マンションの機械式駐車場の耐久年数と維持費

マンションの機械式駐車場は撤去すべき?耐久年数と維持費

機械式駐車場は、1980年ころから普及し始めました。少ないスペースを有効活用できる画期的なスタイルの駐車場ですが、法定耐用年数は15年です。メンテナンスで寿命を延ばせたとしても20年ほどで不具合がでてきます。

このスタイルの駐車場が導入された80年代は、まだ車の販売も右肩あがりで駐車場の需要が見込める時代でした。しかし、現在は、車を所有しない生活スタイルも一般的になり、カーシェアリングなどを利用するマンション住人も多くなってきました。

このような時代の変化から、空きが目立つようになった駐車場は少なくありません。今、80年代に設置された駐車場は、寿命を迎えています。ここでは、駐車場の修繕や入れ替えについてポイントを整理します。

駐車場には維持費がかかる

駐車場に空きが増えると、駐車場収入が確保できなくなります。

一般的な機械式駐車場(パレット昇降型)の場合、5年から10年ごとに鉄部塗装をおこないます。摩耗の激しい、パレット車路部分は、塗装に耐摩耗性のある材料を使用します。駐車場は、タイヤによる摩耗が生じるのでここは重要です。

他の鉄部は、耐候性の高い塗装をおこない、腐食や錆を予防します。駐車場の修繕では、塗装工事の際に仮駐車場の確保が必要です。

駐車場の確保、移動は、管理組合が主導することが多いので修繕前、修繕中の一つの大きな仕事になります。

機械式駐車場は撤去すべき?

マンションにある駐車場は、三種類あります。

  1. 平面式駐車場
  2. 機械式駐車装置
  3. 自走式駐車場

機械式駐車装置は、エレベーターと同様に普段はメンテナンス会社が管理しています。修繕時には、耐摩耗性や耐候性に留意して修繕設計を行いますが、駐車場に空きが目立つ場合などは、このまま使い続けるのか、取り替えてしまった方がよいのかの選択に迫られます。

駐車場の空きが目立つ場合、駐車場収入に影響がでるため、管理組合の会計に影響してきます。その上、機械式駐車場は、部品の取り替え等でランニングコストが常にかかります。

つまり、機械式駐車場は、その維持・修繕管理費が負担となってくる存在なのです。そこで、修繕計画のなかで、今のまま使い続けるのか、使われていないパレットを撤去し平おきの駐車場に変更するのかを検討します。

参考までに平成16年6月の国土交通省「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」から駐車場の目安金額一覧をご紹介します。

取り替え 1台100~150万円 取り替え、既存のピットを再利用
廃止変更 1台180~230万円 既存ピット、機械式駐車装置撤去
新設 1台150~200万円 掘削、新設

前述したように、分譲マンションに機械式駐車場が普及し始めたのは、1980年です。耐用年数を迎えている駐車場は、今、選択の時期を迎えています。機械式駐車場が、耐用年数を迎えてしまった場合トラブルや故障が増えてきます。

そこで、使い続けるのか、すべて取り替えてしまうのかの選択に迫られるマンションは、多い事でしょう。総取り替えの場合、例えば横行昇降式では一パレット100万円ほどです。

台数によっては、億を超える費用がかかることもあります。耐用年数がある機械式駐車場は、管理費の見直しと一緒に駐車場収入、管理費会計への組み込み割合などもふくめて今から対策を考えておかなくてはなりません。


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