変形地のメリットとデメリットをご覧いただき、より理解を深めていただければと思います。

メリット

変形地に家を建てるメリットは以下の2点になります。

土地の価格が比較的安い

売り手である不動産会社としても、一般的でない形の土地であるため、普通の四角の土地よりも需要が少なく価格を下げています。

アイデアを凝らしたステキな家を建設できる

ユニークな土地の形をしているため、その分ユニークな家を建てることができます。優秀なデザイナーや建築家に頼むのであれば、普通の土地に建てるよりもオシャレな家を建てることもできるでしょう。

デメリット

変形地に家を建てるデメリットは以下の2点になります。

不動産会社のプランに入りにくい

形が特殊なため、一般的な不動産会社のプランに入れないことがあります。

将来的に売る場合に価格が安くなりやすい

特殊な形をしている分、万人受けする家ではなくなるのが、一般的です。需要が低い分、価格が安くなってしまうので、理解をしておく必要があります。

変形地の種類と施工例

ここからは、各変形地の種類毎に、特徴および施工例をご紹介します。様々な問題を抱えながらも、それをプラスに働かせる考え方を是非ご覧ください。

傾斜地

傾斜地とは、その名の通り、斜めに傾いている土地です。特徴は以下の点があげられます。

特徴

  • 土地の価格は格安
  • 基礎・地盤工事に費用が発生することが多い
  • 雨水対策を考える必要があり、一般的には土留めや擁壁工事が必要になるので、土地の価格が安くても、結局は普通の土地に建てるよりも高くなってしまうケースも

うまくいった施工例

  • 斜面の高い位置に家を建てることで、とても眺めが良く、日当たりの良い家に

狭小地

狭小地の決まった定義はありませんが、20坪以下の狭い土地を指すことが多いです。隣の家との距離が近いことが多く、防音対策が不可欠となります。

特徴

  • 面積が小さいため、価格が安いが、三角地や台形などに変形していることも多い
  • となりの家との距離が近いため、防音対策が不可欠
  • 両隣が同様の物件の狭小土地に建てられた家の場合、圧迫感が強い
  • 日当たり、風通しが悪い
  • 玄関位置が正面に固定されるなど間取りの自由度が制限される
  • 駐車場はビルトインが多いため、前面道路が狭い場合には車の出し入れが困難
  • 資材置き場がなく、重機が入りにくいため、建築費がかさむ
  • 庭を確保することは難しい
  • 敷地境界部分の塀など、協定書が必要になるケースが多い

うまくいった施工例

  • 小さい土地でも、窮屈に感じない居住空間を作り上げることが大切
  • 狭いスペースを活かすために、多くの収納スペースを確保し、広々とした生活空間を作り出す
  • 日光を極力取り入れるために、高い位置に窓を設置

旗竿地

旗竿地とは、出入口となる通路部分が狭く、その奥に立地する土地のことです。

特徴

  • 家の出入口となる通路部分が狭いため、車を所有することが難しい
  • 水道管などのインフラがちゃんと通っていない場合がある
  • 日当たり、風通しが悪い
  • 通路部分が細い場合、重機が入りにくく建設費がかさむ
  • 敷地境界部分の兵など協定書が必要になるケースが多く、手間がかかる

うまくいった施工例

  • 竿の部分に境界フェンスを設けることで、入り口までの道と自宅に一体感をもたせ、おしゃれなデザインに
  • 竿部分を駐輪スペースとして活用

三角地

三角地とはその名の通り、三角形の形状をした土地になります。

特徴

  • 三角地は風水上、凶相とされていますので、縁起が悪い
  • 土地の形が特殊なため、建築設計に制限がある

うまくいった施工例

三角形の土地の形状を生かし、1階と2階と異なる形状で建築。1階はテナントスペースとして、2.3階は住居として建てることで、経済面でも機能面でも優れた家を建てることができています。

まとめ

「変形地に家を建てると価格が安いが、住みづらい」と思う方が多いかと思いますが、実際には変形地であるために、余計に費用がかかることもあれば、土地の形に併せておしゃれで機能的な家を建てることもできます。

本記事の注意点や各変形地毎の特徴を踏まえた上で、新築を検討していただけると幸いです。一般的には、一生に一度の大きな買い物になるので、慎重に検討して後悔しない夢のマイホームを建てていただけることを願っております。


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