罹災証明をもらうには?手続きのやり方と調査方法

地震や台風などの自然災害によって家が被害を受けた時に、罹災証明を提出することで、給付や融資、税の減免などさまざまな支援を受けることができます。

この記事では、支援を受けるために必要な罹災証明について分かりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてください。

罹災証明の手続き方法

罹災証明とは、人的被害ではなく、家屋に関する被害を証明するものです。災害が発生した際に、市町村が発行します。証明書は、公的支援の基準になるもので、被災者から申請があって、初めて交付されます。交付には、調査必要で、市町村の職員が被災現場にやってきて調査を行います。

支給までの大まかな流れ

大まかな流れは次のようです。

  1. 写真撮影を行う
  2. 片づける前に必ず写真を撮ります。被害の大きさの判断は自分がするものではなく、市町村の職員が行うからです。

  3. 市町村へ申請する
  4. 申請の期限は決められています。期間内に必ず申請をしましょう。 (被災から1~6か月の間)

  5. 市町村の職員による被害認定
  6. 被害の状況は自己申告ではなく、調査員の判断で決まります。被害の大きい順から、全壊、大規模半壊、半壊に区別します。

  7. 認定書発行
  8. 市町村から罹災証明書が発行されます。発行までは市町村により異なりますが、おおよそ1週間程度かかります。

どんな支援が受けられるのか?

罹災証明書を提出して受けられる支援は、下記にあげるものです。実際にどの制度が使えるかは、市町村により異なります。1つの制度だけ使えるのではなく、複数使える場合もありますので、確認が必要です。

  1. 給付
  2. 被災者生活再建支援金、義援金など

  3. 融資
  4. (独)住宅金勇支援機構融資、災害援護資金など

  5. 減免・猶予
  6. 税、保険、公共料金等

  7. 現物支給

住宅の修理に使える制度は?

災害に遭ったときに、第一に考えるのは、住まいの確保です。住宅の修復に使える制度は、災害救助法に基づく応急修理制度、被災者生活再建支援法の支援金です。いずれも適用される場合と、片方だけ使える場合、いずれも適用されない場合の4パターンがあります。

住宅の応急修理制度

自治体から修理費用が支払われる制度です。利用には、修理にかかる見積書を必ず提出しなくてはなりません。工事は、自治体が予め指定した業者にしか頼むことができないので、注意が必要です。今年(2018年)7月に起こった集中豪雨の際は、1件につき、58万4,000円が自治体から工事業者に支払われました。

この制度は、今まで一定の所得以上の人は、制度を利用できませんでしたが、熊本地震以降は、半壊以上の家屋であれば利用できるようになりました。制度適用には、災害が起きてから、1カ月以内に工事を完了させることが必要です。

この制度が仮設住宅(みなし、建設型ともに)に入居していない人のためのものだからです。工事完了期限は例外として延長する自治体もありますので、確認しましょう。

被災者生活再建支援制度による支援

この支援は、住宅の被災程度に応じ、基礎支援金・加算支援金が支給されるものです。申請は、災害発生時から13カ月以内にする必要があります。基礎支援金の金額は、住宅の被害程度により異なります。全壊なら100万円・大規模半壊なら50万円支給となります。

加算支援金は住宅の再建方法により支給額が決まります。建設・購入は200万円、補修は100万円、賃貸借は50万円が支給されます。 支給されるには、被災者からの申請が必要です。加算支援金は、住宅の再建方法が分かるものや契約書などの書類の提出が求められます。

借り入れで優遇されるもの

低金利で利用できるものは、住宅金融支援機構の災害復興住宅融資です。平成30年7月現在の金利は固定で0.55%。年収400未満なら30%、400万以上なら35%を上限とした返済負担率まで融資可能です。申請は、工事前に行う必要があるので、注意してください。

建設ならば、半壊以上が利用可能。修理ならば床下浸水でも利用できます。融資の申請期限は被災から2年以内となっています。

減免される税金や控除は?

税金関連で特筆すべきは所得税の雑損控除と被災ローン減免です。減免額が大きく、家計の助けになるからです。

所得税の雑損控除

住宅、家財、車両などの資産の損害金額と災害関連の支出に対して控除が受けられます。この控除は、大規模な災害だけでなく、1件だけの被災でも使えます。確定申告を行います。

被災ローン減免

既に払っているローンの支払いが、災害により困難になった場合や、住宅再建で二重ローンになってしまい、負担が大きくなった場合の制度です。内容は一般的な債務整理と同種で弁護士などの支援が必要です。

「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」にのっとって債務整理を行えば、ブラックリストにならないので、再度ローンは組め、500万円までの財産が残せます。

実際の調査方法

被災してから1カ月~6カ月の間に行政に申請を行います。地震・水害・風害は市町村に、火災は消防署に申請を行います。

調査内容

調査する内容は、大きく分けて次の3つです。

  • 罹災原因
  • 罹災した住所地
  • 被害の程度

被害の程度は3段階に分けられ、全壊(50%以上)、大規模半壊(40%以上50%未満)、半壊(20%以上40%未満)に区別します。全壊とは、家が倒壊したことではなく、経済的損壊の割合のことを指します。

調査時期と方法

基本的に被害にあって、申請があると、すぐに現地調査を行います。堤防決壊エリアでは即時発行する場合もあります。

家の外部が変形している場合は、外観のみで判断します。それ以外は、屋根、柱、有価、外壁、内壁、天井、建具、基礎、家電家具以外の設備の各部位ごとに評価します。評価の合計が建物全体の損壊割合になります。不服があった場合は、再調査の依頼をすることができます。

まとめ

支援制度は自治体により様々なので、必ず確認して漏れのないように手続きを進めてください。支援を受ける際には罹災証明がほどんどのケースで必要になります。

片付けなどがある程度落ち着いたら、次に罹災証明を取ることを優先してください。支援制度を利用して、今後の生活に役立ててください。

目次一覧

家を建てる前に知っておきたいこと

家を建てる際にかかる費用

ハウスメーカーの選び方

注文住宅の基礎知識

住みやすい家の作り方

建て替え・リフォーム

土地から探す

間取りと費用相場

税金や住宅ローン

コラム、Q&A

住まいに関するコラム

電力・太陽光発電について

防犯・セキュリティ対策